2014年02月13日
地すべり
地すべり(じすべり、英語:landslide)とは、土砂移動の一形態。
目次 [非表示]
1 概要
2 すべり面
3 移動の原因 3.1 自然に発生する場合
3.2 人為的に発生する原因
4 移動速度
5 対策
6 地球以外の地すべり
7 出典
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク
概要[編集]
地すべりは、斜面を形成する地塊(土砂・岩塊)が、地下の地層中に円弧状または平面状に形成される地質的不連続面、すなわち「すべり面」を境にして、すべり面上の地塊が移動する現象である。一般に、土砂災害においては、すべり面を持たない単純な「斜面崩壊(土砂崩れ)」や「がけ崩れ」と混同されることが多いが、「すべり面」を境に移動する特徴から、それらの土砂災害とは明確に区別される。
日本の地すべり等防止法では「地すべり」は「土地の一部が地下水等に起因してすべる現象又はこれに伴って移動する現象」と定義されている(地すべり等防止法2条1項)。
漢字で表記する際に「地滑り」や「地辿り」と書かれる場合があるが、正しくは「地辷り」である。「辷」が常用漢字ではないため、日本地すべり学会では「地すべり」と表記している。法令上は「地すべり」と表記している場合(地すべり等防止法)と「地滑り」と表記している場合(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)とがある。
すべり面[編集]
地すべり面の判定に使うボーリングコア。ボーリング時に細粒分が洗い流されることもあり、すべり面の判定は知識と経験が要求される。
すべり面は、地中に二次元的、三次元的に形成される。主に粘土鉱物を含んだ第三紀層の堆積岩や、火山活動(熱水、温泉水の影響)などによる粘土化を受けた、強度の低い堆積岩内や粘土層で生じるケースが多い。すべり面は、固さの異なる地層の境目などに形成されやすく、特に地層面が流れ盤状に傾斜した状況下で、風化して脆くなった地層にすべり面が形成されたり、固い地盤の上に堆積した柔らかい粘土質の地盤が、その境目をすべり面として移動するケースが多い。多くの場合、すべり面となる不連続面では恒常的に地下水が浸透して劣化が進んでおり、地下水によって地塊に働く浮力と相まって地塊の重さに耐えきれずせん断破壊することにより地すべりが発生する。すべり面はせん断破壊を伴う地塊の移動現象であり、そういう意味では断層のメカニズムに類似した一面もある。なお、すべり面の厚さは一般に数mm程度の厚さしかない。すべり面の部分をサンプルとして採取すると、せん断破壊によって形成された、光沢のあるきれいな平面が観察されることが良くある。この状態を「鏡肌」と称している。
すべり面の形状や分布状況を調査・特定することは、対策工事の計画には不可欠な作業である。地表面に現れた亀裂や隆起・陥没の状況を「現地踏査」によって観察し、まずは大まかな平面形状を推測する。そして、その中心線を基準に数カ所でボーリング調査を行い、ボーリングによって得られたサンプル(ボーリングコア)をよく観察して、各地点ですべり面の深さを判定する。動きの遅い地すべりの場合は、ボーリング調査後の孔に歪み計を埋設し、数ヶ月間、歪みの蓄積状況を観測する場合がある。観測結果を解析することにより、歪みの大きな深度にすべり面があると推測する。これらの作業により、すべり面の形状を三次元的に捉えることが可能となり、その他の調査方法も併用して地すべりの移動速度などを知ることが可能となる。すべり面の深度は、地すべりの規模にもよるが数m〜数10m程度であることが多い。
