2014年02月13日
グリーンピース (NGO)
グリーンピース(Greenpeace)は、国際的な環境保護団体(NGO)。
目次 [非表示]
1 組織概要
2 活動分野と主張
3 批判 3.1 資金問題
3.2 組織内部の意思決定
3.3 人種平等会議による批判
3.4 日本での批判
4 歴史 4.1 1971年 アメリカ合衆国の核実験に反対
4.2 1972年 フランスの核実験に反対
4.3 捕鯨問題と環境問題への接近
4.4 レインボー・ウォーリア号事件
4.5 1995年、フランス核実験への抗議行動
5 日本との摩擦 5.1 接触事故
5.2 グリーンピースの抗議行動のエスカレート
6 グリーンピース・ジャパン 6.1 グリーンピース・ジャパンによる宅配便窃盗事件 6.1.1 グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴
6.1.2 グリーンピース・ジャパンメンバーの逮捕・起訴と有罪判決
6.1.3 日本でのクジラ肉の取り扱い
6.1.4 鯨肉の「土産」
7 脚注 7.1 注釈
7.2 出典
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク 10.1 公式サイト
10.2 批判的立場から
組織概要[編集]
環境保全・自然保護の分野において、世界的に有名な団体である。
1979年10月14日に、各国のグループを統合するかたちで、グリーンピース・インターナショナルが設立され、本部はオランダのアムステルダムに置かれた。[注 1]
その過剰な運動に対してエコテロリズムとして批判されることもある[1]。2005年、アメリカ自由人権協会(ACLU)が情報公開法に基づいて入手した米国連邦捜査局(FBI)の資料から、FBIがACLUと並んでグリーンピースや動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)を監視対象にしていたことが分かり、ACLUは、通常の政治活動に携わっている人々にまで国内テロリズムの定義を拡大していると抗議した[2]。2010年、アメリカ合衆国司法省は、2001年から2006年まで続いたFBIによるグリーンピースやPETAなどの環境保護団体メンバーの監視は正当ではなかったとする文書を公表し、FBIを批判した[3]。日本国内でも、捕鯨問題を告発すると称してグリーンピースが組織的に運送会社の倉庫から宅配物を窃盗したとして幹部二名が逮捕される事件があり、その組織的な非合法活動について批判がある[4]。なおこの事件の捜査や逮捕には青森県警察に加えて警視庁公安部が関わったことから国内でも公安警察の監視対象にあるとみられる。 ※本文中の原語表記部のリンクは英語版へのリンク。
活動分野と主張[編集]
エッソ本部に不法行為をするグリーンピース /エクソンモービル.
グリーンピースが展開する活動分野を以下列挙する。
海洋生態系問題日本で有名なのは捕鯨問題だが、基本的には海洋生態系全体をまとめて扱っている。過剰漁獲や漁業手段の問題、海洋汚染の問題、オゾン層破壊による生態系ピラミッドの崩壊の問題などに分かれており、捕鯨問題は漁業問題のひとつという位置づけである。尚、あくまで近代捕鯨への反対であり、生存捕鯨は持続可能として認める立場も示している(反捕鯨#生存捕鯨も参照)。2005年からは日本の沖縄におけるジュゴン保護にも参加。オゾン層破壊特定フロンをはじめとするオゾン層破壊物質の抑制。フロンを使わない炭化水素冷媒による冷蔵庫「グリーンフリーズ」の開発・普及。炭化水素冷媒のグリーンフリーズ型冷蔵庫は、グリーンピースの開発委託を受けたドイツのDKK社(その後フォロン社に名称変更)が、1992年に世界に先駆けて発表。1993年中にはドイツの他企業も追従し、また同時に断熱材に使われていたフロンも炭化水素などに置き換えられた。他国の大手家電企業へのグリーンフリーズ型冷蔵庫の生産要請なども行ってきた。森林問題森林伐採による生態系破壊の問題。紙の原料となるパルプ材としての森林管理問題やマホガニーなどの希少樹種の貿易問題など。原子力問題核兵器に対する反対運動は継続している。1993年には、ロシア海軍による核廃棄物の日本海への海洋投棄を摘発し日本に衝撃を与えた。また、原子力発電をはじめとするいわゆる「平和利用」に関する反対運動、つまり原子力撤廃運動も展開(高速増殖炉や核燃料再処理、それに伴う放射能汚染問題・プルトニウム管理問題など)。1995年と1997年には、フランスから日本まで航路や輸送スケジュールが発表されていなかった核物質輸送船を追跡するプロジェクトを展開(前者はチャーター船の「スミット・ニューヨーク」、後者はキャンペーン船「ソロ M.V.Solo」が追跡船)。化学物質汚染問題塩素系化合物などを含む化学物質汚染問題や、その一部の原因となっているごみ処理・ごみ焼却処理の問題。日本では、ほかに瀬戸内海の豊島におけるシュレッダーダストの投棄問題などにもかかわっている。エネルギー問題太陽発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及。気候変動問題いわゆる「地球温暖化」。二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの排出抑制を目指している。エネルギー問題とも密接に関係するほか、特定フロンのかわりに導入された、オゾン層破壊係数が低いかわりに強い温室効果をもたらす代替フロンの使用抑制についても活動している。2007年には、地球温暖化に抗議するためにスイスの氷河で全裸パフォーマンスの撮影が行われ、「緊急事態にある人類は、社会常識、礼儀作法、容認可能な行為の規範を捨て、いかなる方法を使ってでも警告を発するだろう」と主張している[5]。遺伝子組み換え作物への反対アピール遺伝子組み換えトウモロコシの賛成派の政治家事務所前にトウモロコシをばら撒くという抗議行動を行っている。共謀罪創設に対する反対アピール主に日本国内での活動。2006年、日本政府の共謀罪関連法案(組織犯罪処罰法の改正案)の審議に対する反対運動や抗議の呼びかけ。
批判[編集]
資金問題[編集]
グリーンピース創設メンバーの一人で、15年間も会長をつとめた[6]パトリック・ムーアは、のちに団体と袂を分かち、別の団体「グリーンスピリット」を興して原子力発電に賛同する立場になっている。ムーアによれば、ロックフェラー財団など50の基金が、原子力発電に賛同する一方で“環境保護に関心あり”というポーズのためにグリーンピース本部に資金援助しているとして団体の資金源について内部告発を行った[7]
アイスランドのジャーナリスト、マグヌス・グドムンドソンは「グリーンピースは環境保護団体のような顔をしているが、実は政治的権力と金を追求する多国籍企業である」と述べている[8][注 2]。
またバチカン教皇庁レジーナ・アポストロルム大学大学院教授のリッカルド・カショーリとアントニオ・ガスパリによれば、グリーンピース・インターナショナルの2000年度予算は3400万ドルにのぼり、団体全体の同年度予算は1億4300万ドル(147億2900万円[注 3])にものぼるほどで、「巨大資金団体」としたうえで[9]、同団体は税控除が適用される寄付金を集め、さらにそれを会計上異なる関連団体に分配しているグリーンピースのやり方を批判している。
ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルによれば、グリーンピースは「世界で最も資金力のある環境団体」で、年間に二億ドルの収入があり[10]、ドイツ国内でも1000万マルクの売り上げがありながら、申告されることがないとして批判した。
現在、ウェブサイトの情報によると「グリーンピースは環境保護を願う市民の立場で活動するため、政府や企業からの資金援助を受けていません」として、個人献金のみで運営されている。
組織内部の意思決定[編集]
ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルは、グリーンピースの意思決定が、「グリーンピース世界会議」の12人の大選挙人に握られており、一般メンバーは運営の意思決定に関わることはできず、収入の24%以上を上納できる資金力を持つ支部代表のみが意思決定を行っていると報道した[11]。
グリーンピースの元会長ウテ・ベリオンは「グリーンピースの賛同者たちに投票権はない」「どのような仕事をするかをこちら(執行部)が指示し、それに同意するなら資金提供という形で賛意を示してもらうシステムである」と述べている[12]。グリーンピース・オランダの会計責任者フランツ・コッターは「理事たちはメンバーに影響されるのを好まない。メンバーたちは黙って金を払うためだけに存在する」と明言している[9]。
またグリーンピース・ノルウェーの会長を二年間務めた後、1993年に団体の運営方法を会議の議題にしょうとしたところ、追放されたビヨルン・オカーンは「グリーンピースに民主主義は存在しえない。ピラミッド構造になっていて、すべてが頂上の一握りの人間によって決定される」と証言している[9]。またオカーンは「グリーンピースの金が環境のために使われていると考えるのは間違っています。幹部たちはファーストクラスに乗って旅行し、最高級のレストランで食事をし、優雅なエコ・セレブの生活をしている。クジラで大騒ぎをするのは、それが儲かるからにほかならない」とも内部告発している[9]。
人種平等会議による批判[編集]
ニューヨークに本部を持つ人種平等会議(en:Congress of Racial Equality:略称CORE) は、2003年5月11日に、アメリカのジャージーシティにおいて「Africa,YES,Greenpeace,NO!」とするスローガンを、グリーンピースのイベントに対して投げつけた。COREによれば、グリーンピースが発展途上国の発展を妨害するからで[13]、グリーンピースは遺伝子組み換え植物の導入に反対し、DDTをいかなる目的であっても使用禁止にすべきとして反対し、その結果、マラリア対策をとることができないとして批判している。COREの報道担当官ナイジェル・イニスによれば、1972年に環境保護ファンドという団体の理事チャールズ・ウースターは、DDTによるマラリア予防について質問された際、「だから、どうした?人口はすべての問題だ。人間は多すぎる。人間はもっと少なくしたほうがいい」と人口爆発を懸念する内容の発言を行ったが、前述のカショーリとガスパリによれば、環境保護運動と優生学運動は、人口と資源のコントロールという共通の目的をもつと独自の論理を披露し、20世紀初頭には両者は連携していたと指摘し[9]、優生学的な考えであるという見方を示した[9]。
日本での批判[編集]
2001年12月、南極海で、日本の調査捕鯨船団と、グリーンピースの船「アークティック・サンライズ号」が遭遇した。この際、日本の調査捕鯨を委託されている日本鯨類研究所の理事長である大隅清治がグリーンピースを『エコ・テロリスト』だと批判するプレスリリースを発表すると、即座にグリーンピースは抗議声明を出した[14]。また、船のスクリューに鎖を巻く等、違法な直接行動に対しては、日本政府などに「テロリズムである」と認定された。広報(パフォーマンス)重視のボランティア活動に対する懐疑的見方など、日本では、しばしば逆効果になっているという批判、さらに非欧米の国の文化、国民性を無視しているとの批判もある[要出典]。
歴史[編集]
1971年 アメリカ合衆国の核実験に反対[編集]
