2014年02月07日
因縁
因縁(いんねん)
1.きっかけ・動機・契機などの意味。
2.由来や来歴の意味。縁起と同様に用いる。
3.関係、ゆかりのこと。
仏教の解釈[編集]
「縁起」、「因果」、および「業」も参照
仏教
Dharma wheel
基本教義
縁起 四諦 八正道
三法印 四法印
諸行無常 諸法無我
涅槃寂静 一切皆苦
中道 波羅蜜 等正覚
人物
釈迦 十大弟子 龍樹
信仰対象
仏の一覧
分類
原始仏教 部派仏教
大乗仏教 密教
神仏習合 修験道
宗派
仏教の宗派
地域別仏教
インド スリランカ
中国 台湾 チベット
日本 朝鮮
東南アジア タイ
聖典
経蔵 律蔵 論蔵
聖地
八大聖地
歴史
原始 部派
上座部 大乗
ウィキポータル 仏教
表・話・編・歴
仏教における因縁の意味。因と縁のこと。因とは、結果を生ぜしめる内的な直接原因のこと。縁とは外から因を助ける間接原因(条件)のこと。一切のものは、因縁によって生滅するとされる。因縁(サンスクリット:hetu-pratyaya)『新・佛教辞典』中村元監修 誠信書房 参照
初期の仏教では因(hetu)も縁(pratyaya)も、ともに原因を意味する言葉であり、後に区分が生じて因を原因、縁を条件、とみなした。
仏教では、修行による成仏を前提としており、
宿作因説 - 因や果を固定したり、創造神の力を因としたり、外在的・宿命的な力を因とする説
無因有果説 - 因なく最初から果があったとする宿命論的な主張
無因縁説 - 原因は有り得ないという説
に対してきびしい批判を行った。 ことに龍樹は、『中論』観因縁品で、無自性空の立場からこれらの外部の説と、説一切有部の四縁六因説を批判し、四諦品で因縁によって生じる諸法は空であり、条件が変われば、変化すると説いている。
因縁とは存在の相依性をいう。すべての事象はそれ自体、孤立して存在するのではなく、相互に依存して存在しているということである。
釈迦の教説の根本であるところの「四諦の法門」を一言でいうと「因縁」となる。
これありてこれあり
これ生じるがゆえにこれ生じ
これなければこれなく
これ滅すればこれ滅す
という存在理論であり、「苦諦・集諦・滅諦・道諦」(略して苦集滅道の四諦)という。
またこれは、違う表現をすれば『法華経』方便品に説かれる諸法実相、つまり相・性・体・力・作・因・縁・果・報・本末究竟等という、十如是になるとも説かれる。 これは存在をあらわし、
1.どのようなものでも存在するかぎり、相(形)がある
2.相には、性(本質)がある
3.相・性には、体(体質)がある
4.相・性・体には、力(能力)がある
5.相・性・体・力には、作(作用)がある
6.相・性・体・力・作には、因(直接的な原因)がある
7.相・性・体・力・作には、縁(間接的な原因)もある
8.相・性・体・力・作・因には、果(因に対する結果)がある
9.相・性・体・力・作・縁には、報(縁に対する結果)がある
10.相・性・体・力・作・因・縁・果・報には、本末究竟等(本の相から末の報までが究極的に無差別で等しく関連している)がある
なお、十如是は鳩摩羅什訳出の漢文『法華経』のみで、サンスクリット語原典や竺法護訳『正法華経』、闍那崛多・達磨笈多共訳『添品妙法蓮華経』にはない。
新宗教・霊能者の解釈[編集]
一部の新宗教や霊能者による因縁は、本人や先祖・土地・所属する組織などの長年にわたって蓄積された「業」に由来する影の部分、つまり悪業や悪因縁といった悪い事象の一面だけを指したり、強調する場合がある。
この悪因縁が数々の事件・事故・病気などの原因とされ、そして悪因縁は切るべきもの、とされることもある。それを指摘した教団または霊能者などの指導を受けながら、浄霊・祈祷・修行を受け続けることや、徳を積むことによって切れる、とされる場合もある。これらから、因縁は心霊的・オカルト的に拡大解釈され、反社会的な教団や霊能者と自称する人物に、都合よく利用されることも往々にして多い。
これに対し、法華系などの一部の新宗教団体では霊魂を否定し、因縁とはもともと具わっているものであるから「因縁を切る」というのは誤った解釈だと批判する。しかし逆にそれらの教団でも、題目を唱えることで悪因縁を浄化する、あるいは宿命を転換させる、などということもある。
したがって、因縁や業の解釈は、既成宗派や宗教学者、あるいは新宗教や霊能者個人によっても様々で、教義解釈の違いや誤解による他教団の批判も含まれるため、それらの点に注意する必要がある。
慣用句[編集]
因縁をつける主に無法者が用いる「言いがかりをつける」こと。まったく無関係のものに関係性を理由づけて、みずからの主張を述べ立てること。因縁話(いんねんばなし)前世の因縁を説く物語。近い話であった場合には、いきさつが複雑に絡み合った場合に用いる。因縁尽(いんねんずく)逃れられない条件が重なっていること。
1.きっかけ・動機・契機などの意味。
