2014年02月08日
新実智光
新実 智光(にいみ ともみつ、1964年3月9日 - )は元オウム真理教幹部。ホーリーネームはミラレパ。教団内でのステージは正大師で、教団が省庁制を採用した後は自治省大臣だった。1986年のオウム真理教の最初に開かれたセミナーから出席し、岡崎一明や大内利裕と並ぶ古株。坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件の実行犯。地下鉄サリン事件では運転手役。2010年2月に死刑が確定。
目次 [非表示]
1 人物
2 オウム真理教での略歴
3 参考書籍
4 脚注
5 関連事件
人物[編集]
高校時代学生時代は、その風貌から「空海」というあだ名をつけられたこともあった。友人にも恵まれ学生生活も楽しむが、高校生時代に地元の駅で目撃した2度の自殺事故に衝撃を受けてから「死とは何か」を考え、精神世界に興味をもつようになり、多くの宗教団体に入信する。麻原の言う「苦を感じなければ修行の道に入らない」との鉄則を高校時代から感じていた。これは生まれつき口唇に傷があったため、その傷を「苦」と感じていたためである。高校時代に、その団体に入れば傷や病気が治ると信じ、ある宗教団体に入信するが、教義は「入信しない者の魂は、神の意思によって滅ぼされる」というものであった。新実は、そこには何ら神の愛はない、単なる神のエゴイズムに過ぎぬと感じ脱会する。これは新実にとって、最初の宗教への挫折となる。その後は、読書に打ち込んだり、仙道的なことや瞑想を行うが次第に宗教から遠ざかり、空手など肉体的鍛錬に興味が移る。大学時代友人の勧めで大学時代の終わりに、再び別の宗教団体に入信するものの、同様に「よいことをしない魂は滅びる」との教義に「存在というものは、この神々の将棋の駒に過ぎないのか、いつでもその神々の意思によってなくなるのだろうか」との思いをいだく。しかし、新実は「私は決してそうではない、私たちには本当の力があるはずだ、神と同じレベルの魂が内在するはずだ」と感じるに至る。このため、神が持つとされる霊力を自分自身も持ちたいと考えるようになる。このときにオカルト雑誌『ムー』や『トワイライトゾーン』などで麻原彰晃の空中浮揚の記事が目にとまり、ヒヒイロカネのプレゼントに応募したことがきっかけで、大学卒業間近の1986年正月、オウムの前身「オウム神仙の会」のセミナーに参加し、そのまま入会する。卒業後は地元の食品会社へ就職し営業担当となるが、二度も自動車事故を起こしたことから、「魔境へ入り込んだ」と信じ込み、会社を半年で退職し出家。オウム入信後麻原に惹かれたのは、他の宗教の多くが「神の啓示を受けた」とするものが多いのに比し、麻原は自分自身で修行をし苦難を乗り越えた「どこにでもいるような人」であったからだという。最初のセミナーで、新実はその雰囲気が自分自身が求めていたものと直感する。そこでバイブレーションに浸りながら修行することで身体の浄化作用を実体験し、宿便が出たり、体調の回復を実感する。この神秘体験によって、深く麻原に帰依するに至る。当初は半信半疑であったもののその考えは180度転換する。シャクティーパットにより、アストラル体の浮遊を感得し、体が痺れ多大な至福感を覚える。このときに「麻原に一生付いていくほかない」と確信する。このときの体感を「生死を越える」に詳しく書いている。麻原に礼を言い、道場へ行くと、突然肉体のクンダリニーが昇り、シャクティー・チャクラーが起こる。ムーラ・バンダ、ウディヤーナ・バンダが起こり、その後背中の方が盛り上がり、首のところでジャーランダラ・バンダが起こり、頭の方へすっと抜けた感じがした。これが精神集中やマントラを唱えるだけで自分自身で抑えられないほどに、すぐに起こるようになる。新実自身によれば「この霊的な変化が本当に自分の内面で起こったことをきっかけとして、やっと信に目覚めさせてもらった」らしい。新実は前世に並々ならぬ興味を持っており、他の信者とも前世を話題にすることが多かった。麻原の4女の松本聡香(ペンネーム)を追い回しては「さとちゃんはどこから来たの」と聞いていたが、聡香が1度だけチベット密教のカギュ派の僧侶の名前を思いつきで答えたところ、逮捕されたあとに面会に来た信者に伝え広めた。[1]。
