2017年02月12日
2017年2月13日08:50発表ー日本経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のUSDJPY反応分析(結果検証済)
以下の「T.調査」「U.分析」は事前投稿し、「V.結果」「W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
2017年2月13日08:50に日本経済指標「四半期GDP速報値」の発表が行われます。今回の発表は、2016年10-12月期の速報データとして公表されます。
過去の傾向から言って、本指標発表前後の反応は小さく、影響は09:00からの東証寄り付きを睨んだ動きとなります。発表結果に対して株価が動くことで為替も同じ方向に動くことが多いようです(日経平均が上がればUSDJPYは↑に動きがちです)。
以下にポイントを整理しておきます。
本項は指標発表前に事前投稿しています。調査は過去2年ぐらいは遡って行っているため、主要な傾向は最終更新日から数か月ぐらいは同じだと言えます。
GDPについての説明は不要だと思います。日本の経済指標はほとんど為替に影響がありません。多くの指標発表時刻は08:50で、反応があるときは09:00の東証寄付きで動きがあったときに限られる、と言っても構いません。反応が小さいことは、GDP速報値ですら、です。
GDPデフレータは、名目GDPを実質GDPで割った%がGDPデフレータです。といっても良くわかりませんね。以下に説明します。
ある国では単価100円の製品を作ることが全ての経済活動で、そのために輸入材料単価10円を要している、と仮定します。そして、この年の生産数が10個だったとしましょう。この年の国内生産額は100円✕10個=1000円となり、輸入代金は10円✕10個=100円を要していたとします。
このとき、名目GDPは生産額ー輸入代金=900円です。
さて翌年、輸入原材が2倍に高騰して単価20円になったとします。材料費高騰分だけを売価に転嫁したところ販売数が減って生産数が9個になったとします。このとき、国内生産額は{(100円+(20円ー10円)}✕9個=990円となります。これに要した輸入代金は20円✕9個=180円です。
よって、名目GDPは(990円ー180円)✕9個=729円となります。
実質GDPは、前年を基準とすると、基準年価格での生産額100円✕9個=900円から材料費10円✕9個=90円を用いて計算します。よって、900円ー90円=810円が実質GDPとなります。
GDPデフレータは、名目GDP÷実質GDPなので、この場合(729円÷810円)✕100=90%となります。これを前年比△10%のデフレと言います。
でも変ですね。
ここで説明した例では輸入材料費だけ価格転嫁しているので、物価はこのとき上がっているのです。この物価上昇を表すのは消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)です。物価上昇を表すCPIやPPIと、デフレータが表すデフレは、このように逆になることがあります。
ならば、デフレータは何を表しているのでしょう。
国内に残った価値の増減を示しているのです。つまり、経済成長率がプラスでも、国内に残るモノやサービスが減ることはあり得ます。物価が上がっても所得が増えれば問題ありません。こうしたことをデフレータは表している訳です。ざっくり言えば、デフレータは豊かさが増えたか減ったかということを表す、みたいな指標です。
例を挙げて説明しないと、デフレータはわかりにくい指標です。
なお、これだけデフレータの説明に苦労したのに、本発表時に最も反応するのは年率換算値(GDP前年比)なのです。その点はお間違えなきように。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2013年1-3月以降前回発表までの15回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は11pipsとなっています。そして、平均値である11pipsを超えたことは33%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは38pipsでした。
本指標の過去の動きを下図に示します。
最も反応するGDP年率換算値(前年比)は2015年4-6月頃から改善基調と見受けられます。市場予想は前回結果よりも悪化となっていますが、直前になればもっと上方に訂正されるのではないでしょうか。
為替とは関係ないものの、GDPデフレータは2015年1-3月をピークに下落傾向が続いています。前回はとうとう0を割り込んだようです。
輸入エネルギーのコストが上昇しつつあることは、デフレータを押し下げます。がしかし、最近の報道を見る限りでは、有効求人倍率上昇に裏付けられた低賃金層人件費が上昇しつつあること、円安効果に裏付けられた貿易収支の黒字が続いていること、を踏まえると、そろそろ上昇に転じても良さそうな気がします。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ5pips・3pipsとなっています。
後記する反応一致性分析や指標一致性分析の結果を見る限り、直前10-1分足の方向は予想がつきません。
後記する指標一致性分析の結果を見る限り、直前1分足と事前差異は方向一致率が82%となっています。現時点における市場予想から言えば、今回の事前差異はマイナスとなっています。つまり、直前1分足は陰線となる公算が高い、と思われます。
但し、直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ3pips・2pipsとなっています。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ11pips・7pipsとなっています。
