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2023年07月22日

中学2年で人を陥れる不憫な話

中学2年の時に
クラスメイト数人で
トランプゲームをしていて
なんだか
ハメられた記憶
その時
右手の指をけがしていた私は
少しの痛みを感じながらも
遊ぶことが楽しくて

純粋に
本当に純粋に
ゲームを楽しんでいたのに

順番にカードを回して
数字をそろえて上がりになるもので
面白いように
自分のところに
カードが集まってきた
不自然にスムーズに
数字がそろって上がりの合図を出そうとしたら

先に誰かが
待ってましたとばかり
上がりの札を奪った
そして
上がりの札を取られた私が
唖然としていると

ひとりの女子が
「カードそろったんでしょ?」と
得意げに言い放ったのだった

私は冗談が通じなかった
半笑いのその女史を見ながら
何も答えず
ショックで目の前がかすんでいた

最初から
示し合わせてカードを回し
私に勝たせないように先に札を奪う
そんなふうにされるとは微塵も思わない

単純に 楽しんでいただけなのに
そのゲームを始めたしょっぱなに
そんなふうに
私をハメて陥れて

そんなことして嬉しかったか?

普通に遊べばいいじゃんか
素直に楽しめばいいじゃんか

人の心を踏みにじるような
ゲームを楽しむのではなくて
人を陥れて
思い通りにすることにしか
楽しむことのできない中学生って

いったいどんな育ち方してきたんだい?

純粋な中学2年の私は
そのことがショックで
そこから数時間 そいつらと一緒にいたが
何ひとつ楽しくなかった

電話帳を開いて
いたずら電話しているやつら
近くのダイエーで万引きした文具を
得意げに見せびらかすやつら

愛のない毎日なんだろう

ごく普通の生徒たちだ
つっぱってるとかそんな外見でもなく
普通も普通
ださいくらい普通
その後も
外面だけはよく陰では
標的を見つけていじめていたらしい

純粋な心を
すでに持ち合わせることのない
気の毒な女子だった

その時以来
そいつらとはつるむことはなく
また別の女子たちと
話をするくらいだった

そのままつるんでいたら
いじめのターゲットにされたかもしれない

とっくに
ツケは廻っていることだろう

与えたものが受け取るものだ

人を陥れても
胸糞悪いだけなのに
そんなことしかできない不憫な女子だった









posted by 彩沙 at 00:25 | 小説
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