2018年12月22日
線路沿いの看板
駅を降りて線路沿いを歩いて5分。
酒田は自分の住むアパートに帰宅途中だった。
彼は鉄道が好きで、物件も電車が見える場所に決めていた。
だが今は、仕事と生活のストレスで後悔している。
騒音とかではなく、アパート出て目の前の看板が原因である。
彼は工場勤務をしており、工場の最寄り駅まで一本で通えるのだ。
だがいつも行くときに大きな看板が目に入る。
彼はそれがたまらなく嫌いなのだ。
内容は「あなたの夢はなんですか?夢をつかもう!!エステジャン」
よくある広告だがそこが問題ではなく、ここの看板は広告が変わっても、決まって
夢を使うらしい。
1週間後の月曜日。ふと見ると看板の内容が変わっている
夢みごごち!ファッションセンターYOIの夢マクラ!!
こんなところに堂々と看板を置くのは少々気になるが、
それ以上に逆多はやたら夢を書く看板に辛抱たまらん状態だった。
夢が嫌いなのだ。彼は昔バンドを組んでいた。
担当はドラム。
メンバーと性格が合わなくて解雇。そこからは転落の人生。
M〇テや歌合戦に出たかったが30歳になり、この体たらくに嫌気を指していた。
怒りのはけ口が無く、簡単に夢を語る「モノ」に当たるしかなかった。
_____________________________________________________________________
ある日、いつものように出勤するためにアパートを出た。
いつもの看板、そこには広告とは違うような内容が書いていた。
「逃げるのは楽しいか?私は退屈だ。」
・・・・・?
一瞬自分に向かって言われた気が酒田には感じた。
それからなんと毎日、看板の内容が変わり始めたのだった。
火曜日「いつ君は目覚めるのか?私は楽しみだ。」
水曜日「生きている?本当か?」
木曜日「私は君を信じている!」
金曜日「なんて姿だ。君は鏡を買うべきだね。」
励ましと皮肉が混ざっていたが、まさかこれほどの大きな看板を
毎日変えているのか?
そもそも誰に向けている広告なんだろう?
酒田は不思議で仕方なかった。だがよく考えたら電車から
広告はよく見える。
意味はあると思うが、そんなに注目するものではないのに
何故毎日変えているのだろうか?
そして不思議と心が動かされているように感じた。
土曜日「夢は何回でも見れるものだ。もう一度寝よう。」
夢みごごち!ファッションセンターYOIの夢マクラ!!
いつもの腹立つ広告に戻っていた。
しかし、彼は気持ちが楽になったのか、確かにと思うようになった。
若干腹が立つ思いもあるが、この1週間自分を考えるようになった。
彼は前向きになるように心掛けた。
バンドはもう一度やろうとは思わないが、準備を進めている。
いつかバンドを組んで活動出来るように。
叶うか分からないけど、とりあえずやろうという気持ちになった。
____________________________________________________________
くだらないきっかけで人は変わろうと思ったりする。
微妙な変化に気づいた人が、案外自分を変えれるかもしれない。
酒田は自分の住むアパートに帰宅途中だった。
彼は鉄道が好きで、物件も電車が見える場所に決めていた。
だが今は、仕事と生活のストレスで後悔している。
騒音とかではなく、アパート出て目の前の看板が原因である。
彼は工場勤務をしており、工場の最寄り駅まで一本で通えるのだ。
だがいつも行くときに大きな看板が目に入る。
彼はそれがたまらなく嫌いなのだ。
内容は「あなたの夢はなんですか?夢をつかもう!!エステジャン」
よくある広告だがそこが問題ではなく、ここの看板は広告が変わっても、決まって
夢を使うらしい。
1週間後の月曜日。ふと見ると看板の内容が変わっている
夢みごごち!ファッションセンターYOIの夢マクラ!!
こんなところに堂々と看板を置くのは少々気になるが、
それ以上に逆多はやたら夢を書く看板に辛抱たまらん状態だった。
夢が嫌いなのだ。彼は昔バンドを組んでいた。
担当はドラム。
メンバーと性格が合わなくて解雇。そこからは転落の人生。
M〇テや歌合戦に出たかったが30歳になり、この体たらくに嫌気を指していた。
怒りのはけ口が無く、簡単に夢を語る「モノ」に当たるしかなかった。
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ある日、いつものように出勤するためにアパートを出た。
いつもの看板、そこには広告とは違うような内容が書いていた。
「逃げるのは楽しいか?私は退屈だ。」
・・・・・?
一瞬自分に向かって言われた気が酒田には感じた。
それからなんと毎日、看板の内容が変わり始めたのだった。
火曜日「いつ君は目覚めるのか?私は楽しみだ。」
水曜日「生きている?本当か?」
木曜日「私は君を信じている!」
金曜日「なんて姿だ。君は鏡を買うべきだね。」
励ましと皮肉が混ざっていたが、まさかこれほどの大きな看板を
毎日変えているのか?
そもそも誰に向けている広告なんだろう?
酒田は不思議で仕方なかった。だがよく考えたら電車から
広告はよく見える。
意味はあると思うが、そんなに注目するものではないのに
何故毎日変えているのだろうか?
そして不思議と心が動かされているように感じた。
土曜日「夢は何回でも見れるものだ。もう一度寝よう。」
夢みごごち!ファッションセンターYOIの夢マクラ!!
いつもの腹立つ広告に戻っていた。
しかし、彼は気持ちが楽になったのか、確かにと思うようになった。
若干腹が立つ思いもあるが、この1週間自分を考えるようになった。
彼は前向きになるように心掛けた。
バンドはもう一度やろうとは思わないが、準備を進めている。
いつかバンドを組んで活動出来るように。
叶うか分からないけど、とりあえずやろうという気持ちになった。
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くだらないきっかけで人は変わろうと思ったりする。
微妙な変化に気づいた人が、案外自分を変えれるかもしれない。
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