後記する反応一致性分析の結果に依れば、直後1分足は直前1分足との方向一致率が18%となっています。指標発表直前にポジションを直前1分足と逆方向に取ってみます。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ15pips・9pipsとなっています。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は69%しかありません。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは67%となっています。
また、直後11分足は直前1分足と方向一致率が18%となっています。
割愛します。
解釈・コメントは「T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
特に最近は反応が小さいので、損切も早めにした方がいいでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は11pipsとなっていました。
結果は2pipsの陽線で、09:00からの東証週明け寄付きの影響の方が大きくなりました。
直前1分足と事前差異は方向一致率が82%となっており、今回の事前差異はマイナスとなっていました。
結果は陰線です。
今回は週明け上窓を開けて始まってから、ずっと上昇トレンド中だったので危ういかと思いましたが、結果的に分析通りとなりました。
直後1分足・直後11分足は、ともに直前1分足との方向一致率が18%となっていました。
結果は、直前1分足が陰線だったので、直後1分足が分析に反し、直後11分足は分析通りとなりました。
シナリオには問題ありません。
ただ、シナリオ2で買ポジションを取るべきところを間違って売ポジションを取っていました。急ぎ、ドテンしてプラスだったから良かったものの、気を付けましょう。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
2017年2月13日08:50に日本経済指標「四半期GDP速報値」の発表が行われます。今回の発表は、2016年10-12月期の速報データとして公表されます。
過去の傾向から言って、本指標発表前後の反応は小さく、影響は09:00からの東証寄り付きを睨んだ動きとなります。発表結果に対して株価が動くことで為替も同じ方向に動くことが多いようです(日経平均が上がればUSDJPYは↑に動きがちです)。
以下にポイントを整理しておきます。
- 発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は11pipsとなっています。そして、平均値である11pipsを超えたことは33%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは38pipsでした。過去データを見る限りではあまり大きく反応はしないようです。
むしろ、09:00からの東証週明け寄付きの影響の方が大きくなると思われます。 - 直前1分足と事前差異は方向一致率が82%となっています。現時点における市場予想から言えば、今回の事前差異はマイナスとなっています。つまり、直前1分足は陰線となる公算が高い、と思われます。
但し、過去データを見る限り、直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ3pips・2pipsしかありません。前後トレンドに呑まれる可能性が高いので、08:00頃からのトレンドに気をつけてポジションを取りましょう。 - 直後1分足・直後11分足は、ともに直前1分足との方向一致率が18%となっています。指標発表直前にポジションを直前1分足と逆方向(陽線)に取ってみたいところですが、週明け東証での株価の動きが気になります。直後1分足跳幅・値幅の過去平均値はそれぞれ11pips・7pips、直後11分足跳幅・値幅の過去平均値はそれぞれ15pips・9pipsしかありません。
- 気が乗らなければ、今回は休むのも一計と考えます。
T.調査
本項は指標発表前に事前投稿しています。調査は過去2年ぐらいは遡って行っているため、主要な傾向は最終更新日から数か月ぐらいは同じだと言えます。
【1. 指標概要】
GDPについての説明は不要だと思います。日本の経済指標はほとんど為替に影響がありません。多くの指標発表時刻は08:50で、反応があるときは09:00の東証寄付きで動きがあったときに限られる、と言っても構いません。反応が小さいことは、GDP速報値ですら、です。
GDPデフレータは、名目GDPを実質GDPで割った%がGDPデフレータです。といっても良くわかりませんね。以下に説明します。
ある国では単価100円の製品を作ることが全ての経済活動で、そのために輸入材料単価10円を要している、と仮定します。そして、この年の生産数が10個だったとしましょう。この年の国内生産額は100円✕10個=1000円となり、輸入代金は10円✕10個=100円を要していたとします。
このとき、名目GDPは生産額ー輸入代金=900円です。
さて翌年、輸入原材が2倍に高騰して単価20円になったとします。材料費高騰分だけを売価に転嫁したところ販売数が減って生産数が9個になったとします。このとき、国内生産額は{(100円+(20円ー10円)}✕9個=990円となります。これに要した輸入代金は20円✕9個=180円です。
よって、名目GDPは(990円ー180円)✕9個=729円となります。
実質GDPは、前年を基準とすると、基準年価格での生産額100円✕9個=900円から材料費10円✕9個=90円を用いて計算します。よって、900円ー90円=810円が実質GDPとなります。
GDPデフレータは、名目GDP÷実質GDPなので、この場合(729円÷810円)✕100=90%となります。これを前年比△10%のデフレと言います。
でも変ですね。
