2017年02月06日
2017年2月7日22:30発表ー米国国際収支「貿易収支」発表前後のUSDJPY反応分析(結果検証済)
「T.調査」「U.分析」は事前投稿です。「V.結果」「W.検証」の投稿日時はVのタイトル行付近に記載しています。
2017年2月7日22:30に米国国際収支「貿易収支」の発表が行われます。
本指標のポイントは次の通りです。
- 本指標は不思議なことに、米国貿易赤字は恒常化しており、数字もほぼ一定で米国景気が貿易収支には関係ないように見受けられるのに、発表前後に比較的大きな反応をします。
- 直後1分足は、過去平均で跳幅が19pips、値幅が14pipsです。直後1分足が陽線だった確率は過去23回で74%です。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%で、且つ、後者の値幅が前者のそれより伸びたことは83%あります。直後11分足は、過去平均で跳幅が30pips、値幅が22pipsです。直後1分足は、過去平均で跳幅が19pips、値幅が14pipsですから、その差が狙えます。
T.調査
【1. 指標概要】
貿易収支は、商務省が毎月10日前後の22:30(夏時間21:30)に発表しています。
貿易収支は経常収支の一部で、経常収支には貿易収支の他にサービス収支・所得収支・経常移転収支があります。一般に他の項目と比べて貿易収支が大きいため、経常収支の中で貿易収支が注目されるのです。
本指標は不思議なことに、米国貿易赤字は恒常化していて数字もほぼ一定な上に、米国景気が貿易収支には関係ないように見受けられるのに、発表前後に比較的大きな反応があります。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査・分析は2015年1月以降先月発表結果までの23回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は19pipsとなっています。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
1980年代以降、米国貿易収支は恒常的に赤字となっています。
最近は毎月約400億ドルの赤字が続いています。すごいですねぇ。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前10-1分足は、過去平均で跳幅が7pips、値幅が3pipsです。やや陰線となったことが多いものの(61%)、偏りとして目立つ数字ではありません。
事前差異との方向一致率は35%ですから、市場予想が前回結果よりも悪いときに、直前の反応は陽線になりがちです。
直前1分足は、過去平均で跳幅が9pips、値幅が7pipsです。やや陰線となったことが多いものの(62%)、偏りとして目立つ数字ではありません。
事前差異との方向一致率も57%未満ですから、どちらに振れがちだということは言えません。
直後1分足は、過去平均で跳幅が19pips、値幅が14pipsです。直後1分足が陽線だったことは過去23回で74%となっています。74%なら、直前のトレンドを見て陽線が多ければ買っても良いですね。
直後11分足は、過去平均で跳幅が30pips、値幅が22pipsです。直後1分足と直後11分足の反応方向が一致したことは78%で、後者の値幅が前者のそれより伸びたことは83%あります。これなら反応方向を見てからでもポジションが取れそうですね。
(2-3. 関連指標)
割愛します。
U. 分析
解釈・コメントは「T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
V. 結果
2017.2/7.22:30発表
2017年2月8日12:30追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証
【8. 調査分析検証】
米国貿易赤字は恒常化しており、数字もほぼ一定で、米国景気が貿易収支には関係ないように見受けられます。にも関わらず、本指標発表前後には比較的大きな反応をします。
とはいえ、今回は過去平均よりも反応が小さく、直後1分足跳幅が3pips、直後11分足値幅が5pipsしかありませんでした。
中期的には、米国内需回復や資源相場反発による輸入増加と、ドル高が輸出低迷に繋がると考えられます。そのため、貿易収支は悪化が進むと予想されます。
その一方で、今回発表値については、ISM製造業景況指数「輸出」が11月52.0から12月56.0と改善が示唆されていました。
直前10-1分足は、これらのことを反映したと解釈できます。
発表値は前回結果及び市場予想よりも改善していました。結果、直後1分足は一瞬陽線側に反応しています。そして政権口先介入への懸念から、その後はドル安に振れたと解釈しています。
過去データに基づけば、直後1分足は平均で跳幅19pips・値幅14pipsとなっており、陽線率が74%となっていました。今回結果は、跳幅3pips・値幅0pipsで、同値終了です。
同値終了は分析適否のカウントに含めないため、コメントはありません。
過去データに基づけば、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%で、且つ、後者の値幅が前者のそれより伸びたことは83%ありました。今回結果は、直後1分足が同値終了のため、コメントはありません。
【9. シナリオ検証】
過去データに依れば、直後1分足・直後11分足の陽線率がそれぞれ78%・74%ありました。
シナリオ1・2はこの結果に基づき買ポジションを取りました。がしかし、実際には陽線側に振れたのは一瞬で、陰線側に動こうとする動きが強く見受けられました。
よって、シナリオ1・2の取引は損切となりました。
過去データに依れば、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%でした。上記の通り、直後1分足が陰線側に振れようとする動きが強かったため、シナリオ3は売ポジションを持ちました。
結果、シナリオ3での取引は利確となりました。
シナリオ4は、シナリオ3において直後11分足終値までポジションを持つというものです。本来ならば、シナリオ3でポジション取得時に合わせてシナリオ4のポジションも取得すべきです。がしかし、この時点においてシナリオ1・2の根拠だった陽線側への反応という分析が外れていました。そのため、シナリオ3のみ実行し、シナリオ4のポジションを積み上げることができませんでした。
今回の直後1分足終値が始値と同値だったため、来月の分析結果・シナリオも今月と同じになります。
以上
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以上
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