2017年08月13日
続・順張りだって難しい
下図(a)をご覧ください。この図はレンジ相場(ボックス相場)をイメージしています。100円と101円との間での上下動が繰り返されています。
これなら100円で買ポジション(Long)を注文(Order)して、101円で売ポジション(Short)をあてて取引を終え(Exit)ればいいですね。
簡単でわかりやすいのですね。これは理想像だからです。
実際のチャートでは、多少レンジが傾いていたり(傾いた補助線の間を上下していたり)、先すぼみになっていたり(ペナント型にようになっていたり)することもあります。それらはレンジ相場とは言わないものの、考え方としては同じです。
理想的なレンジ相場はもとより、レンジ状のチャートパターンとして、水平だったり傾いていたり先すぼみになっている上下動は、いつでも見受けられます。だから、レンジ相場も含めたレンジ状のチャートパターンで実際にどう売買するかは、全ての取引の基本だと考えています。
そして、この話にはもうひとつ重大なポイントがあります。「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。この話は後でします。
さて、先にレンジ状のときの基本形の話です。
図(a)でもう少しスパン(期間)を広げてレンジ相場以前にまで注意を払いましょう。そうすると何が言いたいのかがわかりやすくなります。
下図(b)と(c)をご覧ください。
まず先に、図(b)と図(c)には、先ほどの図(a)の大部分が含まれていることにご注意ください。
そして先に図(b)を見ると、レンジ相場というよりも下降トレンド途中にできた「棚」のようにも見えますね。もし図(a)の上下動がそうした棚に過ぎなければ、図(a)のようなLO・SEのやり方は逆張りだったということになります。
逆張りだと判っても、本当にこんなLO・SEできるでしょうか。まぁ、できるんでしょうけど、お勧めできません。面倒なのできちんと説明しませんが、危ないのです。それは、図(c)を見ると、図(b)と同じ棚で同じポイントでLOしたのに、安心感が図(b)とまるで違うから、そう言うのです。図(c)は順張りだからです。
さてここで、図(c)ではSEのポイントが図(a)(b)と違います。なぜなら、順張りだと何となく伸びることが期待できるからです。
「いや、伸びないことも多い」という方とは、話が合うかも知れません。
なぜなら実は、「伸びることを期待」していても、「伸びたこと」と「伸びなかったこと」のどちらが多いのか、よくわからないからです。そもそも「伸びたこと」と「伸びなかったこと」を厳密に定義して実際にカウントすることは結構むずかしいのです。
だから、図(c)のSEは、「伸びても」「伸びなくても」どっちでもいい位置に図示しました。「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良いのなら(勝てるのなら)、それは必勝法ということになります。
結論を言えば、そんなものありません。だから、以下の話は「勝てそうな気がする話」です。
「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良い必勝法はないにせよ、順張りは負けにくい気がする戦略が立てやすいのです。図(c)の順張りイメージをもっと膨らませてみましょう。図(d)をご覧ください。
課題の本質は、どの時点で狙いが外れるかが予想できない点です。この図は、そのことを表しています。
まず、順張りでLOする時点が図(a)(b)(c)と異なります。だって、上昇トレンドだと思っていても、いつ反転するのかがわからないのです。だったら、それまでの動きを確認してからでないと、危なくて仕方ありません。
図(d)では、レンジが続くと仮定して、その上下動の25%(101.25)を上回ったらLOしています。
この25%は33%でも50%でも構いません。「順張り」をしているという基準を自分で決めれば良いのです。
がしかし、自分は「順張り」のつもりでも、LOと同時に反転することだってあります。でも「上昇トレンド」という判断に基づき順張りしたのだから、そんな動きをいちいち気にすべきではありません。多少の上下動なんて折込み済でなければいけません。
小さな損切を繰り返すことを止めるためには、何が小さいかの基準が必要なのです。10pipsの損切を10回やれば100pips負けるのと同じことです。
その基準には、もし上昇トレンド中の棚での順張りのつもりが、レンジ出発点の100を下回るなら、と考えたらいかがでしょう。トレンド反転のリスクが生じた訳ですから、LO時点での判断ミスの可能性が高まったのです。SE1で損切することが自分の判断ミスを認める、ということです。
でも、そんなに悲観的なことばかり考えるべきじゃないかも知れません。LOしたら、狙い通りに伸びることだって50%あるのです。
がしかし、一旦は伸びても、そのまま伸びずに途中で反転してくることもあるでしょう。このときもまだ「上昇トレンドで順張り」というLO時点での判断が間違っていたとは限りません。判断が間違っていたことがわかるまでなら、ほっとけば良いのです。
自分の判断が間違っていたら損切です。それがSE2です。
