2017年03月02日
米国景気指標「ISM非製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月4日00:00発表結果検証中)
速報:2017年3月4日00:50頃に追記しています。
2017年3月4日00:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、今回の指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指数は、(1) 米国主要経済指標のなかで毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 米国の場合は製造業よりも非製造業のGDP貢献比が高いと思われること、から重要度・注目度が高いとされています。
本指数発表の2日前にはISM製造業景況指数が発表されています。過去のデータを見る限り、反応(値動き)はこちらの非製造業景況指数の方が大きくなりがちです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。同非製造業景況指数は、非製造業約300社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回、市場予想通りだと、前回結果よりも0.1ポイント低下し、2016年10・11月をピークとする小山から低下し始める気配を見せることになります。
関連する景気指標を参照すると、同じISMの2月製造業景況指数の発表結果は市場予想を上回っていました。もし、非製造業の景況感が製造業の景況感よりも遅行性があるのだとしても、製造業の景況感は6か月連続して前回結果を上回っており、先行指標として悪化する兆候はまだありません。また、2月分のCB消費者信頼感指数は、前回結果・市場予想を上回り、直近数年間で最大値となっていました。
以上のことから、今回発表では市場予想を上回るのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上図、直前10-1分足の過去の跳幅平均は9pips・値幅平均は6pipsとなっています。
陽線・陰線への大きな偏りはありません(陽線率48%)。
直前10-1分足は事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。また、直前1分足との方向一致率が90%とかなり高く、その直前1分足との方向一致率も86%と高くなっています。よって、直前10-1分足もまた陰線となる可能性は高い、ということになります。
上図、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は3pipsとなっています。
直前1分足は過去25回中4回が同値で、残る21回中19回(90%)が陰線となっています。
上図、直後1分足の過去の跳幅平均は16pips・値幅平均は12pipsとなっています。跳幅が平均値の16pips以下だったことが60%です。
直後1分足は、事前差異(今回はマイナス)・事後差異(市場予想を上回ると予想するためプラス?)との方向一致率がともに78%です。つまり、矛盾した結果となっています。
こうした矛盾が生じた場合には、発表前段階で既知・確定情報が多い事前差異を採用します。よって陰線と見込みます。
上図、直後11分足の過去の跳幅平均は24pips、値幅平均は18pipsとなっています。
直後11分足の値幅方向と直後1分足のそれが一致したことは86%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち52%です。
この数字は、指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つには慎重に行う必要がある、ということです(2回に1回しか反応が伸びない)。
但し、今週後半は強い上昇トレンドが続いていました。本指標発表時までドル高が続いていたならば、週末のポジション整理のため、陰線側になら追いかけても良さそうです。
今回は、分析結果を2-2項の始値基準ローソク足の解釈に書いています。よって、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去の反応の大きさを見ると、含損が15pips程度先行したら損切した方が良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
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2017年3月4日00:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、今回の指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回、市場予想通りだと、前回結果よりも0.1ポイント低下し、2016年10・11月をピークとする小山から低下し始める気配を見せることになります。
がしかし、関連する景気指標を参照すると、同じ2月のISM製造業景況指数・CB消費者信頼感指数の発表結果はともに前回結果・市場予想を上回っていました。
よって、今回発表は市場予想を上回るのではないでしょうか。 - 以下のシナリオについては、上記の今回指標発表結果と矛盾した分析結果となっています。直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足のいずれも、反応一致分析・指標一致分析では陰線となる公算が高い、と示唆しています。
よって、シナリオこそ準備したものの、今回発表時にポジションを持つか否かは、当日直前の値動きを見て決めたいと思います。
ありそうな動きとしては、指標そのものは陽線に反応する結果となるものの、週末ポジション整理の時期であることや、今週は大統領議会演説前日から上昇トレンドが続いていたことから、すぐに陰線側へと反応が転換してしまう動きです。 - シナリオは次の通りです。