アメリカ合衆国がアリューシャン列島のアムチトカ島で行おうとしている地下核実験に反対するために、1969年、カナダのバンクーバーに「波を立てるな委員会(Don't Make a Wave Committee)」という組織が誕生した。この組織は、のちに「名前がわかりにくい」という内部批判から、「環境」を意味する「グリーン(green)」と「平和」を意味する「ピース(peace)」をくっつけた「グリーンピース(Greenpeace)」という造語をつくり、改名した。
グリーンピースは、1971年、核実験を阻止することを目指し、アムチトカ島沖合いの公海に船を居座らせて監視をするという方法で圧力をかけるために、底引き網漁船「フィリス・コーマック(Phyllis Cormack)」をチャーターして船出した。これがグリーンピースの最初の直接行動である。なお、「フィリス・コーマック」が「グリーンピース1号」、その航海への反響で新たに雇って追加派遣した元王室カナダ海軍の退役掃海艇をチャーターした「エッジウォーターフォーチュン(Edgewater Fortune)」が「グリーンピース2号」と呼ばれている。
この航海は、アムチトカ沖の目標地点まで行き着くことはできなかったものの、あまりの反対の強さ・反響の大きさに、アメリカ合衆国は、結局その後のアムチトカでの核実験を断念、同地は自然保護区(バードサンクチュアリ)と宣言された。
この航海を通じて、「目撃者となること」「目撃したことを広く伝えること」などのその後の路線がある程度確立された。また、翌1972年5月4日には、グリーンピース財団(Greenpeace Foundation)に組織を変更した[注 4]。
なお、この航海の際にメンバーのひとりがネイティヴ・アメリカンの伝承本を持参していた。その中に記載されていた「炎の目(Eyes of Fire)」という老婆が語った物語に、「虹の戦士(Rainbow Warrior)」という登場人物がいた。これは、世界が滅亡の危機に瀕したときに立ち上がる伝説の勇者の称号であるとされる。そこから「虹の戦士」はグリーンピースの活動家の自称となり、またグリーンピースを象徴するキャンペーン船の名称ともなった。この当時のグリーンピースのメンバーの多くは既存の生き方に疑問を呈しカウンターカルチャーやサブカルチャーにも理解を示していた[注 5]。
1972年 フランスの核実験に反対[編集]
1972年には、フランスが南太平洋のムルロア環礁で行おうとしていた核実験に反対する航海を企画した。
この航海は、この時からグリーンピースに参加し、のちに代表となるデビット・マクタガート(David McTaggart)が指揮を執り、1973年にマクタガート自身の38フィート・2本マストの小さなヨット「ヴェガ S.V.Vega」を「グリーンピース3号」として核実験エリアの風下につけることで核実験を阻止しようとした。「グリーンピース3号」がそこにいる限り核実験が行えないため、フランス軍は軍艦を派遣して拿捕し排除した。しかしこのキャンペーンはイギリスなどでの大きな動きにつながり、グリーンピースの旗をエッフェル塔やノートルダム大聖堂に掲げるなどの行動が行われた。グリーンピースの行動方針のひとつである「非暴力直接行動(主義)」は、この時にはじまっている。
さらに翌1974年にもムルロア沖に船を出しての同様の抗議行動を行った。この時には、マクタガートらが拿捕しにきたフランス軍の兵士から過酷な暴行を受け重傷を負ったが、その暴行の写真の撮影と秘匿に成功し、直後にキャンペーンを行った。南太平洋における核実験反対運動は、のちにフランス国家によるグリーンピースに対するテロを引き起こすほどの衝撃を与えた。
なお、この行動の際に、フランス軍は、マクタガートらが乗船する「グリーンピース3号」を襲うために高速ゴムボート(ゾディアック Zodiac)を使った。その機動性に感動したことから、グリーンピースもゾディアックを導入し、海上での抗議行動に使うようになったと言い伝えられている。ゾディアックを使っての海上での抗議行動は、その後のグリーンピースの象徴ともなり、日本国内でも1997年に高レベル核廃棄物輸送船「パシフィック・ピンテール」の迎撃行動の際に青森県は六ヶ所村の東方海上で展開された。
注釈捕鯨問題などに関してはフランスと共同歩調を取ることが多いが、原子力問題では、フランス政府と激越に対立している。
捕鯨問題と環境問題への接近[編集]
同じ頃、ニュージーランド出身で、後に国際的な鯨類学者となるポール・スポング (Paul Spong)が、バンクーバーのグリーンピースに接近し、クジラをめぐる問題について注意喚起を行った。このスポングの接近は、グリーンピースが捕鯨問題に進出するきっかけとなった。
またこのことは、グリーンピースが「もっぱら反核を主張する組織」から「広くさまざまな自然保護問題について行動する組織」へと脱皮することにもつながった。1971年から参加していたポール・ワトソン Paul Watson らが主力となり、1975年から捕鯨船の目の前に高速ゴムボート(ゾディアック)を繰り出して捕鯨に反対するというキャンペーンが開始された。なお、ポール・ワトソンは、1977年に「グリーンピースは軟弱に過ぎる」として袂を分かち、エコテロリストの筆頭格とされる組織・シーシェパード Sea Shepherd を設立する。[注 6]
注釈1972年にストックホルムで行われた国連人間環境会議が反捕鯨の潮流の原点であるとした上で、その背後にグリーンピースがいたとする説があるが、1972年の時点でまだグリーンピースは反捕鯨を主張していなかった。ストックホルム会議での鯨類保護決議はグリーンピースとは無関係である。
さらにその後、毛皮を目的とするアザラシの乱獲問題などにも手を広げた。1977年には、世界中に15ないし20程度の支部(グループ)が誕生しており、国際的な環境保護団体となっていった。
レインボー・ウォーリア号事件[編集]
詳細は「レインボー・ウォーリア号事件」を参照
1985年7月10日、グリーンピースの帆走キャンペーン船「虹の戦士 S.V.Rainbow Warrior」は、ムルロア環礁におけるフランスの核実験に抗議・反対する航海のためにニュージーランドのオークランド港で出港準備をしていたが、この船が同日夜、爆破・撃沈された。この際、ボランティアとして乗船していたポルトガル人フォトグラファーのフェルナンド・ペレイラ Fernando Pereira が死亡した。爆破が衝撃的だっただけではなく、このとき「虹の戦士」は、小さなヨットなどから構成される抗議船団のための物資供給などを担当する母船として位置づけられていたために、核実験に反対する側の陣容にも大きな悪影響を与えた。
この爆破事件は、ニュージーランド警察当局の捜査によってフランス情報機関(対外治安総局 DGSE)によるテロであることが突き止められ、ニュージーランドから逃げ遅れたフランス軍士官のテロ作戦指揮官2名が逮捕された。実行犯4名はヨットによって逃亡し、その後の消息は不明である。他にも逃亡に成功したフランス軍人はいるものと考えられている。フランスの国家による犯罪であったため、旅券などはすべて偽造のものであった。逮捕された指揮官2名は偽造のスイス国籍の旅券を所持していた。この事件は、派生的にニュージーランドとフランスの国際問題にも発展した[注 7]。
1995年、フランス核実験への抗議行動[編集]
虹の戦士号爆破事件から10年後の1995年、フランスは再びムルロア環礁での核実験を計画した。この際には、グリーンピースは大規模な抗議行動を行った。撃沈された船の名を受け継いだ「虹の戦士2 S.V.Rainbow Warrior II」のほか、旗艦「グリーンピース M.V.Greenpeace」、最初のムルロア核実験反対行動から参加している「ヴェガ S.V.Vega」、チャーター船の「マニティア」、ゾディアック十数隻、グリーンピース号搭載のヘリコプターなどがムルロア環礁に集結して激しい抗議行動を繰り広げ、また呼びかけに応え各国から駆けつけた百隻を越える「平和船団」がムルロア環礁を取り囲んだ。
この抗議行動を受け、フランス政府はムルロア環礁での核実験を中止しなかったが、それ以後の核実験を行わないことを確約した。
日本との摩擦[編集]
接触事故[編集]
1992年11月にフランス沖合いで、グリーンピースのキャンペーン船「ソロ」と、核物質を搭載して日本に向かっていた輸送船「あかつき丸」を護衛していた海上保安庁の巡視船「しきしま」の接触事故が生じている。
この事故について日本政府は、護衛船の「しきしま」の右舷後方から、追い越し船の立場にあったソロが異常に接近し、急に左転したとことが事故発生の原因であるとしている。また、実際に国際海事機関からも同様の見解が出されていると主張している[15]。
この件でグリーンピースは海上保安庁に賠償と修理費を請求したが、拒絶された。
グリーンピースの抗議行動のエスカレート[編集]
2005年12月に、南極海で調査捕鯨をしていた日本の捕鯨船の周辺で、グリーンピースの船が抗議行動を行って双方の船が接触する事件が発生した。双方にけが人は出なかったが、この時、グリーンピース側は今後も抗議活動を続けるという声明を発表している。
それを裏付けるように、その翌月には、捕鯨船団に対しての抗議中にグリーンピースの活動家1人が海に転落する事件が発生した。グリーンピース側は、「捕鯨船が狙っていたミンク鯨を守ろうとしていたボートから活動家が転落した」と主張しているが、それに対し、日本鯨類研究所は、捕鯨船の陰に隠れていたボートが突然出現した画像を公開し反論、グリーンピースの行動について、「報道機関の関心を維持するため、だんだん危険な行動をとっている」と批判した。
なお、この件に関して反捕鯨国であるオーストラリアの環境相が「人命を危険にさらすような戦術を人々が尊敬するとは思わない」とグリーンピースに対し自制を求めた。
2006年1月8日、南極海で日本船の調査捕鯨を監視していたグリーンピースの監視船「アークティック・サンライズ」が、日本の捕鯨母船「日新丸」にぶつけられたと発表した。一方、捕鯨船団を派遣した日本鯨類研究所は、他船に貨物を移し替える為停船していた日新丸に意図的にグリーンピースが追突してきと発表し、その時のビデオを発表しグリーピースからの意図的な衝突を証明している[16][17]。
2006年1月18日、捕殺調査名目での捕鯨に対して、死亡したナガスクジラの博物館への輸送の途上で、ベルリン市のデモ許可を取得してドイツの日本大使館前で公開するとともに、「ストランディング(漂着・座礁のこと)した鯨の調査で十分である」という意図を伝えるという抗議行動を行った。[注 8]
2006年2月17日には青森県六ケ所村に存在する日本原燃の使用済み核燃料再処理工場で2006年4月に開始される試験運転に反対する抗議行動として、原子力安全・保安院などが入る経済産業省別館の壁面に『STOP! 再処理』と書かれたメッセージを投影した。
2006年2月21日夕方には青森県庁本館の壁一面に『放射能汚染、立入禁止』の文字と放射能マークが入った貼り紙の映像を投影している。この行動についてグリーンピースは、青森県議会の全員協議会で討議された六ヶ所再処理工場のアクティブ試験安全協定素案に問題があったためと主張している。
グリーンピース・ジャパン[編集]
