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2022年02月08日
桂枝湯のお話
みなさん、こんにちは。
今回は前回の葛根湯に続き、風邪に対する漢方として使用される『桂枝湯』を紹介します。
葛根湯と比べると知名度は少し低いかとは思いますが、薬局で手軽に購入できますし、葛根湯とは使い分ける必要があるので、お薬選びの参考になれば幸いです。
1⃣西洋医学での桂枝湯
L1⃣-@桂枝湯の成分
L1⃣-A作用
L1⃣-B副作用
L1⃣-C使用上の注意
2⃣東洋医学での桂枝湯
L2⃣-@生薬成分の効果
L2⃣-A対応する病証
1⃣西洋医学での桂枝湯
1⃣-@桂枝湯の成分
生薬成分・・・桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
添加物(例:ツムラの桂枝湯)・・・ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物
生薬成分は桂皮が主成分となっています。
桂枝湯と言う名前なのに、主成分が桂皮ということに違和感を覚える方もみえるかもしれません。
確かにこれは、厳密に古典に従うと別物であり、別の漢方配合になってしまうのですが、実質的には効果が大きく変わらないこと・桂枝よりも桂皮が入手しやすく、安価であることなどから、市販の漢方ではこのような配合となっています。
桂皮に関しては、ようはシナモンです。
添加物は薬効はほぼなく、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣-A桂枝湯の効果
風邪の初期(軽い悪寒・微熱・汗をかいている状態)
桂枝湯は葛根湯とは違い処方されたことがある方は少ないのではないでしょうか。
風邪をひいて病院に行く場合、たいてい葛根湯が適応なことが多いため・漢方に関してはそこまで厳密な使い分けが一般的ではないこと、が理由だと思われます。
市販薬を使って葛根湯と使い分ける場合は
・汗の多少
・首の後ろのこわばり
を考えて使い分けましょう。
汗がよく出ていて、首の後ろにこわばりがないものは桂枝湯が適応になります。
1⃣-B桂枝湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚症状・・・湿疹、口内炎
上気道症状・・・鼻炎、咳
・重度の副作用
偽アルドステロン症・・・高血圧、むくみ、低カリウム血症
1⃣-C使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
2⃣東洋医学での桂枝湯
2⃣-1⃣生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・桂枝(桂皮)
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-2⃣対応する病証
生薬の効果から、桂枝湯が効果的な風邪は
・微熱がある
・汗がよく出る
・軽い悪寒がする
というものになります。
桂枝湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
今回は前回の葛根湯に続き、風邪に対する漢方として使用される『桂枝湯』を紹介します。
葛根湯と比べると知名度は少し低いかとは思いますが、薬局で手軽に購入できますし、葛根湯とは使い分ける必要があるので、お薬選びの参考になれば幸いです。
1⃣西洋医学での桂枝湯
L1⃣-@桂枝湯の成分
L1⃣-A作用
L1⃣-B副作用
L1⃣-C使用上の注意
2⃣東洋医学での桂枝湯
L2⃣-@生薬成分の効果
L2⃣-A対応する病証
1⃣西洋医学での桂枝湯
1⃣-@桂枝湯の成分
生薬成分・・・桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
添加物(例:ツムラの桂枝湯)・・・ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物
生薬成分は桂皮が主成分となっています。
桂枝湯と言う名前なのに、主成分が桂皮ということに違和感を覚える方もみえるかもしれません。
確かにこれは、厳密に古典に従うと別物であり、別の漢方配合になってしまうのですが、実質的には効果が大きく変わらないこと・桂枝よりも桂皮が入手しやすく、安価であることなどから、市販の漢方ではこのような配合となっています。
桂皮に関しては、ようはシナモンです。
添加物は薬効はほぼなく、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣-A桂枝湯の効果
風邪の初期(軽い悪寒・微熱・汗をかいている状態)
桂枝湯は葛根湯とは違い処方されたことがある方は少ないのではないでしょうか。
風邪をひいて病院に行く場合、たいてい葛根湯が適応なことが多いため・漢方に関してはそこまで厳密な使い分けが一般的ではないこと、が理由だと思われます。
市販薬を使って葛根湯と使い分ける場合は
・汗の多少
・首の後ろのこわばり
を考えて使い分けましょう。
汗がよく出ていて、首の後ろにこわばりがないものは桂枝湯が適応になります。
1⃣-B桂枝湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚症状・・・湿疹、口内炎
上気道症状・・・鼻炎、咳
・重度の副作用
偽アルドステロン症・・・高血圧、むくみ、低カリウム血症
1⃣-C使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
2⃣東洋医学での桂枝湯
2⃣-1⃣生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・桂枝(桂皮)
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-2⃣対応する病証
生薬の効果から、桂枝湯が効果的な風邪は
・微熱がある
・汗がよく出る
・軽い悪寒がする
というものになります。
桂枝湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。