ここで説明した例では輸入材料費だけ価格転嫁しているので、物価はこのとき上がっているのです。この物価上昇を表すのは消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)です。物価上昇を表すCPIやPPIと、デフレータが表すデフレは、このように逆になることがあります。
ならば、デフレータは何を表しているのでしょう。
国内に残った価値の増減を示しているのです。つまり、経済成長率がプラスでも、国内に残るモノやサービスが減ることはあり得ます。物価が上がっても所得が増えれば問題ありません。こうしたことをデフレータは表している訳です。ざっくり言えば、デフレータは豊かさが増えたか減ったかということを表す、みたいな指標です。
例を挙げて説明しないと、デフレータはわかりにくい指標です。
なお、これだけデフレータの説明に苦労したのに、本発表時に最も反応するのは年率換算値(GDP前年比)なのです。その点はお間違えなきように。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2013年1-3月以降前回発表までの15回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は11pipsとなっています。そして、平均値である11pipsを超えたことは33%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは38pipsでした。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
最も反応するGDP年率換算値(前年比)は2015年4-6月頃から改善基調と見受けられます。市場予想は前回結果よりも悪化となっていますが、直前になればもっと上方に訂正されるのではないでしょうか。
為替とは関係ないものの、GDPデフレータは2015年1-3月をピークに下落傾向が続いています。前回はとうとう0を割り込んだようです。
輸入エネルギーのコストが上昇しつつあることは、デフレータを押し下げます。がしかし、最近の報道を見る限りでは、有効求人倍率上昇に裏付けられた低賃金層人件費が上昇しつつあること、円安効果に裏付けられた貿易収支の黒字が続いていること、を踏まえると、そろそろ上昇に転じても良さそうな気がします。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ5pips・3pipsとなっています。
後記する反応一致性分析や指標一致性分析の結果を見る限り、直前10-1分足の方向は予想がつきません。
後記する指標一致性分析の結果を見る限り、直前1分足と事前差異は方向一致率が82%となっています。現時点における市場予想から言えば、今回の事前差異はマイナスとなっています。つまり、直前1分足は陰線となる公算が高い、と思われます。
但し、直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ3pips・2pipsとなっています。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ11pips・7pipsとなっています。
後記する反応一致性分析の結果に依れば、直後1分足は直前1分足との方向一致率が18%となっています。指標発表直前にポジションを直前1分足と逆方向に取ってみます。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ15pips・9pipsとなっています。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は69%しかありません。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは67%となっています。
また、直後11分足は直前1分足と方向一致率が18%となっています。
(2-3. 関連指標)
割愛します。
U. 分析
解釈・コメントは「T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
特に最近は反応が小さいので、損切も早めにした方がいいでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
V. 結果
2017.2/13.08:50発表
2017年2月13日12:30追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証
【8. 調査分析検証】
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は11pipsとなっていました。
結果は2pipsの陽線で、09:00からの東証週明け寄付きの影響の方が大きくなりました。
直前1分足と事前差異は方向一致率が82%となっており、今回の事前差異はマイナスとなっていました。
結果は陰線です。
今回は週明け上窓を開けて始まってから、ずっと上昇トレンド中だったので危ういかと思いましたが、結果的に分析通りとなりました。
直後1分足・直後11分足は、ともに直前1分足との方向一致率が18%となっていました。
結果は、直前1分足が陰線だったので、直後1分足が分析に反し、直後11分足は分析通りとなりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオには問題ありません。
ただ、シナリオ2で買ポジションを取るべきところを間違って売ポジションを取っていました。急ぎ、ドテンしてプラスだったから良かったものの、気を付けましょう。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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