地すべりは、それまで何の異変も無かった斜面で新たにすべり面が形成されて滑り出す「新生地すべり」と、過去に活動した履歴のある「古地すべり」が再び地盤の安定を失って滑動するケースがあるが、対策工事を必要とする大規模な地すべりのほとんどは後者であると言われている。従って、地すべりの調査において、地形図や航空写真(空中写真)を使った予備調査によって地すべりの特徴を示す地形を探し、古地すべりの存在が疑われる箇所の有無をある程度把握しておくことは非常に重要である。
移動の原因[編集]
地すべりが発生する場所には、地形・地質条件など幾つもの自然条件から規制を受ける素因と、すべり滑動発生の引き金となった何らかの誘因がある。この地すべり発生機構を把握することで、形態や範囲を特定したマス・ムーブメント(移動ブロック)として対策が可能となる。
地すべりの移動は、すべり面上に載っている地塊が滑動しようとする力が、すべり面の剪断強度を上回った場合に発生する。地すべりの移動には、地質的な条件に加え、地下水の分布状況が非常に密接に関わっていることが知られている。一般に、地すべりは雪解けの時期や梅雨時、台風による豪雨など、地下水の水位が大きく上昇する時期に多く発生する。土塊が地下水を多量に含んで重量が著しく増加すると共に、地下水の存在がすべり面の剪断強度を大きく低下させるためである。従って、年間の降水量(降雪も含む)が多い地域や、地すべりの発生しやすい地質条件の地域(特に、火山性の堆積物が多い地域や凝灰岩・泥岩などが多く産出する地域)では、地すべりの多発地帯として知られる場所が多い。本州の日本海側から東北地方、北海道東部などに多く存在するグリーンタフ地域や、雪解け時期の豪雪地帯において地すべりが多発することがよく知られている。
自然に発生する場合[編集]
融雪、豪雨、地下水位の上昇など、水に関係するもの
地震の振動に伴うもの
人為的に発生する原因[編集]
既存の地すべり土塊が、道路建設などにより末端部が削られ安定を失って発生するもの
ダム建設、ため池など農業用水の設置に伴う地下水位の変化によるもの
移動速度[編集]
一般に地すべり地塊の移動の速度は通常年間数mmから数cm程度で、目に見えないほど緩やかなものである。従って、よほど注意して観察しない限り、地すべりの活動を実感することは少ない。そのため、非常に古くから活動している地すべり地帯では、沢山の集落が形成されている例も多い。古くから地すべりが多く発生する場所は一般に地下水が豊富であるために住みやすく、また土壌も肥沃であることから稲作や畑作に非常に適しているため、先人が好んで定住し、集落が形成されるのである。
しかし、地すべりの運動が活発になると、徐々に地盤が変形することで家の構造に歪みが生じ、ふすまやドアが開かなくなる、壁にヒビが入る、周辺地盤が陥没する、井戸水が濁る、道路に亀裂が入る、などの変動が見られることがある。また、豪雨など短時間に多量の降雨があった場合などは、希に地塊の移動速度が急激に加速することもあり、動態観測によって危険と判断されれば、周辺住民に対して避難勧告や避難命令が出される場合もある。しかし、地すべりが突発的に活動を始めた場合や、移動の活発化の兆候を把握できなかった場合は避難指示が追いつかず、多数の死者や行方不明者が出る惨事になることも多い。さらに、滑落した土砂や隆起した地盤によって河川が閉塞されてしまうと天然ダムができ、それが一気に決壊することで土石流が発生し、下流域集落を飲み込むなどの災害を引き起こすこともある。
対策[編集]
地すべり地塊の移動が顕著に認められた場合には、災害からの安全を確保する防止施設として対策工事が必要に成る。対策工法は個別に地すべり機構、保全対象物、工法の経済性等を勘案した「抑制工」と「抑止工」に大別される。
