2014年02月13日
テルル
テルル (英: tellurium) は原子番号52の元素。元素記号は Te。カルコゲン元素の一つ。
目次 [非表示]
1 性質
2 歴史
3 化合物 3.1 酸化物とオキソ酸
3.2 ハロゲン化物
3.3 その他
4 同位体
5 用途
6 埋蔵量・生産・消費
7 埋蔵地域
8 出典
9 関連項目
性質[編集]
金属テルルと無定形テルルがあり、金属テルルは銀白色の結晶(半金属)で、六方晶構造である。にんにく臭がある。
金属テルルの比重は6.24、融点は450 °C、沸点は1390°C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。酸化力のある酸には溶ける。ハロゲン元素とは激しく反応する。酸化数は-2, +2, +4, +6価をとる。また、化学的性質はセレンや硫黄に似ている。燃やすと二酸化テルルになる。天然に元素鉱物として単体で存在することがある(自然テルル、native tellurium)。
また、テルル単体及びその化合物には毒性があることが知られている。また、これらが体内に取り込まれると、代謝されることによってジメチルテルリドになり、呼気がニンニクに似た悪臭(テルル呼気)を帯びるようになる。
歴史[編集]
1782年にF.J.ミュラーが単体分離、1798年にクラプロートによって命名された[2]。語源はラテン語のTellusで、これは地球を意味するとともに、ローマ神話で大地の女神の名である[2]。また、周期表上でテルルの一つ上に位置するセレンはギリシャ神話の月の女神の名である。
化合物[編集]
酸化物とオキソ酸[編集]
一酸化テルル (TeO)
二酸化テルル (TeO2)
三酸化テルル (TeO3)
亜テルル酸 (H2TeO3)
テルル酸 (H6TeO6)
ハロゲン化物[編集]
六フッ化テルル (TeF6)
四塩化テルル (TeCl4)
四臭化テルル (TeBr4)
四ヨウ化テルル (TeI4)
その他[編集]
テルル化水素 (H2Te)
テルル化カドミウム (CdTe)
硫化テルル (TeS2)
テルリド (R2Te)
同位体[編集]
詳細は「テルルの同位体」を参照
テルルにはいくつかの安定同位体があるが、2.2×1024年の半減期を持つ128Te(これは現在知られている放射性同位体の半減期の中で最も長い)や、7.9×1020年とこちらもまた非常に長い半減期を持つ130Teもあり、これらのほうが安定同位体よりも存在量が大きい。このような一つ以上の安定同位体を持つ元素の中で天然放射性同位体が安定同位体より多く存在している元素は、テルルの他にインジウムとレニウムがある。
用途[編集]
ガラスなどの着色剤として利用される。
ビスマスとの合金は、熱電変換素子として実用化されている。
用途が狭く、偏在性が高く、需要量・埋蔵量ともに少ないが、太陽電池や各種電子部品の材料になるなど先端工業に欠かせない存在であり、レアメタルの一種である。
埋蔵量・生産・消費[編集]
鉱業便覧[3]によると、テルルの埋蔵量(資源量)は3万8000トンである。上位からアメリカ合衆国(6000トン)、ペルー(1600トン)、カナダ(1500トン)[4]。いずれもズリなどを含まないテルルの純分量である。2000年時点の年間生産量は322トン。上位からカナダ(80トン)、ベルギー(60トン)、アメリカ合衆国(50トン)、ペルー(39トン)、日本(36トン)であり、上位5カ国で生産量の82.3 %をまかなう[5]。1998年時点の年間消費量は145トン、そのうち日本が48トンを消費している[6]。テルルの2000年時点の総輸入量は2万0247kg、このうちベルギーが1万1197トン[要検証 – ノート]を占める[7]。
埋蔵地域[編集]
産出としては北海道手稲鉱山の手稲石や静岡県河津鉱山のマックスアルパイン石がある。テルル酸塩鉱物・亜テルル酸塩鉱物は現在までに計37種類が知られているが、日本で発見されたものも多い。
出典[編集]
1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
2.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、238頁。ISBN 4-06-257192-7。
3.^ 経済産業調査会、『鉱業便覧 平成14年版』、2003年、ISBN 4806516597
4.^ 『鉱業便覧』、p.222
5.^ 『鉱業便覧』、p.226
6.^ 『鉱業便覧』、p.230
7.^ 『鉱業便覧』、p.243