グリーンピースの日本事務所(グリーンピース・ジャパン(GPJ))が設立されたのは1989年4月。それ以前にも日本にグリーンピースを名乗っていた人々がいることは確認できているが(たとえば太田竜[18]など)、それらはグリーンピース・インターナショナルとは無関係である。2012年現在の理事長はアイリーン・美緒子・スミス(ユージン・スミスの元妻)、2012年現在の理事長には佐藤潤一が就いている。過去には理事長に海渡雄一、事務局長に星川淳が就いていた。2008年時点でのサポーターは約6000人、有給専従職員は15人である。
また、グリーンピース・ジャパンが設立されグリーンピースから日本語による正式な声明が出されるようになるまで、対立する側が「グリーンピースはこう言っている、それはけしからんことだ」といった構造の批判的キャンペーンを展開してきたという経緯もあり[要出典]、これが日本での悪い印象を生み出した一因になっていたとも言えるが、近年では後述の西濃運輸宅配便窃盗事件など、会員のおこした犯罪行為を組織として正当化する確信犯的主張などが原因で、日本での悪印象は決定的なものとなっている。商業捕鯨に関しては一貫して反対の立場にあるが、生存捕鯨については原則として判断を示すことはなく、本部同様に概ね認める傾向がある。インターネットテレビでは捕鯨文化尊重と保護を両立するという趣旨で出演者が鯨肉を食べるところを放映することもある。
なお、日本国内における活動としては、国内企業へのアンケート[1]や経済界へのキャンペーン[2]、反原子力発電運動も行っている。
グリーンピース・ジャパンによる宅配便窃盗事件[編集]
詳細は「グリーンピース宅配便窃盗事件」を参照
グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴[編集]
グリーンピース・ジャパンは、日本の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員が調査捕鯨で捕獲したクジラ肉(鯨肉)を大量に自宅に送っていたとして、2008年5月15日に業務上横領の疑いで証拠品である鯨肉および梱包箱とともに告発状を東京地方検察庁へ提出した。同時に、農林水産省などに対しては、日本鯨類研究所による調査捕鯨活動の停止、および水産庁からの補助金の支給停止を求めた。これを受けて水産庁は実態を調査する方針であることを明らかにした。
グリーンピース・ジャパンは2008年5月8日付けで水産庁に対して「船員が鯨肉を土産として持ち帰ることが基本的にないのかと」と問い合わせをした結果、水産庁遠洋課課長・成子隆英から「ないです。極めて(流通が)限られていますから。」と回答されたと主張している [19] 。また、グリーンピース・ジャパンは、「船員が無断で畝須(うねす)などを塩漬け処理し冷凍せずに西濃運輸の宅配便で自宅に配送されている」「無断で持ち帰るものとは別に、土産や船員向けに販売される鯨肉がある」という元船員とされる人物の証言を紹介している。またグリーンピース・ジャパンは、告発対象となった2008年4月15日の日新丸帰港に際しての乗組員私物手荷物発送について、「合計90箱程度」のうち「鯨の解体・鯨肉製造に携わる乗組員12人から、最低でも47箱」を確認し、「この全てが鯨肉であったとすると、合計1.1tになる」としている[20][21]。グリーンピース・ジャパンは5月16日記者会見を開いて、「告発の証拠品として提出した鯨肉(畝須)は23.5kgで塩漬け処理されて常温保存の状態」だったと主張し、この鯨肉が「『数kg程度の冷凍品である土産』ではない鯨肉」であり横領されたものであると主張した[22]。
2008年6月20日、東京地検は「グリーンピース・ジャパン」から業務上横領容疑で告発されていた「日新丸」乗組員12人全員を不起訴処分(嫌疑なし)とした(同日には窃盗容疑でグリーンピース・ジャパンメンバー2名が逮捕され、本部が家宅捜索されている(下記参照))。これに対してグリーンピース側は上記不起訴処分を不服として検察審査会を申し立てていたが、2010年4月22日に東京第一検察審査会が「不起訴は相当」とする議決を下した[23]。
グリーンピース・ジャパンメンバーの逮捕・起訴と有罪判決[編集]
捕鯨関係者を告発するあたってグリーンピース・ジャパンが提示した証拠のクジラ肉は上掲の「告発レポート[24]」やYouTube投稿映像[25]にあるとおり、「日新丸」乗組員が送った個人の荷物のひとつを、グリーンピース・ジャパン関係者が宅配便運送会社の西濃運輸の配送所から盗み出したものである。
グリーンピース・ジャパンは、この調査方法を認めた上で「重大な横領行為の証拠を入手するためであり、違法性は無い」と主張している(当のグリーン・ピース側は未だに正当性を主張しているが、無論、グリーンピース・ジャパンはNGOであり捜査機関では無い。当然令状も無いので、独自判断で証拠物として押収する事は盗取となるし、西濃運輸の車両を追跡し、伝票を確認した上で倉庫に侵入し窃盗を行っていう事から、明らかな「不法領得の意思」があっての犯行である故、正当性及び阻却性は一切皆無と言える)。
法曹関係者の間では本件について西濃運輸青森支店への不法侵入・荷物の窃盗・西濃運輸に対する業務妨害などの犯罪に問われる可能性もあることが指摘され、2008年5月15日に放送された『スーパーモーニング』に出演した弁護士は「窃盗に当たる」と断言した。番組では、アメリカ合衆国において人工中絶に反対する団体が人工中絶を実施しているクリニックを襲撃している事例を引き合いに、窃盗という違法行為を正当化するグリーンピースの悪質な姿勢を「非常に危険である」とした。
2008年5月16日に西濃運輸は青森県警に対して被害届を提出した[26]。これを受けて青森県警は窃盗容疑で捜査を開始した[27]。調査捕鯨船運航会社の共同船舶も、早ければ5月19日にも窃盗容疑でグリーンピース・ジャパンを告発することを検討していると報じられた[28]。これらの動きに対して、同日にグリーンピース・ジャパンは記者会見を開いて、西濃運輸に対しては「迷惑を掛けたならお詫びしたい」と謝罪した[29]。
2008年6月20日、青森県警と警視庁公安部はグリーンピース・ジャパンが組織的に計画し肉を盗み出したとみて、実行に関与した東京都と神奈川県に住む同団体幹部2人(1人は後に事務局長となる佐藤潤一である)を窃盗および建造物侵入の容疑にて逮捕し、東京の事務所など関係先数カ所の家宅捜索を行った。なお同日にはグリーンピース・ジャパンが捕鯨関係者を業務上横領で告発したことに対して東京地検から不起訴処分が下されている。
2008年7月11日、青森地検が同年6月20日に逮捕されたグリーンピース・ジャパンの幹部ら2人を窃盗と建造物侵入の罪で青森地裁に起訴した。 同年7月15日にグリーンピース・ジャパンは保証保釈金400万円を払い両被告は保釈された。
2010年9月6日、青森地裁は窃盗などの罪で、2名のグリーンピースメンバーの被告に対して、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年6ヶ月)の有罪判決を言い渡した[30]。これに対して被告側は仙台高裁に控訴したが2011年7月12日に棄却されたため最高裁への上告は断念し、2011年7月27日に被告2名の懲役1年・執行猶予3年の有罪判決が確定した。
日本でのクジラ肉の取り扱い[編集]
この項では、告発があった2008年時点での「日本国内でのクジラ肉(鯨肉)の売りさばきを含む取り扱い」の状況について、概略を解説する。
日本政府は、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)附属書Iのうち、クジラについて留保している[31]。日本国内の民間相互取り引きにおいて、「公的な手続きを経て市場に放出された鯨肉」の流通は一般に自由であるが、漁として本来は意図していないのに偶発的に定置網にかかってしまったクジラについて、届け出報告を義務付けており、手続き無しでクジラを処理すれば罰則あり。[32]
日本の調査捕鯨によって日本国内にもたらされる鯨肉の販売価格は、日本鯨類研究所に設置した「副産物販売委員会」(水産庁や有識者などで構成)が審議して決定する。詳細は、日本鯨類研究所が制定する「鯨類捕獲調査事業の副産物処理販売基準」に従う[33]第129回国会 環境委員会 において、鯨肉の販売価格の形成過程や鯨肉販売の利益使途などについて明らかにするよう求めた衆議院議員・笹山登生の質問に対して、水産庁海洋漁業部遠洋課長・森本稔が(鯨肉の販売価格については)「できるだけ公正、かつ特定の人たちに独占的な利益が生じないような配慮をして決定」するものと答弁している[34]。
国際捕鯨取締条約第8条では、「捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。 」と定められている[35]。
調査捕鯨捕鯨船の乗組員個人が、社会通念において(社内販売などの、関係者向け割引・優先販売のような例)あるいは調査捕鯨制度の運用において許されている「自家消費や親戚知人などへの贈与などの私的な範囲」を超えて、「(その鯨肉の分量にかかわらず)公的な手続きを経ていない、あるいは職務上の立場を利用して不当過大に得た(不当利得)、鯨肉」を販売することや販売目的で所持することは、国際捕鯨取締条約に違反する疑いがある。
鯨肉の「土産」[編集]
前述したように、水産庁は2008年5月8日の時点では、グリーンピース・ジャパンの質問に対して調査捕鯨船乗組員が鯨肉を個人の土産とすることは基本的にないとの見解を示していた[24]。調査捕鯨船運航会社である共同船舶は、2008年5月14日までは「乗組員が鯨肉を土産にしていることを否定」していたが、5月15日にはそれまでの発表を撤回して「全乗組員に1人あたり鯨肉10kgを土産として配り、土産とした鯨肉の代金を(調査捕鯨の実施責任を持つ組織である)日本鯨類研究所に支払っている」と表明した。しかし、日本鯨類研究所の見解では「乗組員1人あたり数kg程度を渡している」としており、また調査捕鯨船運航会社からの乗組員用鯨肉土産代金として金銭を受領したとの認識は無く、双方の説明はなお一致していない[36]。
農林水産大臣・若林正俊は5月16日の閣議終了後の記者会見で、捕鯨船乗組員の鯨肉持ち出しについて、調査を実施して(慣例・慣習ではなく)明確な規則を定める必要があるとの考えを明らかにした[37]。現在の慣例では、捕鯨船乗組員は1人あたり10kgのクジラ肉を土産とすること、これに加えて3.2kgまでの購入が認められており、さらに他の乗組員が購入しなかった分を追加で購入することも認められている[38]。なお、調査団の乗組員は約250人おり[36]、土産だけで約2.5トン、別途購入の3.2キログラムを加えると、乗組員全体で最大約3.3トンの持ち帰りが慣例として認められてきたことになる。
脚注[編集]
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注釈[編集]
1.^ なお、同年11月のグリーンピース・インターナショナルの会議に参加したのは、カナダ・アメリカ・フランス・ドイツ・デンマーク・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・オランダの9カ国のグループの代表だったとされる。
2.^ なお、グリーンピース・ジャパンによると、グドムンドソン氏は米国のクー・クラックス・クランなど極右勢力との繋がりが取りざたされる人物であり、裁判の結果彼はノルウェーでは名誉毀損でグリーンピースへ賠償金支払いを命じられ、ドイツ、ニュージーランドでは彼のドキュメントフィルムはオンエア禁止になっているとの事である。小学館「SAPIO」1995年5月24日号「「黒い献金」「やらせキャンペーン」・・・・・・なぜグリーンピースに疑惑が噴出するのか」
