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2023年01月24日

否定される娘の独り言

「私の誕生日だから ひとりでケーキでも
買って食べようかと思ってた」
母のその言葉は
いつもの
条件反射的な
とってつけたように聞こえた

明日が誕生日だから
遊びに行こうと思い連絡したが
あいにく用が入っていたので
寒さが揺るぐであろう次週に延ばしたが

母は「私の誕生日」アピールは
かなりするのだが

娘の誕生日に関しては
一度も
声をかけてきたことは ない

娘は母に「わたし誕生日」アピールは
いっさいしないのだが
子供の誕生日はスルーで
自分の誕生日のアピールがすごくて

「おめでとう」の連絡が
夕方になってしまった数年前には

「忘れられてるかと思った」
という嫌味がついてきたので
それからは遅れないように
連絡している
娘の誕生日には相変わらず
スルーだが

「ひとりでケーキを買って」という
言葉も
娘の
「明日なんだけど遊びに行こうかなと思って」
という言葉に
すぐに
「明日は私 誕生日」と言うと続けて
「ひとりで」ケーキを買って云々があった

「ひとりで」のところに
娘は妙にひっかかり
また軽く嫌味を付け足すのか
いつもなんかひとこと多くてうんざり

それでなくても
何がなんでも娘の言うことに
絶対に 否定して返してくるのだから
話のつじつまが合ってないことも
気づくことなく
要するに何も考えずに
とにかく 否定することにより
なにか娘より優位にいる気になってるような
そんな風に思えたりする

娘はまたなんでもかんでも
否定すりゃあいいと思ってとココロで思う

以前に
母の自宅は駅から徒歩で10分ほどで
高齢の自分自身は歩くのが遠いので
バスを利用するという話をしていた
だから
天気の悪い時などは
若いから歩くのもいいけれど
バスも利用すればいいのよ と言っていた
たしかその時も
娘の言ったことに否定してのことだ
「10分くらいだしそんなに
歩いて遠くもない距離よ」と言ったら
「でも」バスあるから使えばいいという
話をしていた

娘はバスに乗ったことはないが
誕生日の明日が天気が悪いらしいという話の流れで
「まぁバスに乗ればいいことだけどね」と言えば
「若い人は歩いた方が早いしバスは待ったりして時間かかるから」

以前とは違うことを言うのだ
どうしても どうしても 否定して返したいから
何も考えずに
発しているんだなと娘はわかってしまうのだ

娘が自分の言うことに
「わかった」という反応をするまでは
延々と 否定しつづけるのであった

娘の誕生日に母から
スルーされ続けていることは
それは別にいいのだか
自分の誕生日のアピールが激しく
そのうえ まだ何も起きていないのに
「ひとりで」ケーキ云々と
言われてしまうこと

それに日常茶飯事の

娘の言うことを
最後までしっかり聞くこともなく
全否定に返してくること

そりゃあ
母からの連絡は ゆううつになっても
べつに悪じゃないでしょ
と 娘は思っている
いや悪でもいい

母親に優しくなれない自分は
ひどくてもいい

たまには
私の意思も 最後まで聞いてほしいなと
娘は思うのであった





posted by 彩沙 at 01:55 | 小説

2023年01月13日

消去する女 カナ

カナは
不当なことが許せない
いじめも憎む
えこひいきなどの不平等も
どうみてもおかしいだろと
感じることをする人間を
許せなくなる
自分自身にその不当なことが
降りかかったり
カナの大事な人がそんな目に遭っていると
憎んで憎んで怨んで憾んで
頭痛がするほど憎む
その相手に関するものは
すべて廃棄する
名前の載ったもの
顔写真
そいつが触ったもの全部が許せない

職場で同僚が
いつも陰口を叩いていた相手が
出張の土産を配ったとき
その同僚は
「食べ物には罪はないから」と言いながら
大きな口を開けてその菓子を
ほおばった

その様子を見ていたカナは

あれだけ嫌いだ嫌いだと
さんざん陰口を大勢に言いふらしていたのに
あの
いやしいざまはなんなんだ

その同僚はもう信じてはいけない人だと
認識した

カナにとっては
そんな嫌いな相手からのみゃげものなど
即ごみばこ行きなのである

そこまで憎まなくてもと
誰かが思っても
そんなことはどうでもいい
カナにとっては
その憎むべき相手に関わるもの
すべてが
消去の対象なのだから

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posted by 彩沙 at 20:51 | TrackBack(0) | 小説

