2017年06月30日
米国物価指標「PCEコアデフレータ」・実態指標「PCE・個人所得」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年6月30日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月30日21:30に米国物価指標「PCEコアデフレータ」・実態指標「PCE・個人所得」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
個人消費(PCE)と個人所得は消費者の経済活動を表した実態指標ですが、PCEコアデフレータはエネルギー・食料を除いた個人消費の物価動向を示した物価指標です。
同時発表される個人消費(PCE)・個人所得・PCEコアデフレータにおいて、PCEコアデフレータが重視されています。これは、FRBが重視する物価指標がCPIでなくPCEコアデフレータと言われているためです。その理由は、PCEコアデフレータよりもCPIには上方バイアスが生じるため、という解説があります。何を言っているのかはさておき、PCEデフレータが重要視されることはわかります。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。発表結果が後日修正されていても、それは反映していません。そして、下表は、どの項目が反応方向に影響を強く与えているかを調べています。
この表から、PCEコアデフレータ・PCE・個人所得のいずれも、反応方向に強い影響を及ぼしていないことがわかります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標発表時点から見ると、直後1分足と直後11分足との方向一致率は81です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・73%です。追撃に適した指標です。
そして、直後1分足終値がついた時点から見ると、直後11分足終値の反応が伸びる確率は59%です。直後1分足足終値の値幅を削ったり反応が反転することは41%となっています。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が73%となっています。がしかし、過去平均の跳幅が3pipsしかありません。取引するなら欲張らないことです。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以下は2017年7月1日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は個人所得が市場予想を上回った他、市場予想通りでした。反応は陰線で、直後11分足は途中反転して陽線に転じました。
指標全体としては、市場予想通りもしくは市場予想を上回っても、前回結果に対しデフレータ・PCEが低下しており、これが初期反応を陰線にした原因と思われます。
取引結果は次の通りでした。
3度目の追撃は陽線に転じてからで、指標発表の影響期間内と考えると、これは逆張りになります。反省します。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月30日21:30に米国物価指標「PCEコアデフレータ」・実態指標「PCE・個人所得」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
- 反応は小さく、方向は同時発表されるどの項目が大きくても小さくてもあまり規則性がありません。
最も初期反応(直後1分足跳幅)の方向に影響を与えるのは、PCE前月比です。がしかし、直後1分足終値は、発表結果と市場予想との差異方向と同方向に反応したことが58%しかありません。
指標結果の良し悪しを真面目に分析してもあまり意味がありません。 - 指標発表前のローソク足の方向は、指標発表後の反応方向を示唆している兆しがありません。
- がしかし、追撃には適しています。
指標発表時点から見ると、直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・73%です。
そして、直後1分足終値がついた時点から見ても、直後11分足終値の反応が伸びる確率は59%で、直後1分足足終値の値幅を削ったり反応が反転することは41%です。
反応方向を確認次第、追撃ポジションが取れます。 - 以上の調査・分析結果に基づき、初期反応を確認次第、追撃ポジションを取ります。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
個人消費(PCE)と個人所得は消費者の経済活動を表した実態指標ですが、PCEコアデフレータはエネルギー・食料を除いた個人消費の物価動向を示した物価指標です。
同時発表される個人消費(PCE)・個人所得・PCEコアデフレータにおいて、PCEコアデフレータが重視されています。これは、FRBが重視する物価指標がCPIでなくPCEコアデフレータと言われているためです。その理由は、PCEコアデフレータよりもCPIには上方バイアスが生じるため、という解説があります。何を言っているのかはさておき、PCEデフレータが重要視されることはわかります。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。発表結果が後日修正されていても、それは反映していません。そして、下表は、どの項目が反応方向に影響を強く与えているかを調べています。
この表から、PCEコアデフレータ・PCE・個人所得のいずれも、反応方向に強い影響を及ぼしていないことがわかります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標発表時点から見ると、直後1分足と直後11分足との方向一致率は81です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・73%です。追撃に適した指標です。
そして、直後1分足終値がついた時点から見ると、直後11分足終値の反応が伸びる確率は59%です。直後1分足足終値の値幅を削ったり反応が反転することは41%となっています。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が73%となっています。がしかし、過去平均の跳幅が3pipsしかありません。取引するなら欲張らないことです。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている訳ではないようです。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上
2017年6月30日21:30発表
以下は2017年7月1日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は個人所得が市場予想を上回った他、市場予想通りでした。反応は陰線で、直後11分足は途中反転して陽線に転じました。
指標全体としては、市場予想通りもしくは市場予想を上回っても、前回結果に対しデフレータ・PCEが低下しており、これが初期反応を陰線にした原因と思われます。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
3度目の追撃は陽線に転じてからで、指標発表の影響期間内と考えると、これは逆張りになります。反省します。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 反応はいつもよりやや大きく、初期反応の方向はPCE前月比が前回結果を下回ったため陰線となりました。
- 追撃には適しているという事前分析結論は外しました。方向が反転してしまうと、勝率が下がります。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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