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2020年02月06日

ワン・ワールド

ノース・ガンソン・ストリートの虐殺 / 原タイトル:MEAN BUSINESS ON NORTH GANSON STREET (ハヤカワ文庫 NV 1392)[本/雑誌] / S・クレイグ・ザラー/著 真崎義博/訳

価格:1,320円
(2020/2/6 23:07時点)
感想(0件)




原題は「Mean Business On North Ganson Street」
これを邦訳すると、「ノースガソリンストリートの虐殺」になるようだ。
「Mean Business」って虐殺って意味になるのかな f(^ ^;)
程よく段落が区切られていて読みやすく、
バイオレンスに満ちて一気読みでした。

アリゾナ州に住む黒人刑事が仕事で失敗をして、
ミズーリ州、アメリカの雪国の片田舎に飛ばされるとこからストーリーが始まる。
そんで、警察VSマフィアの報復合戦に巻き込まれる f(^ ^;)
バイオレンス小説として手に汗握る作品だったが、それとは別に気になる事あった。
登場人物の紹介に、人種の紹介が多く入っていた気がする。
黒人、白人、アジア系、肌色の明るい黒人、あばた顔のアジア系など。

今まで外国小説を読む時って、登場人物の名前以外に肌の色を書いていない時って
白人だと思いこんで読むことが多かった気がする。
これってある種の差別的な考え方だったのかな。
以前にハリーポッターに出てくるハーマイオニーが白人か黒人かという論争の記事を読んだことあったが、ハーマイオニーって名前であっても、アジア人で、日本人の可能性だってあるわけだよね。
こういう論争が出てくるのって、
それだけ世界の垣根がなくなってきたからではないだろうか。

小説の舞台はアメリカの片田舎だが、
中華料理屋があったり、タイ料理のデリバリーがあったりするし、
中華料理屋で寿司を食うなんて馬鹿だ、というような表現もあった。
アジア系を馬鹿にしているとかではなくて、
白人も黒人もアジア人もその土地にいることが当たり前なんだね、きっと。
僕が住んでいるとこでも、外国の人を見ることはあるが、多いわけではない。
外国の人を見て、めずらしいなと思う事はあるが、
まだ当たり前という感覚にはなっていない。
しかしながらテクノロジーは絶えず発展しているし、
きっとこれからはもっと世界の垣根が低くなるだろうし、
それこそ当たり前のように人種も宗教も関係なく飛び越えて、
世界はおもしろくなっていくのだろう。
国境はいつかなくなり、世界は一つになるだろう。
僕たちは国境などない一つの世界に住んでいるのだ。
わざわざ出身国にしばられる必要はなくなるし、
肌の色や、宗教の違いで争うことに意味などない。
互いに尊重し合い、愛し合える世界はすぐそこまでやってきているのだ・・・

「ノース・ガソリン・ストリートの虐殺」はきっと、
そんな世界平和へのメッセージを込めて書かれた小説なのではないかと感じましたが、
虐殺シーンは多めです。
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