えっ。。。
「緋夏、緋夏でしょ。。ねぇ、返事して、緋夏、あなた俊さんと。。離婚したって聞いたけど、緋夏、緋夏どこにいるの、ねぇ。。」
緋夏。。。緋夏。。。無言で電話は切れてしまう。
緋夏、どうしてるのかしら。東京の環のスマホに非通知の電話がかかってきて怪しいと思いながらも電話に出たら。。。
無言で暫くして電話は切れてしまいました。あれは、きっと緋夏。。。プルメリア島で環の母親の峰を一卵性双生児の姉の鷹と勘違いして刺そうとしてかばった環を刺して殺人未遂事件を起こした緋夏。
結局は環が大事にしたくないのと、自殺した緋夏の息子の轢き逃げ犯の鷹に復讐する為だったので、事情聴取と会議で執行猶予になったのだけれど。。あれから緋夏は釈放後すぐに離婚してどこかへ行ってしまったとプルメリア警察署で聞いて。。。緋夏は。。。まさか自殺。。と一瞬考えていたけれど。。
緋夏の審議裁判に立ち合ったあと
あの時は、緋夏は気まずいからすぐに会えないごめんなさい、必ず連絡しますとお伝え下さいって環さんには伝言があったと担当の刑事さんは言っていた。最悪の事は考えてないから信じて、とも。
「お母さん、どうしたの。」純ちゃんは、学校の休みと授業のない日を利用して東京の実家に三日間帰省していました。あえて、緋夏さん。。純ちゃんの実の母親の話を純ちゃんからはしませんでした。
70歳前半の祖母、緋夏の母親の喜美が心配しない様に、心苦しいのですが環さんも純ちゃんも緋夏さんに会った事は一切内緒にしていました。喜美は認知症ではないけれど、歳を取り物忘れしたり、2年前には癌の手術もしたり家事は相変わらずやってくれるけど体力も随分と落ちたようだし。もともと穏やかな性格で環に随分良くしてくれて環も父方の祖母のキツイ志乃から喜美をかばっていたし。緋夏は喜美と環の父親のジローの娘の異母姉妹だけど緋夏は昔から家出を繰り返していてグレて喜美を泣かせた事もあり見たところ、そう喜美とも仲が良いわけではない。緋夏は自分が最初愛人の子どもとして産まれてきて喜美がジローと環の実の母親の峰との家庭を壊したから
喜美や緋夏を祖母の志乃がいじめるんだ志乃も喜美も許せないと思っているようで。環も9歳の時に峰と妹の舞が峰の実家に戻り
父親のジローに舞と同い年の異母妹がいる事を知った。救いは、継母の喜美が実の母親の峰と正反対でつつましく優しい穏やかな女性だった事と舞が居なくなっても
また妹が出来た事で。。。キャリアウーマンの環でしたから、純ちゃんや純ちゃんの兄弟は喜美さんが育てた様なものでした。喜美さんのお見舞いがてらに、純ちゃんも帰省ラッシュ時期を避けて東京の実家に顔を出しています。
「あー、間違い電話だったみたい、」環が言うと純ちゃんが、
「えー、あっ、昨日だけどウチの電話に無言電話があったのよ。。無言。。。というか、怖い話しみたいな、」純ちゃんはぶるっと身震いをしました。「えっ」「出たら。。。なんにも言わなくって。。。もしもし、もしもし、って言ってもイタズラなんですかって言ったら、女の人のすすり泣く声がしてきて。。。う、うわーと思って怖くて切ったのよ。」純ちゃんは、無言電話が怪奇現象のマネをした趣味の悪いイタズラ電話だと思い込んでいるみたいだけど。
環さんは、あれは緋夏だ。。。家電に出たのが私ではなく若い娘の声だったから自分の産んだ純が出たんだと気づいたんだ
しかし環は純ちゃんにその事は伏せて「最近物騒だからね。家に電話して出ないと留守で空き巣に入る人もいるみたいだから。」と適当にごまかしました。緋夏は。。生きているんだ。
そして。。。プルメリア警察署では、部屋に呼ばれる前に三太夫さんはDNAサンプルを警察署に提出し、白骨死体の身元と考えられる弟の吾朗太の話しをしはじめました。
若い頃は、伊集院家の養子に出された三太夫さんが、里親に内緒で弟の吾朗太に接触しようとしていましたが、吾朗太の方から三太夫さんを避けるようにしていたらしく。
