2017年03月23日
米国実態指標「新築住宅販売件数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月23日23:00発表結果検証済)
2017年3月23日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
米国の住宅販売件数という指標には、以前から不思議な点あります。
まず、米国住宅市場には、新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きい、という特徴があります。それにも関わらず、多くのFX会社HPでは、中古住宅販売件数よりも本指標の方が注目度や重要度が高い、としているところが多いようです。
また、住宅販売件数への注目度・重要度が高い理由は、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、という説明が一般的です。がしかし、それなら自動車販売台数でも良い訳です。
両者の反応の大きさを比べてみてもほぼ10pipsしかなく、なぜ注目度や重要度が高いのかが不思議です。景気の先行指標としてわかりやすいから、かも知れません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。従って、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行します。発表日の関係から、その逆と誤解している向きもあるのでご注意を。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがある点も注意が必要です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
反応が小さな指標です。
むしろ、昨夜の中古住宅販売件数と同様に、この時刻頃から0:00頃までは金利と株価の綱引きが始まると予想されます。発表結果の良し悪しだけを見るのでなく、チャートそのものの値動きにもご注意ください。結果の良し悪しで上がるはず・下がるはずという指標ではありません。
ダウは一昨日大きく崩れ、昨夜は僅かに戻しとなっています。為替のチャートパターンと同様に、大きく動く前の棚を昨夜は形成したのかもしれません。トレンドを読むのは難しいので、ポジションを持つ時間はできるだけ短い方が良いでしょう。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は58%です。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びた事例は43%しかありません。初期反応を見て追いかけてポジションを取っても良い指標ではありません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足と直後1分足の事前差異との方向一致率が71%となっています。今回の市場予想は前回結果よりやや改善ですから、陽線ということになります。
また、事後差異と直後1分足の方向一致率が79%となっています。がしかし、発表結果の良し悪しと直後1分足の方向率が高くても、発表前にポジションは取れません。事後差異と直後1分足の方向一致率が高いことは、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いときに役立つのであって、今回はそれに当たりません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
但し、いずれも反応は小さくなる傾向があるので、指標発表前に強い勢いでトレンドが生じているなら、この指標への反応など埋もれてしまいます。取引を見合わせても構わない指標です。
なぜ、本指標が多くのFX会社の指標格付けで重要度・注目度が高いのか不思議です。
以下は2017年3月23日23:30頃に追記しています。
今回発表の要点は次の通りです。
30年物住宅ローン固定金利は、11月初旬3.5%が3月中旬には4.3%に上昇しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
久しぶりのシナリオ完勝でした。ツイてたようです。
事前調査分析内容を、以下に検証します。
事前調査分析は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想を上回りました。反応は陽線です。
シナリオは次の通りでした。
シナリオは次の通りです。
今回の事前差異は、市場予想が前回結果より増えているのでプラスです。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足は事前差異との方向一致率が71%です。陽線です。
反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が71%となっています。陽線です。
いずれも先述の通り反応は小さくなる傾向があるので、指標発表前に強い勢いでトレンドが生じているなら、この指標への反応など埋もれてしまいます。取引を見合わせても構わない指標です。
直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びました。
本指標について、本ブログ開始後の成績を下表に示します。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 反応が小さな指標です。
昨夜の中古住宅販売件数と同様に、この時刻頃から0:00頃までは金利と株価の綱引きが始まると予想されます。発表結果の良し悪しだけを見るのでなく、チャートそのものの値動きにもご注意ください。結果の良し悪しで上がるはず・下がるはずという指標ではありません。 - シナリオに先立ち注意です。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は58%です。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びた事例は43%しかありません。初期反応を見てから追いかけてポジションを取っても良い指標ではありません。 - シナリオは次の通りです。
今回の事前差異は、市場予想が前回結果より増えているのでプラスです。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足は事前差異との方向一致率が71%です。陽線です。
反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が71%となっています。陽線です。
いずれも先述の通り反応は小さくなる傾向があるので、指標発表前に強い勢いでトレンドが生じているなら、この指標への反応など埋もれてしまいます。取引を見合わせても構わない指標です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
米国の住宅販売件数という指標には、以前から不思議な点あります。
