マガジンロケット.Bell

『薬屋のひとりごと(1)』

薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)

<レーベル>:ヒーロー文庫
[著者]:日向夏
(イラスト):しのとうこ



《プロローグ》


大陸の中央に位置する、とある大国。

その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。

名前は、猫猫（マオマオ）。

人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、

そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。

稀代の毒好き娘が、今日も宮中を駆け回る―――。

◇

花街で薬師をやっていた猫猫だが、現在

とある事情にて後宮で下働き中である。

そばかすだらけで、けして美人とはいえぬその娘は、

分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。


そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを

知った猫猫は、持ち前の好奇心と知識欲に

突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める。

しかし、呟いたある「ひとりごと」が原因で、

美形の宦官・壬氏（ジンシ）に目を付けられた

猫猫は、帝の寵妃の毒見役として働くことに…


きれいな薔薇にはとげがある――。


女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。

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