2018年02月15日
めでタイ話 養殖を成功させた工夫
身が大ぶりで、肉がたっぷり、目に鮮やかな緋色。
少し骨が多いのだけが玉にキズですが、食べても美味で、魚の横綱格なのもよく分かります。
しかし王様級だけあって値もそこそこ張ります。
深海に住むタイは捕獲にも労力がいります。
ここで鯛を養殖すれば儲けが多いだろうと考えた人が居ました。
確かにアイデアとして悪くないと思います。
不況になろうが鯛を賞味する人は消えないでしょうし、日本の食文化には必須です。
しかし実際に養殖を試してみると、意外な事実が判明しました。
なんと身が真っ黒になっていたのです。
われわれが見慣れている、赤く輝く鯛の姿とは似ても似つきません。
こんな黒い鯛だと、見た目も良くない。宴会で並べても、お相撲さんが優勝パーティーで掲げてもいまいち栄えませんよね。
市場に出しても値が安くなってしまい、儲けも少ない。
その養殖を始めた静岡の漁業組合の方は悩んだそうです。
なぜここまで天然物との違いが出るのか?
もしこの方と同じ立場になったらどうするか考えてみてください。
ヒント:
・生物学というか、魚の知識があって観察力があれば分かります。
・素人でも注意すれば気付けます。
A:
養殖する場所の水面を黒いシートで覆って光をさえぎった。
もともタイは水深百メートル近い所に生息しています。
逆を言えばそれだけ深いわけで、太陽の光が十分に届かないわけですね。
天然鯛と同じ条件にしているつもりが、深さがそこまでない。
つまり太陽の影響で受けてしまったのだろうと。p>
それに気付いてからシートで太陽光を遮ると予想した通り。
深海のものと同じように、見た目も赤く鮮やかな鯛が取れて儲かったそうです。
ここで考えてみましょう。
問題の解決には、難しい水質調査とか、特殊な学術知識が要求されたわけではありません。
鯛がどの辺りに生息しているか。
この程度のことなら釣りに興味のある人ならほとんど知ってます。
でもそこから、環境の違いにも思いを馳せて、出現した奇怪な現象の真相を突き止められるか。
また明らかになった事実からどのような手段を講じるか。
知ってる知識を上手く活用して問題の解決につなげること。
この辺りの頭の働きは、アイデアを生み出すのと同じ部類の発想力だと思います。
ちなみに鯛と並ぶ海の幸がカニ。
美味しくて堪えられませんよね。
私も私の家族も冬場は絶対食べます。
そのカニの中でも人気なのが「タラバガニ」。
このタラバガニの名前は、なぜに「タラバ」なんでしょう?
調べて分かったのは、タラバのタラは魚の鱈だそうです。鱈の生息する所によくいるからだと。
そのままやないか!と思いました。
あとタラバガニは「カニ」の名前が付いてますが、分類上はカニではなく、ヤドカリの仲間になるそうです。
余談でした・・(^_^;)
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