2017年08月28日
2017年8月第4週成績と次週9月第1週主要指標反応pips
分析方法や取引手法に問題がないか、週次で確認しています。
下図は、8月第4週に発表された指標の直後1分足跳幅(青)と直後11分足値幅(緑)について、今回の反応pipsと過去平均pipsを対比表示したものです。
独国PMI速報値を除けば、過去の平均的な反応程度と同程度の反応をする指標発表が続きました。
日本指標は7月分CPIが発表されました。
発表結果はコアCPが+0.5%ですが、グラフ推移を見るとインフレ率の上昇基調がはっきりしてきたように見受けられます。がしかし、内容を検証してみると、この上昇基調はあまりアテにできないことがわかります。
原油価格が前年よりも高水準なことで、動力費(電気代やガス代)が+5.8%となったことがコアCPIを押し上げているからです。日本のコアCPIは、他の主要国と違って、食糧だけを除いてエネルギーを含めて算出されています。エネルギーを含まない項目はコアコアCPIで、前年比で+0.1%でした。コアCPI上昇が動力費中心だということは、原油価格が下がればCPIがまた下がる、ということです。
よって、グラフ推移では上昇基調が堅いように見えても、内実はいつまた下がるかわからない情勢、ということです。
米国指標は、7月分新築住宅販売件数・7月分中古住宅販売件数・7月分耐久財受注が発表されました。
米住宅市場は好調が続き、その結果、在庫不足に陥っています。在庫不足が価格上昇を招き、一時的な販売減がいつ起きても不思議ではありません。更に、金利正常化のFRB政策が加わるのだから、在庫が増え始めたら注意が必要です。
新築住宅販売件数は前月比△9.4%で、昨年12月以来の水準に落ち込みました。△9.4%という下降幅も、昨年8月以来で、少し心配な数字が出てきました。在庫は前月比+1.5%で、2009年6月以来の大きさです。まだまだサブプライム以前のピーク期に比べれば半分以下の水準という話も一部解説記事にありますが、良い兆候ではありません。
一方、中古住宅は販売件数鵜が減った(前月比△1.3%)ものの、住宅在庫は26か月連続で前年同月を下回って、販売価格も前年同月比で+6.2%です。こちらはまだ、心配する段階ではありません。販売件数も前年同月比で見れば+2.1%でした。
耐久財受注前月比は△6.9%で、コア前月比が+0.5%でした。但し、この結果への反応は、ジャクソンホールでのFRB議長講演を控えていたため、指標結果に素直だったと言い切れないものでした。
欧州指標は、景気指標(8月分独国ZEW景況感調査・8月分独国PMI速報値・8月分欧州PMI速報値・8月分独国Ifo景況指数)が発表されました。
ZEW景況感指数は、期待指数が2017年2月分の水準まで低下(10.0、前回17.5)し、同年5月分をピークとした下降基調転換の可能性が生じました(3か月連続で前回結果を下回りました)。グラフ推移の印象からは、来月に2017年2月分水準を下抜けると、下降基調がはっきりします。現況指数は、前回を僅かに上回ったものの(86.7、前回86.4)、グラフ推移の印象から言えば、頭を押さえられています。こちらは、2016年7月以降継続している上昇基調がまだ維持されていると見なせ、先行して下降基調に転じた可能性がある期待指数とは様子が異なります。
PMI速報値は、独国・欧州ともに総合・製造業・サービス業のいずれも前回を上回りました。
Ifo景況指数は、結果がまちまちでした。総合(景況指数)は前回を下回り(115.9、前回116.0)、景況感は前回を上回り(107.9、前回107.3)、現況分析は前回を下回りました(124.6、前回125.4)。解釈が難しい結果でしたが、反応は陽線となりました。
英国指標は4-6月期GDP改定値が発表されました。
結果は、GDP改定値が前期比・前年比ともに速報値と同値(各+0.3%・+1.7%)、企業投資が前期比・前年比ともに速報値を下回りました。反応は陰線でした。企業投資だけでなく、個人消費も良くなかったようです(+0.1%)。
本ブログ記載の取引方法を検証するため、週次・月次で取引成績を記録しています。人にやり方を薦める以上、(個別取引はさておき)全体として間違っていないことを検証しておきたいからです。
ただ、他人の取引成績なんて興味ありませんよね。ぱぱっと8月第4週の取引結果を纏めておきます。
8月第4週は5指標で取引を行いました。
取引時間は33分29秒(1指標当たり6分41秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で+3,914円(1指標当たり+759円)でした。
勝率は、指標単位で80%(4勝1敗)、シナリオ単位では83%(15勝3敗、見送り2)でした。
前週は負けていたものの、2週連続の負けは避けられました。
次週9月第1Wの主要指標の過去平均反応を示します。
週前半には、大した指標発表が予定されていません。とは言え、週後半に米国雇用統計発表が予定されている週です。水曜欧州時間ぐらいから動きだし、それまでは指標とは関係ない動きになります。
以下、指標名をクリックすると、前回分析にリンクされています。
日本指標は7月分鉱工業生産速報値が発表されます。但し、取引には全く向かない指標なので、指標結果そのものに興味がなければ無視しても良いでしょう。
