2017年04月05日
米国景気指標「ISM非製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月5日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月5日23:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の指標結果は予想できません。
まず、2月下旬から3月の報道解説等の流れを見てみましょう。
3月はFRBが昨年12月の利上げから僅か3か月で再利上げを行っています。3月に再利上げするという報道は、予想も含めて1月下旬から目立つようになっていました。利上げは、設備投資意欲の減退に繋がります。
2月末には大統領議会演説があり、3月中旬に2018年予算教書を提示、入国制限の新大統領令に署名しました。そして、3月下旬に入国制限は再び裁判所命令で却下され、オバマケア代替法案の議会上程が共和党執行部判断で中止されています。
株価も、3月に入ってからは横這いもしくは右下がりとなっています。
客観的に見て、これほど悪材料が並べば前回結果よりかなり悪化すると予想されます。
ところが、3月UM消費者態度指数確報値は、2月結果96.3を0.6ポイント上回って96.9に改善しました。3月CB消費者信頼感指数は、2月結果114.8を10.8ポイント上回って125.6に改善しました。消費者心理は上向いていることを示しています。先行指標とされるISM製造業景況指数は、3月こそ前月結果を下回り市場予想と同値となったものの、2月までは右上がりでした。
データ上は、市場予想を上回っても不思議ではありません。
どちらを根拠として優先すべきかわかりません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足には上ヒゲが大きい陰線が目立ちます。、あた、直後1分足・直後11分足には、ヒゲが目立ちません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が83%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが54%です。指標発表後に反応方向を確認してから追撃するには少し不安がある数字です。もし追撃するなら、直後1分足跳幅の高値を掴まないように気を付けてください。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が91%となっています。但し、この陰線は上ヒゲが目立つ陰線です。だから、ポジション取得のタイミングは少し遅らせた方が良いでしょう。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直後1分足・直後11分足は、事後差異との方向一致率が79%・76%と高くなっています。発表結果次第で素直に反応する傾向が強いようです。
次に、直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が72%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っているので陰線です。
そして、直後1分足は、事前差異との方向一致率が75%となっています。陰線です。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月6日18:20頃に追記しています。
雇用が悪化し、輸出受注が改善です。
大手報道機関の解説では、「政権政策遂行力に疑問が生じた結果、先行きに不透明感が生じ、景況感に影を落とした」という趣旨の論調が目立ちます。がしかし、内訳を見ると、それほど悪い訳ではありません。
ざっくりですが、結果分析が保存できずに消えました。
どうもこのブログは、記事を書いたのに保存ができずに消える頻度が高いようです。どこか同じサービスで、もっと安定したサービスを提供してくれるところはないのでしょうか。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
シナリオ4は、本日の上昇の強さと反応伸長確率を踏まえて、ポジションを取りませんでした。結果的に、タイミングが悪ければ損切となったでしょうから、正解です。
反応は、発表後1分足6本目に一旦山を形成し、その後はほぼ直後1分足跳幅まで戻りました。
事前調査分析内容を、以下に検証します
「わからない」という結論でした。
結果は、前回結果を下回る市場予想を更に下回りました。同じ3月でも消費者景況感より株価の方がアテになる、ということでしょうか。ISM製造業景況感の3月結果は悪化していましたが、同月に悪化しているのなら、製造業景況感の非製造業景況感に対する先行性はアテにならない、ということでしょう。
以下のシナリオを用意していました。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。シナリオには問題ありません。
本ブログを始めてからの本指標での成績を下表に纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月5日23:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標での取引にあたっての注意点です。
直前1分足には上ヒゲが大きい陰線が目立ちます。また、直後1分足・直後11分足にはヒゲが目立ちません。
そして、直後1分足・直後11分足は、事後差異との方向一致率が79%・76%と高くなっています。発表結果次第で素直に反応することが多いようです。 - 指標について今回はどうなるかわかりません。
まず、市場予想は前月結果より悪化と予想されています。そして、株価と、2月下旬から3月末の報道を見る限りでは、前回よりも悪化を裏付ける内容です。がしかし、先行性があるというISM製造業の2月までの右上がりや、UM・CB等の3月消費者景況感は2月よりも改善しています。 - シナリオです。
(1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っているので陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が91%となっています。但し、この陰線は上ヒゲが目立つ陰線です。だから、ポジション取得のタイミングは少し遅らせた方が良いでしょう。
(3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%となっています。陰線です。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が83%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが54%です。指標発表後に反応方向を確認してから追撃するには少し不安がある数字です。もし追撃するなら、直後1分足跳幅の高値を掴まないように気を付けてください。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の指標結果は予想できません。