2022年12月14日

選びたい女

「カレーメシ」なるものが
10個ほどストックされているが
初めて食べたときに
予想以上に美味しかったという話を
母にしたら
買い物のたびに安く出てれば
買ってきて
私が遊びに行った時のお土産に
3個くらい持たされる
美味しかったのは事実だが
もらってきた「カレーメシ」が
10個あるのを見るたびに
それから一度も食べていないことに気づく

美味しかったが
食べたいわけでもなく
好きなわけでもなく
なにか食べるものはないかと
思うときに
しかたなく食べるような位置になる

なにか食べるものはないかなと
探すときに
意図とは違うものを
食べることに
この上ない違和感を覚えてしまい

なんでもいいわけじゃないんだなぁ
自分が選んで買ったものを
食べたいんだなぁ

いただいたものなのに
なんて失礼な女でしょう
ってわかっているけど

これまでずっと
母からの
「代替品」がお土産になり
本当に食べたいものではなくて
「せっかくもらったから」
「あるからこれでいいか」
って当然のように
しかし
「しょうがない」という思いで
それを食べてきた

「しょうがない」ではなくて
「これがいい」と思いながら
食べたいなと思うのである

母といるときには
自分の意思はないものになり
買い物の
母が気に入らないものは
横からずっとケチをつけられて
食べたいものを選ぶと
「家にそういうお菓子はある」と
代替品を勧められる
それでも「これがいい」と言って
選ぶと
「そういう贅沢なものは家にはないけど」と
よくわからないことを言われる

これ で いい 
より
これ が いい

の方が 絶対に嬉しいし
楽しいし

自分で選びたい

代替品を何十年も選んできたのも
自分自身ではあるのだが

なんだか
だんだん
自分で選んだ好きなもので
嬉しい気分に
なりたいと思うようになってしまった

一度きりの人生で
そうじゃないともったいないと
思っちゃったんだから
それこそ
しょうがない

選びたい女の話




posted by 彩沙 at 19:44 | TrackBack(0) | 小説

2022年12月08日

陰険な女の思い出話

「ふん、こんなものっ」と
彼女は試合会場で配られる所属選手の顔写真が載る
パンフレットをにらみつけ
自分の子供の部分を手でていねいに切り取り
その部分が切り取られたパンフレットを
思い切り手で破り
けっこう細かくなるまで
「くそ!馬鹿コーチ!くそ!くそ!くそ!」と
つぶやきながら破りまくり両手で握りしめ
会場の出口にある燃えるゴミ入れに
思い切りたたきつけるように 捨てて外に出た
お見送りのチームスタッフやチアの女子に
見えるように捨て去るのがポイントだ

彼女には
プロスポーツ選手の子供がいる
プロチームに所属しているが
コーチやオーナーによっては
所属選手を蔑ろにするチームがある
18人も選手を契約締結しておきながら
始めからその中の9人だけを使い
点差が大きくなったり
残り2分くらいで
その他の9人をじゅんぐりで試合に出す
まったく出さないのなら18人契約した意味は
なんだったのか
シーズン初めからのその差別は
彼女にとっては理不尽なことで
許されない
選手の力などまるで無視して
無能なコーチなだけなのに
一部の選手しか使わないのになんのために
選手契約したんだとずっと
コーチを怨み続けた

子供を含めその他9人が試合に出るとしても
1分くらいの戦力外扱い
遠征には参加できない
運がよければ参加はできるが
3軍並みのレベルのチームでその差別的な
扱いなど見るのも胸糞悪い

だが彼女は
見に行ける場所で試合がある時は
子供がそこにいるのだから
試合に出ようが出まいが
必ずかかさず会場に行くと決めた
意地でもそこで
ベンチにいるだけの子供を見守り
チームの勝敗などどうでもよく
かかすことなく会場に足を運んで
試合が終わったら
子供の顔写真だけ切り取って
パンフレットを粉々に破り裂き
ゴミ箱にたたきつけて会場を出る
という怨みの儀式を行った

陰険上等
そうしたいからそうしてきた
すこしでも気が晴れるなら
なんでもいい
パンフレットを破りまくる儀式は
子供命の彼女にとっては精神安定剤

直にコーチを殴るわけではないんだから
これくらいいいだろっ
っと
陰険な女があの頃 存在していた

彼女にとって何年も前の思い出だ


posted by 彩沙 at 21:55 | TrackBack(0) | 小説
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