まず、米国住宅市場には、新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きい、という特徴があります。それにも関わらず、多くのFX会社HPでは、中古住宅販売件数よりも本指標の方が注目度や重要度が高い、としているところが多いようです。
また、住宅販売件数への注目度・重要度が高い理由は、消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されるため、という説明が一般的です。がしかし、それなら自動車販売台数でも良い訳です。
両者の反応の大きさを比べてみてもほぼ10pipsしかなく、なぜ注目度や重要度が高いのかが不思議です。景気の先行指標としてわかりやすいから、かも知れません。
本指標の集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。従って、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行します。発表日の関係から、その逆と誤解している向きもあるのでご注意を。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがある点も注意が必要です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
反応が小さな指標です。
むしろ、昨夜の中古住宅販売件数と同様に、この時刻頃から0:00頃までは金利と株価の綱引きが始まると予想されます。発表結果の良し悪しだけを見るのでなく、チャートそのものの値動きにもご注意ください。結果の良し悪しで上がるはず・下がるはずという指標ではありません。
ダウは一昨日大きく崩れ、昨夜は僅かに戻しとなっています。為替のチャートパターンと同様に、大きく動く前の棚を昨夜は形成したのかもしれません。トレンドを読むのは難しいので、ポジションを持つ時間はできるだけ短い方が良いでしょう。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は58%です。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びた事例は43%しかありません。初期反応を見て追いかけてポジションを取っても良い指標ではありません。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足と直後1分足の事前差異との方向一致率が71%となっています。今回の市場予想は前回結果よりやや改善ですから、陽線ということになります。
また、事後差異と直後1分足の方向一致率が79%となっています。がしかし、発表結果の良し悪しと直後1分足の方向率が高くても、発表前にポジションは取れません。事後差異と直後1分足の方向一致率が高いことは、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いときに役立つのであって、今回はそれに当たりません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
但し、いずれも反応は小さくなる傾向があるので、指標発表前に強い勢いでトレンドが生じているなら、この指標への反応など埋もれてしまいます。取引を見合わせても構わない指標です。
なぜ、本指標が多くのFX会社の指標格付けで重要度・注目度が高いのか不思議です。
- 今回の事前差異は、市場予想が前回結果より増えているのでプラスです。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足は事前差異との方向一致率が71%です。陽線です。 - 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が73%となっています。
- 指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が71%となっています。陽線です。
2017年3月23日23:00発表
以下は2017年3月23日23:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
今回発表の要点は次の通りです。
- 前月比6.1%増の59.2万戸
- 前月1月が55.5万戸から55.8万戸に修正
- 地域別では中西部・西部・南部が増加、特に中西部では30.9%の大幅増加で2012年10月以来の数値
- 販売に対する在庫比率は5.4カ月と、前月の5.6カ月から低下
- 販売価格中央値は前年比4.9%低下し296,200ドル
30年物住宅ローン固定金利は、11月初旬3.5%が3月中旬には4.3%に上昇しています。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
久しぶりのシナリオ完勝でした。ツイてたようです。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します。
事前調査分析は次の通りでした。
- 反応が小さな指標です。
昨夜の中古住宅販売件数と同様に、この時刻頃から0:00頃までは金利と株価の綱引きが始まると予想されます。発表結果の良し悪しだけを見るのでなく、チャートそのものの値動きにもご注意ください。結果の良し悪しで上がるはず・下がるはずという指標ではありません。
発表結果は前回結果・市場予想を上回りました。反応は陽線です。
【9. シナリオ検証】
シナリオは次の通りでした。
- シナリオに先立ち注意です。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は58%です。そして、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びた事例は43%しかありません。初期反応を見てから追いかけてポジションを取っても良い指標ではありません。
今回の事前差異は、市場予想が前回結果より増えているのでプラスです。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足は事前差異との方向一致率が71%です。陽線です。
反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が73%となっています。
指標一致性分析の結果、直後1分足は事前差異との方向一致率が71%となっています。陽線です。
いずれも先述の通り反応は小さくなる傾向があるので、指標発表前に強い勢いでトレンドが生じているなら、この指標への反応など埋もれてしまいます。取引を見合わせても構わない指標です。
直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びました。
本指標について、本ブログ開始後の成績を下表に示します。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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