2008年03月27日
悪夢に現実の精神状態が!?
悪夢に現実の精神状態が!?
Dさん(38)は昔から、ストレスがたまると見る怖い夢がある。闇夜に木の葉のような小舟で1人外洋をさまよっていると、遠くから巨大で真っ黒いタンカーが自分に向かって近づいてくる―。子供のころから何十回見たかわからないこの夢、いったい何なのか。
Dさんは海、特に夜の海が怖い。子供のころに父親に夜釣りに連れていかれた 埠頭(ふとう)で、さびだらけのケミカルタンカーを見ているうちに言いようのない恐怖感に襲われたのがきっかけだという。
さすがに今では用事があれば船にも乗るし、子供を連れて海水浴にも出かけるが、それでもテレビを見ていて夜の海が突然映し出されるとビクッとしてしまうという。
「子供のころのショッキングな記憶が、夢に出てくることは珍しいことではありません」と語るのは北九州市小倉北区にある伊藤医院の院長で心療内科医の伊藤実喜医師。
「記憶は脳の海馬というところに蓄えられていて、普段は忘れていても睡眠によって回路がつながると思いだされて夢になる。このとき、当人がハッピーな状態であれば楽しかった記憶が呼び戻されるが、反対に不幸な時にはつらかった記憶に直結してしまう。Dさんが怖い夢を見るのは、精神状態が不安定であることが想像できます」
夢のストーリーを自分で選ぶことはできないが、それでも心がけ次第で悪夢を回避することは可能だと伊藤医師はいう。
「お酒でもパチンコでも何でもいいから、とりあえず嫌なことから意識を離すこと。会社がストレスなら時には休んで、温泉にでも行ったほうがいいこともある」
現実の精神状態が映し出されていると考えれば、たかが夢くらいと侮ってもいられない。まさに「夢のお告げ」なのだ。
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