2008年01月19日
恐怖の習慣
旅も中盤に入り私はリバプールを後にし湖水地方のウインダミアへと向かいました。この旅行、実はB&Bの予約もホテルの予約もせずに、行った先でレセプションに行って「シングルルームありますか?」って尋ねて回ってたんです。しかも今では考えられないんですが、「安くしてくれませんか?」なんてずうずうしく言ったりしてました。
ですからウィンダミアも同じく、到着したら一応ガイドブックには載っていたB&Bに向かいました。ちょうど庭にいたおじさんに「シングルルームありますか?」って尋ねたんです。そのおじさんは「あるよ」っと優しく微笑んでくれました。
そして私はその家の2階に通されました。その部屋はダイニングテーブルとソファがあり、私はソファに座って待つように言われたんです。
おじさんが去った後、そこの奥さんが入ってきました。そして2枚のボードを私に見せたんです。そのボードにはいろいろと質問が書いてありました。その奥さんは2,3の質問をボードを指しながら言いました。「結婚してますか?」私は「いいえ」「子供はいますか?」「いいえ」。私は思いました。なぜ単に泊まるのにこんな質問するんだろうって。
その後奥さんが去り、そこの息子らしき人が入ってきたんです。そしてニコニコしながらソファに座り私に「手を握っていいですか?」って言ったんです。私は全く何も考えず「はい」って言いました。そしてその息子は私の手を握ったまま話始めました。日本の本を見せてくれたり、日本の事を話したりそして「僕は日本に興味があって ベラベラベラ・・・・・」
その時私は手を握るのはイギリスでの習慣なのだと思っていました。
その後その息子は私のスーツケースを持ち部屋を案内してくれました。入ってみるとどう見てもゲストルームじゃないんです。ダンベルはあるし、ジム用の器具が転がって、匂いも息子の部屋ですって感じでした。“これはこの人の部屋なんじゃないか”(部屋なんです!)って思っているといきなりその息子が私を抱きしめたんです。もう恐怖でした。でもきっとこれがイギリスの習慣なんだってなぜかそれでも習慣以外の物だと思えなかったんです。
その息子が「今からドライブしよう」って言うんです。そして私は彼の車に乗りました。突然止まったところはピーター・ラビットのミュージアムでした。確かにここには行きたかったので良かったのですが、彼が「キスしてもいいですか?」って尋ねてきたので、“車から出るときはキスの習慣があるのか?!”っと自分に言い聞かせ「頬ならいいです。」って答えたんです。その時はもう心臓がドキドキしてました。
そして彼は私の頬にキスをして去っていきました。 つづく・・・・