ではもし、レンジ的な上下動の上端付近まで到達してから反転してきたなら、どうすれば良いでしょう。これは必ずしもLO時点での判断ミスとは言えません。図(d)では100.5(50%の半値戻し)で微益でも確保しておくか、LOと同値決済(正確には同値よりやや上)で利確しておきましょう。それがSE3です。
そして、レンジを上抜けたらSE4で利確か、図(d)の緑のSEでの利確まで頑張りましょう。実は「順張り」というのは、たったのこれだけのケースで大きく稼げるのです。
SE4かSE以外の利確・損切は、初心者の場合、「とんとん」か「負け」になるのです。初心者が図(b)のように順張りでないときに取引したり、図(c)(d)のように順張りで取引きしても、SE1〜SE3の損切りが守れなければ負けるでしょう。
なお、SEのポイントとして示したチャートポイントというのは、ここでは上の方にあるレンジスタンスのことです。
ここまでの話は、レンジ相場を上昇トレンド途中の棚として扱いました。がしかし、棚じゃなくて全体が上昇トレンドでも話は同じです。
そのことを図(e)に示すので、先ほどの棚の話で用いた図(d)と見比べてみてください。
さて、ここまでの話は重大なセオリーを無視していました。それは「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。
「抜けたら追う」というのは、下図(f)のようなことです。
多くの上手な人が書籍やHPに挙げている基本形はこちらです。最初に挙げた図(a)のLOが逆張りだから、図(a)やその応用形の図(d)は、多くの上手な人が基本形に挙げられないのでしょう。
それに、図(d)は聞けば(読めば)理解するのは簡単ですが、説明するのは骨が折れます。そもそもこの基本形を裏付ける論拠だって突き詰めれば、「トレンドは存在する」という仮説に過ぎません。実際に「抜ければ追えば」勝てるのか、確率を求めた人が居ません。
でも、そんな裏付けがない話でも、経験則は尊重します。
だから「買えば下がるし、売れば上がる」という運の悪さを克服する方法は、きっと心を鍛えることではありません。単純化・抽象化された基本の応用場面を、自分で具体的なイメージとして掴むことが解決策です。
そして同時に、単純化・抽象化された基本形を応用できるようになれば、無駄な「小さすぎる損切」を止めることができます。繰り返しになりますが、10pipsの無駄な損切を10回やることは100pipsの損切と同じです。
それを防ぐためには、無駄な損切をしないと「心に誓う」より、無駄な損切をしないために「レンジ状とトレンド状のチャートパターンのどこでポジションを取るのか決めておく」ことの方が効果があります。
図(d)の説明では25%という数字を挙げました。もし25%で調子が悪ければ、次の週から2週間は20%か30%にルールを変えてみたらどうでしょう。そして、その新たなルールで様子を見ればいいのです。
これなら100円で買ポジション(Long)を注文(Order)して、101円で売ポジション(Short)をあてて取引を終え(Exit)ればいいですね。
簡単でわかりやすいのですね。これは理想像だからです。
実際のチャートでは、多少レンジが傾いていたり(傾いた補助線の間を上下していたり)、先すぼみになっていたり(ペナント型にようになっていたり)することもあります。それらはレンジ相場とは言わないものの、考え方としては同じです。
理想的なレンジ相場はもとより、レンジ状のチャートパターンとして、水平だったり傾いていたり先すぼみになっている上下動は、いつでも見受けられます。だから、レンジ相場も含めたレンジ状のチャートパターンで実際にどう売買するかは、全ての取引の基本だと考えています。
そして、この話にはもうひとつ重大なポイントがあります。「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。この話は後でします。
さて、先にレンジ状のときの基本形の話です。
図(a)でもう少しスパン(期間)を広げてレンジ相場以前にまで注意を払いましょう。そうすると何が言いたいのかがわかりやすくなります。
下図(b)と(c)をご覧ください。
まず先に、図(b)と図(c)には、先ほどの図(a)の大部分が含まれていることにご注意ください。
そして先に図(b)を見ると、レンジ相場というよりも下降トレンド途中にできた「棚」のようにも見えますね。もし図(a)の上下動がそうした棚に過ぎなければ、図(a)のようなLO・SEのやり方は逆張りだったということになります。
逆張りだと判っても、本当にこんなLO・SEできるでしょうか。まぁ、できるんでしょうけど、お勧めできません。面倒なのできちんと説明しませんが、危ないのです。それは、図(c)を見ると、図(b)と同じ棚で同じポイントでLOしたのに、安心感が図(b)とまるで違うから、そう言うのです。図(c)は順張りだからです。
さてここで、図(c)ではSEのポイントが図(a)(b)と違います。なぜなら、順張りだと何となく伸びることが期待できるからです。
「いや、伸びないことも多い」という方とは、話が合うかも知れません。
なぜなら実は、「伸びることを期待」していても、「伸びたこと」と「伸びなかったこと」のどちらが多いのか、よくわからないからです。そもそも「伸びたこと」と「伸びなかったこと」を厳密に定義して実際にカウントすることは結構むずかしいのです。