米国指標は、8月分雇用指標(ADP・雇用統計)が発表されます。
ADPの反応程度は注目度の割にあまり大きくありません。指標結果の影響が最も顕著に現れる直後1分足跳幅は、過去平均で17pipsしかありません。反応方向は素直です。追撃は早期参加に適しているものの、発表から1分を過ぎると、初期反応方向への順張り追撃にやや不安があります。
今回の雇用統計は、事前にISMの雇用指数が参照できないので、市場予想がばらける可能性があります。もともと雇用統計では多くのプロが取引に参加するため、個別項目の良し悪しだけでなく総合的な解釈によって反応方向が決まります。そのため、一見すると素直とは言えない場合も散見されます。一方向に向けて反応を伸ばす場合にも上下動が大きいため、追撃も難しい指標です。高値(安値)掴みを避けるため、本指標取引の前には、週足・日足・4時間足のチャートポイント(レジスタンスやサポート)の位置を把握しておくことが必須です。
そして、4-6月期GDP改定値と7月分PCEが発表されます。
GDP改定値は、1-3月期+1.4%こそ上回るものの、速報値+2.6%をも上回ることができるかに注目です。PCEは、10月下旬に発表される7-9月期GDP速報値を予想するために重要です。
8月分景気指標(CB消費者信頼感指数・ISM製造業景況指数)も発表されます。
がしかし、こちらはいつもより注目度が下がり、反応は小さくなるのではないでないでしょうか。
欧州指標は8月分HICPが発表されます。
全体に欧州指標は、反応が小さく影響期間が短い、という特徴があります。本指標も過去の指標発表直後は63%が10pips以下しか跳ねていません。反応方向は、どちらかと言えば、HICP>コアHICP、に影響されるものの、あまり素直に反応する指標でもありません。追撃にもあまり適しておらず、やるなら指標発表後に早期参加・短期利確です。
取引には向かない指標です。
英国指標は8月分製造業PMIが発表されます。
反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。追撃は早期参加し、発表から1分を経過したら利確の機会を探りましょう。過去の傾向では、指標発表後は大きく脈動しながらも、一方向へと反応を伸ばしがちです。早期参加、複数回に分けて追撃徹底に適しています。但し、指標発表前から他の指標に比べて大きく動きがちです。ときどき、かなり大きく動くこともあるものの、そうした動きは指標発表後の反応方向と無関係です。注意が必要です。
【1. 8月第4W主要指標結果】
下図は、8月第4週に発表された指標の直後1分足跳幅(青)と直後11分足値幅(緑)について、今回の反応pipsと過去平均pipsを対比表示したものです。
独国PMI速報値を除けば、過去の平均的な反応程度と同程度の反応をする指標発表が続きました。
日本指標は7月分CPIが発表されました。
発表結果はコアCPが+0.5%ですが、グラフ推移を見るとインフレ率の上昇基調がはっきりしてきたように見受けられます。がしかし、内容を検証してみると、この上昇基調はあまりアテにできないことがわかります。
原油価格が前年よりも高水準なことで、動力費(電気代やガス代)が+5.8%となったことがコアCPIを押し上げているからです。日本のコアCPIは、他の主要国と違って、食糧だけを除いてエネルギーを含めて算出されています。エネルギーを含まない項目はコアコアCPIで、前年比で+0.1%でした。コアCPI上昇が動力費中心だということは、原油価格が下がればCPIがまた下がる、ということです。
よって、グラフ推移では上昇基調が堅いように見えても、内実はいつまた下がるかわからない情勢、ということです。
米国指標は、7月分新築住宅販売件数・7月分中古住宅販売件数・7月分耐久財受注が発表されました。
米住宅市場は好調が続き、その結果、在庫不足に陥っています。在庫不足が価格上昇を招き、一時的な販売減がいつ起きても不思議ではありません。更に、金利正常化のFRB政策が加わるのだから、在庫が増え始めたら注意が必要です。
新築住宅販売件数は前月比△9.4%で、昨年12月以来の水準に落ち込みました。△9.4%という下降幅も、昨年8月以来で、少し心配な数字が出てきました。在庫は前月比+1.5%で、2009年6月以来の大きさです。まだまだサブプライム以前のピーク期に比べれば半分以下の水準という話も一部解説記事にありますが、良い兆候ではありません。
一方、中古住宅は販売件数鵜が減った(前月比△1.3%)ものの、住宅在庫は26か月連続で前年同月を下回って、販売価格も前年同月比で+6.2%です。こちらはまだ、心配する段階ではありません。販売件数も前年同月比で見れば+2.1%でした。
耐久財受注前月比は△6.9%で、コア前月比が+0.5%でした。但し、この結果への反応は、ジャクソンホールでのFRB議長講演を控えていたため、指標結果に素直だったと言い切れないものでした。
欧州指標は、景気指標(8月分独国ZEW景況感調査・8月分独国PMI速報値・8月分欧州PMI速報値・8月分独国Ifo景況指数)が発表されました。