父親の剣崎組の組長の剣崎蓮気は吾朗太が小学校低学年ぐらいで抗争で撃たれて亡くなり吾朗太は既に小学校低学年の頃からヤクザの子どもとしてグレて少年院に出入りを繰り返していました。父親の剣崎蓮気が生きているうちは、末っ子で愛する女性の子どもの吾朗太を甘やかしていましたし。蓮気の後ろ盾があるうちは三太夫も吾朗太の事を安心していました。蓮気からは、「誰にでも自分に合った水がある。淡水魚は深海に住めないし深海魚は浅瀬には住めない。川魚はシャケ以外は海に住めない。お前は裏も表も平気で図太く生きる器用なシャケというタイプでもないだろう。ワシはわしで、反対にヤクザしかできん。お前はもう剣崎家の事は一切忘れろ、それがお前の為だ、お前にはヤクザはできん。」と三太夫は言われた。父親蓮気の言う事は絶対だった。普通の家の子どもなら、父親からウチを家族を忘れろと言われたらいまどきの子どもは小さなうちから離婚して片親という子どもはいるし、離れた方の親と二度と会わない子どももいるだろうし。。それでも。。。実の親からウチを忘れろと言われたらショックでトラウマになるかグレるだろうかするんだろうけど、
ただ、状況が状況だし。ヤクザの家柄が家柄だし。父親の蓮気は大好きだけど、母親のなつめは嫌いじゃないけど愛人だし。なつめは吾朗太を産むともう既に亡くなってしまっているし。三太夫さんは、ヤクザになりたくないしヤクザの環境から早く抜け出したいのもあり、父親に言われたとおりに剣崎の家と縁を切りました。「信じられないでしょう。父親の言う事が絶対だなんて。考えられませんよね。。。いまどきの若い人達には。。。というかカタギの家に産まれた人達は。。」三太夫さんが言うんだけれど、
「ええ。ちょっと申し訳ないんだけど、そんなんすぐ離婚になるわよね。モラハラ、パワハラだし。」葉月が言うと、冷泉氏が、「ほらなんでも若いもんはすぐ、ハラ、ハラなんとかハラって言うし。今はもう、世間話のついでに深く意味なしに女の子に彼氏いるのって言っただけでもセクハラだし若いもんにちょっとキツく怒るとパワハラって騒ぐし」「女性に対してオバさんもダメだし、結婚しないのもセクハラだしね。アタシなんか自分から結婚しない絶対ヤダって言うのに。」幼いベルモが平気でそう言うので、三太夫さんはボーゼンとしました。「でもさ、いい歳したオッさんにはオッさんって言われたり言ってもなんも問題なさそーだけど、オバさんって言ったらセクハラって。。女性には甘いですよね」若手の刑事が言うので、本陣氏が、「そりゃかかあ殿下は良しとして、亭主関白だとギャアギャア女性がうるさいじゃんね。」と、言うと笑〜が、「だけどさ、女性は結婚するとなるとまだまだ男性に合わせなきゃいけない不都合やデメリット抱えてるからどっちもどっちよね。嫁ぐし遠方に結婚で行かなきゃいけないとか、女性が合わせなきゃいけない場合が多いでしょ。だから、女性は大きな人生転換にエネルギーを費やして合わせてるんだから大切にされて良しじゃないそんなのさ。」「そうよ。男性は女性に大きなエネルギーを注いで貰って嫁に来ていただくんだから、ありがたく嫁の言う事を聞くべきだわ。」葉月も言う「だけど、嫁いだら嫁いだで、旦那さんの親の介護はしないでしょ。」本陣氏がいうので、「何言ってるの、そんなの当たり前でしょうこんな時代にお嫁さんの介護をアテにする義理両親って毒親じゃん。旦那も旦那だし。。。お嫁さんも働いている人多いし、きちんと保険に入るかお金で済ますか、お嫁さんに介護の義務はないわ。むしろ義務のある自分の息子がやる事でしょう。」ハタチの今時の子の葉月がびっくりする。
三太夫さんは、「うちは、父親が組長で亭主関白が当たり前で父親に逆らわないのが当たり前で、愛人がいるのも当たり前でしたね。祖父母同居も当たり前で、嫁は旦那の親の介護も当たり前。。。金があるのに嫁や子分や子分の女に介護させて見栄で施設に入れないし。