オウム真理教での略歴[編集]
1987年12月3日、24歳のときにオウム真理教内の独房に2週間こもり、クンダリニー・ヨーガを成就したと麻原彰晃に認定され、大師のステージとミラレパのホーリーネームを授けられる。
1989年の坂本堤弁護士一家殺害事件では坂本一家殺害の実行犯として坂本家に侵入し、坂本の妻(当時29歳)を絞殺した。
1990年2月1990年の衆議院議員選挙に真理党候補として東京10区から出馬し落選した。7月8日、26歳のときにマハー・ムドラーの成就を認定され、正悟師となる。
1992年9月教団のロシア進出に伴い、ロシア支部の初代支部長を務めながら頻繁に日本との間を往復する。
1993年の池田大作サリン襲撃未遂事件を起こした際には、防毒マスクを外したせいでサリンを大量に吸引し重体に陥った。新実は直ちにオウム真理教附属医院に搬送され、治療の結果一命を取り留めた。
1995年の地下鉄サリン事件では千代田線でサリンを散布した林郁夫の送迎役であった。逮捕後、大乗のヨーガの成就を認定され正大師に昇格。
一連のオウム真理教事件で計11件で26人の殺人に関与したとして殺人罪などに問われた。死者26人は麻原彰晃の27人に次ぐ死者数である。
当初オウム真理教男性信者殺害事件では犯行後、茫然自失に陥り、後悔の念をあげたり、坂本堤弁護士一家殺害事件の際は実行犯の中では最も動揺し、精神的に不安定になった為、中川智正や端本悟とそれぞれ5日間独房に監禁され、麻原の説法を聞かされる等し、洗脳された。その後、数年間教団の自治省大臣を務め、信者の指導、監督、スパイ、拷問などを行っているうち、犯罪に対する抵抗感が薄れてきたとされる。凶悪化する一方で信者の殺害等では麻原に指示された苦痛を伴う方法を避け、殺害した者の転生を麻原に伺ったり、共犯者に対して犯行前に意志の確認を行ったり、犯行が未遂や中止などで死亡に至らなかった場合は安堵した、などと人間味も見せている。
法廷では、麻原の著書を読んだり、ヨーガのポーズをとったりするなどし、事件の正当化を主張しているなど、未だに麻原・オウムを盲目的に信仰している。これは前述の神秘体験を実体験していることによると考えられる。職業を「麻原尊師の直弟子」と言い、未だに麻原を師と仰いでいる。犯罪を正当化する一方で「我々が被害者に報いるのは真実を話すことのみ」と語り、「オウムの正史を残すため」として、事件の全貌を率直かつ正確に答えた。現在に至るまでオウムの思想を捨てることなく、「宗教的確信に基づいた殺人」、「全ては因果応報にあり、関係なく死んだのではなく何らかの原因がある」、「あとは死を待つだけ。その瞬間まで修行は続けていく」と最後まで事件の正当性を主張した。
獄中からも、信者たちへ教義の指導を続けていた。2006年7月から2007年4月までの1年間、文通をした麻原の4女松本聡香に、「責任も取れないのに、そんなことをするのはよくないのではないか」と疑問を呈される。4女との面会の際には新実は「すべてはシヴァ神の意思なのですよ」というのに4女は激しく反発したところ責めないでほしい、責めるならやり取りはやめるといい、それ以降2人の交流はなくなる。
第一審・控訴審と死刑判決を受け、上告したが2010年1月19日に棄却。2月16日に判決に対する最高裁への訂正申し立ても棄却され死刑が確定した。オウム真理教事件で死刑が確定するのは10人目[2]。
2014年現在、東京拘置所に収監されている。
参考書籍[編集]
マハーヤーナ(1988年 NO.1O号)
脚注[編集]
1.^ 松本聡香『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか』(徳間書店 2010年3月)ISBN 4198627533、ISBN 978-4198627539
