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posted by fanblog

2016年02月13日

メンタリズムとメンタルマジック

IMG_4242.jpg

最近までこの違いを上手く説明できずにいました。

しかし、「マキシマムエンターテイメント」と言う書籍の中の説明が割りと納得行くものだったので、軽くシェアしたいと思います。

ちなみに、マキシマムエンターテイメントから丸パクリするのもアレなので、自分なりの解釈を大分加えています。元々の考え方が気になる方は書籍を読んできただければいいかと...


すごく大雑把な分け方をすると...


メンタリズムはダイレクトで、メンタルマジックはインダイレクト。


横文字が多いのは私も好きではないのですが、シンプルな分け方をしようとするとこうなります(笑)

メンタリズムは直接的で、メンタルマジックはやや間接的です。


書籍の中でホアン・タマリッツ氏の考案したブックテストが例に上がっていました。
演技の流れが書かれていますがここは少し引用させてもらいます...


全く完全にコピーするのもアレなので、やり方の手順を箇条書きにしますが、
・106ページをフォースする
・観客にページを構成している数字を足してもらう、
 106ページなので「1,0,6」を足して7。
(何故か演者はワザと足し算を間違えて「8」と言い、観客に「7」だと指摘される)
・そのページの7個目の単語を覚えてもらう。
・観客の覚えた単語が、予言されていた単語と同じであると示す。

これはメンタリズムとは言い難い理由が幾つかあるというお話でした。

フォースは百歩譲ってまだ良いとしますが、問題は単語の選ばせ方です。
何故客はページの数字を足して、さらにその数字の番目にある単語を覚える必要があるのでしょうか?


以前、このブログで書きましたが、メンタルマジックは超能力風のマジックのことです。


もし、真に読心能力があるのであれば、そんなまどろっこしいことをしいないとは思いませんか?
「好きなページを開いて、そこから好きな単語を覚えてください」と言うべきだというのが著者の主張です。

この主張は私にとってとても納得の行くものでした。
(他にも幾つか問題のある部分が指摘されていますが、割愛します)


例えば、テレビに度々出ていたDから始まるメンタリストが居ました。
彼はフォーク曲げからパフォーマンスを初めます。

好きな絵を描いてもらって、それを当てるというのは確かにメンタリズムでした。
それと、幾つかの物を用意して、取る順番を当てるというのもありました。
これらは、多少の制限はあるもののフリーチョイスです。
(後者に関しては失敗のリスクがありますが、演者はそこで失敗しても演出の一部になると思っていそうなので割りと気楽にやってるかも?)

ある物を隠してもらい、後から誰が持ってるかを当てるのもまだ良いのです。

ですが、スケッチブックに色を塗らせて、色の位置を当てるマジックはどうでしょうか?
あれは塗る場所の順番が指定されています。
本当に出来るのであれば最初から自由に塗らせても良いはずなのです。

(トリックの根幹に関わることなので詳しくは言えませんが、順番を指定する必要があるとだけ言っておきます...)

彼のリーディングのパフォーマンスはテレビ受けも良く、素晴らしい演出であることに間違いはありません。

しかし、特殊な単一性能を持ったギミックを使う時だけ妙に複雑な手順を観客に踏ませます。
ギミックが特殊であればあるほど、メンタリズムから離れていく演出になっていくようでした。
その辺がメンタリズム(笑)と私が呼ぶ要因になっています。

一部のパフォーマンスで「道具使ってますよ」感が急に強くなるのがあるのです...


書籍の中ではまた、メンタルマジックとメンタリズムについて少しだけ触れていました。

要点は2つで、
1.一般論として、メンタルマジックにはメンタリズムよりも多くの道具が使われている。
2.メンタルマジックのプロットは、メンタリズムよりも複雑でわかりにくい傾向がある。

冒頭の写真であるようなESPカードを使った手順はどちらに分類されるのかを考えると...実はよく分かりません(笑)

特殊な道具なのでメンタルマジックかも知れませんが、演出によってはメンタリズムにもなりえます。


私の結論は、最初の方に書いたように、
メンタリズムはダイレクト、メンタルマジックはインダイレクトです。

もちろん、前回の投稿に書いて頂いたコメントにある、「観客がどう受け取るか」も重要なファクターだと思います。


メンタルマジックの演出で、観客がシンプルに凄いと思えるようにするというのはとても気を使うことだそうです。
特殊な道後を使う場合、何故それを使うのか理由付けが大変ですし、持って回ったプロットも観客に必要な手順だと信用されないと行けません。

冗長なルーティンだと観客を飽きさせないために何らかの手を打つ必要があります。
(そもそも削れるところは削るべきだと思いますが...)



メンタリズムとマジックどちらを演ずるにせよ、必要なのは演出とショーマンシップです。
なので、演出について書かれた「マキシマムエンターテイメント」を読みましょう!

というのが著者の一番言いたかったことかもしれませんね/(^o^)\



それと、これは完全に個人的な趣味嗜好と独断と偏見なのですが、
催眠術は間違いなくメンタリズムだと思っています(異論は認める)。

暗示系はマジックの要素がほぼ無いですからね...
アウトにマジック的なオチを用意することはありますが、催眠現象(或いは状態)そのものが精神的に特殊な活動になっています。

まぁ、暗示系、催眠術系で場を盛り上げるのは難しいと私は感じていますので、少人数相手にしかやれません(笑)

そういった意味では、催眠奇術師のBirdie氏はすげーなーって思ってますw
メンタリズムというよりも、催眠術とマジックの融合がテーマの独自路線なんですけどね。


マキシマム・エンターテインメント






ヒプノティズム・ベンドzERO





オスタリンド氏のメンタルはマジックなのかメンタリズムなのか、どっち付かずのも結構あるのですが、面白いので好きです(笑)
(途中で本当にただのマジックをやり始める)

マインド・ミステリーズ 第1巻 日本語字幕版 [DVD]




よく考えるとセンターテアも相当変な演出ですね...orz



これぞメンタリズム!というのが最近出たこれ。

ジャーメイズ・マインド第1巻 [DVD]



導入部はメンタルマジックですが、途中からただのコールド・リーディングになっています。
クロースアップでやるには厳しい内容ですが、練習する価値はあります。



コールド・リーディングについて詳しく知りたいという方はこちら...

コールド・リーディング―人の心を一瞬でつかむ技術




コールド・リーディング関連の本を出している石井氏や、メンタリスト(笑)DaiGo氏の著書の引用元はだいたいこの本だと言われています。
訳が酷いとか言われていますが、普通に読めると思います。

普通に読めると思いますが、結構根気が入ります(笑)
内容が多くて一気に読むとキャパオーバーになります...orz

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