目次 [非表示]
1 性質
2 歴史
3 化合物 3.1 酸化物とオキソ酸
3.2 ハロゲン化物
3.3 その他
4 同位体
5 用途
6 埋蔵量・生産・消費
7 埋蔵地域
8 出典
9 関連項目
性質[編集]
金属テルルと無定形テルルがあり、金属テルルは銀白色の結晶(半金属)で、六方晶構造である。にんにく臭がある。
金属テルルの比重は6.24、融点は450 °C、沸点は1390°C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。酸化力のある酸には溶ける。ハロゲン元素とは激しく反応する。酸化数は-2, +2, +4, +6価をとる。また、化学的性質はセレンや硫黄に似ている。燃やすと二酸化テルルになる。天然に元素鉱物として単体で存在することがある(自然テルル、native tellurium)。
また、テルル単体及びその化合物には毒性があることが知られている。また、これらが体内に取り込まれると、代謝されることによってジメチルテルリドになり、呼気がニンニクに似た悪臭(テルル呼気)を帯びるようになる。
歴史[編集]
1782年にF.J.ミュラーが単体分離、1798年にクラプロートによって命名された[2]。語源はラテン語のTellusで、これは地球を意味するとともに、ローマ神話で大地の女神の名である[2]。また、周期表上でテルルの一つ上に位置するセレンはギリシャ神話の月の女神の名である。
化合物[編集]
酸化物とオキソ酸[編集]
一酸化テルル (TeO)
二酸化テルル (TeO2)
三酸化テルル (TeO3)
亜テルル酸 (H2TeO3)
テルル酸 (H6TeO6)
ハロゲン化物[編集]
六フッ化テルル (TeF6)
四塩化テルル (TeCl4)
四臭化テルル (TeBr4)
四ヨウ化テルル (TeI4)
その他[編集]
テルル化水素 (H2Te)
テルル化カドミウム (CdTe)
硫化テルル (TeS2)
テルリド (R2Te)
同位体[編集]
詳細は「テルルの同位体」を参照
テルルにはいくつかの安定同位体があるが、2.2×1024年の半減期を持つ128Te(これは現在知られている放射性同位体の半減期の中で最も長い)や、7.9×1020年とこちらもまた非常に長い半減期を持つ130Teもあり、これらのほうが安定同位体よりも存在量が大きい。このような一つ以上の安定同位体を持つ元素の中で天然放射性同位体が安定同位体より多く存在している元素は、テルルの他にインジウムとレニウムがある。
用途[編集]
ガラスなどの着色剤として利用される。
ビスマスとの合金は、熱電変換素子として実用化されている。
用途が狭く、偏在性が高く、需要量・埋蔵量ともに少ないが、太陽電池や各種電子部品の材料になるなど先端工業に欠かせない存在であり、レアメタルの一種である。
埋蔵量・生産・消費[編集]
鉱業便覧[3]によると、テルルの埋蔵量(資源量)は3万8000トンである。上位からアメリカ合衆国(6000トン)、ペルー(1600トン)、カナダ(1500トン)[4]。いずれもズリなどを含まないテルルの純分量である。2000年時点の年間生産量は322トン。上位からカナダ(80トン)、ベルギー(60トン)、アメリカ合衆国(50トン)、ペルー(39トン)、日本(36トン)であり、上位5カ国で生産量の82.3 %をまかなう[5]。1998年時点の年間消費量は145トン、そのうち日本が48トンを消費している[6]。テルルの2000年時点の総輸入量は2万0247kg、このうちベルギーが1万1197トン[要検証 – ノート]を占める[7]。
埋蔵地域[編集]
産出としては北海道手稲鉱山の手稲石や静岡県河津鉱山のマックスアルパイン石がある。テルル酸塩鉱物・亜テルル酸塩鉱物は現在までに計37種類が知られているが、日本で発見されたものも多い。
出典[編集]
1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
2.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、238頁。ISBN 4-06-257192-7。
3.^ 経済産業調査会、『鉱業便覧 平成14年版』、2003年、ISBN 4806516597
4.^ 『鉱業便覧』、p.222
5.^ 『鉱業便覧』、p.226
6.^ 『鉱業便覧』、p.230
7.^ 『鉱業便覧』、p.243
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