里親の家で育ってそれは実家がかなり特殊な環境だと知りました」三太夫さんは、弟の吾朗太の事を話すはずがかなり脱線に脱線を極めて。。途中、笑〜のスマホのマナーモードのバイブ音が長いので、笑〜は失礼します、と仕事かもしれないのでスマホを確認すると。。
「えっ。。。」と言うので、「どうしました」冷泉氏が聞くと、笑〜は、「TV局のメトロポリタンチャンネルから情報があって、十数年前ぐらいに、キンキンの髑髏の入れ墨が入った若いハリネズミの男性が札幌刑務所に入っていたみたい。。。当時刑務官だった人がTVを見て電話してきたみたい。」「札幌刑務所、って結構悪いのが進んでるのが入るんじゃないですか。」若い刑事が言うので、三太夫さんは、
「刑務所に入った、というのはそうかもしれませんね。弟は小学生の頃から手がつけようのない問題児だったらしくて。父親が生きていた頃はヤクザの子どもでそれで良かったんですが。。少年院にも出たり入ったりしていたらしくって。。。中学の頃には剣崎家に住んでなかったようですね。私は吾朗太より8歳歳上で、里親の伊集院家は裕福で可愛がられましたし。子どもができなくて養子の私一人でしたので、私は親からいただいたお小遣いや学生時代家庭教師のアルバイトでの給料で親に内緒で吾朗太の事を探偵に何度か調査依頼してました。死んだ実の父親は、実家は忘れろと言われ葬式にも兼ねてからの父親の意思で出なかったんです。それを、後から会いに行った吾朗太に父親の葬式にも出なかったくせにと、罵倒されて。」「だけど、弟さんは小さいかもしれないけど、剣崎組長の言う事は絶対で、剣崎組長の言う事にお兄ちゃんが従って養子に行き、剣崎家と縁を切ったって事は知ってるんでしょ」冷泉氏が言うと三太夫さんは、
「はい。幼い頃から吾朗太には、父親からヤクザの帝王学ではないですが、父親は恐らく可愛がっていた吾朗太に剣崎組を継がせようとしていたと思います。全て、三太夫の事情は吾朗太に話すから、と言っていました。」いつ死ぬかわからない死線をさまよう日々がゆえ、剣崎蓮気は前々から遺言は公的詔書として保管してありました。
ベルモが、「あのさ、幾ら知っていて父親の言う通りにしました、って言っても頭ではわかっていても感情が追いつかないのよ。大好きだった父親が亡くなったショックや、その父親の遺言通りに三太夫さんが父親の葬儀に出ずに父親の遺志を尊重したとて、ひとりぼっちにされて、冷たい継母や異母兄達に囲まれて、実の兄はヤクザと関係ない裕福な家庭で暮らしてる。。そりゃ、大好きなお父様の遺志をって吾朗太さんも頭ではわかってたんでしょうよ。。。やってきた三太夫さんに当たるしかないでしょう。」ベルモは職業柄頭ではわかっていても感情が追いつかない傷ついた人をたくさん見ているし、人間なんてそんなものだと思っている。第三者なんて無責任なもので、あーすればいいのにだのこーすれば良かっただのそうやって簡単に人を批判する事がないように
ベルモは幼い頃から人生の墓場に苦しむ人の人生相談の場での傾聴修行をさせられていました。「若くて比較的犯罪が進んでいるなら。。。札幌に収監されていても無理はありません。わたしは。。。多分逮捕される前、最後東京で吾朗太に会った時にキンキンに身体を染めてドクロの入れ墨をしているのを見ました。私も幼い頃はヤクザの家で育ったし入れ墨は見慣れていますが、それでも吾朗太の変わりようには驚いてひるんでしまい、。。それからはもう吾朗太の跡を追う事をやめました。あの子も大人だし、実家の親父が言うように海の魚は海でしか生きられないし川の魚は川でしか生きられなくて当たり前なんだと思います。川の魚が海の魚に海は危ないから川に来いなんて命を落とす事です。」