抑制工は、地すべりの活動を活発化させる要因である地下水を、井戸(集水井)や排水用のトンネル、横穴ボーリングなどによって地すべり区域から排出して地下水位を下げ、さらに雨水などが浸透しにくいように水路を整備するなど、移動土塊類の推進力を低減させるための自然条件を変化させる工法を指す。崩れた斜面をブルーシートで覆い、雨水の浸透を防ぐ応急処置も抑制工の一つである。また、土砂掘削が可能な場合は、地すべりの上部の土砂を取り除いて荷重を減らし、逆に末端部では盛土をして地塊の重量バランスを安定させ、移動を押さえ込むこともある。地すべり災害関連などでは、後の抑止工をスムーズに行うことを可能にするための「応急処置」と位置づけられることも多い。
抑止工は、コンクリート杭や鋼管杭などを移動地塊に打ち込み、すべり面より下の堅固な地盤に固定することで地塊の移動を止める「杭工」や、同じくすべり面下の地盤にワイヤーの束等を固定し、それを引っ張って地表面に定着させ、ワイヤーの張力で移動地塊を締め付け又は待ち受けて引き止める「アンカー工」などが多く採用される。一般には、抑制工によって地すべりの運動が概ね沈静化してから着工し、これを恒久的な対策工事として定着させることを目的として施行される。抑制工のみで地すべり滑動が沈静化したと推察される場合は、長期間に亘って動態観測等を実施した総合的な効果判定により、抑止工施工の有無が決定される。
日本の地すべり地で、民家や農地に影響を与える箇所については、農林水産省や国土交通省が地すべり等防止法に基づき「地すべり防止区域」に指定し、国や都道府県が対策を行っている。地すべり防止区域内では、地すべりの運動に影響を与える恐れのある土砂掘削や地下水のくみ上げなどの行為を無許可で行うことが禁じられている。
日本の地すべり対策事業の先駆者に谷口敏雄がいる。
集水井(地附山)
杭工(地附山)
地球以外の地すべり[編集]
地球型惑星や衛星であれば、地すべりが発生する可能性はあるが、ある程度大きな重力の存在や地球上の地下水のように土塊が移動する際の大きな摩擦を軽減する要素がある天体は限られる[1]。近年の惑星探査の結果により、金星や火星、木星の衛星イオや土星の衛星イアペトゥスなどでは大規模な地すべりが確認されるようになった[2]。
目次 [非表示]
1 概要
2 すべり面
3 移動の原因 3.1 自然に発生する場合
3.2 人為的に発生する原因
4 移動速度
5 対策
6 地球以外の地すべり
7 出典
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク
概要[編集]
地すべりは、斜面を形成する地塊(土砂・岩塊)が、地下の地層中に円弧状または平面状に形成される地質的不連続面、すなわち「すべり面」を境にして、すべり面上の地塊が移動する現象である。一般に、土砂災害においては、すべり面を持たない単純な「斜面崩壊(土砂崩れ)」や「がけ崩れ」と混同されることが多いが、「すべり面」を境に移動する特徴から、それらの土砂災害とは明確に区別される。
日本の地すべり等防止法では「地すべり」は「土地の一部が地下水等に起因してすべる現象又はこれに伴って移動する現象」と定義されている(地すべり等防止法2条1項)。
漢字で表記する際に「地滑り」や「地辿り」と書かれる場合があるが、正しくは「地辷り」である。「辷」が常用漢字ではないため、日本地すべり学会では「地すべり」と表記している。法令上は「地すべり」と表記している場合(地すべり等防止法)と「地滑り」と表記している場合(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)とがある。
すべり面[編集]
地すべり面の判定に使うボーリングコア。ボーリング時に細粒分が洗い流されることもあり、すべり面の判定は知識と経験が要求される。
