2017年02月14日
2017年2月14日19:00発表ー欧州景気指標「独国ZEW景況感調査・欧州ZEW景況指数」発表前後のEURJPY反応分析(結果検証済)
2017年2月14日19:00に欧州景気指標「独国ZEW景況感調査・欧州ZEW景況指数」の発表が行われます。今回の発表は、2017年1月分のデータが公表されます。
以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
独国ZEW景況感指数は、独国の今後6カ月の景気見通し(「良い」「同じ」「悪い」)について、アナリスト・機関投資家・市場関係者など約350人を対象に行ったアンケート調査に基づく指標です。指数は、「良い」から「悪い」を引いた数で0が基準になっています。
一般に景況感調査は、プロが調査対象のときと無作為抽出した消費者かによって、事前参考すべき対象が異なります。プロが対象のときは直近の関連指標を参考にすべきだし、一般消費者が対象のときは調査月前半のマスコミ報道内容を参考にすべきです。
ZEWはプロが調査対象ゆえ、マスコミ報道内容よりも直近の指標結果を参考にした方が良いようです。
ZEW景況感調査はIfo景況感指数の1週間前に発表され、Ifo指数よりも1か月の先行性がある、とされている点に意義があります。景気指標としての注目度は、Ifo景況感指数に次ぐものです。
一方、ZEW景況感調査の結果はECBの金融政策に影響を与えている、という記事を目にしたこともあります。但し、そう言われているものの、理性的に考えれば中銀の金融政策は、景況感よりも物価指標や実態指標を重視している、と考えられます。そのため、この話には少し疑問を持っています。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月分以降前回発表までの25回分のデータに基づいています。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は9pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは40%です。初期反応で利確する場合には、平均値よりもやや小さめのpipsで行った方が良いかも知れません。
本指標の過去の動きを下図に示します。
指標の全般的傾向は、2016年7月を底とする改善傾向にあります。それまでにも、2015年10月頃から改善の兆しが伺えていたものの、2016年6月のブリグジットショックの影響で同年7月が悪化したと解釈すべきだと思います。
がしかし、またぞろギリシャ債務問題が話題に挙がっています。ギリシャの経済規模は小さいものの、ギリシャ債を各国中銀が保有しているため、EURはEUの小さな国の小さな問題で信用の問題になるのです。金融への不安は、本指標調査対象のプロ達にとって景況感の見通し悪化に繋がります。
今回の市場予想は前回結果より悪化となっています。
直近では2016年7月が、今回同様に市場予想が前回結果より悪化となっていました。このとき、直前10-1分足は下ヒゲ7pipsで同値、直前1分足は跳幅・値幅ともに6pipsの陰線でした。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前1分足を除けば、どちらかと言うと陽線が目立ちます。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は9pips・6pipsです。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は6pips・5pipsです。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は9pips・6pipsです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は14pips・8pipsとなっています。
割愛します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%で、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは63%でした。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得し、直後11分足跳幅との差8pipsを狙えます。がしかし、一致率・伸び率が75%を超えていないので、もしポジションを持つのなら騙しにはご注意ください。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
ローソク足検証の結果、直前1分足の陰線率が92%、直後1分足の陽線率が83%となっています。それぞれ直前にポジションを取るなら、狙うべき跳幅の過去平均値は直前1分足が6pips・直後1分足が9pipsです。
反応一致性検証の結果は、反応性分析の項で記した「直後1分足と直後11分足の方向一致率がやや高いこと」を除けば、偏りは見出せません。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
指標検証の結果、やや事前差異はプラスになることが多いようです(プラス率64%)。そして、対応するローソク足検証の直前10-1分足では、陽線率が67%となっています。
がしかし、事後差異はプラス・マイナスがほぼ拮抗しています。このことは、発表結果を見る限り、本指標の市場予想があまりアテにならないこと、を示しています。
指標一致性検証の結果もそのことを裏付けています。
事前差異のプラス・マイナスが直後1分足の反応方向と一致したことは67%となっています。がしかし、事前差異と直後11分足とは48%ですから、事前差異がどうあれ、直後11分足が陽線になるか陰線になるかは半々です。
事後差異に至っては、発表結果が市場予想や前回結果にどうあれ、直後1分足も直後11分足も陽線になるか陰線になるかが半々となっています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前分析では、過去平均値を例に挙げ、平均値よりもやや小さめのpipsで行った方が良い旨、記しました。
結果は直後1分足跳幅・値幅が2pips・0pipsですから、分析通りです。
