2020年01月25日
竜と祭礼 −魔法杖職人の見地から− 感想
伝説の杖職人ムンジルの最後の弟子イクスは、褐色の少女ユーイに杖の修理依頼を受ける。杖はムンジルが生前に作ったもので「竜の心臓」が使われていることを突き止める。千年前に絶滅したとされる竜とその心臓を求めて、二人はアグナナス山の麓町「アグナスルズ」に辿り着く。
この杖、直してもらいます!
師のムンジルが息を引き取り、最後の弟子となったイクスは、魔法杖店を閉め、南の都市レイレストに向かう。育った村の入り口で深くフードを被った少女ユーイに声を掛けられる。
ユーイはムンジルが生前に作った杖を差し出し修理するようイクスに依頼する。
ただ珍しい素材が見られたことを喜んでいたのですか?
イクスは、杖にムンジルの約定書があったため、修理を引き受ける。
二人はレイレストの街に着き、イクスの義姉弟子モルナの魔法杖店を探す。イクスとモルナは、杖を調べ芯材が「竜の心臓」であることが解り高揚する。
私も行くに決まっているでしょう
竜が千年以上前に絶滅したと伝えられているため図書館に出入りし、情報を収集する二人。
成果が出ないイクスは、冒険者組合に立ち寄る。そこで、塩漬けになっている依頼書を見せてい貰い、その中から石板で用いられた依頼書を見つける。文面には、「アグナス山竜の調査」と記されている。
アグナス山の麓町アグナスルズについて図書館で調べ、二百年程前に街にあった帳簿を見つける。帳簿には竜の祭りの日記が記されていた。
二人は帳簿の持ち主エガ・フルメンを調べるためアグナスルズに向かう。
イクス、あなたはなぜそうも礼儀を知らないのですか
街に着き、祭りについて聞くが、知る者はいなく、フルメンの名も聞かないという。
最初から無謀な話だったのですよ、イクス。
イクスは、竜の心臓はアグナス山の核となる鉱石ではないかと仮説を立てる。
二人は、エガ・フルメンの孫シーラ・フルメンを見つけ、祭りの話を聞く。
祭りの儀式がアグナス山に登ることを模した祭礼と気づきアグナス山の山頂を目指す。
山頂に着き、辺りを見渡すが鉱石は見つからず、落胆し下山しようとするが、最後に祭りの通りに松明を噴火口に投げ入れると山が唸り始める。
感想
二人が竜の心臓について推測し、核心に迫る様子が非常に面白い!読むたびにどんどん物語に引き込まれていきます。
ユーイには影の部分があり、話が進むにつれて明かされていき、最後の方は少し心を掴まれた感覚になりました。
一冊でタイトルを回収するので続きがないかと思いましたが、あとがきで作者が続きを書いているようなので今後、イクスとモルナ以外の弟子、最後に登場した学院長など、どう繋げていくのか楽しみです!
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