2017年04月17日
米国景気指標「NY連銀製造業景気指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月17日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月17日21:30に米国景気指標「NY連銀製造業景気指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本発表後23:00には米国住宅指標「NAHB住宅市場指数」が発表されます。こちらもあまり大きな反応をする指標ではないため、本発表への影響はないと考えています。たぶん、今夜は指標結果なんて関係ない動きをするのではないでしょうか。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
NY連銀管轄のNY州製造業約200社の経営者の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。
製造業景気指数は、NY連銀製造業景気指数→Phil連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がPhil連銀製造業景気指数で、Phil連銀製造業景気指数の先行指標がNY連銀製造業景気指数、という見方があります。
発表は毎月15日(夏時間:日本時間21:30、冬時間:日本時間22:30)に行われます。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回発表分までの27回のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は15で、前回結果16.4を下回っています。
前回3月の発表では、市場予想を上回り陽線で反応しました。前回発表の内訳を見ると、新規受注が増加で出荷が減少しています。新規受注増は、製造業の場合、3-6か月後の出荷と相関します。
関連指標を見ておきます。
3月分の製造業景気指標データは、NY連銀だけでなく、Phil連銀・ISM製造業も前回結果(2月分)を下回っています。リッチモンド連銀・シカゴ購買部協会は、前回結果よりも上昇していますが、これらはデータ数が少ないので、Phil連銀・ISM製造業よりも信用度が劣ります。
非製造業景気指標データでは、ISM非製造業・CB消費者信頼感指数が前回結果を下回っています。ただ最新の4月分UMUM消費者態度速報値は、前回結果を上回っています。
実態指標では、3月分小売売上高前月比が総合・コアともに前回結果を下回っていました。鉱工業生産はまだ2月分までしか発表されていないため、参考になりません。
NY連銀製造業景気指数は、製造業経営者を対象とした調査です。報道では、先月後半から米政権の政策遂行力に疑問を呈する記事が増えています。そしてこの内容には、トランプ大統領の公約とも言える法人税減税実施が遅れるという内容を含んでいます。
つまり、定性分析の結論は、今回の市場予想が前回結果を下回っていることを否定する要素がありません。
程度は前回より1.4ポイント低下となっていますが、この意味は200社の社長から3人だけ前月調査時よりも悪くなるということです(指数化の過程で、単なる人数カウントでなくなるので、正確な説明ではありません)。2月結果18.7は1月結果16.4より2.3低下しています。3月結果が2月結果よりも1.4低下という市場予想は甘いのではないでしょうか。
今回は、市場予想よりも下回ると予想しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上から2番目の直前1分足をご覧ください。陰線が目立ちます。そして、陽線側にヒゲが多く、陰線側のヒゲは目立ちません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが71%です。この数字なら反応方向を確認してから追撃ポジションを持つことができます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が87%となっています。
また直後11分足は、直前1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標は、市場予想が前回結果よりも大きいことが81%と偏りがあります(事前差異)。それでも、市場予想よりも発表結果が大きかったことが63%あります。本指標では、市場予想が高めになる傾向があるようです。
直前1分足が事前差異との方向一致率30%となっています。これは、上記の市場予想が高めになりがちな傾向と、陰線率の高さとの関係が現れたものと思われます。
シナリオは巻頭箇条書きのシナリオ項をご覧ください。
以下は2017年4月19日10:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、前回結果・市場予想を下回りました。
取引結果は次の通りでした。
これだけ発表結果が低下しても、直後11分足が反転するのですから、今はまともな分析が通用する時期ではありませんね。
事前調査分析内容を、以下に検証します
ほぼ分析通りだったと言えるでしょう。但し、おかしな動きは直後11分足形成途中で生じました。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月17日21:30に米国景気指標「NY連銀製造業景気指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
本発表後23:00には米国住宅指標「NAHB住宅市場指数」が発表されます。こちらもあまり大きな反応をする指標ではないため、本発表への影響はないと考えています。たぶん、今夜は指標結果なんて関係ない動きをするのではないでしょうか。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標取引にあたっての注意点は次の通りです。
もともと、本指標は、過去平均から言って反応が大きくありません(直後1分足跳幅平均が15pips)。そして
イースター3連休明けで、USDは先週末尾木曜と休日金曜に対EUR・対JPY・対GBPで売られています。リスク状況は、週末に懸念されていた北朝鮮核実験なく過ごし、今週はむしろEURが仏大統領選第1回投票を控えてEURのリスクが相対的に高まっています。ダウは先週水・木と休日金曜を控えて約200ドル下げていました。
戻しが強くなるかどうかはわかりません。ただ戻すにせよ戻さないにせよ、本日の指標発表時刻頃は指標結果なんて関係ない動きをするのではないでしょうか。 - 指標については、市場予想を下回ると予想しています。
論拠は、
(1) 相関の高い製造業景気指標の直近データ(3月分発表値)が軒並み前回結果を下回っていること、
(2) 3月後半からの報道で米政権政策遂行力に疑問を呈する記事が多く、そのなかには法人税減税の実施が遅れるという内容が含まれていること、
