2017年04月13日
米国物価指標「生産者物価指数(PPI)」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月13日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月13日21:30発表予定ー米国物価指標「生産者物価指数(PPI)」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時刻に、雇用指標「週次新規失業保険申請件数」が発表されます。発表値によっては、本指標への影響も無視できません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
物価は、上流から下流へと波及し、PPI(生産者物価指数)が変化してもCPI(消費者物価指数)に波及するまでに若干のタイムラグがある、と考えられています。そのCPIはFRBの利上げ判断に影響するため、本指標が注目される訳です。
PPIは約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。
内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。
一般的に物価指標の反応への影響は、「コア指数」>「総合指数」の順、前年比>前月比の順、が基本です。これは、価格変動が大きいエネルギーや食料品の価格を除いた「コア指数(前年比)」が、最も公平な数値比較に適しているからです。がしかし、米国PPIへの反応は「総合指数(前月比)」で動いた事例も散見されるため、他国のPPIより事前分析がちょっとやっかいです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回は特に解釈を加えません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足にローソク足実体部と逆側にヒゲが目立つ点に注意が必要です。
直後11分足跳幅が40pips以上あったことは6回です。この6回のうち4回にヒゲがないか小さくなっています。このことは、反応が大きいときに同じ方向に長時間続くことを示唆しています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。この数字では安心して追撃ポジションを取れません。但し、直後1分足の反応を確認し、その反応がまだ小さければ、方向一致率は高いので追撃しても良いでしょう。後述する指標一致性分析に依れば、事後差異と直後11分足の方向一致率は72%なので、陽線/陰線がひっくり返ることは少ないからです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が90%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異との方向一致率が低い指標です。つまり、過去の実績から言えば、市場予想があてにならない指標だと言えます。
一方、直後1分足・直後11分足と事後差異の方向一致率は、それぞれ81%・72%と高く、指標発表結果に対しては素直に反応する指標だと言えるでしょう。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご覧ください。
以下は2017年4月14日13:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標結果は、総じて市場予想を下回りました。特に、PPI前月比は7か月ぶりのマイナスでした。前月比はPPI・PPIコアともに前回結果を下回り、前年比はともに前回結果を上回っています。
同時発表された週次新規失業保険申請件数は23.4万人で、市場予想24.5万人を下回っていました。
そして、反応は直後1分足こそ陰線だったものの、直後11分足は陽線に転じました。
この反応は少しおかしな点があります。
まず、週次新規失業保険申請件数が市場予想を下回っているのだから、陰線で反応すべきです。そして、PPIの過去の反応傾向は、PPIコア>PPI、前年比>前月比、市場予想>前回結果、です。PPI・PPIコアは総じて市場予想を下回っていたのだから、本来ならこれも陰線で反応すべきです。
ところが実際の反応は陰線で反応したのは直後1分足で、直後11分足は陽線に転じています。
この奇妙な動きは、指標発表結果から説明できません。おそらく、直近のリスク回避の動きで買われていたJPYが売られる動きが強かったためと思われます。
なお、PPI・PPIコアの前月比が前回結果よりも下がった理由は、エネルギー価格が△2.9%だったためのようです。翌4月14日発表予定のCPIにも関わる食品は+0.9%となっていました。
前年比が前回結果より上がった理由は、よくわかりません。PCEに含まれる医療費が+0.1%となっています。
取引結果は次の通りでした。
全敗です。まぁ理由はさておきこんなこともあります。
シナリオ1は、分析と反応を見比べれば利確できても良さそうですが、ポジション取得・解消のタイミングが悪かったのだと思います。
事前調査分析内容を、以下に検証します
きちんと分析していないなら、余計なことを書かなければ良かったですね。今回の分析は、今回の発表に当てはまっていません。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
先述の通り、このような反応をされては、(2)のシナリオ2が負けるのも仕方ありません。(1)のシナリオ1で損切となったのは、まだ下手だったからです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月13日21:30発表予定ー米国物価指標「生産者物価指数(PPI)」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時刻に、雇用指標「週次新規失業保険申請件数」が発表されます。発表値によっては、本指標への影響も無視できません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標取引に当たっての注意点です。
(1) 事前差異との方向一致率が低い指標です。つまり、過去の実績から言えば、市場予想があてにならない指標だと言えます。
(2) 一方、直後1分足・直後11分足と事後差異の方向一致率は、それぞれ81%・72%と高く、指標発表結果に対しては素直に反応する指標だと言えるでしょう。
(3) 直前1分足にローソク足実体部と逆側にヒゲが目立つ点に注意が必要です。
(4) 直後11分足跳幅が40pips以上あったことは6回です。この6回のうち4回にヒゲがないか小さくなっています。このことは、反応が大きいときに同じ方向に長時間続くことを示唆しています。 - 上記注意点(1)に記載理由に依り、本指標発表結果の予想・分析は行いません。
一貫していませんがあえて言えば、前年比がコア・総合ともに2%に達しようとしています。市場予想通りならば、PPI上昇に伴いCPIも上昇の可能性が高まり、それはFRBの利上げ判断を後押しします。陽線での反応でしょう。ただ、市場予想の正否を事前確認していないため、直後1分足のポジションを取る予定はありません。先月までと3月の輸入物価指数(原材料)は上昇傾向となっています。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足の陰線率が90%となっています。