ZEW景況感指数は、期待指数が2017年2月分の水準まで低下(10.0、前回17.5)し、同年5月分をピークとした下降基調転換の可能性が生じました(3か月連続で前回結果を下回りました)。グラフ推移の印象からは、来月に2017年2月分水準を下抜けると、下降基調がはっきりします。現況指数は、前回を僅かに上回ったものの(86.7、前回86.4)、グラフ推移の印象から言えば、頭を押さえられています。こちらは、2016年7月以降継続している上昇基調がまだ維持されていると見なせ、先行して下降基調に転じた可能性がある期待指数とは様子が異なります。
PMI速報値は、独国・欧州ともに総合・製造業・サービス業のいずれも前回を上回りました。
Ifo景況指数は、結果がまちまちでした。総合(景況指数)は前回を下回り(115.9、前回116.0)、景況感は前回を上回り(107.9、前回107.3)、現況分析は前回を下回りました(124.6、前回125.4)。解釈が難しい結果でしたが、反応は陽線となりました。
英国指標は4-6月期GDP改定値が発表されました。
結果は、GDP改定値が前期比・前年比ともに速報値と同値(各+0.3%・+1.7%)、企業投資が前期比・前年比ともに速報値を下回りました。反応は陰線でした。企業投資だけでなく、個人消費も良くなかったようです(+0.1%)。
【2. 8月第4W成績】
本ブログ記載の取引方法を検証するため、週次・月次で取引成績を記録しています。人にやり方を薦める以上、(個別取引はさておき)全体として間違っていないことを検証しておきたいからです。
ただ、他人の取引成績なんて興味ありませんよね。ぱぱっと8月第4週の取引結果を纏めておきます。
8月第4週は5指標で取引を行いました。
取引時間は33分29秒(1指標当たり6分41秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で+3,914円(1指標当たり+759円)でした。
勝率は、指標単位で80%(4勝1敗)、シナリオ単位では83%(15勝3敗、見送り2)でした。
前週は負けていたものの、2週連続の負けは避けられました。
【3. 9月第1W主要指標】
次週9月第1Wの主要指標の過去平均反応を示します。
週前半には、大した指標発表が予定されていません。とは言え、週後半に米国雇用統計発表が予定されている週です。水曜欧州時間ぐらいから動きだし、それまでは指標とは関係ない動きになります。
以下、指標名をクリックすると、前回分析にリンクされています。
日本指標は7月分鉱工業生産速報値が発表されます。但し、取引には全く向かない指標なので、指標結果そのものに興味がなければ無視しても良いでしょう。
米国指標は、8月分雇用指標(ADP・雇用統計)が発表されます。
ADPの反応程度は注目度の割にあまり大きくありません。指標結果の影響が最も顕著に現れる直後1分足跳幅は、過去平均で17pipsしかありません。反応方向は素直です。追撃は早期参加に適しているものの、発表から1分を過ぎると、初期反応方向への順張り追撃にやや不安があります。
今回の雇用統計は、事前にISMの雇用指数が参照できないので、市場予想がばらける可能性があります。もともと雇用統計では多くのプロが取引に参加するため、個別項目の良し悪しだけでなく総合的な解釈によって反応方向が決まります。そのため、一見すると素直とは言えない場合も散見されます。一方向に向けて反応を伸ばす場合にも上下動が大きいため、追撃も難しい指標です。高値(安値)掴みを避けるため、本指標取引の前には、週足・日足・4時間足のチャートポイント(レジスタンスやサポート)の位置を把握しておくことが必須です。
そして、4-6月期GDP改定値と7月分PCEが発表されます。
GDP改定値は、1-3月期+1.4%こそ上回るものの、速報値+2.6%をも上回ることができるかに注目です。PCEは、10月下旬に発表される7-9月期GDP速報値を予想するために重要です。
8月分景気指標(CB消費者信頼感指数・ISM製造業景況指数)も発表されます。
がしかし、こちらはいつもより注目度が下がり、反応は小さくなるのではないでないでしょうか。
欧州指標は8月分HICPが発表されます。
全体に欧州指標は、反応が小さく影響期間が短い、という特徴があります。本指標も過去の指標発表直後は63%が10pips以下しか跳ねていません。反応方向は、どちらかと言えば、HICP>コアHICP、に影響されるものの、あまり素直に反応する指標でもありません。追撃にもあまり適しておらず、やるなら指標発表後に早期参加・短期利確です。
取引には向かない指標です。
英国指標は8月分製造業PMIが発表されます。
反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。追撃は早期参加し、発表から1分を経過したら利確の機会を探りましょう。過去の傾向では、指標発表後は大きく脈動しながらも、一方向へと反応を伸ばしがちです。早期参加、複数回に分けて追撃徹底に適しています。但し、指標発表前から他の指標に比べて大きく動きがちです。ときどき、かなり大きく動くこともあるものの、そうした動きは指標発表後の反応方向と無関係です。注意が必要です。
以上
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