すべり面は、地中に二次元的、三次元的に形成される。主に粘土鉱物を含んだ第三紀層の堆積岩や、火山活動(熱水、温泉水の影響)などによる粘土化を受けた、強度の低い堆積岩内や粘土層で生じるケースが多い。すべり面は、固さの異なる地層の境目などに形成されやすく、特に地層面が流れ盤状に傾斜した状況下で、風化して脆くなった地層にすべり面が形成されたり、固い地盤の上に堆積した柔らかい粘土質の地盤が、その境目をすべり面として移動するケースが多い。多くの場合、すべり面となる不連続面では恒常的に地下水が浸透して劣化が進んでおり、地下水によって地塊に働く浮力と相まって地塊の重さに耐えきれずせん断破壊することにより地すべりが発生する。すべり面はせん断破壊を伴う地塊の移動現象であり、そういう意味では断層のメカニズムに類似した一面もある。なお、すべり面の厚さは一般に数mm程度の厚さしかない。すべり面の部分をサンプルとして採取すると、せん断破壊によって形成された、光沢のあるきれいな平面が観察されることが良くある。この状態を「鏡肌」と称している。
すべり面の形状や分布状況を調査・特定することは、対策工事の計画には不可欠な作業である。地表面に現れた亀裂や隆起・陥没の状況を「現地踏査」によって観察し、まずは大まかな平面形状を推測する。そして、その中心線を基準に数カ所でボーリング調査を行い、ボーリングによって得られたサンプル(ボーリングコア)をよく観察して、各地点ですべり面の深さを判定する。動きの遅い地すべりの場合は、ボーリング調査後の孔に歪み計を埋設し、数ヶ月間、歪みの蓄積状況を観測する場合がある。観測結果を解析することにより、歪みの大きな深度にすべり面があると推測する。これらの作業により、すべり面の形状を三次元的に捉えることが可能となり、その他の調査方法も併用して地すべりの移動速度などを知ることが可能となる。すべり面の深度は、地すべりの規模にもよるが数m〜数10m程度であることが多い。
地すべりは、それまで何の異変も無かった斜面で新たにすべり面が形成されて滑り出す「新生地すべり」と、過去に活動した履歴のある「古地すべり」が再び地盤の安定を失って滑動するケースがあるが、対策工事を必要とする大規模な地すべりのほとんどは後者であると言われている。従って、地すべりの調査において、地形図や航空写真(空中写真)を使った予備調査によって地すべりの特徴を示す地形を探し、古地すべりの存在が疑われる箇所の有無をある程度把握しておくことは非常に重要である。
移動の原因[編集]
地すべりが発生する場所には、地形・地質条件など幾つもの自然条件から規制を受ける素因と、すべり滑動発生の引き金となった何らかの誘因がある。この地すべり発生機構を把握することで、形態や範囲を特定したマス・ムーブメント(移動ブロック)として対策が可能となる。
地すべりの移動は、すべり面上に載っている地塊が滑動しようとする力が、すべり面の剪断強度を上回った場合に発生する。地すべりの移動には、地質的な条件に加え、地下水の分布状況が非常に密接に関わっていることが知られている。一般に、地すべりは雪解けの時期や梅雨時、台風による豪雨など、地下水の水位が大きく上昇する時期に多く発生する。土塊が地下水を多量に含んで重量が著しく増加すると共に、地下水の存在がすべり面の剪断強度を大きく低下させるためである。従って、年間の降水量(降雪も含む)が多い地域や、地すべりの発生しやすい地質条件の地域(特に、火山性の堆積物が多い地域や凝灰岩・泥岩などが多く産出する地域)では、地すべりの多発地帯として知られる場所が多い。本州の日本海側から東北地方、北海道東部などに多く存在するグリーンタフ地域や、雪解け時期の豪雪地帯において地すべりが多発することがよく知られている。
自然に発生する場合[編集]
融雪、豪雨、地下水位の上昇など、水に関係するもの
地震の振動に伴うもの
人為的に発生する原因[編集]
既存の地すべり土塊が、道路建設などにより末端部が削られ安定を失って発生するもの
ダム建設、ため池など農業用水の設置に伴う地下水位の変化によるもの
移動速度[編集]