2.^ オウム事件の新実被告死刑確定へ 10人目、最高裁上告棄却 47NEWS 2010年1月19日
関連事件[編集]
オウム真理教男性信者殺害事件
坂本堤弁護士一家殺害事件
池田大作サリン襲撃未遂事件
松本サリン事件
薬剤師リンチ殺害事件
男性現役信者リンチ殺人事件
駐車場経営者VX襲撃事件
会社員VX殺害事件
被害者の会会長VX襲撃事件
地下鉄サリン事件(林郁夫の送迎役)
[隠す]
表・話・編・歴
オウム真理教
教団の人物
(太字は死刑囚)
麻原彰晃 - 松本知子 - 石井久子 - 上祐史浩 - 村井秀夫 - 青山吉伸 - 新実智光 - 早川紀代秀 - 遠藤誠一 - 飯田エリ子 - 大内利裕 - 都沢和子 - 井上嘉浩 - 岐部哲也 - 石川公一 - 林郁夫 - 中川智正 - 土谷正実 - 山本まゆみ - 大内早苗 - 小池泰男 - 越川真一 - 宮前一明 - 富永昌宏 - 富田隆 - 端本悟 - 広瀬健一 - 豊田亨 - 中村昇 - 平田悟 - 横山真人 - 渡部和実 - 北村浩一 - 外崎清隆 - 杉本繁郎 - 山形明 - 平田信 - 高橋克也 - 菊地直子 - 中田清秀 - 鹿島とも子 - 村岡達子 - 石井紳一郎 - 二ノ宮耕一 - 野田成人 - 杉浦茂 - 杉浦実 - 荒木浩 - 永岡辰哉 - 広末晃敏
関連の事件
在家信者死亡事件 - 男性信者殺害事件 - 坂本堤弁護士一家殺害事件 - 国土利用計画法違反事件 - オカムラ鉄工乗っ取り事件 - 男性信者逆さ吊り死亡事件 - 亀戸異臭事件 - サリンプラント建設事件 - 池田大作サリン襲撃未遂事件 - 薬剤師リンチ殺人事件 - 宮崎県資産家拉致事件 - 滝本太郎弁護士サリン襲撃事件 - 松本サリン事件 - 男性現役信者リンチ殺人事件 - 江川紹子ホスゲン襲撃事件 - 駐車場経営者VX襲撃事件 - ピアニスト監禁事件 - 会社員VX殺害事件 - 被害者の会会長VX襲撃事件 - 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 - 島田裕巳宅爆弾事件 - 地下鉄サリン事件 - 村井秀夫刺殺事件 - 新宿駅青酸ガス事件 - 都庁小包爆弾事件 - 自動小銃密造事件 - シガチョフ事件 - TBSビデオ問題 - 農水省オウムソング事件 - ソフト開発業務受注問題
組織・施設
モスクワ支部 - 真理党 - サティアン - 富士清流精舎 - 附属医院 - 陸上競技部 - キーレーン - 長老部 - 完全解脱
後継団体
Aleph - ケロヨンクラブ - ひかりの輪
制度
サマナ - ホーリーネーム - 階級制度 - PSI(ヘッドギア) - オウム服 - オウム食 - 教団の修行 - 決意文 - ダーキニー - ポア
オウム国家
教団の国家転覆計画 - 日本シャンバラ化計画 - 省庁制 - 真理国基本律 - 白い愛の戦士 - 教団の兵器
ビジネス
マハーポーシャ - うまかろう安かろう亭
メディア戦略
教団の出版物 - マハーヤーナ - オウム真理教放送 - オウム・ダイヤル - 教団の音楽 - 尊師マーチ - 教団のアニメ
オウム対策法
団体規制法 - オウム真理教財産特別措置法 - オウム真理教債権特例法 - サリン防止法 - オウム被害者救済法 - 足立区アレフ規制条例
関連作品
アンダーグラウンド - 約束された場所で - カナリア - A - A2
関連人物
(教団の人物以外)
青沼陽一郎 - 浅見定雄 - 阿部三郎 - 有田芳生 - アンソニー・トゥ - 池田昭 - 伊東乾 - 伊藤芳朗 - 宇都宮健児 - 江川紹子 - 河野義行 - 紀藤正樹 - 小林よしのり - 坂本堤 - 島田裕巳 - 下里正樹 - 滝本太郎 - ダンテス・ダイジ - 筑紫哲也 - 常石敬一 - 苫米地英人 - 永岡弘行 - 中沢新一 - 永沢哲 - 西田公昭 - 野中広務 - 二木啓孝 - 牧太郎 - 村上春樹 - 森達也 - 横山昭二
その他