まず、2月下旬から3月の報道解説等の流れを見てみましょう。
3月はFRBが昨年12月の利上げから僅か3か月で再利上げを行っています。3月に再利上げするという報道は、予想も含めて1月下旬から目立つようになっていました。利上げは、設備投資意欲の減退に繋がります。
2月末には大統領議会演説があり、3月中旬に2018年予算教書を提示、入国制限の新大統領令に署名しました。そして、3月下旬に入国制限は再び裁判所命令で却下され、オバマケア代替法案の議会上程が共和党執行部判断で中止されています。
株価も、3月に入ってからは横這いもしくは右下がりとなっています。
客観的に見て、これほど悪材料が並べば前回結果よりかなり悪化すると予想されます。
ところが、3月UM消費者態度指数確報値は、2月結果96.3を0.6ポイント上回って96.9に改善しました。3月CB消費者信頼感指数は、2月結果114.8を10.8ポイント上回って125.6に改善しました。消費者心理は上向いていることを示しています。先行指標とされるISM製造業景況指数は、3月こそ前月結果を下回り市場予想と同値となったものの、2月までは右上がりでした。
データ上は、市場予想を上回っても不思議ではありません。
どちらを根拠として優先すべきかわかりません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足には上ヒゲが大きい陰線が目立ちます。、あた、直後1分足・直後11分足には、ヒゲが目立ちません。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が83%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが54%です。指標発表後に反応方向を確認してから追撃するには少し不安がある数字です。もし追撃するなら、直後1分足跳幅の高値を掴まないように気を付けてください。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が91%となっています。但し、この陰線は上ヒゲが目立つ陰線です。だから、ポジション取得のタイミングは少し遅らせた方が良いでしょう。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
まず、直後1分足・直後11分足は、事後差異との方向一致率が79%・76%と高くなっています。発表結果次第で素直に反応する傾向が強いようです。
次に、直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が72%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っているので陰線です。
そして、直後1分足は、事前差異との方向一致率が75%となっています。陰線です。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年4月5日23:00発表
以下は2017年4月6日18:20頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
雇用が悪化し、輸出受注が改善です。
大手報道機関の解説では、「政権政策遂行力に疑問が生じた結果、先行きに不透明感が生じ、景況感に影を落とした」という趣旨の論調が目立ちます。がしかし、内訳を見ると、それほど悪い訳ではありません。
ざっくりですが、結果分析が保存できずに消えました。
どうもこのブログは、記事を書いたのに保存ができずに消える頻度が高いようです。どこか同じサービスで、もっと安定したサービスを提供してくれるところはないのでしょうか。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオ4は、本日の上昇の強さと反応伸長確率を踏まえて、ポジションを取りませんでした。結果的に、タイミングが悪ければ損切となったでしょうから、正解です。
反応は、発表後1分足6本目に一旦山を形成し、その後はほぼ直後1分足跳幅まで戻りました。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 指標について今回はどうなるかわかりません。
まず、市場予想は前月結果より悪化と予想されています。そして、株価と、2月下旬から3月末の報道を見る限りでは、前回よりも悪化を裏付ける内容です。がしかし、先行性があるというISM製造業の2月までの右上がりや、UM・CB等の3月消費者景況感は2月よりも改善しています。
「わからない」という結論でした。
結果は、前回結果を下回る市場予想を更に下回りました。同じ3月でも消費者景況感より株価の方がアテになる、ということでしょうか。ISM製造業景況感の3月結果は悪化していましたが、同月に悪化しているのなら、製造業景況感の非製造業景況感に対する先行性はアテにならない、ということでしょう。
【9. シナリオ検証】
以下のシナリオを用意していました。
- (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%となっています。今回の市場予想は前回結果を下回っているので陰線です。
(2) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が91%となっています。但し、この陰線は上ヒゲが目立つ陰線です。だから、ポジション取得のタイミングは少し遅らせた方が良いでしょう。
(3) 直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が75%となっています。陰線です。
(4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が83%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが54%です。指標発表後に反応方向を確認してから追撃するには少し不安がある数字です。もし追撃するなら、直後1分足跳幅の高値を掴まないように気を付けてください。
直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも陰線でした。シナリオには問題ありません。
本ブログを始めてからの本指標での成績を下表に纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6131201
この記事へのトラックバック