(3) にも関わらず、1月分発表値から2月分発表値の低下2.3ポイントに対して、今回市場予想の前回結果との低下幅1.4ポイントが小さいこと、
です。本来ならば売りですが、本日指標発表時には上記注意点に記した通り、指標結果なんて関係ない動きとなる可能性があります。よって、指標発表時刻を跨いだポジションは持たないことにします。 - シナリオは次の通りです。但し、今夜は夕方以降のトレンドを見て、ポジションを持つかどうかを決めます。下記シナリオは、厳密に言って、指標発表への反応を想定したシナリオとは言えません。
(1) 直前1分足の陰線率が87%となっています。
(2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが71%です。この数字なら反応方向を確認してから追撃ポジションを持つことができます。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
NY連銀管轄のNY州製造業約200社の経営者の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。
製造業景気指数は、NY連銀製造業景気指数→Phil連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がPhil連銀製造業景気指数で、Phil連銀製造業景気指数の先行指標がNY連銀製造業景気指数、という見方があります。
発表は毎月15日(夏時間:日本時間21:30、冬時間:日本時間22:30)に行われます。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回発表分までの27回のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は15で、前回結果16.4を下回っています。
前回3月の発表では、市場予想を上回り陽線で反応しました。前回発表の内訳を見ると、新規受注が増加で出荷が減少しています。新規受注増は、製造業の場合、3-6か月後の出荷と相関します。
関連指標を見ておきます。
3月分の製造業景気指標データは、NY連銀だけでなく、Phil連銀・ISM製造業も前回結果(2月分)を下回っています。リッチモンド連銀・シカゴ購買部協会は、前回結果よりも上昇していますが、これらはデータ数が少ないので、Phil連銀・ISM製造業よりも信用度が劣ります。
非製造業景気指標データでは、ISM非製造業・CB消費者信頼感指数が前回結果を下回っています。ただ最新の4月分UMUM消費者態度速報値は、前回結果を上回っています。
実態指標では、3月分小売売上高前月比が総合・コアともに前回結果を下回っていました。鉱工業生産はまだ2月分までしか発表されていないため、参考になりません。
NY連銀製造業景気指数は、製造業経営者を対象とした調査です。報道では、先月後半から米政権の政策遂行力に疑問を呈する記事が増えています。そしてこの内容には、トランプ大統領の公約とも言える法人税減税実施が遅れるという内容を含んでいます。
つまり、定性分析の結論は、今回の市場予想が前回結果を下回っていることを否定する要素がありません。
程度は前回より1.4ポイント低下となっていますが、この意味は200社の社長から3人だけ前月調査時よりも悪くなるということです(指数化の過程で、単なる人数カウントでなくなるので、正確な説明ではありません)。2月結果18.7は1月結果16.4より2.3低下しています。3月結果が2月結果よりも1.4低下という市場予想は甘いのではないでしょうか。
今回は、市場予想よりも下回ると予想しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上から2番目の直前1分足をご覧ください。陰線が目立ちます。そして、陽線側にヒゲが多く、陰線側のヒゲは目立ちません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが71%です。この数字なら反応方向を確認してから追撃ポジションを持つことができます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が87%となっています。
また直後11分足は、直前1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標は、市場予想が前回結果よりも大きいことが81%と偏りがあります(事前差異)。それでも、市場予想よりも発表結果が大きかったことが63%あります。本指標では、市場予想が高めになる傾向があるようです。
直前1分足が事前差異との方向一致率30%となっています。これは、上記の市場予想が高めになりがちな傾向と、陰線率の高さとの関係が現れたものと思われます。
【6. シナリオ作成】
シナリオは巻頭箇条書きのシナリオ項をご覧ください。
以上
2017年4月17日21:30発表
以下は2017年4月19日10:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、前回結果・市場予想を下回りました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
これだけ発表結果が低下しても、直後11分足が反転するのですから、今はまともな分析が通用する時期ではありませんね。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 指標については、市場予想を下回ると予想しています。
論拠は、
(1) 相関の高い製造業景気指標の直近データ(3月分発表値)が軒並み前回結果を下回っていること、
(2) 3月後半からの報道で米政権政策遂行力に疑問を呈する記事が多く、そのなかには法人税減税の実施が遅れるという内容が含まれていること、
(3) にも関わらず、1月分発表値から2月分発表値の低下2.3ポイントに対して、今回市場予想の前回結果との低下幅1.4ポイントが小さいこと、
です。本来ならば売りですが、本日指標発表時には上記注意点に記した通り、指標結果なんて関係ない動きとなる可能性があります。よって、指標発表時刻を跨いだポジションは持たないことにします。
ほぼ分析通りだったと言えるでしょう。但し、おかしな動きは直後11分足形成途中で生じました。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- 今夜は夕方以降のトレンドを見て、ポジションを持つかどうかを決めます。下記シナリオは、厳密に言って、指標発表への反応を想定したシナリオとは言えません。
(1) 直前1分足の陰線率が87%となっています。
(2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが71%です。この数字なら反応方向を確認してから追撃ポジションを持つことができます。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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