3.^ 当時のレート、1ドル=103円で計算
4.^ この航海に関して、ボブ・ハンター(Bob Hunter/ロバート・ハンター Robert Hunter)著『虹の戦士たち〜グリーンピース反核航海記』(原題は「Warriors of the Rainbow: A Chronicle of the Greenpeace Movement」)という本が社会思想社より出版されていたが、同社の解散により、現在(=2005年)は入手できない。
5.^ 創立メンバーの経歴や個々の思想については、前述「Warriors of the Rainbow: A Chronicle of the Greenpeace Movement」のほか、同一作者によって翌年に書かれた「The Greenpeace Chronicle」に詳しい。
6.^ ポール・ワトソンが一時期グリーンピースに所属していたことから、シーシェパードの行動のいくつかが日本国内ではグリーンピースの行動と混同されている。
7.^ サンデータイムズ・インサイトチーム著『虹の戦士号爆破事件:フランス情報機関の謀略』(原題は「Rainbow Warrior: the French attempt to sink Greenpeace」)社会思想社。またこの事件はさまざまな小説・映画などで扱われている。たとえば佐々木譲の「ネプチューンの迷宮」はこの事件を基とした爆破事件から話が始まっており、景山民夫の「遠い海から来たCOO」にも同様の逸話がある(なお、小説「遠い海から来たCOO」には「グリーンピース」という名の国際自然保護団体が登場するが、それは武器を携帯するような戦闘的な組織であり、実在するグリーンピースとは大きく食い違っている。そのためグリーンピースは「誤解を招く」として抗議しており、映画では別名に差し替えられている)。また、2005年に公開された映画「スパイ・バウンド」は、この爆破事件の指揮官としてオークランドに滞在していて逮捕されたフランス軍のドミニク・プリウール Dominique Prieur 大尉の手記が原作となっている。
8.^ その後、この鯨体はグリーンピースの手で日本大使館前からは運び去られたが、日本では一部で「大使館前に放置した」という誤解が発生していた。
出典[編集]
1.^ 浜野隆史『エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ 』洋泉社新書、2009年
2.^ Hsu, Spencer S. (2005年12月20日). “FBI Papers Show Terror Inquiries Into PETA; Other Groups Tracked”. The Washington Post 2013年1月31日閲覧。
3.^ Cloherty, Jack; Ryan, Jason (2010年9月20日). “FBI Spied on PETA, Greenpeace, anti-war activists”. ABC News 2013年1月31日閲覧。
4.^ グリーンピース 手段を選ばぬ「正義」とは(6月21日付・読売社説) - 読売新聞 2008年6月21日(2008年6月23日時点のアーカイブ)
5.^ 600 strip naked on glacier in global warming protest | Greenpeace International, August 18, 2007
6.^ カショーリ & ガスパリ 2008, p. 232
7.^ 中村政雄「グリーンピースと資金」、電気新聞2006年1月30日付「ウェーブ=時評」より。論者は元読売新聞論説委員。
8.^ Veja,1994,5/4,p.7-10,Andre Petry. カショーリ & ガスパリ 2008, p. 232
9.^ a b c d e f カショーリ & ガスパリ 2008
10.^ Der Spiegel,1991,9/16日号
11.^ Der Spiegel,1991,9/16日号。カショーリ & ガスパリ 2008
12.^ Studi Cattolici,1996年2月号,Paolo Pugni。カショーリ & ガスパリ 2008
13.^ Greenpeace policies cause deaths in Africa,Richard Tren[リンク切れ]。カショーリ & ガスパリ 2008
14.^ “「エコ・テロリズム」発言などに対し、グリーンピース、日本鯨類研究所へ正式抗議”. グリーンピース (2001年12月14日). 2006年11月16日閲覧。[リンク切れ]
15.^ 衆議院会議録情報 第125回国会 運輸委員会 第1号 国会会議録検索システム 1992年12月8日
16.^ 衝突ビデオ1(日本鯨類研究所が公開)
17.^ 衝突ビデオ2(日本鯨類研究所が公開)
18.^ 「週刊ポスト」1987年10月9日号
19.^ 告発レポート「奪われた鯨肉と信頼 ―『調査捕鯨母船・日新丸』での鯨肉横領行為の全貌」 2008年5月15日 (PDFファイル)
20.^ プレスリリース 調査捕鯨鯨肉、調査団による横領発覚 ― グリーンピース、証拠の鯨肉を持って東京地検に告発 2008年5月15日(2008年5月16日時点のウェブ魚拓)
21.^ 調査捕鯨に横領が発覚! 2008年05月14日 YouTube 投稿者:greenpeacejapan
22.^ 「横領は土産以外」と強調=調査船鯨肉持ち帰り−環境団体 時事通信 2008年5月16日 22:08[リンク切れ]
23.^ 朝日新聞社 (2010年4月25日). “捕鯨船員の鯨肉持ち帰り「不起訴相当」議決 検察審査会”. 2010年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月25日閲覧。
24.^ a b 告発レポート「奪われた鯨肉と信頼 ―『調査捕鯨母船・日新丸』での鯨肉横領行為の全貌」 (PDF) 2008年5月15日、グリーンピース・ジャパン
25.^ 調査捕鯨に横領が発覚! - YouTube・投稿者:greenpeacejapan
26.^ 西濃運輸が青森県警に被害届提出 時事通信 2008年5月16日13時32分配信[リンク切れ]
27.^ 青森県警が窃盗で捜査開始 報知新聞 2008年5月16日23時55分配信
28.^ 共同船舶も窃盗容疑で週明けにも告発を検討 産経新聞 2008年5月16日 20:00(2008年5月19日時点のアーカイブ)
29.^ 「横領は土産以外」と強調=調査船鯨肉持ち帰り−環境団体 時事通信 2008年5月16日 22:08[リンク切れ]
30.^ グリーンピース鯨肉窃盗、メンバー2人有罪判決(読売新聞 2010年9月6日)[リンク切れ]
31.^ ワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)(CITES(サイテス): Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora) - 日本国外務省 平成20年3月(2008年)
32.^ 定置網に混獲されたひげ鯨等の取り扱いの手引き (PDFファイル) -
33.^ グリーンピース、調査捕鯨の鯨肉横流しを告発へ 2008年5月15日 JanJan(日本インターネット新聞社)(2011年1月5日時点のアーカイブ)
34.^ 衆議院会議録情報 第129回国会 環境委員会 第4号 平成6年6月3日(1994年)
35.^ 国際捕鯨取締条約 - 日本国外務省が提供する日本語訳。INTERNATIONAL CONVENTION FOR THE REGULATION OF WHALING - The Ministry of Foreign Affairs of Japan
36.^ a b 「土産ない」一転「10キロ無料で」 鯨肉疑惑で船会社 asahi.com (朝日新聞)2008年5月16日00時06分(2008年5月19日時点のアーカイブ)
37.^ 調査捕鯨:鯨肉持ち帰り「決まり必要」--若林農相 毎日jp (毎日新聞) 2008年5月16日 東京夕刊(2008年5月21日時点のアーカイブ)
38.^ 調査捕鯨:船から「鯨肉持ち出す」 環境団体、乗組員ら12人告発へ 毎日jp(毎日新聞) 2008年5月15日 東京夕刊(2008年5月19日時点のアーカイブ)
参考文献[編集]
リッカルド・カショーリ 『環境活動家のウソ八百』〈洋泉社新書〉、2008年。ISBN 978-4862483096。
目次 [非表示]
1 組織概要
2 活動分野と主張
3 批判 3.1 資金問題
3.2 組織内部の意思決定
3.3 人種平等会議による批判
3.4 日本での批判
4 歴史 4.1 1971年 アメリカ合衆国の核実験に反対
4.2 1972年 フランスの核実験に反対
4.3 捕鯨問題と環境問題への接近
4.4 レインボー・ウォーリア号事件
4.5 1995年、フランス核実験への抗議行動
5 日本との摩擦 5.1 接触事故
5.2 グリーンピースの抗議行動のエスカレート
6 グリーンピース・ジャパン 6.1 グリーンピース・ジャパンによる宅配便窃盗事件 6.1.1 グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴
6.1.2 グリーンピース・ジャパンメンバーの逮捕・起訴と有罪判決
6.1.3 日本でのクジラ肉の取り扱い
6.1.4 鯨肉の「土産」
7 脚注 7.1 注釈
7.2 出典
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク 10.1 公式サイト
10.2 批判的立場から
組織概要[編集]
環境保全・自然保護の分野において、世界的に有名な団体である。
1979年10月14日に、各国のグループを統合するかたちで、グリーンピース・インターナショナルが設立され、本部はオランダのアムステルダムに置かれた。[注 1]
その過剰な運動に対してエコテロリズムとして批判されることもある[1]。2005年、アメリカ自由人権協会(ACLU)が情報公開法に基づいて入手した米国連邦捜査局(FBI)の資料から、FBIがACLUと並んでグリーンピースや動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)を監視対象にしていたことが分かり、ACLUは、通常の政治活動に携わっている人々にまで国内テロリズムの定義を拡大していると抗議した[2]。2010年、アメリカ合衆国司法省は、2001年から2006年まで続いたFBIによるグリーンピースやPETAなどの環境保護団体メンバーの監視は正当ではなかったとする文書を公表し、FBIを批判した[3]。日本国内でも、捕鯨問題を告発すると称してグリーンピースが組織的に運送会社の倉庫から宅配物を窃盗したとして幹部二名が逮捕される事件があり、その組織的な非合法活動について批判がある[4]。なおこの事件の捜査や逮捕には青森県警察に加えて警視庁公安部が関わったことから国内でも公安警察の監視対象にあるとみられる。 ※本文中の原語表記部のリンクは英語版へのリンク。
活動分野と主張[編集]
エッソ本部に不法行為をするグリーンピース /エクソンモービル.
