2017年04月04日
米国雇用指標「ADP民間雇用者数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月5日21:15発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月5日21:15に米国雇用指標「ADP民間雇用者数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本指標は、米国「雇用統計」を二日後に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、2日に亘ってポジションを持ち続けることになるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
なお、本指標は「ADP雇用統計」「ADP雇用者数」とも言われ、大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing)社が公表しています。対象は全米約50万社と言われ、2006年5月から雇用動向を発表しています。
ADP社HP等の原典にあたって調べたことがないため、この項は伝聞情報ばかりで申し訳ありません。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は19.5万人と、前回結果29.8万人よりも10.3万人の減少となっています。
売上・生産・雇用に関しては、よく前月の反動という言葉が使われます。図からわかるように、当月こそ前月の反動があっても良さそうなものです。
2013年以降にADPが25万人を超えた月は3回あります。2014年6月・2015年12月・2017年1月です。前2回は、ともに翌月反動で下げていますが、下げても20万人を超えています。同じ傾向を踏襲するなら、今回は市場予想を上回ることになります。
次に、毎週木曜に発表されている週次失業保険申請件数を見てみましょう。2月9日〜3月2日発表の失業保険申請件数は計94万件です。そして、3月9日〜3月30日発表の失業保険申請件数は計100万3千件です。ADPは雇用者数を発表するので、先の2月と3月の失業保険申請件数と反比例すると仮定すると、両者逆数比を求めて3月は2月の94%の雇用者数と推定できます。2月APD値は29.8万人なので、3月はその94%だと28万人ということになります。ちょっと多すぎる気もしますが、市場予想は上回りそうです。
よって、反動があるにせよ、今回は市場予想を上回ると予想します。
※ 週次失業保険申請件数
2月分=2月9日発表(234千人)+2月16日発表(239千人)+2月23日(244千人)+3月2日発表(223千人)。3月分=3月9日発表(243千人)+3月16日発表(241千人)+3月23日発表(261千人)+3月30日発表(258千人)。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足(上から2番目)の始値基準ローソク足をご覧ください。こりゃひどい。発表を跨いでポジションを持つなら、指標発表直前にしないと5pips損をしてしまいます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びたことが68%となっています。この数字なら反応方向を把握してから追撃ポジションを取っても良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が88%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が76%・84%となっています。発表結果に対しては素直に反応する指標のようです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年4月6日17:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を大きく上回り、分析も当たっていたようです。
取引結果は次の通りでした。
反応は、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足も陽線、です。直後1分足終値よりも直後11分足終値は伸びました。
事前調査分析内容を、以下に検証します
問題ありません。
事前に準備したシナリオを以下に示します。
問題ありません。
本ブログを始めてから本指標での取引の成績を下表に纏めておきます。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月5日21:15に米国雇用指標「ADP民間雇用者数」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標での取引で注意すべき点は次の3点です。
ひとつは、市場予想が全くアテにならないことで有名な指標です。
もうひとつは、後掲する直前1分足の始値基準ローソク足をご覧ください。直前1分足は平均値幅4pipsの陰線率が88%です。指標発表を跨いで取引する場合、この特性を覚えておくと良いでしょう。
最後に、前月発表ではかなり大きな雇用者数だったため、当月は反動減が警戒されています。そのため、指標発表前には、いつもより大きく陰線側に落ち込む可能性があります。 - 次に指標についてです。
今回は市場予想を上回ると予想しています。論拠は、過去に25万人を超えた翌月が20万人を超えていることと、雇用者数が大きく減るなら失業保険申請件数も大きく増えると仮定すると、3月の週次失業保険申請件数が2月のそれより僅かしか増えていないから、です。 - シナリオは次の3つ用意しています。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が88%となっています。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と予想しています。
(3) そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びたことが68%となっています。この数字なら反応方向を把握してから追撃ポジションを取っても良い、と考えています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標は、米国「雇用統計」を二日後に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、2日に亘ってポジションを持ち続けることになるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
なお、本指標は「ADP雇用統計」「ADP雇用者数」とも言われ、大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing)社が公表しています。対象は全米約50万社と言われ、2006年5月から雇用動向を発表しています。
ADP社HP等の原典にあたって調べたことがないため、この項は伝聞情報ばかりで申し訳ありません。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は19.5万人と、前回結果29.8万人よりも10.3万人の減少となっています。
売上・生産・雇用に関しては、よく前月の反動という言葉が使われます。図からわかるように、当月こそ前月の反動があっても良さそうなものです。
2013年以降にADPが25万人を超えた月は3回あります。2014年6月・2015年12月・2017年1月です。前2回は、ともに翌月反動で下げていますが、下げても20万人を超えています。同じ傾向を踏襲するなら、今回は市場予想を上回ることになります。
次に、毎週木曜に発表されている週次失業保険申請件数を見てみましょう。2月9日〜3月2日発表の失業保険申請件数は計94万件です。そして、3月9日〜3月30日発表の失業保険申請件数は計100万3千件です。ADPは雇用者数を発表するので、先の2月と3月の失業保険申請件数と反比例すると仮定すると、両者逆数比を求めて3月は2月の94%の雇用者数と推定できます。2月APD値は29.8万人なので、3月はその94%だと28万人ということになります。ちょっと多すぎる気もしますが、市場予想は上回りそうです。
よって、反動があるにせよ、今回は市場予想を上回ると予想します。
※ 週次失業保険申請件数
2月分=2月9日発表(234千人)+2月16日発表(239千人)+2月23日(244千人)+3月2日発表(223千人)。3月分=3月9日発表(243千人)+3月16日発表(241千人)+3月23日発表(261千人)+3月30日発表(258千人)。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足(上から2番目)の始値基準ローソク足をご覧ください。こりゃひどい。発表を跨いでポジションを持つなら、指標発表直前にしないと5pips損をしてしまいます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びたことが68%となっています。この数字なら反応方向を把握してから追撃ポジションを取っても良さそうです。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が88%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が76%・84%となっています。発表結果に対しては素直に反応する指標のようです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年4月5日21:15発表
以下は2017年4月6日17:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は市場予想を大きく上回り、分析も当たっていたようです。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
反応は、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足も陽線、です。直後1分足終値よりも直後11分足終値は伸びました。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回は市場予想を上回ると予想しています。
論拠は、過去に25万人を超えた翌月が20万人を超えていることと、雇用者数が大きく減るなら失業保険申請件数も大きく増えると仮定すると、3月の週次失業保険申請件数が2月のそれより僅かしか増えていないから、です。
問題ありません。
【9. シナリオ検証】
事前に準備したシナリオを以下に示します。
- シナリオは次の3つ用意しています。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が88%となっています。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陽線と予想しています。
(3) そして、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が76%で、方向一致時に終値が直後1分足終値よりも伸びたことが68%となっています。この数字なら反応方向を把握してから追撃ポジションを取っても良い、と考えています。
問題ありません。
本ブログを始めてから本指標での取引の成績を下表に纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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