三太夫さんは弟の吾朗太さんを。。。遠くから見守り時々里親に内緒で会いに行ったそうですが、吾朗太さんが全身をキンキンに染めてドクロの入れ墨を入れた時にはもう、接触するのをやめたそうです。父親の蓮気が亡くなって暫くして組員が跡を継ぎましたが、最終的に剣崎組も無くなり、
何度か。。。吾朗太を更生させようと試みてはいましたが。。。ある時はっとした。。。
亡くなった実の父親の蓮気が、わざわざ三太夫を養子に出して実家と縁を切らせたのも、三太夫はヤクザとして生きられないから。。。逆に蓮気は堅気として生きられない。
三太夫は、父親も母親も居なくなってしまった弟の吾朗太だって、堅気としては生きられないんだ。全て自分だけが正しいとかいい事をしていると思い込んでた。。
吾朗太からは突っぱねられて、冷たい言葉を浴びせられて。。最後はキンキンの身体にドクロの入れ墨を入れて
「もう俺とは関わるな死んだ親父に言われてるだろうに、テメーは、しつこい二度と来るな」が、会いに行った吾朗太に言われた最後。。
少年院を出たり入ったりを繰り返して吾朗太は、顔は可愛かったので、女性はすぐに引っ掛かるというか、あちらからひっかけられて。
探偵の調書で吾朗太がヒモの様な生活をし
女性に借金を背負わせたりして。三太夫さんがもうやめろ、借金は肩代わりするから、と言ったら吾朗太からぶん殴られて。「顔だと仕事で何かあったとうるせーし。急所ははずしてやった、優しくしてやるうちにもう来るな。これも仕事って言うんだ。お前は馬鹿か。」吾朗太は好きでもない自分に惚れてきた女から付き合ってやってるんだから何が悪い時間と労力を提供させたり人を動かすには金がいるんだテメーは甘えよ」と言われたり。身体を殴られたのは、それだけだったんですが。。。ショックでしたと、三太夫さんは言いました。
芸能の仕事もしている笑〜は、
あー。。。緋夏さんも。。。ヒモ体質の吾朗太さんに。。貢がされ働かされてたんだわ。タレントやアーティストの熱狂的な女性ファンなんかでも、キャーキャー、自分のタイプの男性に熱をあげて散々貢ぐからね。命懸けで。。。ホストにボケた女性もだけど。女性だと。。顔のいい男にキャーキャーキャーキャーで、世の中には顔さえ良ければってイケメン好きで、女性に対して
顔を商売としたイケメンにボケる女性というのもけっこう見てるま。。。そういう私も。。メンクイだったりする顔さえ良ければってわけじゃないけどまずは、顔のいい男性が好きでそこからはじまるし。。。
それは、それで。。別として。笑〜は、「あの、三太夫さん、緋夏さんという女性に心あたりはありますか、ハリネズミで、吾朗太さんのひとつ歳上です。」しかし、三太夫さんは首を振り「さぁ。。。あいつ、吾朗太は女性はそれは何人もいましたから。貢がせていた女性も、何人か。。女性関係が派手で。。何番目の女とかよくわかりません。ホストもやっていた時期もあるようですし、ジゴロみたいな生活もしていたようで。。。結婚していたか、もわかりません。とにかく、吾朗太がキンキンにしてドクロの入れ墨を入れてからもう会うのをやめました。」と、吾朗太さんがいうと本陣警部補が、
「それじゃ。。。女に刺されたんじゃないですかね。何人も女を作ったのがバレたとか。結婚詐欺みたいなことをやって、結婚する気はない、金だけ騙しとって吾朗太さんには他に女がいたり既婚者だったりで。。。吾朗太さんの女性関係の誰かが痴情のもつれで吾朗太さんを刺すか、それか。。または女性の旦那さんや本命男性が。。。自分の女に手を出したと殺害したんかも。白骨死体が海に捨てられていたんなら。。。女性一人ではなかなかね。。死体の始末までは。。。」というので、冷泉氏が、笑〜に、「その、ひなさん、というのはなんらか、吾朗太さんに関係がある女性というんですか?」
「あの人ですよ、アマゾネスサンクチュアリィで事件を起こした女性です。」笑〜は言いました。
2020年11月10日
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