プロ野球ナビを日々きまぐれに

＜＜目次＞＞

1. 田中投手 ２０１４年オフ、京大からドラフト２位でロッテへ
2. 制球力への悩み・・・
3. 暗闇からの脱出、自身の再生作業へ〜
4. モチベーションを上げたのは二木投手

球界初の京大出身のプロ野球選手として注目を浴びた田中英祐投手（24）。

細く肉体は未完成だったが、最速は147キロをマーク、

勝負どころで決めるスライダー、フォークで三振も奪え高評価。

しかし、開幕1軍は漏れ２軍スタートとなりました。

それでも2軍で2試合続けて14イニング無失点の結果を残し、

4月29日の１軍の試合西武戦で、プロ初先発の大抜擢！ＱＶＣマリンは満員に。

しかしここでプロの洗礼を受けます。

わずか3回KO、制球が定まらず6安打3四球5失点という内容。

翌日から中継ぎにまわりますが巡ってきた5月1日の日ハム戦で、

この日も制球に苦しみ、3回、6安打4四球4失点で、試合後2軍降格を告げられます。





田中投手は制球力をつけるために映像をチェック、フォームをチェック、

参考になるような投球映像を分析しながら１軍再昇格を目指します。

しかし、初めてのプロ野球の世界で肉体は疲れのピークに。

田中投手自信、制球力を追い求めようと焦りから肉体疲労には気がつきませんでした。

「最初はコントロールがつかない。そっちに意識をとられて、そのうち球がいかなくなった。

悪い方向にどんどん向かっていったんです」

「ボールが死んでいたんです」

と田中投手が言うように、

京大時代に最速149キロを記録したストレートは、せいぜい140キロしか出なくなり、

本来の投球フォームもなく、制球力も付かない状態に。

それでも何とかしようと理論を頭に詰め込もうとしたが、今度は頭脳までも疲労しました。

「上ばかりを見て、考えすぎたんです。プロは、学生時代に知らない世界でした。

上にはこんなレベルの野球があるのかということを知った。そこまで自分も行かなければと。

だから、もっともっとと思った。より細かいコントロールがいると思ったんです。

身体も疲れ、動けていないのに理想だけを追ったんです」

と田中投手はこの時を振り返ります。

もう、まともにストライクをとることも出来なくなり１軍はおろか２軍のマウンドにすら立てない状態に。

「もっとこうしたい。それが強すぎたんです。理想を追いすぎ、吸収しすぎた。野球が楽しくなかったですね。

そりゃあ、何回も落ち込みましたよ。この1年、マジでいいこと何もなかったですから」





昨年末、京大野球部忘年会に出席しその時に周りから言われたのが、

「みんなに『大変そうやな』とは言われたけれど、うらやましがれるんです。

『おまえ、今も野球ができるって、すごいことなんやで』と。

みんなはできると思ってくれているし、そういう話を聞くとプロに来たことへの後悔は全然ないんです」

人生で初めて味わうであろう挫折に立ち向かう勇気が沸いた気がする、

これはまさしく、野球で飯が食えるという選ばれし者の幸福感。

田中投手は秋季キャンプから自身の「再生作業」に取り組む。

それは気が遠くなるような作業。

一度フォームをバラバラに分解して、

ボールを持たないシャドーピッチングから、薄い紙を一枚、一枚、積み上げる、

自主トレでは、筋量だけで４�`も増え、これほどと言うまで走りに走りました。

田中投手の「再生作業」による「投球」とは、

「これまでは、こう投げたい、こうしたいという、一球、一球、動作、意識ばかりが強くなってしまっていました」

「自分にあったものを活かしつつ、頭でフォームを意識しなくてもいいようにしたいのです」

「コントロールがアバウトでも、球威、キレ。元々は、そういうピッチャーでしたからね。

なのにプロでは制球と球質を求めすぎたんです」

という投球スタイルを求めはい上がろうと日々努力しています。





田中投手のモチベーションを上げたのは、今季からローテーションに入った二木投手（２０）。

「理想は、二木の昇り方ですね。

二木も去年のこの時期には投げていなかった。

一気にアピールして、いつでも上にいける状態となり、

後半はローテに入り、次のシーズンで開幕からローテを取りました。

僕も一度はできていたものがあり、上まで行った。

そこで打たれたことは、これ以上ない、強烈なプロの刺激として、今なお残っていますが、

逆に『あそこまではできたんや』という自信にもなっています。

今の壁を乗り越えることができれば、

そのとき以上の自信を持って次はいけるんじゃないか。

身近なお手本の二木を見ていて、そんな感じで考えることができるんです。

後半でもいいので、なんとか今年中には1軍で投げたいんです」

二木投手の存在が田中投手の中の何かを大きく動かしたみたいです。

そして最後に、

「5月のゴールデンウイークくらいに2軍戦で投げることができればと思うのですが」

抑えるか、打たれるか、それは分かりませんが、

マウンドに立って投げれるというのが、まずは「再生作業」の第一関門クリアしたことになるでしょうね。



“千葉ロッテ 田中英祐投手、１軍で見れる日を楽しみしています”


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