直前10-1分足は陰線と見込みます。根拠は、直前10-1分足と事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。また、直前1分足との方向一致率が90%とかなり高く、その直前1分足との方向一致率も86%と高くなっています。よって、直前10-1分足もまた陰線となる可能性は高い、ということになります。 - 直前1分足は陰線と見込みます。過去25回中4回が同値で、残る21回中19回(90%)が陰線となっています。但し、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は3pipsとなっているので、スプレッドが高いFX会社を使っている方にはお薦めできません。
- 直後1分足は、事前差異(今回はマイナス)・事後差異(市場予想を上回ると予想するためプラス?)との方向一致率がともに78%です。つまり、矛盾した結果となっています。
こうした矛盾が生じた場合には、発表前段階で既知・確定情報が多い事前差異を採用します。よって陰線と見込みます。
なお、直後1分足の過去の跳幅平均は16pips・値幅平均は12pipsとなっています。そのうち、跳幅が平均値の16pips以下だったことが60%です。 - 直後11分足は陰線と見込みます。
直後11分足の値幅方向と直後1分足のそれが一致したことは86%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち52%です。この数字は、指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つには慎重に行う必要がある、ということです(2回に1回しか反応が伸びない)。
但し、今週後半は強い上昇トレンドが続いていました。本指標発表時までドル高が続いていたならば、週末のポジション整理のため、陰線側になら追いかけても良さそうです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 米国主要経済指標のなかで毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 米国の場合は製造業よりも非製造業のGDP貢献比が高いと思われること、から重要度・注目度が高いとされています。
本指数発表の2日前にはISM製造業景況指数が発表されています。過去のデータを見る限り、反応(値動き)はこちらの非製造業景況指数の方が大きくなりがちです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。同非製造業景況指数は、非製造業約300社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回、市場予想通りだと、前回結果よりも0.1ポイント低下し、2016年10・11月をピークとする小山から低下し始める気配を見せることになります。
関連する景気指標を参照すると、同じISMの2月製造業景況指数の発表結果は市場予想を上回っていました。もし、非製造業の景況感が製造業の景況感よりも遅行性があるのだとしても、製造業の景況感は6か月連続して前回結果を上回っており、先行指標として悪化する兆候はまだありません。また、2月分のCB消費者信頼感指数は、前回結果・市場予想を上回り、直近数年間で最大値となっていました。
以上のことから、今回発表では市場予想を上回るのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上図、直前10-1分足の過去の跳幅平均は9pips・値幅平均は6pipsとなっています。
陽線・陰線への大きな偏りはありません(陽線率48%)。
直前10-1分足は事前差異(今回はマイナス)との方向一致率が72%となっています。また、直前1分足との方向一致率が90%とかなり高く、その直前1分足との方向一致率も86%と高くなっています。よって、直前10-1分足もまた陰線となる可能性は高い、ということになります。
上図、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は3pipsとなっています。
直前1分足は過去25回中4回が同値で、残る21回中19回(90%)が陰線となっています。
上図、直後1分足の過去の跳幅平均は16pips・値幅平均は12pipsとなっています。跳幅が平均値の16pips以下だったことが60%です。
直後1分足は、事前差異(今回はマイナス)・事後差異(市場予想を上回ると予想するためプラス?)との方向一致率がともに78%です。つまり、矛盾した結果となっています。
こうした矛盾が生じた場合には、発表前段階で既知・確定情報が多い事前差異を採用します。よって陰線と見込みます。
上図、直後11分足の過去の跳幅平均は24pips、値幅平均は18pipsとなっています。
直後11分足の値幅方向と直後1分足のそれが一致したことは86%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち52%です。
この数字は、指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つには慎重に行う必要がある、ということです(2回に1回しか反応が伸びない)。
但し、今週後半は強い上昇トレンドが続いていました。本指標発表時までドル高が続いていたならば、週末のポジション整理のため、陰線側になら追いかけても良さそうです。
U. 分析
今回は、分析結果を2-2項の始値基準ローソク足の解釈に書いています。よって、以下は分析結果のみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去の反応の大きさを見ると、含損が15pips程度先行したら損切した方が良さそうです。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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