2014年02月07日
ウパニシャッド
ウパニシャッド(梵: उपनिषद्)は、サンスクリットで書かれたヴェーダの関連書物で、一般には奥義書と訳される。
目次 [非表示]
1 概要
2 古ウパニシャッド 2.1 初期
2.2 中期
2.3 後期
3 日本語訳 3.1 完訳
3.2 抄訳
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
概要[編集]
約200以上ある書物の総称である。各ウパニシャッドは仏教以前から存在したものから、16世紀に作られたものまであり、成立時期もまちまちである。もっとも、ウパニシャッドの最も独創的要素は、仏教興起以前に属するので、その中心思想は遅くとも西暦前7世紀ないし前6世紀に遡る[1]。
ウパニシャッドの語源について、「近くに座す」ととるのが一般的である。それが秘儀・秘説といった意味になり、現在のような文献の総称として用いられるようになったと広く考えられている。
後世の作であるムクティカー・ウパニシャッドにおいて108のウパニシャッドが列記されていることから、108のウパニシャッドが伝統的に認められてきた。その中でも10数点の古い時代に成立したものを特に古ウパニシャッドと呼ぶ。多くの古ウパニシャッドは紀元前500年前後に成立し、ゴータマ・ブッダ以前に成立したものと、ゴータマ・ブッダ以後に成立したものとある。古ウパニシャッドはバラモン教の教典ヴェーダの最後の部分に属し、ヴェーダーンタとも言われる。
ウパニシャッドの中心は、ブラフマン(宇宙我)とアートマン(個人我)の本質的一致(梵我一如)の思想である。但し、宇宙我は個人我の総和ではなく、自ら常恒不変に厳存しつつ、しかも無数の個人我として現れるものと考えられたとされる[2]
古ウパニシャッド[編集]
初期紀元前800年から紀元前500年にかけて成立。古散文ウパニシャッド。中期紀元前500年から紀元前200年にかけて成立。韻文ウパニシャッド。後期紀元前200年以降に成立。新散文ウパニシャッド。
初期[編集]
ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第1期 ヤージュニャヴァルキヤの教えが含まれる。アートマンに到達しアートマンからブラフマンに溶け込むニルヴァーナの解説が含まれる。
チャーンドーギヤ・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第1期 シャーンディリヤやウッダーラカ・アールニの思想など。
タイッティリーヤ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:初期 第2期
アイタレーヤ・ウパニシャッド:リグ・ヴェーダ:初期 第2期
カウシータキ・ウパニシャッド:リグ・ヴェーダ:初期 第2期
ケーナ・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第3期
中期[編集]
カタ・ウパニシャッド(カータカ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前350年から紀元前300年頃)
イーシャー・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:中期
シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前300年から紀元前200年頃)
ムンダカ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:中期
後期[編集]
プラシュナ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:後期
マイトリー・ウパニシャッド(マイトラーヤニーヤ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:後期(紀元前200年頃)
マーンドゥーキヤ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:後期(1年から200年頃)
日本語訳[編集]
完訳[編集]
湯田豊 『ウパニシャッド 翻訳および解説』 大東出版社、2000年。ISBN 4-500-00656-7。
: 主要13ウパニシャッド[3]の全訳。
抄訳[編集]
服部正明 『ウパニシャッド』 中央公論社〈世界の名著1, 中公バックス〉、1979年。ISBN 412400611X。 服部正明 『ウパニシャッド』 中央公論社〈世界の名著1〉、1969年。
: 主要4ウパニシャッド[4]の抄訳(一部全訳)。
岩本裕 『原典訳 ウパニシャッド』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2013年。ISBN 4-480-09519-5。 岩本裕 『ウパニシャッド』 筑摩書房〈世界文学古典全集3〉、1967年。
: 主要5ウパニシャッド[5]の抄訳(一部全訳)。
佐保田鶴治 『ウパニシャッド』 平河出版社、1979年。ISBN 4892030260。
: 主要12ウパニシャッド[6]の抄訳。
日野紹運、奥村文子 『ウパニシャッド』 日本ヴェーダンタ協会、2009年。ISBN 4931148409。