だから、図(c)のSEは、「伸びても」「伸びなくても」どっちでもいい位置に図示しました。「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良いのなら(勝てるのなら)、それは必勝法ということになります。
結論を言えば、そんなものありません。だから、以下の話は「勝てそうな気がする話」です。
「伸びても」「伸びなくても」どっちでも良い必勝法はないにせよ、順張りは負けにくい気がする戦略が立てやすいのです。図(c)の順張りイメージをもっと膨らませてみましょう。図(d)をご覧ください。
課題の本質は、どの時点で狙いが外れるかが予想できない点です。この図は、そのことを表しています。
まず、順張りでLOする時点が図(a)(b)(c)と異なります。だって、上昇トレンドだと思っていても、いつ反転するのかがわからないのです。だったら、それまでの動きを確認してからでないと、危なくて仕方ありません。
図(d)では、レンジが続くと仮定して、その上下動の25%(101.25)を上回ったらLOしています。
この25%は33%でも50%でも構いません。「順張り」をしているという基準を自分で決めれば良いのです。
がしかし、自分は「順張り」のつもりでも、LOと同時に反転することだってあります。でも「上昇トレンド」という判断に基づき順張りしたのだから、そんな動きをいちいち気にすべきではありません。多少の上下動なんて折込み済でなければいけません。
小さな損切を繰り返すことを止めるためには、何が小さいかの基準が必要なのです。10pipsの損切を10回やれば100pips負けるのと同じことです。
その基準には、もし上昇トレンド中の棚での順張りのつもりが、レンジ出発点の100を下回るなら、と考えたらいかがでしょう。トレンド反転のリスクが生じた訳ですから、LO時点での判断ミスの可能性が高まったのです。SE1で損切することが自分の判断ミスを認める、ということです。
でも、そんなに悲観的なことばかり考えるべきじゃないかも知れません。LOしたら、狙い通りに伸びることだって50%あるのです。
がしかし、一旦は伸びても、そのまま伸びずに途中で反転してくることもあるでしょう。このときもまだ「上昇トレンドで順張り」というLO時点での判断が間違っていたとは限りません。判断が間違っていたことがわかるまでなら、ほっとけば良いのです。
自分の判断が間違っていたら損切です。それがSE2です。
ではもし、レンジ的な上下動の上端付近まで到達してから反転してきたなら、どうすれば良いでしょう。これは必ずしもLO時点での判断ミスとは言えません。図(d)では100.5(50%の半値戻し)で微益でも確保しておくか、LOと同値決済(正確には同値よりやや上)で利確しておきましょう。それがSE3です。
そして、レンジを上抜けたらSE4で利確か、図(d)の緑のSEでの利確まで頑張りましょう。実は「順張り」というのは、たったのこれだけのケースで大きく稼げるのです。
SE4かSE以外の利確・損切は、初心者の場合、「とんとん」か「負け」になるのです。初心者が図(b)のように順張りでないときに取引したり、図(c)(d)のように順張りで取引きしても、SE1〜SE3の損切りが守れなければ負けるでしょう。
なお、SEのポイントとして示したチャートポイントというのは、ここでは上の方にあるレンジスタンスのことです。
ここまでの話は、レンジ相場を上昇トレンド途中の棚として扱いました。がしかし、棚じゃなくて全体が上昇トレンドでも話は同じです。
そのことを図(e)に示すので、先ほどの棚の話で用いた図(d)と見比べてみてください。
さて、ここまでの話は重大なセオリーを無視していました。それは「抜けたら追う」というセオリーを守っていない、ということです。
「抜けたら追う」というのは、下図(f)のようなことです。
多くの上手な人が書籍やHPに挙げている基本形はこちらです。最初に挙げた図(a)のLOが逆張りだから、図(a)やその応用形の図(d)は、多くの上手な人が基本形に挙げられないのでしょう。
それに、図(d)は聞けば(読めば)理解するのは簡単ですが、説明するのは骨が折れます。そもそもこの基本形を裏付ける論拠だって突き詰めれば、「トレンドは存在する」という仮説に過ぎません。実際に「抜ければ追えば」勝てるのか、確率を求めた人が居ません。
でも、そんな裏付けがない話でも、経験則は尊重します。
だから「買えば下がるし、売れば上がる」という運の悪さを克服する方法は、きっと心を鍛えることではありません。単純化・抽象化された基本の応用場面を、自分で具体的なイメージとして掴むことが解決策です。
そして同時に、単純化・抽象化された基本形を応用できるようになれば、無駄な「小さすぎる損切」を止めることができます。繰り返しになりますが、10pipsの無駄な損切を10回やることは100pipsの損切と同じです。
それを防ぐためには、無駄な損切をしないと「心に誓う」より、無駄な損切をしないために「レンジ状とトレンド状のチャートパターンのどこでポジションを取るのか決めておく」ことの方が効果があります。
図(d)の説明では25%という数字を挙げました。もし25%で調子が悪ければ、次の週から2週間は20%か30%にルールを変えてみたらどうでしょう。そして、その新たなルールで様子を見ればいいのです。
以上
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