グリーンピースが展開する活動分野を以下列挙する。
海洋生態系問題日本で有名なのは捕鯨問題だが、基本的には海洋生態系全体をまとめて扱っている。過剰漁獲や漁業手段の問題、海洋汚染の問題、オゾン層破壊による生態系ピラミッドの崩壊の問題などに分かれており、捕鯨問題は漁業問題のひとつという位置づけである。尚、あくまで近代捕鯨への反対であり、生存捕鯨は持続可能として認める立場も示している(反捕鯨#生存捕鯨も参照)。2005年からは日本の沖縄におけるジュゴン保護にも参加。オゾン層破壊特定フロンをはじめとするオゾン層破壊物質の抑制。フロンを使わない炭化水素冷媒による冷蔵庫「グリーンフリーズ」の開発・普及。炭化水素冷媒のグリーンフリーズ型冷蔵庫は、グリーンピースの開発委託を受けたドイツのDKK社(その後フォロン社に名称変更)が、1992年に世界に先駆けて発表。1993年中にはドイツの他企業も追従し、また同時に断熱材に使われていたフロンも炭化水素などに置き換えられた。他国の大手家電企業へのグリーンフリーズ型冷蔵庫の生産要請なども行ってきた。森林問題森林伐採による生態系破壊の問題。紙の原料となるパルプ材としての森林管理問題やマホガニーなどの希少樹種の貿易問題など。原子力問題核兵器に対する反対運動は継続している。1993年には、ロシア海軍による核廃棄物の日本海への海洋投棄を摘発し日本に衝撃を与えた。また、原子力発電をはじめとするいわゆる「平和利用」に関する反対運動、つまり原子力撤廃運動も展開(高速増殖炉や核燃料再処理、それに伴う放射能汚染問題・プルトニウム管理問題など)。1995年と1997年には、フランスから日本まで航路や輸送スケジュールが発表されていなかった核物質輸送船を追跡するプロジェクトを展開(前者はチャーター船の「スミット・ニューヨーク」、後者はキャンペーン船「ソロ M.V.Solo」が追跡船)。化学物質汚染問題塩素系化合物などを含む化学物質汚染問題や、その一部の原因となっているごみ処理・ごみ焼却処理の問題。日本では、ほかに瀬戸内海の豊島におけるシュレッダーダストの投棄問題などにもかかわっている。エネルギー問題太陽発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及。気候変動問題いわゆる「地球温暖化」。二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの排出抑制を目指している。エネルギー問題とも密接に関係するほか、特定フロンのかわりに導入された、オゾン層破壊係数が低いかわりに強い温室効果をもたらす代替フロンの使用抑制についても活動している。2007年には、地球温暖化に抗議するためにスイスの氷河で全裸パフォーマンスの撮影が行われ、「緊急事態にある人類は、社会常識、礼儀作法、容認可能な行為の規範を捨て、いかなる方法を使ってでも警告を発するだろう」と主張している[5]。遺伝子組み換え作物への反対アピール遺伝子組み換えトウモロコシの賛成派の政治家事務所前にトウモロコシをばら撒くという抗議行動を行っている。共謀罪創設に対する反対アピール主に日本国内での活動。2006年、日本政府の共謀罪関連法案(組織犯罪処罰法の改正案)の審議に対する反対運動や抗議の呼びかけ。
批判[編集]
資金問題[編集]
グリーンピース創設メンバーの一人で、15年間も会長をつとめた[6]パトリック・ムーアは、のちに団体と袂を分かち、別の団体「グリーンスピリット」を興して原子力発電に賛同する立場になっている。ムーアによれば、ロックフェラー財団など50の基金が、原子力発電に賛同する一方で“環境保護に関心あり”というポーズのためにグリーンピース本部に資金援助しているとして団体の資金源について内部告発を行った[7]
アイスランドのジャーナリスト、マグヌス・グドムンドソンは「グリーンピースは環境保護団体のような顔をしているが、実は政治的権力と金を追求する多国籍企業である」と述べている[8][注 2]。
またバチカン教皇庁レジーナ・アポストロルム大学大学院教授のリッカルド・カショーリとアントニオ・ガスパリによれば、グリーンピース・インターナショナルの2000年度予算は3400万ドルにのぼり、団体全体の同年度予算は1億4300万ドル(147億2900万円[注 3])にものぼるほどで、「巨大資金団体」としたうえで[9]、同団体は税控除が適用される寄付金を集め、さらにそれを会計上異なる関連団体に分配しているグリーンピースのやり方を批判している。
ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルによれば、グリーンピースは「世界で最も資金力のある環境団体」で、年間に二億ドルの収入があり[10]、ドイツ国内でも1000万マルクの売り上げがありながら、申告されることがないとして批判した。
現在、ウェブサイトの情報によると「グリーンピースは環境保護を願う市民の立場で活動するため、政府や企業からの資金援助を受けていません」として、個人献金のみで運営されている。
組織内部の意思決定[編集]
ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルは、グリーンピースの意思決定が、「グリーンピース世界会議」の12人の大選挙人に握られており、一般メンバーは運営の意思決定に関わることはできず、収入の24%以上を上納できる資金力を持つ支部代表のみが意思決定を行っていると報道した[11]。
グリーンピースの元会長ウテ・ベリオンは「グリーンピースの賛同者たちに投票権はない」「どのような仕事をするかをこちら(執行部)が指示し、それに同意するなら資金提供という形で賛意を示してもらうシステムである」と述べている[12]。グリーンピース・オランダの会計責任者フランツ・コッターは「理事たちはメンバーに影響されるのを好まない。メンバーたちは黙って金を払うためだけに存在する」と明言している[9]。
またグリーンピース・ノルウェーの会長を二年間務めた後、1993年に団体の運営方法を会議の議題にしょうとしたところ、追放されたビヨルン・オカーンは「グリーンピースに民主主義は存在しえない。ピラミッド構造になっていて、すべてが頂上の一握りの人間によって決定される」と証言している[9]。またオカーンは「グリーンピースの金が環境のために使われていると考えるのは間違っています。幹部たちはファーストクラスに乗って旅行し、最高級のレストランで食事をし、優雅なエコ・セレブの生活をしている。クジラで大騒ぎをするのは、それが儲かるからにほかならない」とも内部告発している[9]。
人種平等会議による批判[編集]
ニューヨークに本部を持つ人種平等会議(en:Congress of Racial Equality:略称CORE) は、2003年5月11日に、アメリカのジャージーシティにおいて「Africa,YES,Greenpeace,NO!」とするスローガンを、グリーンピースのイベントに対して投げつけた。COREによれば、グリーンピースが発展途上国の発展を妨害するからで[13]、グリーンピースは遺伝子組み換え植物の導入に反対し、DDTをいかなる目的であっても使用禁止にすべきとして反対し、その結果、マラリア対策をとることができないとして批判している。COREの報道担当官ナイジェル・イニスによれば、1972年に環境保護ファンドという団体の理事チャールズ・ウースターは、DDTによるマラリア予防について質問された際、「だから、どうした?人口はすべての問題だ。人間は多すぎる。人間はもっと少なくしたほうがいい」と人口爆発を懸念する内容の発言を行ったが、前述のカショーリとガスパリによれば、環境保護運動と優生学運動は、人口と資源のコントロールという共通の目的をもつと独自の論理を披露し、20世紀初頭には両者は連携していたと指摘し[9]、優生学的な考えであるという見方を示した[9]。
日本での批判[編集]
2001年12月、南極海で、日本の調査捕鯨船団と、グリーンピースの船「アークティック・サンライズ号」が遭遇した。この際、日本の調査捕鯨を委託されている日本鯨類研究所の理事長である大隅清治がグリーンピースを『エコ・テロリスト』だと批判するプレスリリースを発表すると、即座にグリーンピースは抗議声明を出した[14]。また、船のスクリューに鎖を巻く等、違法な直接行動に対しては、日本政府などに「テロリズムである」と認定された。広報(パフォーマンス)重視のボランティア活動に対する懐疑的見方など、日本では、しばしば逆効果になっているという批判、さらに非欧米の国の文化、国民性を無視しているとの批判もある[要出典]。
歴史[編集]
1971年 アメリカ合衆国の核実験に反対[編集]
アメリカ合衆国がアリューシャン列島のアムチトカ島で行おうとしている地下核実験に反対するために、1969年、カナダのバンクーバーに「波を立てるな委員会(Don't Make a Wave Committee)」という組織が誕生した。この組織は、のちに「名前がわかりにくい」という内部批判から、「環境」を意味する「グリーン(green)」と「平和」を意味する「ピース(peace)」をくっつけた「グリーンピース(Greenpeace)」という造語をつくり、改名した。
グリーンピースは、1971年、核実験を阻止することを目指し、アムチトカ島沖合いの公海に船を居座らせて監視をするという方法で圧力をかけるために、底引き網漁船「フィリス・コーマック(Phyllis Cormack)」をチャーターして船出した。これがグリーンピースの最初の直接行動である。なお、「フィリス・コーマック」が「グリーンピース1号」、その航海への反響で新たに雇って追加派遣した元王室カナダ海軍の退役掃海艇をチャーターした「エッジウォーターフォーチュン(Edgewater Fortune)」が「グリーンピース2号」と呼ばれている。
この航海は、アムチトカ沖の目標地点まで行き着くことはできなかったものの、あまりの反対の強さ・反響の大きさに、アメリカ合衆国は、結局その後のアムチトカでの核実験を断念、同地は自然保護区(バードサンクチュアリ)と宣言された。