石垣島セミナー - コスモクリーナー - オウムシスターズ - 4月15日予言 - カナリヤの会 - オウマー - クンダリニー - クンダリニー・ヨーガ - 報道特別番組 - プルシャ - アーレフタブー - 上九一色村
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1 人物
2 オウム真理教での略歴
3 参考書籍
4 脚注
5 関連事件
人物[編集]
高校時代学生時代は、その風貌から「空海」というあだ名をつけられたこともあった。友人にも恵まれ学生生活も楽しむが、高校生時代に地元の駅で目撃した2度の自殺事故に衝撃を受けてから「死とは何か」を考え、精神世界に興味をもつようになり、多くの宗教団体に入信する。麻原の言う「苦を感じなければ修行の道に入らない」との鉄則を高校時代から感じていた。これは生まれつき口唇に傷があったため、その傷を「苦」と感じていたためである。高校時代に、その団体に入れば傷や病気が治ると信じ、ある宗教団体に入信するが、教義は「入信しない者の魂は、神の意思によって滅ぼされる」というものであった。新実は、そこには何ら神の愛はない、単なる神のエゴイズムに過ぎぬと感じ脱会する。これは新実にとって、最初の宗教への挫折となる。その後は、読書に打ち込んだり、仙道的なことや瞑想を行うが次第に宗教から遠ざかり、空手など肉体的鍛錬に興味が移る。大学時代友人の勧めで大学時代の終わりに、再び別の宗教団体に入信するものの、同様に「よいことをしない魂は滅びる」との教義に「存在というものは、この神々の将棋の駒に過ぎないのか、いつでもその神々の意思によってなくなるのだろうか」との思いをいだく。しかし、新実は「私は決してそうではない、私たちには本当の力があるはずだ、神と同じレベルの魂が内在するはずだ」と感じるに至る。このため、神が持つとされる霊力を自分自身も持ちたいと考えるようになる。このときにオカルト雑誌『ムー』や『トワイライトゾーン』などで麻原彰晃の空中浮揚の記事が目にとまり、ヒヒイロカネのプレゼントに応募したことがきっかけで、大学卒業間近の1986年正月、オウムの前身「オウム神仙の会」のセミナーに参加し、そのまま入会する。卒業後は地元の食品会社へ就職し営業担当となるが、二度も自動車事故を起こしたことから、「魔境へ入り込んだ」と信じ込み、会社を半年で退職し出家。オウム入信後麻原に惹かれたのは、他の宗教の多くが「神の啓示を受けた」とするものが多いのに比し、麻原は自分自身で修行をし苦難を乗り越えた「どこにでもいるような人」であったからだという。最初のセミナーで、新実はその雰囲気が自分自身が求めていたものと直感する。そこでバイブレーションに浸りながら修行することで身体の浄化作用を実体験し、宿便が出たり、体調の回復を実感する。この神秘体験によって、深く麻原に帰依するに至る。当初は半信半疑であったもののその考えは180度転換する。シャクティーパットにより、アストラル体の浮遊を感得し、体が痺れ多大な至福感を覚える。このときに「麻原に一生付いていくほかない」と確信する。このときの体感を「生死を越える」に詳しく書いている。麻原に礼を言い、道場へ行くと、突然肉体のクンダリニーが昇り、シャクティー・チャクラーが起こる。ムーラ・バンダ、ウディヤーナ・バンダが起こり、その後背中の方が盛り上がり、首のところでジャーランダラ・バンダが起こり、頭の方へすっと抜けた感じがした。これが精神集中やマントラを唱えるだけで自分自身で抑えられないほどに、すぐに起こるようになる。新実自身によれば「この霊的な変化が本当に自分の内面で起こったことをきっかけとして、やっと信に目覚めさせてもらった」らしい。新実は前世に並々ならぬ興味を持っており、他の信者とも前世を話題にすることが多かった。麻原の4女の松本聡香(ペンネーム)を追い回しては「さとちゃんはどこから来たの」と聞いていたが、聡香が1度だけチベット密教のカギュ派の僧侶の名前を思いつきで答えたところ、逮捕されたあとに面会に来た信者に伝え広めた。[1]。
オウム真理教での略歴[編集]