(2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。この数字では安心して追撃ポジションを取れません。但し、直後1分足の反応を確認し、その反応がまだ小さければ、方向一致率は高いので追撃しても良いでしょう。後述する指標一致性分析に依れば、事後差異と直後11分足の方向一致率は72%なので、陽線/陰線がひっくり返ることは少ないからです。
何気なく取引するよりも、こうしたことを頭に入れておいた方が、指標発表前後の取引では圧倒的に有利です。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
物価は、上流から下流へと波及し、PPI(生産者物価指数)が変化してもCPI(消費者物価指数)に波及するまでに若干のタイムラグがある、と考えられています。そのCPIはFRBの利上げ判断に影響するため、本指標が注目される訳です。
PPIは約10,000品目の販売価格(出荷時点価格)を調査・算出した物価指標です。1982年の平均物価を100として算出されています。
内訳には「品目別」「産業別」「製造段階別(原材料・中間財・完成財)」があり、「品目別」「産業別」を見て、結果(「コア指数」「総合指数」)の解釈を行います。
一般的に物価指標の反応への影響は、「コア指数」>「総合指数」の順、前年比>前月比の順、が基本です。これは、価格変動が大きいエネルギーや食料品の価格を除いた「コア指数(前年比)」が、最も公平な数値比較に適しているからです。がしかし、米国PPIへの反応は「総合指数(前月比)」で動いた事例も散見されるため、他国のPPIより事前分析がちょっとやっかいです。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回は特に解釈を加えません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足にローソク足実体部と逆側にヒゲが目立つ点に注意が必要です。
直後11分足跳幅が40pips以上あったことは6回です。この6回のうち4回にヒゲがないか小さくなっています。このことは、反応が大きいときに同じ方向に長時間続くことを示唆しています。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。この数字では安心して追撃ポジションを取れません。但し、直後1分足の反応を確認し、その反応がまだ小さければ、方向一致率は高いので追撃しても良いでしょう。後述する指標一致性分析に依れば、事後差異と直後11分足の方向一致率は72%なので、陽線/陰線がひっくり返ることは少ないからです。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が90%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異との方向一致率が低い指標です。つまり、過去の実績から言えば、市場予想があてにならない指標だと言えます。
一方、直後1分足・直後11分足と事後差異の方向一致率は、それぞれ81%・72%と高く、指標発表結果に対しては素直に反応する指標だと言えるでしょう。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご覧ください。
以上
2017年4月13日21:30発表
以下は2017年4月14日13:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標結果は、総じて市場予想を下回りました。特に、PPI前月比は7か月ぶりのマイナスでした。前月比はPPI・PPIコアともに前回結果を下回り、前年比はともに前回結果を上回っています。
同時発表された週次新規失業保険申請件数は23.4万人で、市場予想24.5万人を下回っていました。
そして、反応は直後1分足こそ陰線だったものの、直後11分足は陽線に転じました。
この反応は少しおかしな点があります。
まず、週次新規失業保険申請件数が市場予想を下回っているのだから、陰線で反応すべきです。そして、PPIの過去の反応傾向は、PPIコア>PPI、前年比>前月比、市場予想>前回結果、です。PPI・PPIコアは総じて市場予想を下回っていたのだから、本来ならこれも陰線で反応すべきです。
ところが実際の反応は陰線で反応したのは直後1分足で、直後11分足は陽線に転じています。
この奇妙な動きは、指標発表結果から説明できません。おそらく、直近のリスク回避の動きで買われていたJPYが売られる動きが強かったためと思われます。
なお、PPI・PPIコアの前月比が前回結果よりも下がった理由は、エネルギー価格が△2.9%だったためのようです。翌4月14日発表予定のCPIにも関わる食品は+0.9%となっていました。
前年比が前回結果より上がった理由は、よくわかりません。PCEに含まれる医療費が+0.1%となっています。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
全敗です。まぁ理由はさておきこんなこともあります。
シナリオ1は、分析と反応を見比べれば利確できても良さそうですが、ポジション取得・解消のタイミングが悪かったのだと思います。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 事前差異との方向一致率が低い指標です。つまり、過去の実績から言えば、市場予想があてにならない指標だと言えます。本指標発表結果の予想・分析は行いません。
一貫していませんがあえて言えば、前年比がコア・総合ともに2%に達しようとしています。市場予想通りならば、PPI上昇に伴いCPIも上昇の可能性が高まり、それはFRBの利上げ判断を後押しします。陽線での反応でしょう。ただ、市場予想の正否を事前確認していないため、直後1分足のポジションを取る予定はありません。先月までと3月の輸入物価指数(原材料)は上昇傾向となっています。
きちんと分析していないなら、余計なことを書かなければ良かったですね。今回の分析は、今回の発表に当てはまっていません。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前1分足の陰線率が90%となっています。
(2) 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が84%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが52%です。この数字では安心して追撃ポジションを取れません。但し、直後1分足の反応を確認し、その反応がまだ小さければ、方向一致率は高いので追撃しても良いでしょう。後述する指標一致性分析に依れば、事後差異と直後11分足の方向一致率は72%なので、陽線/陰線がひっくり返ることは少ないからです。
先述の通り、このような反応をされては、(2)のシナリオ2が負けるのも仕方ありません。(1)のシナリオ1で損切となったのは、まだ下手だったからです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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