また、今回の市場予想は前回結果より悪化に対し、直近2016年7月が今回同様に市場予想が前回結果より悪化となっていた例を挙げました。このとき、直前10-1分足は下ヒゲ7pipsで同値、直前1分足は跳幅・値幅ともに6pipsの陰線だったことを紹介しています。
結果は直前10-1分足・直前1分足ともに陰線でしたが、巻頭の調査分析要点で「だから売ポジションを推奨」との結論を述べていません。結果はその通りになりましたが、分析としては再現性の自信がまだまだ持てなかった訳です。よって、結論明確でないため、分析正否は判断しません。
事前の反応性分析では、直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%で、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは63%だったことを挙げています。そして、もしポジションを持つのなら騙しへの注意喚起をしました。
結果は、直後1分足が同値終了のため、本ブログの判定基準に引っかからない結果となりました(同値の場合を除いた陽線率や陰線率を求めた方がポジション取得の判断が容易になるため。同値は、方向が読めないか損益なしと考えられるため)。
事前の反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が92%、直後1分足の陽線率が83%となっていました。
結果は、直後1分足が同値終了のため、本ブログの判定基準に引っかからない結果となりました。
事前の指標一致性分析では、発表結果が前回結果や市場予想よりも良かろうが悪かろうが、直後1分足も直後11分足も陽線になるか陰線になるかが半々となっていました。
今回、発表結果悪化に対し、直後1分足・直後11分足は陰線となっています。よって、この助言は今回について不適切だったかも知れません。がしかし、ここに挙げた傾向があるのに、そのことに触れない訳にもいきません。安全サイドに立った助言ゆえ、ご容赦頂きたいと思います。
シナリオ2は、損切となりました。がしかし、まぁそんなことも多々あります。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
- 本指標の発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は9pips(過去25回発表結果を調査)となっています。そして、その平均値を超えたことは40%です。初期反応で利確する場合には、平均値よりもやや小さめのpipsで行った方が良いかも知れません。
- 今回の市場予想は前回結果より悪化となっています。
直近では2016年7月が、今回同様に市場予想が前回結果より悪化となっていました。このとき、直前10-1分足は下ヒゲ7pipsで同値、直前1分足は跳幅・値幅ともに6pipsの陰線でした。 - 直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%で、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは63%でした。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得し、直後11分足跳幅との差8pipsを狙えます。がしかし、一致率・伸び率が75%を超えていないので、もしポジションを持つのなら騙しにはご注意ください。 - 反応性分析のローソク足検証の結果、直前1分足の陰線率が92%、直後1分足の陽線率が83%となっています。それぞれ直前にポジションを取るなら、狙うべき跳幅の過去平均値は直前1分足が6pips・直後1分足が9pipsです。
- 一方、指標一致性分析の結果は、発表結果が前回結果や市場予想よりも良かろうが悪かろうが、直後1分足も直後11分足も陽線になるか陰線になるかが半々となっています。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
T.調査
独国ZEW景況感指数は、独国の今後6カ月の景気見通し(「良い」「同じ」「悪い」)について、アナリスト・機関投資家・市場関係者など約350人を対象に行ったアンケート調査に基づく指標です。指数は、「良い」から「悪い」を引いた数で0が基準になっています。
一般に景況感調査は、プロが調査対象のときと無作為抽出した消費者かによって、事前参考すべき対象が異なります。プロが対象のときは直近の関連指標を参考にすべきだし、一般消費者が対象のときは調査月前半のマスコミ報道内容を参考にすべきです。
ZEWはプロが調査対象ゆえ、マスコミ報道内容よりも直近の指標結果を参考にした方が良いようです。
ZEW景況感調査はIfo景況感指数の1週間前に発表され、Ifo指数よりも1か月の先行性がある、とされている点に意義があります。景気指標としての注目度は、Ifo景況感指数に次ぐものです。
一方、ZEW景況感調査の結果はECBの金融政策に影響を与えている、という記事を目にしたこともあります。但し、そう言われているものの、理性的に考えれば中銀の金融政策は、景況感よりも物価指標や実態指標を重視している、と考えられます。そのため、この話には少し疑問を持っています。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月分以降前回発表までの25回分のデータに基づいています。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は9pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは40%です。初期反応で利確する場合には、平均値よりもやや小さめのpipsで行った方が良いかも知れません。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
指標の全般的傾向は、2016年7月を底とする改善傾向にあります。それまでにも、2015年10月頃から改善の兆しが伺えていたものの、2016年6月のブリグジットショックの影響で同年7月が悪化したと解釈すべきだと思います。