2.由来や来歴の意味。縁起と同様に用いる。
3.関係、ゆかりのこと。
仏教の解釈[編集]
「縁起」、「因果」、および「業」も参照
仏教
Dharma wheel
基本教義
縁起 四諦 八正道
三法印 四法印
諸行無常 諸法無我
涅槃寂静 一切皆苦
中道 波羅蜜 等正覚
人物
釈迦 十大弟子 龍樹
信仰対象
仏の一覧
分類
原始仏教 部派仏教
大乗仏教 密教
神仏習合 修験道
宗派
仏教の宗派
地域別仏教
インド スリランカ
中国 台湾 チベット
日本 朝鮮
東南アジア タイ
聖典
経蔵 律蔵 論蔵
聖地
八大聖地
歴史
原始 部派
上座部 大乗
ウィキポータル 仏教
表・話・編・歴
仏教における因縁の意味。因と縁のこと。因とは、結果を生ぜしめる内的な直接原因のこと。縁とは外から因を助ける間接原因(条件)のこと。一切のものは、因縁によって生滅するとされる。因縁(サンスクリット:hetu-pratyaya)『新・佛教辞典』中村元監修 誠信書房 参照
初期の仏教では因(hetu)も縁(pratyaya)も、ともに原因を意味する言葉であり、後に区分が生じて因を原因、縁を条件、とみなした。
仏教では、修行による成仏を前提としており、
宿作因説 - 因や果を固定したり、創造神の力を因としたり、外在的・宿命的な力を因とする説
無因有果説 - 因なく最初から果があったとする宿命論的な主張
無因縁説 - 原因は有り得ないという説
に対してきびしい批判を行った。 ことに龍樹は、『中論』観因縁品で、無自性空の立場からこれらの外部の説と、説一切有部の四縁六因説を批判し、四諦品で因縁によって生じる諸法は空であり、条件が変われば、変化すると説いている。
因縁とは存在の相依性をいう。すべての事象はそれ自体、孤立して存在するのではなく、相互に依存して存在しているということである。
釈迦の教説の根本であるところの「四諦の法門」を一言でいうと「因縁」となる。
これありてこれあり
これ生じるがゆえにこれ生じ
これなければこれなく
これ滅すればこれ滅す
という存在理論であり、「苦諦・集諦・滅諦・道諦」(略して苦集滅道の四諦)という。
またこれは、違う表現をすれば『法華経』方便品に説かれる諸法実相、つまり相・性・体・力・作・因・縁・果・報・本末究竟等という、十如是になるとも説かれる。 これは存在をあらわし、
1.どのようなものでも存在するかぎり、相(形)がある
2.相には、性(本質)がある
3.相・性には、体(体質)がある
4.相・性・体には、力(能力)がある
5.相・性・体・力には、作(作用)がある
6.相・性・体・力・作には、因(直接的な原因)がある
7.相・性・体・力・作には、縁(間接的な原因)もある
8.相・性・体・力・作・因には、果(因に対する結果)がある
9.相・性・体・力・作・縁には、報(縁に対する結果)がある
10.相・性・体・力・作・因・縁・果・報には、本末究竟等(本の相から末の報までが究極的に無差別で等しく関連している)がある
なお、十如是は鳩摩羅什訳出の漢文『法華経』のみで、サンスクリット語原典や竺法護訳『正法華経』、闍那崛多・達磨笈多共訳『添品妙法蓮華経』にはない。
新宗教・霊能者の解釈[編集]
一部の新宗教や霊能者による因縁は、本人や先祖・土地・所属する組織などの長年にわたって蓄積された「業」に由来する影の部分、つまり悪業や悪因縁といった悪い事象の一面だけを指したり、強調する場合がある。
この悪因縁が数々の事件・事故・病気などの原因とされ、そして悪因縁は切るべきもの、とされることもある。それを指摘した教団または霊能者などの指導を受けながら、浄霊・祈祷・修行を受け続けることや、徳を積むことによって切れる、とされる場合もある。これらから、因縁は心霊的・オカルト的に拡大解釈され、反社会的な教団や霊能者と自称する人物に、都合よく利用されることも往々にして多い。
これに対し、法華系などの一部の新宗教団体では霊魂を否定し、因縁とはもともと具わっているものであるから「因縁を切る」というのは誤った解釈だと批判する。しかし逆にそれらの教団でも、題目を唱えることで悪因縁を浄化する、あるいは宿命を転換させる、などということもある。
したがって、因縁や業の解釈は、既成宗派や宗教学者、あるいは新宗教や霊能者個人によっても様々で、教義解釈の違いや誤解による他教団の批判も含まれるため、それらの点に注意する必要がある。
慣用句[編集]
因縁をつける主に無法者が用いる「言いがかりをつける」こと。まったく無関係のものに関係性を理由づけて、みずからの主張を述べ立てること。因縁話(いんねんばなし)前世の因縁を説く物語。近い話であった場合には、いきさつが複雑に絡み合った場合に用いる。因縁尽(いんねんずく)逃れられない条件が重なっていること。
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