1987年12月3日、24歳のときにオウム真理教内の独房に2週間こもり、クンダリニー・ヨーガを成就したと麻原彰晃に認定され、大師のステージとミラレパのホーリーネームを授けられる。
1989年の坂本堤弁護士一家殺害事件では坂本一家殺害の実行犯として坂本家に侵入し、坂本の妻(当時29歳)を絞殺した。
1990年2月1990年の衆議院議員選挙に真理党候補として東京10区から出馬し落選した。7月8日、26歳のときにマハー・ムドラーの成就を認定され、正悟師となる。
1992年9月教団のロシア進出に伴い、ロシア支部の初代支部長を務めながら頻繁に日本との間を往復する。
1993年の池田大作サリン襲撃未遂事件を起こした際には、防毒マスクを外したせいでサリンを大量に吸引し重体に陥った。新実は直ちにオウム真理教附属医院に搬送され、治療の結果一命を取り留めた。
1995年の地下鉄サリン事件では千代田線でサリンを散布した林郁夫の送迎役であった。逮捕後、大乗のヨーガの成就を認定され正大師に昇格。
一連のオウム真理教事件で計11件で26人の殺人に関与したとして殺人罪などに問われた。死者26人は麻原彰晃の27人に次ぐ死者数である。
当初オウム真理教男性信者殺害事件では犯行後、茫然自失に陥り、後悔の念をあげたり、坂本堤弁護士一家殺害事件の際は実行犯の中では最も動揺し、精神的に不安定になった為、中川智正や端本悟とそれぞれ5日間独房に監禁され、麻原の説法を聞かされる等し、洗脳された。その後、数年間教団の自治省大臣を務め、信者の指導、監督、スパイ、拷問などを行っているうち、犯罪に対する抵抗感が薄れてきたとされる。凶悪化する一方で信者の殺害等では麻原に指示された苦痛を伴う方法を避け、殺害した者の転生を麻原に伺ったり、共犯者に対して犯行前に意志の確認を行ったり、犯行が未遂や中止などで死亡に至らなかった場合は安堵した、などと人間味も見せている。
法廷では、麻原の著書を読んだり、ヨーガのポーズをとったりするなどし、事件の正当化を主張しているなど、未だに麻原・オウムを盲目的に信仰している。これは前述の神秘体験を実体験していることによると考えられる。職業を「麻原尊師の直弟子」と言い、未だに麻原を師と仰いでいる。犯罪を正当化する一方で「我々が被害者に報いるのは真実を話すことのみ」と語り、「オウムの正史を残すため」として、事件の全貌を率直かつ正確に答えた。現在に至るまでオウムの思想を捨てることなく、「宗教的確信に基づいた殺人」、「全ては因果応報にあり、関係なく死んだのではなく何らかの原因がある」、「あとは死を待つだけ。その瞬間まで修行は続けていく」と最後まで事件の正当性を主張した。
獄中からも、信者たちへ教義の指導を続けていた。2006年7月から2007年4月までの1年間、文通をした麻原の4女松本聡香に、「責任も取れないのに、そんなことをするのはよくないのではないか」と疑問を呈される。4女との面会の際には新実は「すべてはシヴァ神の意思なのですよ」というのに4女は激しく反発したところ責めないでほしい、責めるならやり取りはやめるといい、それ以降2人の交流はなくなる。
第一審・控訴審と死刑判決を受け、上告したが2010年1月19日に棄却。2月16日に判決に対する最高裁への訂正申し立ても棄却され死刑が確定した。オウム真理教事件で死刑が確定するのは10人目[2]。
2014年現在、東京拘置所に収監されている。
参考書籍[編集]
マハーヤーナ(1988年 NO.1O号)
脚注[編集]
1.^ 松本聡香『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか』(徳間書店 2010年3月)ISBN 4198627533、ISBN 978-4198627539
2.^ オウム事件の新実被告死刑確定へ 10人目、最高裁上告棄却 47NEWS 2010年1月19日
関連事件[編集]
オウム真理教男性信者殺害事件
坂本堤弁護士一家殺害事件
池田大作サリン襲撃未遂事件
松本サリン事件
薬剤師リンチ殺害事件
男性現役信者リンチ殺人事件