一般に地すべり地塊の移動の速度は通常年間数mmから数cm程度で、目に見えないほど緩やかなものである。従って、よほど注意して観察しない限り、地すべりの活動を実感することは少ない。そのため、非常に古くから活動している地すべり地帯では、沢山の集落が形成されている例も多い。古くから地すべりが多く発生する場所は一般に地下水が豊富であるために住みやすく、また土壌も肥沃であることから稲作や畑作に非常に適しているため、先人が好んで定住し、集落が形成されるのである。
しかし、地すべりの運動が活発になると、徐々に地盤が変形することで家の構造に歪みが生じ、ふすまやドアが開かなくなる、壁にヒビが入る、周辺地盤が陥没する、井戸水が濁る、道路に亀裂が入る、などの変動が見られることがある。また、豪雨など短時間に多量の降雨があった場合などは、希に地塊の移動速度が急激に加速することもあり、動態観測によって危険と判断されれば、周辺住民に対して避難勧告や避難命令が出される場合もある。しかし、地すべりが突発的に活動を始めた場合や、移動の活発化の兆候を把握できなかった場合は避難指示が追いつかず、多数の死者や行方不明者が出る惨事になることも多い。さらに、滑落した土砂や隆起した地盤によって河川が閉塞されてしまうと天然ダムができ、それが一気に決壊することで土石流が発生し、下流域集落を飲み込むなどの災害を引き起こすこともある。
対策[編集]
地すべり地塊の移動が顕著に認められた場合には、災害からの安全を確保する防止施設として対策工事が必要に成る。対策工法は個別に地すべり機構、保全対象物、工法の経済性等を勘案した「抑制工」と「抑止工」に大別される。
抑制工は、地すべりの活動を活発化させる要因である地下水を、井戸(集水井)や排水用のトンネル、横穴ボーリングなどによって地すべり区域から排出して地下水位を下げ、さらに雨水などが浸透しにくいように水路を整備するなど、移動土塊類の推進力を低減させるための自然条件を変化させる工法を指す。崩れた斜面をブルーシートで覆い、雨水の浸透を防ぐ応急処置も抑制工の一つである。また、土砂掘削が可能な場合は、地すべりの上部の土砂を取り除いて荷重を減らし、逆に末端部では盛土をして地塊の重量バランスを安定させ、移動を押さえ込むこともある。地すべり災害関連などでは、後の抑止工をスムーズに行うことを可能にするための「応急処置」と位置づけられることも多い。
抑止工は、コンクリート杭や鋼管杭などを移動地塊に打ち込み、すべり面より下の堅固な地盤に固定することで地塊の移動を止める「杭工」や、同じくすべり面下の地盤にワイヤーの束等を固定し、それを引っ張って地表面に定着させ、ワイヤーの張力で移動地塊を締め付け又は待ち受けて引き止める「アンカー工」などが多く採用される。一般には、抑制工によって地すべりの運動が概ね沈静化してから着工し、これを恒久的な対策工事として定着させることを目的として施行される。抑制工のみで地すべり滑動が沈静化したと推察される場合は、長期間に亘って動態観測等を実施した総合的な効果判定により、抑止工施工の有無が決定される。
日本の地すべり地で、民家や農地に影響を与える箇所については、農林水産省や国土交通省が地すべり等防止法に基づき「地すべり防止区域」に指定し、国や都道府県が対策を行っている。地すべり防止区域内では、地すべりの運動に影響を与える恐れのある土砂掘削や地下水のくみ上げなどの行為を無許可で行うことが禁じられている。
日本の地すべり対策事業の先駆者に谷口敏雄がいる。
集水井(地附山)
杭工(地附山)
地球以外の地すべり[編集]
地球型惑星や衛星であれば、地すべりが発生する可能性はあるが、ある程度大きな重力の存在や地球上の地下水のように土塊が移動する際の大きな摩擦を軽減する要素がある天体は限られる[1]。近年の惑星探査の結果により、金星や火星、木星の衛星イオや土星の衛星イアペトゥスなどでは大規模な地すべりが確認されるようになった[2]。
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