がしかし、またぞろギリシャ債務問題が話題に挙がっています。ギリシャの経済規模は小さいものの、ギリシャ債を各国中銀が保有しているため、EURはEUの小さな国の小さな問題で信用の問題になるのです。金融への不安は、本指標調査対象のプロ達にとって景況感の見通し悪化に繋がります。
今回の市場予想は前回結果より悪化となっています。
直近では2016年7月が、今回同様に市場予想が前回結果より悪化となっていました。このとき、直前10-1分足は下ヒゲ7pipsで同値、直前1分足は跳幅・値幅ともに6pipsの陰線でした。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前1分足を除けば、どちらかと言うと陽線が目立ちます。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は9pips・6pipsです。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は6pips・5pipsです。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は9pips・6pipsです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は14pips・8pipsとなっています。
(2-3. 関連指標)
割愛します。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%で、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは63%でした。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得し、直後11分足跳幅との差8pipsを狙えます。がしかし、一致率・伸び率が75%を超えていないので、もしポジションを持つのなら騙しにはご注意ください。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
ローソク足検証の結果、直前1分足の陰線率が92%、直後1分足の陽線率が83%となっています。それぞれ直前にポジションを取るなら、狙うべき跳幅の過去平均値は直前1分足が6pips・直後1分足が9pipsです。
反応一致性検証の結果は、反応性分析の項で記した「直後1分足と直後11分足の方向一致率がやや高いこと」を除けば、偏りは見出せません。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
指標検証の結果、やや事前差異はプラスになることが多いようです(プラス率64%)。そして、対応するローソク足検証の直前10-1分足では、陽線率が67%となっています。
がしかし、事後差異はプラス・マイナスがほぼ拮抗しています。このことは、発表結果を見る限り、本指標の市場予想があまりアテにならないこと、を示しています。
指標一致性検証の結果もそのことを裏付けています。
事前差異のプラス・マイナスが直後1分足の反応方向と一致したことは67%となっています。がしかし、事前差異と直後11分足とは48%ですから、事前差異がどうあれ、直後11分足が陽線になるか陰線になるかは半々です。
事後差異に至っては、発表結果が市場予想や前回結果にどうあれ、直後1分足も直後11分足も陽線になるか陰線になるかが半々となっています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
V. 結果
2017.2/14.19:00発表
2017年2月16日12:00追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証
【8. 調査分析検証】
事前分析では、過去平均値を例に挙げ、平均値よりもやや小さめのpipsで行った方が良い旨、記しました。
結果は直後1分足跳幅・値幅が2pips・0pipsですから、分析通りです。
また、今回の市場予想は前回結果より悪化に対し、直近2016年7月が今回同様に市場予想が前回結果より悪化となっていた例を挙げました。このとき、直前10-1分足は下ヒゲ7pipsで同値、直前1分足は跳幅・値幅ともに6pipsの陰線だったことを紹介しています。
結果は直前10-1分足・直前1分足ともに陰線でしたが、巻頭の調査分析要点で「だから売ポジションを推奨」との結論を述べていません。結果はその通りになりましたが、分析としては再現性の自信がまだまだ持てなかった訳です。よって、結論明確でないため、分析正否は判断しません。
事前の反応性分析では、直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%で、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは63%だったことを挙げています。そして、もしポジションを持つのなら騙しへの注意喚起をしました。
結果は、直後1分足が同値終了のため、本ブログの判定基準に引っかからない結果となりました(同値の場合を除いた陽線率や陰線率を求めた方がポジション取得の判断が容易になるため。同値は、方向が読めないか損益なしと考えられるため)。
事前の反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が92%、直後1分足の陽線率が83%となっていました。
結果は、直後1分足が同値終了のため、本ブログの判定基準に引っかからない結果となりました。
事前の指標一致性分析では、発表結果が前回結果や市場予想よりも良かろうが悪かろうが、直後1分足も直後11分足も陽線になるか陰線になるかが半々となっていました。
今回、発表結果悪化に対し、直後1分足・直後11分足は陰線となっています。よって、この助言は今回について不適切だったかも知れません。がしかし、ここに挙げた傾向があるのに、そのことに触れない訳にもいきません。安全サイドに立った助言ゆえ、ご容赦頂きたいと思います。
【9. シナリオ検証】
シナリオ2は、損切となりました。がしかし、まぁそんなことも多々あります。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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