駐車場経営者VX襲撃事件
会社員VX殺害事件
被害者の会会長VX襲撃事件
地下鉄サリン事件(林郁夫の送迎役)
[隠す]
表・話・編・歴
オウム真理教
教団の人物
(太字は死刑囚)
麻原彰晃 - 松本知子 - 石井久子 - 上祐史浩 - 村井秀夫 - 青山吉伸 - 新実智光 - 早川紀代秀 - 遠藤誠一 - 飯田エリ子 - 大内利裕 - 都沢和子 - 井上嘉浩 - 岐部哲也 - 石川公一 - 林郁夫 - 中川智正 - 土谷正実 - 山本まゆみ - 大内早苗 - 小池泰男 - 越川真一 - 宮前一明 - 富永昌宏 - 富田隆 - 端本悟 - 広瀬健一 - 豊田亨 - 中村昇 - 平田悟 - 横山真人 - 渡部和実 - 北村浩一 - 外崎清隆 - 杉本繁郎 - 山形明 - 平田信 - 高橋克也 - 菊地直子 - 中田清秀 - 鹿島とも子 - 村岡達子 - 石井紳一郎 - 二ノ宮耕一 - 野田成人 - 杉浦茂 - 杉浦実 - 荒木浩 - 永岡辰哉 - 広末晃敏
関連の事件
在家信者死亡事件 - 男性信者殺害事件 - 坂本堤弁護士一家殺害事件 - 国土利用計画法違反事件 - オカムラ鉄工乗っ取り事件 - 男性信者逆さ吊り死亡事件 - 亀戸異臭事件 - サリンプラント建設事件 - 池田大作サリン襲撃未遂事件 - 薬剤師リンチ殺人事件 - 宮崎県資産家拉致事件 - 滝本太郎弁護士サリン襲撃事件 - 松本サリン事件 - 男性現役信者リンチ殺人事件 - 江川紹子ホスゲン襲撃事件 - 駐車場経営者VX襲撃事件 - ピアニスト監禁事件 - 会社員VX殺害事件 - 被害者の会会長VX襲撃事件 - 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 - 島田裕巳宅爆弾事件 - 地下鉄サリン事件 - 村井秀夫刺殺事件 - 新宿駅青酸ガス事件 - 都庁小包爆弾事件 - 自動小銃密造事件 - シガチョフ事件 - TBSビデオ問題 - 農水省オウムソング事件 - ソフト開発業務受注問題
組織・施設
モスクワ支部 - 真理党 - サティアン - 富士清流精舎 - 附属医院 - 陸上競技部 - キーレーン - 長老部 - 完全解脱
後継団体
Aleph - ケロヨンクラブ - ひかりの輪
制度
サマナ - ホーリーネーム - 階級制度 - PSI(ヘッドギア) - オウム服 - オウム食 - 教団の修行 - 決意文 - ダーキニー - ポア
オウム国家
教団の国家転覆計画 - 日本シャンバラ化計画 - 省庁制 - 真理国基本律 - 白い愛の戦士 - 教団の兵器
ビジネス
マハーポーシャ - うまかろう安かろう亭
メディア戦略
教団の出版物 - マハーヤーナ - オウム真理教放送 - オウム・ダイヤル - 教団の音楽 - 尊師マーチ - 教団のアニメ
オウム対策法
団体規制法 - オウム真理教財産特別措置法 - オウム真理教債権特例法 - サリン防止法 - オウム被害者救済法 - 足立区アレフ規制条例
関連作品
アンダーグラウンド - 約束された場所で - カナリア - A - A2
関連人物
(教団の人物以外)
青沼陽一郎 - 浅見定雄 - 阿部三郎 - 有田芳生 - アンソニー・トゥ - 池田昭 - 伊東乾 - 伊藤芳朗 - 宇都宮健児 - 江川紹子 - 河野義行 - 紀藤正樹 - 小林よしのり - 坂本堤 - 島田裕巳 - 下里正樹 - 滝本太郎 - ダンテス・ダイジ - 筑紫哲也 - 常石敬一 - 苫米地英人 - 永岡弘行 - 中沢新一 - 永沢哲 - 西田公昭 - 野中広務 - 二木啓孝 - 牧太郎 - 村上春樹 - 森達也 - 横山昭二
その他
石垣島セミナー - コスモクリーナー - オウムシスターズ - 4月15日予言 - カナリヤの会 - オウマー - クンダリニー - クンダリニー・ヨーガ - 報道特別番組 - プルシャ - アーレフタブー - 上九一色村
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