この航海を通じて、「目撃者となること」「目撃したことを広く伝えること」などのその後の路線がある程度確立された。また、翌1972年5月4日には、グリーンピース財団(Greenpeace Foundation)に組織を変更した[注 4]。
なお、この航海の際にメンバーのひとりがネイティヴ・アメリカンの伝承本を持参していた。その中に記載されていた「炎の目(Eyes of Fire)」という老婆が語った物語に、「虹の戦士(Rainbow Warrior)」という登場人物がいた。これは、世界が滅亡の危機に瀕したときに立ち上がる伝説の勇者の称号であるとされる。そこから「虹の戦士」はグリーンピースの活動家の自称となり、またグリーンピースを象徴するキャンペーン船の名称ともなった。この当時のグリーンピースのメンバーの多くは既存の生き方に疑問を呈しカウンターカルチャーやサブカルチャーにも理解を示していた[注 5]。
1972年 フランスの核実験に反対[編集]
1972年には、フランスが南太平洋のムルロア環礁で行おうとしていた核実験に反対する航海を企画した。
この航海は、この時からグリーンピースに参加し、のちに代表となるデビット・マクタガート(David McTaggart)が指揮を執り、1973年にマクタガート自身の38フィート・2本マストの小さなヨット「ヴェガ S.V.Vega」を「グリーンピース3号」として核実験エリアの風下につけることで核実験を阻止しようとした。「グリーンピース3号」がそこにいる限り核実験が行えないため、フランス軍は軍艦を派遣して拿捕し排除した。しかしこのキャンペーンはイギリスなどでの大きな動きにつながり、グリーンピースの旗をエッフェル塔やノートルダム大聖堂に掲げるなどの行動が行われた。グリーンピースの行動方針のひとつである「非暴力直接行動(主義)」は、この時にはじまっている。
さらに翌1974年にもムルロア沖に船を出しての同様の抗議行動を行った。この時には、マクタガートらが拿捕しにきたフランス軍の兵士から過酷な暴行を受け重傷を負ったが、その暴行の写真の撮影と秘匿に成功し、直後にキャンペーンを行った。南太平洋における核実験反対運動は、のちにフランス国家によるグリーンピースに対するテロを引き起こすほどの衝撃を与えた。
なお、この行動の際に、フランス軍は、マクタガートらが乗船する「グリーンピース3号」を襲うために高速ゴムボート(ゾディアック Zodiac)を使った。その機動性に感動したことから、グリーンピースもゾディアックを導入し、海上での抗議行動に使うようになったと言い伝えられている。ゾディアックを使っての海上での抗議行動は、その後のグリーンピースの象徴ともなり、日本国内でも1997年に高レベル核廃棄物輸送船「パシフィック・ピンテール」の迎撃行動の際に青森県は六ヶ所村の東方海上で展開された。
注釈捕鯨問題などに関してはフランスと共同歩調を取ることが多いが、原子力問題では、フランス政府と激越に対立している。
捕鯨問題と環境問題への接近[編集]
同じ頃、ニュージーランド出身で、後に国際的な鯨類学者となるポール・スポング (Paul Spong)が、バンクーバーのグリーンピースに接近し、クジラをめぐる問題について注意喚起を行った。このスポングの接近は、グリーンピースが捕鯨問題に進出するきっかけとなった。
またこのことは、グリーンピースが「もっぱら反核を主張する組織」から「広くさまざまな自然保護問題について行動する組織」へと脱皮することにもつながった。1971年から参加していたポール・ワトソン Paul Watson らが主力となり、1975年から捕鯨船の目の前に高速ゴムボート(ゾディアック)を繰り出して捕鯨に反対するというキャンペーンが開始された。なお、ポール・ワトソンは、1977年に「グリーンピースは軟弱に過ぎる」として袂を分かち、エコテロリストの筆頭格とされる組織・シーシェパード Sea Shepherd を設立する。[注 6]
注釈1972年にストックホルムで行われた国連人間環境会議が反捕鯨の潮流の原点であるとした上で、その背後にグリーンピースがいたとする説があるが、1972年の時点でまだグリーンピースは反捕鯨を主張していなかった。ストックホルム会議での鯨類保護決議はグリーンピースとは無関係である。
さらにその後、毛皮を目的とするアザラシの乱獲問題などにも手を広げた。1977年には、世界中に15ないし20程度の支部(グループ)が誕生しており、国際的な環境保護団体となっていった。
レインボー・ウォーリア号事件[編集]
詳細は「レインボー・ウォーリア号事件」を参照
1985年7月10日、グリーンピースの帆走キャンペーン船「虹の戦士 S.V.Rainbow Warrior」は、ムルロア環礁におけるフランスの核実験に抗議・反対する航海のためにニュージーランドのオークランド港で出港準備をしていたが、この船が同日夜、爆破・撃沈された。この際、ボランティアとして乗船していたポルトガル人フォトグラファーのフェルナンド・ペレイラ Fernando Pereira が死亡した。爆破が衝撃的だっただけではなく、このとき「虹の戦士」は、小さなヨットなどから構成される抗議船団のための物資供給などを担当する母船として位置づけられていたために、核実験に反対する側の陣容にも大きな悪影響を与えた。
この爆破事件は、ニュージーランド警察当局の捜査によってフランス情報機関(対外治安総局 DGSE)によるテロであることが突き止められ、ニュージーランドから逃げ遅れたフランス軍士官のテロ作戦指揮官2名が逮捕された。実行犯4名はヨットによって逃亡し、その後の消息は不明である。他にも逃亡に成功したフランス軍人はいるものと考えられている。フランスの国家による犯罪であったため、旅券などはすべて偽造のものであった。逮捕された指揮官2名は偽造のスイス国籍の旅券を所持していた。この事件は、派生的にニュージーランドとフランスの国際問題にも発展した[注 7]。
1995年、フランス核実験への抗議行動[編集]
虹の戦士号爆破事件から10年後の1995年、フランスは再びムルロア環礁での核実験を計画した。この際には、グリーンピースは大規模な抗議行動を行った。撃沈された船の名を受け継いだ「虹の戦士2 S.V.Rainbow Warrior II」のほか、旗艦「グリーンピース M.V.Greenpeace」、最初のムルロア核実験反対行動から参加している「ヴェガ S.V.Vega」、チャーター船の「マニティア」、ゾディアック十数隻、グリーンピース号搭載のヘリコプターなどがムルロア環礁に集結して激しい抗議行動を繰り広げ、また呼びかけに応え各国から駆けつけた百隻を越える「平和船団」がムルロア環礁を取り囲んだ。
この抗議行動を受け、フランス政府はムルロア環礁での核実験を中止しなかったが、それ以後の核実験を行わないことを確約した。
日本との摩擦[編集]
接触事故[編集]
1992年11月にフランス沖合いで、グリーンピースのキャンペーン船「ソロ」と、核物質を搭載して日本に向かっていた輸送船「あかつき丸」を護衛していた海上保安庁の巡視船「しきしま」の接触事故が生じている。
この事故について日本政府は、護衛船の「しきしま」の右舷後方から、追い越し船の立場にあったソロが異常に接近し、急に左転したとことが事故発生の原因であるとしている。また、実際に国際海事機関からも同様の見解が出されていると主張している[15]。
この件でグリーンピースは海上保安庁に賠償と修理費を請求したが、拒絶された。
グリーンピースの抗議行動のエスカレート[編集]
2005年12月に、南極海で調査捕鯨をしていた日本の捕鯨船の周辺で、グリーンピースの船が抗議行動を行って双方の船が接触する事件が発生した。双方にけが人は出なかったが、この時、グリーンピース側は今後も抗議活動を続けるという声明を発表している。
それを裏付けるように、その翌月には、捕鯨船団に対しての抗議中にグリーンピースの活動家1人が海に転落する事件が発生した。グリーンピース側は、「捕鯨船が狙っていたミンク鯨を守ろうとしていたボートから活動家が転落した」と主張しているが、それに対し、日本鯨類研究所は、捕鯨船の陰に隠れていたボートが突然出現した画像を公開し反論、グリーンピースの行動について、「報道機関の関心を維持するため、だんだん危険な行動をとっている」と批判した。
なお、この件に関して反捕鯨国であるオーストラリアの環境相が「人命を危険にさらすような戦術を人々が尊敬するとは思わない」とグリーンピースに対し自制を求めた。
2006年1月8日、南極海で日本船の調査捕鯨を監視していたグリーンピースの監視船「アークティック・サンライズ」が、日本の捕鯨母船「日新丸」にぶつけられたと発表した。一方、捕鯨船団を派遣した日本鯨類研究所は、他船に貨物を移し替える為停船していた日新丸に意図的にグリーンピースが追突してきと発表し、その時のビデオを発表しグリーピースからの意図的な衝突を証明している[16][17]。
2006年1月18日、捕殺調査名目での捕鯨に対して、死亡したナガスクジラの博物館への輸送の途上で、ベルリン市のデモ許可を取得してドイツの日本大使館前で公開するとともに、「ストランディング(漂着・座礁のこと)した鯨の調査で十分である」という意図を伝えるという抗議行動を行った。[注 8]
2006年2月17日には青森県六ケ所村に存在する日本原燃の使用済み核燃料再処理工場で2006年4月に開始される試験運転に反対する抗議行動として、原子力安全・保安院などが入る経済産業省別館の壁面に『STOP! 再処理』と書かれたメッセージを投影した。
2006年2月21日夕方には青森県庁本館の壁一面に『放射能汚染、立入禁止』の文字と放射能マークが入った貼り紙の映像を投影している。この行動についてグリーンピースは、青森県議会の全員協議会で討議された六ヶ所再処理工場のアクティブ試験安全協定素案に問題があったためと主張している。
グリーンピース・ジャパン[編集]
