2018年01月25日
2018年1月25日24:00発表ー米国実態指標「2017年12月集計分新築住宅販売件数」(結果検証済)
T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析はこちらに詳述しています。
せっかくFXで取引するなら、@ 取引する指標や他の指標との関係性、A その指標発表時の反応の特徴や傾向、を知っておいた方が楽しめます。言わば、観光地に行く前に「うんちく」を仕入れておくのと同じです。
今回発表は2017年12月分集計結果です。下表に指標要点を纏めておきます。
多くの指標解説では、本指標の重要度・注目度を高く位置づけています。けれども、本指標への反応は小さく、単月毎の指標結果は他の指標との相関も高くありません。
そんなことより本指標の特徴は、取引参加者が予め結果の良し悪しを知っているかのように反応することです。
前掲の分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 指標発表前は、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%に達しています。今回の事前差異がマイナスなので、陰線となる期待的中率が74%ということです。
また、直前1分足は過去の陰線率が74%と、異常な偏りがあります。
指標発表前はショートを持つか取引を止めるかが、過去の傾向に準じた選択肢となります。
直前10-1分足の過去平均跳幅は7pips、同値幅は4pipsです。直前10-1分足や直前1分足は大きな逆ヒゲを形成することが少ないようです。値幅方向に対する逆ヒゲが5pips以上となったことは過去3回です(頻度9%)。
一方、もしも直前10-1分足が大きく跳ねても(10pips以上)、それは指標発表後の反応方向や程度とは関係ありません。慌てて釣られないように気を付けましょう。
直前10-1分足の利確・損切の目安は3〜5pipsとしておけば良いでしょう。
また、直前1分足跳幅の過去平均は3pips、値幅のそれは2pipsです。
ショートで取引するにせよ、陽線側に2pips以上跳ねたのを見てから逆張りした方が良さそうです。逆ヒゲが2pips以上だったことは過去7回(頻度20%)です。利確/損切の目安は2pips程度と見込んでおけば良いでしょう。 - 指標発表直後は、陽線がやや目立つものの、陽線率は64%と中途半端です。
もともと反応が小さい指標のため、僅かな逆ヒゲに騙されても本指標での年間収益を悪化します。目安は、過去に3pips以上の逆ヒゲを形成したことが6回(頻度17%)です。指標発表時刻を跨いでポジションを持つなら、損切の目安は3pipsとしておけば良いでしょう。
一方、直後1分足の過去平均跳幅は8pips、値幅のそれは5pipsです。利確の目安は5pipsとしておけば良いでしょう。 - 他の多くの指標発表直後と違って、本指標では初期反応方向を見てからの追撃は禁物です。
直後1分足終値に対して直後11分足終値が反応を伸ばしていたことが30%しかありません。追撃するにせよ、指標発表から1分以内に行い、1分を過ぎたら早々に利確すべきです。
それよりも、この確率なら直後1分足終値が付いた時点で逆張りした方が、過去の傾向に適っています。逆張りなので、取引は短時間で利確・損切の目安も小さく3〜5pipsぐらいにしておいた方が良いでしょう。
以上
U.事後検証
以下は、2018年1月26日06:00頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は、契約戸数・前月比ともに前回・予想を下回りました。それにも関わらず、直後1分足は陽線でした。
その原因のひとつには、過去3か月の住宅販売が好調で、そろそろ感があったことが挙げられます。それを裏付けるように、市場予想は今回結果の悪化を予想していました。そのため、23:30頃からUSDJPYはUSDが売られており、発表によってこの23:30からのUSD売の動きには一旦けりが付いた訳です。
ポイントは、本指標発表への反応がもともと小さいため、その「けりの付いた」動きが見えた訳です。そして、翌26日22:30にはGDP速報値の発表があります。金利も株価もこの日は、翌日GDP速報値の発表をある程度見越して動かざるを得ません。
指標契約戸数も過去3回の発表結果を下回る大幅悪化でした。けれども、グラフ推移そのものは上昇基調が下降に転じたと判断するには1回の悪化データだけで時期尚早です。
何より、指標前月比は前回を大きく下回り、前月比の過去からの上下動のほぼ下限に達しました。本指標ではだいたい前月比が△10%付近に達すると、翌月は当月に対し改善しがちです。
よって、今回の指標結果だけを見るとかなり悪い内容でしたが、今後のことを考えると来月発表は当月発表よりも改善が期待できます。それが悪い割に反応が小さかった理由と考えられます。
今回の取引結果を纏めておきます。
指標発表時刻を跨ぐポジションは推奨していないので、シナリオ外として指標成績には含めません(年間損益には含めます)。
指標発表直後の1分以内の追撃は行いませんでした。指標結果が悪いのに陽線側に反応していたことが危ういと思ったからです。
取引結果はさておき、事前分析を検証しておきます。
- 指標発表前は、今回の事前差異がマイナスなので、直前10-1分足が陰線となる期待的中率が74%と見なしていました。結果は陰線でした。
直前1分足は過去の陰線率が74%と、異常な偏りがありました。こちらも結果は陰線でした。
指標発表前の反応は過去の傾向通りでした。 - 指標発表直後は、過去の陽線率が64%と中途半端でした。もともと反応が小さい指標のため、逆ヒゲには警戒していました。今回の逆ヒゲは1pipsで、過去に3pips以上の逆ヒゲを形成したことが17%しかないことを踏まえると、過去の傾向通りだったと言えます。
指標発表時刻を跨いでポジションを持つなら、損切の目安は3pips・利確の目安は5pipsとしておくことを推奨していました。今回の直後1分足跳幅は陽線側に2.8pipsです。
約3pipsなので、もしショートを持っていたなら損切しても構いません。もしロングを持っていたなら、直後11分足跳幅で利確できたでしょう。
いずれにせよ、指標発表直後の跳ねでの損切・利確では損益が大したことなかったはずです。詳細分析でも触れた通り、なぜ主要FX会社の指標解説で本指標が重要度・注目度が高く位置づけられているのか不思議です。 - 事前分析では、初期反応方向を見てからの追撃は禁物だと解説していました。今回も過去の傾向通り、直後1分足に対して直後11分足は反転しました。
追撃を行うなら、指標発表から1分以内に行い、1分を過ぎたら早々に利確すべき、と推奨していました。今回は、指標発表後の陽線側に追撃していたなら2・3分後に5pips程度の利確の機会があったようです。
また、この確率なら直後1分足終値が付いた時点で逆張りした方が、過去の傾向に適っていることを指摘していました。逆張りなので、取引は短時間で利確・損切の目安も小さく3〜5pipsぐらい、を目安に挙げていました。もし直後1分足終値が付いた頃にショートをオーダーしていたら、その後1・2分は3pips程度の含損を抱えたものの、直後11分足終値が付いた時点で8pips程度の利確ができたでしょう。
以上の通り、全体的に今回の反応はほぼ完全に過去の傾向通りでした。
全て理想通りに取引していたなら10pips以上稼げたかも知れませんが、今回程度の反応ならその半分の5pipsも取れていたら十分です。過去の傾向の分析は予言ではないので、どれだけ分析していたとしても勝ちの確実性を高めるためには、やや小さめに利確も損切も行う方が良いのです。それこそがすっと相場で生き残る秘訣だと思います。
以上
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