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2014年02月13日

プラセオジム

プラセオジム (英: praseodymium) は原子番号59の元素。元素記号は Pr。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

和名のプラセオジムとは、ドイツ語の praseodym からきている。なお、プラセオジウムと呼ばれることもあるが、これは間違った呼称である。



目次 [非表示]
1 性質
2 用途
3 歴史
4 プラセオジムの化合物
5 同位体
6 出典


性質[編集]

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、複六方最密充填構造(ABAC スタッキング)。798 °C以上で体心立方構造が安定となる。比重は6.77、融点は935 °C、沸点は3020 °C (3127 °C)。

常温下の空気中で酸化され表面は黄色の酸化物で覆われる。290 °C以上で発火し Pr6O11 の組成の酸化物を生成する。展性、延性があり、熱水と徐々に反応し水素および水酸化物を生成する。酸には易溶で淡緑色の3価の水和イオンを生成する。
2 Pr + 6 H+(aq) → Pr3+(aq) + 3 H2Pr3+(aq) + 3 e- = Pr E°= −2.35 V
加熱下で水素、窒素と反応する。原子価は+3, 4価をとり、4価は固体(化合物)の場合のみ安定である。イオンの色は3価では緑色、4価では黄色。

プラセオジムは極低温下で特殊な磁気構造をとる。

用途[編集]

Pr6O10はガラスの着色剤(黄緑色)に使われる。また黄色顔料のプラセオジムイエローはジルコンに4価のプラセオジムイオンが固溶したものである。

光ファイバの増幅器で、励起光の波長制御のため添加される。

他の用途としてプラセオジム磁石がある。

歴史[編集]

オーストリアのカール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハが、もともと一つの元素と考えられていた混合物であるジジミウム (didymium) からネオジムと共に1885年に発見[2]。ギリシャ語でニラを意味する prason と(三価のイオンが緑色を呈することから)、ジジミウム(元は、双子を意味する didymos から命名された)を合成したのが語源[2]。

プラセオジムの化合物[編集]
PrT4X12(T = Fe, Ru, Os、X = P, As, Sb、充填スクッテルダイト化合物)
十一酸化六プラセオジム (Pr6O11) - 3価および4価の混合酸化物
硫酸プラセオジム(III) (Pr2(SO4)3・8H2O) - 淡緑色結晶

同位体[編集]

詳細は「プラセオジムの同位体」を参照

出典[編集]

1.^ M. Jackson "Magnetism of Rare Earth" The IRM quarterly col. 10, No. 3, p. 1, 2000
2.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、265頁。ISBN 4-06-257192-7。
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