グリーンピースの日本事務所(グリーンピース・ジャパン(GPJ))が設立されたのは1989年4月。それ以前にも日本にグリーンピースを名乗っていた人々がいることは確認できているが(たとえば太田竜[18]など)、それらはグリーンピース・インターナショナルとは無関係である。2012年現在の理事長はアイリーン・美緒子・スミス(ユージン・スミスの元妻)、2012年現在の理事長には佐藤潤一が就いている。過去には理事長に海渡雄一、事務局長に星川淳が就いていた。2008年時点でのサポーターは約6000人、有給専従職員は15人である。
また、グリーンピース・ジャパンが設立されグリーンピースから日本語による正式な声明が出されるようになるまで、対立する側が「グリーンピースはこう言っている、それはけしからんことだ」といった構造の批判的キャンペーンを展開してきたという経緯もあり[要出典]、これが日本での悪い印象を生み出した一因になっていたとも言えるが、近年では後述の西濃運輸宅配便窃盗事件など、会員のおこした犯罪行為を組織として正当化する確信犯的主張などが原因で、日本での悪印象は決定的なものとなっている。商業捕鯨に関しては一貫して反対の立場にあるが、生存捕鯨については原則として判断を示すことはなく、本部同様に概ね認める傾向がある。インターネットテレビでは捕鯨文化尊重と保護を両立するという趣旨で出演者が鯨肉を食べるところを放映することもある。
なお、日本国内における活動としては、国内企業へのアンケート[1]や経済界へのキャンペーン[2]、反原子力発電運動も行っている。
グリーンピース・ジャパンによる宅配便窃盗事件[編集]
詳細は「グリーンピース宅配便窃盗事件」を参照
グリーンピース・ジャパンによる捕鯨関係者の告発と不起訴[編集]
グリーンピース・ジャパンは、日本の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員が調査捕鯨で捕獲したクジラ肉(鯨肉)を大量に自宅に送っていたとして、2008年5月15日に業務上横領の疑いで証拠品である鯨肉および梱包箱とともに告発状を東京地方検察庁へ提出した。同時に、農林水産省などに対しては、日本鯨類研究所による調査捕鯨活動の停止、および水産庁からの補助金の支給停止を求めた。これを受けて水産庁は実態を調査する方針であることを明らかにした。
グリーンピース・ジャパンは2008年5月8日付けで水産庁に対して「船員が鯨肉を土産として持ち帰ることが基本的にないのかと」と問い合わせをした結果、水産庁遠洋課課長・成子隆英から「ないです。極めて(流通が)限られていますから。」と回答されたと主張している [19] 。また、グリーンピース・ジャパンは、「船員が無断で畝須(うねす)などを塩漬け処理し冷凍せずに西濃運輸の宅配便で自宅に配送されている」「無断で持ち帰るものとは別に、土産や船員向けに販売される鯨肉がある」という元船員とされる人物の証言を紹介している。またグリーンピース・ジャパンは、告発対象となった2008年4月15日の日新丸帰港に際しての乗組員私物手荷物発送について、「合計90箱程度」のうち「鯨の解体・鯨肉製造に携わる乗組員12人から、最低でも47箱」を確認し、「この全てが鯨肉であったとすると、合計1.1tになる」としている[20][21]。グリーンピース・ジャパンは5月16日記者会見を開いて、「告発の証拠品として提出した鯨肉(畝須)は23.5kgで塩漬け処理されて常温保存の状態」だったと主張し、この鯨肉が「『数kg程度の冷凍品である土産』ではない鯨肉」であり横領されたものであると主張した[22]。
2008年6月20日、東京地検は「グリーンピース・ジャパン」から業務上横領容疑で告発されていた「日新丸」乗組員12人全員を不起訴処分(嫌疑なし)とした(同日には窃盗容疑でグリーンピース・ジャパンメンバー2名が逮捕され、本部が家宅捜索されている(下記参照))。これに対してグリーンピース側は上記不起訴処分を不服として検察審査会を申し立てていたが、2010年4月22日に東京第一検察審査会が「不起訴は相当」とする議決を下した[23]。
グリーンピース・ジャパンメンバーの逮捕・起訴と有罪判決[編集]
捕鯨関係者を告発するあたってグリーンピース・ジャパンが提示した証拠のクジラ肉は上掲の「告発レポート[24]」やYouTube投稿映像[25]にあるとおり、「日新丸」乗組員が送った個人の荷物のひとつを、グリーンピース・ジャパン関係者が宅配便運送会社の西濃運輸の配送所から盗み出したものである。
グリーンピース・ジャパンは、この調査方法を認めた上で「重大な横領行為の証拠を入手するためであり、違法性は無い」と主張している(当のグリーン・ピース側は未だに正当性を主張しているが、無論、グリーンピース・ジャパンはNGOであり捜査機関では無い。当然令状も無いので、独自判断で証拠物として押収する事は盗取となるし、西濃運輸の車両を追跡し、伝票を確認した上で倉庫に侵入し窃盗を行っていう事から、明らかな「不法領得の意思」があっての犯行である故、正当性及び阻却性は一切皆無と言える)。
法曹関係者の間では本件について西濃運輸青森支店への不法侵入・荷物の窃盗・西濃運輸に対する業務妨害などの犯罪に問われる可能性もあることが指摘され、2008年5月15日に放送された『スーパーモーニング』に出演した弁護士は「窃盗に当たる」と断言した。番組では、アメリカ合衆国において人工中絶に反対する団体が人工中絶を実施しているクリニックを襲撃している事例を引き合いに、窃盗という違法行為を正当化するグリーンピースの悪質な姿勢を「非常に危険である」とした。
2008年5月16日に西濃運輸は青森県警に対して被害届を提出した[26]。これを受けて青森県警は窃盗容疑で捜査を開始した[27]。調査捕鯨船運航会社の共同船舶も、早ければ5月19日にも窃盗容疑でグリーンピース・ジャパンを告発することを検討していると報じられた[28]。これらの動きに対して、同日にグリーンピース・ジャパンは記者会見を開いて、西濃運輸に対しては「迷惑を掛けたならお詫びしたい」と謝罪した[29]。
2008年6月20日、青森県警と警視庁公安部はグリーンピース・ジャパンが組織的に計画し肉を盗み出したとみて、実行に関与した東京都と神奈川県に住む同団体幹部2人(1人は後に事務局長となる佐藤潤一である)を窃盗および建造物侵入の容疑にて逮捕し、東京の事務所など関係先数カ所の家宅捜索を行った。なお同日にはグリーンピース・ジャパンが捕鯨関係者を業務上横領で告発したことに対して東京地検から不起訴処分が下されている。
2008年7月11日、青森地検が同年6月20日に逮捕されたグリーンピース・ジャパンの幹部ら2人を窃盗と建造物侵入の罪で青森地裁に起訴した。 同年7月15日にグリーンピース・ジャパンは保証保釈金400万円を払い両被告は保釈された。
2010年9月6日、青森地裁は窃盗などの罪で、2名のグリーンピースメンバーの被告に対して、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年6ヶ月)の有罪判決を言い渡した[30]。これに対して被告側は仙台高裁に控訴したが2011年7月12日に棄却されたため最高裁への上告は断念し、2011年7月27日に被告2名の懲役1年・執行猶予3年の有罪判決が確定した。
日本でのクジラ肉の取り扱い[編集]
この項では、告発があった2008年時点での「日本国内でのクジラ肉(鯨肉)の売りさばきを含む取り扱い」の状況について、概略を解説する。
日本政府は、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)附属書Iのうち、クジラについて留保している[31]。日本国内の民間相互取り引きにおいて、「公的な手続きを経て市場に放出された鯨肉」の流通は一般に自由であるが、漁として本来は意図していないのに偶発的に定置網にかかってしまったクジラについて、届け出報告を義務付けており、手続き無しでクジラを処理すれば罰則あり。[32]
日本の調査捕鯨によって日本国内にもたらされる鯨肉の販売価格は、日本鯨類研究所に設置した「副産物販売委員会」(水産庁や有識者などで構成)が審議して決定する。詳細は、日本鯨類研究所が制定する「鯨類捕獲調査事業の副産物処理販売基準」に従う[33]第129回国会 環境委員会 において、鯨肉の販売価格の形成過程や鯨肉販売の利益使途などについて明らかにするよう求めた衆議院議員・笹山登生の質問に対して、水産庁海洋漁業部遠洋課長・森本稔が(鯨肉の販売価格については)「できるだけ公正、かつ特定の人たちに独占的な利益が生じないような配慮をして決定」するものと答弁している[34]。
国際捕鯨取締条約第8条では、「捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。 」と定められている[35]。
調査捕鯨捕鯨船の乗組員個人が、社会通念において(社内販売などの、関係者向け割引・優先販売のような例)あるいは調査捕鯨制度の運用において許されている「自家消費や親戚知人などへの贈与などの私的な範囲」を超えて、「(その鯨肉の分量にかかわらず)公的な手続きを経ていない、あるいは職務上の立場を利用して不当過大に得た(不当利得)、鯨肉」を販売することや販売目的で所持することは、国際捕鯨取締条約に違反する疑いがある。
鯨肉の「土産」[編集]
前述したように、水産庁は2008年5月8日の時点では、グリーンピース・ジャパンの質問に対して調査捕鯨船乗組員が鯨肉を個人の土産とすることは基本的にないとの見解を示していた[24]。調査捕鯨船運航会社である共同船舶は、2008年5月14日までは「乗組員が鯨肉を土産にしていることを否定」していたが、5月15日にはそれまでの発表を撤回して「全乗組員に1人あたり鯨肉10kgを土産として配り、土産とした鯨肉の代金を(調査捕鯨の実施責任を持つ組織である)日本鯨類研究所に支払っている」と表明した。しかし、日本鯨類研究所の見解では「乗組員1人あたり数kg程度を渡している」としており、また調査捕鯨船運航会社からの乗組員用鯨肉土産代金として金銭を受領したとの認識は無く、双方の説明はなお一致していない[36]。