: 主要12ウパニシャッド[7]の抄訳。
目次 [非表示]
1 概要
2 古ウパニシャッド 2.1 初期
2.2 中期
2.3 後期
3 日本語訳 3.1 完訳
3.2 抄訳
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
概要[編集]
約200以上ある書物の総称である。各ウパニシャッドは仏教以前から存在したものから、16世紀に作られたものまであり、成立時期もまちまちである。もっとも、ウパニシャッドの最も独創的要素は、仏教興起以前に属するので、その中心思想は遅くとも西暦前7世紀ないし前6世紀に遡る[1]。
ウパニシャッドの語源について、「近くに座す」ととるのが一般的である。それが秘儀・秘説といった意味になり、現在のような文献の総称として用いられるようになったと広く考えられている。
後世の作であるムクティカー・ウパニシャッドにおいて108のウパニシャッドが列記されていることから、108のウパニシャッドが伝統的に認められてきた。その中でも10数点の古い時代に成立したものを特に古ウパニシャッドと呼ぶ。多くの古ウパニシャッドは紀元前500年前後に成立し、ゴータマ・ブッダ以前に成立したものと、ゴータマ・ブッダ以後に成立したものとある。古ウパニシャッドはバラモン教の教典ヴェーダの最後の部分に属し、ヴェーダーンタとも言われる。
ウパニシャッドの中心は、ブラフマン(宇宙我)とアートマン(個人我)の本質的一致(梵我一如)の思想である。但し、宇宙我は個人我の総和ではなく、自ら常恒不変に厳存しつつ、しかも無数の個人我として現れるものと考えられたとされる[2]
古ウパニシャッド[編集]
初期紀元前800年から紀元前500年にかけて成立。古散文ウパニシャッド。中期紀元前500年から紀元前200年にかけて成立。韻文ウパニシャッド。後期紀元前200年以降に成立。新散文ウパニシャッド。
初期[編集]
ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第1期 ヤージュニャヴァルキヤの教えが含まれる。アートマンに到達しアートマンからブラフマンに溶け込むニルヴァーナの解説が含まれる。
チャーンドーギヤ・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第1期 シャーンディリヤやウッダーラカ・アールニの思想など。
タイッティリーヤ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:初期 第2期
アイタレーヤ・ウパニシャッド:リグ・ヴェーダ:初期 第2期
カウシータキ・ウパニシャッド:リグ・ヴェーダ:初期 第2期
ケーナ・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第3期
中期[編集]
カタ・ウパニシャッド(カータカ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前350年から紀元前300年頃)
イーシャー・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:中期
シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前300年から紀元前200年頃)
ムンダカ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:中期
後期[編集]
プラシュナ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:後期
マイトリー・ウパニシャッド(マイトラーヤニーヤ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:後期(紀元前200年頃)
マーンドゥーキヤ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:後期(1年から200年頃)
日本語訳[編集]
完訳[編集]
湯田豊 『ウパニシャッド 翻訳および解説』 大東出版社、2000年。ISBN 4-500-00656-7。
: 主要13ウパニシャッド[3]の全訳。
抄訳[編集]
服部正明 『ウパニシャッド』 中央公論社〈世界の名著1, 中公バックス〉、1979年。ISBN 412400611X。 服部正明 『ウパニシャッド』 中央公論社〈世界の名著1〉、1969年。
: 主要4ウパニシャッド[4]の抄訳(一部全訳)。
岩本裕 『原典訳 ウパニシャッド』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2013年。ISBN 4-480-09519-5。 岩本裕 『ウパニシャッド』 筑摩書房〈世界文学古典全集3〉、1967年。
: 主要5ウパニシャッド[5]の抄訳(一部全訳)。
佐保田鶴治 『ウパニシャッド』 平河出版社、1979年。ISBN 4892030260。
: 主要12ウパニシャッド[6]の抄訳。
日野紹運、奥村文子 『ウパニシャッド』 日本ヴェーダンタ協会、2009年。ISBN 4931148409。
: 主要12ウパニシャッド[7]の抄訳。
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