農林水産大臣・若林正俊は5月16日の閣議終了後の記者会見で、捕鯨船乗組員の鯨肉持ち出しについて、調査を実施して(慣例・慣習ではなく)明確な規則を定める必要があるとの考えを明らかにした[37]。現在の慣例では、捕鯨船乗組員は1人あたり10kgのクジラ肉を土産とすること、これに加えて3.2kgまでの購入が認められており、さらに他の乗組員が購入しなかった分を追加で購入することも認められている[38]。なお、調査団の乗組員は約250人おり[36]、土産だけで約2.5トン、別途購入の3.2キログラムを加えると、乗組員全体で最大約3.3トンの持ち帰りが慣例として認められてきたことになる。
脚注[編集]
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注釈[編集]
1.^ なお、同年11月のグリーンピース・インターナショナルの会議に参加したのは、カナダ・アメリカ・フランス・ドイツ・デンマーク・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・オランダの9カ国のグループの代表だったとされる。
2.^ なお、グリーンピース・ジャパンによると、グドムンドソン氏は米国のクー・クラックス・クランなど極右勢力との繋がりが取りざたされる人物であり、裁判の結果彼はノルウェーでは名誉毀損でグリーンピースへ賠償金支払いを命じられ、ドイツ、ニュージーランドでは彼のドキュメントフィルムはオンエア禁止になっているとの事である。小学館「SAPIO」1995年5月24日号「「黒い献金」「やらせキャンペーン」・・・・・・なぜグリーンピースに疑惑が噴出するのか」
3.^ 当時のレート、1ドル=103円で計算
4.^ この航海に関して、ボブ・ハンター(Bob Hunter/ロバート・ハンター Robert Hunter)著『虹の戦士たち〜グリーンピース反核航海記』(原題は「Warriors of the Rainbow: A Chronicle of the Greenpeace Movement」)という本が社会思想社より出版されていたが、同社の解散により、現在(=2005年)は入手できない。
5.^ 創立メンバーの経歴や個々の思想については、前述「Warriors of the Rainbow: A Chronicle of the Greenpeace Movement」のほか、同一作者によって翌年に書かれた「The Greenpeace Chronicle」に詳しい。
6.^ ポール・ワトソンが一時期グリーンピースに所属していたことから、シーシェパードの行動のいくつかが日本国内ではグリーンピースの行動と混同されている。
7.^ サンデータイムズ・インサイトチーム著『虹の戦士号爆破事件:フランス情報機関の謀略』(原題は「Rainbow Warrior: the French attempt to sink Greenpeace」)社会思想社。またこの事件はさまざまな小説・映画などで扱われている。たとえば佐々木譲の「ネプチューンの迷宮」はこの事件を基とした爆破事件から話が始まっており、景山民夫の「遠い海から来たCOO」にも同様の逸話がある(なお、小説「遠い海から来たCOO」には「グリーンピース」という名の国際自然保護団体が登場するが、それは武器を携帯するような戦闘的な組織であり、実在するグリーンピースとは大きく食い違っている。そのためグリーンピースは「誤解を招く」として抗議しており、映画では別名に差し替えられている)。また、2005年に公開された映画「スパイ・バウンド」は、この爆破事件の指揮官としてオークランドに滞在していて逮捕されたフランス軍のドミニク・プリウール Dominique Prieur 大尉の手記が原作となっている。
8.^ その後、この鯨体はグリーンピースの手で日本大使館前からは運び去られたが、日本では一部で「大使館前に放置した」という誤解が発生していた。
出典[編集]
1.^ 浜野隆史『エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ 』洋泉社新書、2009年
2.^ Hsu, Spencer S. (2005年12月20日). “FBI Papers Show Terror Inquiries Into PETA; Other Groups Tracked”. The Washington Post 2013年1月31日閲覧。
3.^ Cloherty, Jack; Ryan, Jason (2010年9月20日). “FBI Spied on PETA, Greenpeace, anti-war activists”. ABC News 2013年1月31日閲覧。
4.^ グリーンピース 手段を選ばぬ「正義」とは(6月21日付・読売社説) - 読売新聞 2008年6月21日(2008年6月23日時点のアーカイブ)
5.^ 600 strip naked on glacier in global warming protest | Greenpeace International, August 18, 2007
6.^ カショーリ & ガスパリ 2008, p. 232
7.^ 中村政雄「グリーンピースと資金」、電気新聞2006年1月30日付「ウェーブ=時評」より。論者は元読売新聞論説委員。
8.^ Veja,1994,5/4,p.7-10,Andre Petry. カショーリ & ガスパリ 2008, p. 232
9.^ a b c d e f カショーリ & ガスパリ 2008
10.^ Der Spiegel,1991,9/16日号
11.^ Der Spiegel,1991,9/16日号。カショーリ & ガスパリ 2008
12.^ Studi Cattolici,1996年2月号,Paolo Pugni。カショーリ & ガスパリ 2008
13.^ Greenpeace policies cause deaths in Africa,Richard Tren[リンク切れ]。カショーリ & ガスパリ 2008
14.^ “「エコ・テロリズム」発言などに対し、グリーンピース、日本鯨類研究所へ正式抗議”. グリーンピース (2001年12月14日). 2006年11月16日閲覧。[リンク切れ]
15.^ 衆議院会議録情報 第125回国会 運輸委員会 第1号 国会会議録検索システム 1992年12月8日
16.^ 衝突ビデオ1(日本鯨類研究所が公開)
17.^ 衝突ビデオ2(日本鯨類研究所が公開)
18.^ 「週刊ポスト」1987年10月9日号
19.^ 告発レポート「奪われた鯨肉と信頼 ―『調査捕鯨母船・日新丸』での鯨肉横領行為の全貌」 2008年5月15日 (PDFファイル)
20.^ プレスリリース 調査捕鯨鯨肉、調査団による横領発覚 ― グリーンピース、証拠の鯨肉を持って東京地検に告発 2008年5月15日(2008年5月16日時点のウェブ魚拓)
21.^ 調査捕鯨に横領が発覚! 2008年05月14日 YouTube 投稿者:greenpeacejapan
22.^ 「横領は土産以外」と強調=調査船鯨肉持ち帰り−環境団体 時事通信 2008年5月16日 22:08[リンク切れ]
23.^ 朝日新聞社 (2010年4月25日). “捕鯨船員の鯨肉持ち帰り「不起訴相当」議決 検察審査会”. 2010年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月25日閲覧。
24.^ a b 告発レポート「奪われた鯨肉と信頼 ―『調査捕鯨母船・日新丸』での鯨肉横領行為の全貌」 (PDF) 2008年5月15日、グリーンピース・ジャパン
25.^ 調査捕鯨に横領が発覚! - YouTube・投稿者:greenpeacejapan
26.^ 西濃運輸が青森県警に被害届提出 時事通信 2008年5月16日13時32分配信[リンク切れ]
27.^ 青森県警が窃盗で捜査開始 報知新聞 2008年5月16日23時55分配信
28.^ 共同船舶も窃盗容疑で週明けにも告発を検討 産経新聞 2008年5月16日 20:00(2008年5月19日時点のアーカイブ)
29.^ 「横領は土産以外」と強調=調査船鯨肉持ち帰り−環境団体 時事通信 2008年5月16日 22:08[リンク切れ]
30.^ グリーンピース鯨肉窃盗、メンバー2人有罪判決(読売新聞 2010年9月6日)[リンク切れ]
31.^ ワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)(CITES(サイテス): Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora) - 日本国外務省 平成20年3月(2008年)
32.^ 定置網に混獲されたひげ鯨等の取り扱いの手引き (PDFファイル) -
33.^ グリーンピース、調査捕鯨の鯨肉横流しを告発へ 2008年5月15日 JanJan(日本インターネット新聞社)(2011年1月5日時点のアーカイブ)
34.^ 衆議院会議録情報 第129回国会 環境委員会 第4号 平成6年6月3日(1994年)
35.^ 国際捕鯨取締条約 - 日本国外務省が提供する日本語訳。INTERNATIONAL CONVENTION FOR THE REGULATION OF WHALING - The Ministry of Foreign Affairs of Japan
36.^ a b 「土産ない」一転「10キロ無料で」 鯨肉疑惑で船会社 asahi.com (朝日新聞)2008年5月16日00時06分(2008年5月19日時点のアーカイブ)
37.^ 調査捕鯨:鯨肉持ち帰り「決まり必要」--若林農相 毎日jp (毎日新聞) 2008年5月16日 東京夕刊(2008年5月21日時点のアーカイブ)
38.^ 調査捕鯨:船から「鯨肉持ち出す」 環境団体、乗組員ら12人告発へ 毎日jp(毎日新聞) 2008年5月15日 東京夕刊(2008年5月19日時点のアーカイブ)
参考文献[編集]
リッカルド・カショーリ 『環境活動家のウソ八百』〈洋泉社新書〉、2008年。ISBN 978-4862483096。
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