2017年01月31日
欧州物価指標「消費者物価指数(HICP)速報値」(2017年2月発表結果記載済)
2017年1月31日19:00に欧州1月分消費者物価指数(HICP)速報値の発表が予定されています。
今回は、同時にGDP速報値が発表されます。あまり、HICPだけを詳しく調査・分析しても意味ありません。とりあえず、いくつか過去のHICP速報値の調査・分析結果に基づくシナリオを用意しておきますが、ややこしいので取引しないというのも選択肢のひとつです。
まず、欧州以外の日米英豪等の主要国では、消費者物価指数をCPIと表します。欧州のそれだけがHICP(= Harmonized Indices of Consumer Prices)と表記されます。これは表記の違いだけで同じ内容ですから、気にしなくてもいいです。
消費者物価指数は、一般消費者から見た商品・サービスの価格変化を表しています。
ECB(欧州中央銀行)は、実質的にインフレ目標(前年比2%付近で以下)を設定しています。このため、ECBが政策金利改定を行う時期を予想する上で、本指標は重要とされています。
また、速報値はEUR絡みでは比較的よく反応する指標です。
欧州委員会が毎月中旬に先月のデータを公表しています。速報値では前年比のみが発表されます。
最初に、本指標の過去及び今回発表情報のうち、既に公開されていることを整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
前回結果1.1に対し、市場では今回1.5と、大幅な改善予想となっています。
前回は市場予想1.0に対し発表結果1.1とやや改善となり、その結果、直後1分足は陰線・直後11分足は陽線で反応しています。
一般論として、指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去24回のデータでは、直後1分足跳幅は平均11pipsの反応でした。あまり反応が大きな指標ではありません。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときも19pipsしかありません。
本指標の過去の動きを下図に示します。
欧州指標全体に言えることですが、市場予想がほぼ当たっています。これは先行して各国指標が発表されているためでしょう。
後記する指標一致分析の通り、事前差異(市場予想ー前回結果)は76%がプラスとなっています。そして、事後差異(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)も71%がプラスとなっています。ちなみに、今回の事前差異はプラスです。
これは、調査期間全体に改善が続いていると理解できますが、全体として市場予想が低めになっているということかも知れません。
現在は2016年2-5月頃を底する改善が続いており、その改善は加速しているように見受けられます。今回も大幅な改善が予想されています。
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前1分足には陰線が目立ちます(陰線率95%)。一方、直後1分足・直後11分足には陽線が目立ちます(各88%・73%)。
省略します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
指標発表直後、1分足と11分足とが同じ方向だったことは77%あります。がしかし、そのときに11分足終値が1分足終値と同じ方向で伸びていたことは、そのうち41%しかありません。
平均値で言えば、直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は13pips、直後11分足終値との差は6pipsとなっています。
つまり、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びるときには大きく伸びるものの、たいていの場合は直後1分足終値以上に直後11分足終値が伸びないようです。
反応方向を確認してからポジションを取る場合には、気をつけた方が良いでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
直前1分足の陰線率が95%、直後1分足の陽線率は88%、直後11分足の陽線率が73%となっています。
また、直前1分足と直後1分足の方向一致率が9%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%となっています。
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
約3回に2回は事前差異と逆に直前10-1分足や直前1分足が反応しています。今回は事前差異がプラスとなっているので、ともに陰線で反応するということです。
以上の調査・分析結果の整理は割愛します。
今回はGDP速報値と同時に発表されるため、本指標についてあまり細かく考えても仕方ありません。
今回は以下のシナリオで取引に臨みます。
今回は四半期GDP速報値と同時発表でしたが、反応はHICP発表結果に対応したものでした。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前分析の通り、今回の発表結果も市場予想とのズレは小さなものでした。
反応は、直前・直後とも陽線となっており、分析通りとなりました。
指標発表直後、1分足と11分足とは同じ方向になりました。そのとき、11分足終値が1分足終値と同じ方向で伸びずに反転を心配していました。結果は1分足と11分足は同じ方向に伸びました。
事前の分析では、直前1分足の陰線率が95%、直後1分足の陽線率は88%、直後11分足の陽線率が73%でした。結果は全て陽線となりました。
また、直前1分足と直後1分足の方向一致率が9%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%となっています。結果は、直前1分足と直後1分足の方向、直後1分足と直後11分足の方向ともに、同じ方向に反応しました。
事前の分析では、約3回に2回は事前差異と逆に直前10-1分足や直前1分足が反応していました。今回は事前差異がプラスとなっているので、ともに陰線で反応すると考えていました。がしかし、結果はいずれも陽線となりました。
ポジションはほぼシナリオ通りに取得・解消できました。
シナリオ2は、本来ならば損切となっても仕方がない状況でした。がしかし、解消のタイミングが良かったため、幸いなことに微益ながら利確できました。
一方、シナリオ4は、直後11分足が陰線側に大きく凹んだものの、最終的には陽線側に戻りました。損切すべきか否か迷ったものの、時間ぎりぎりまで待ったことが幸いしました。
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今回は、同時にGDP速報値が発表されます。あまり、HICPだけを詳しく調査・分析しても意味ありません。とりあえず、いくつか過去のHICP速報値の調査・分析結果に基づくシナリオを用意しておきますが、ややこしいので取引しないというのも選択肢のひとつです。
【1. 指標概要】
まず、欧州以外の日米英豪等の主要国では、消費者物価指数をCPIと表します。欧州のそれだけがHICP(= Harmonized Indices of Consumer Prices)と表記されます。これは表記の違いだけで同じ内容ですから、気にしなくてもいいです。
消費者物価指数は、一般消費者から見た商品・サービスの価格変化を表しています。
ECB(欧州中央銀行)は、実質的にインフレ目標(前年比2%付近で以下)を設定しています。このため、ECBが政策金利改定を行う時期を予想する上で、本指標は重要とされています。
また、速報値はEUR絡みでは比較的よく反応する指標です。
欧州委員会が毎月中旬に先月のデータを公表しています。速報値では前年比のみが発表されます。
【2. 既出情報】
最初に、本指標の過去及び今回発表情報のうち、既に公開されていることを整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
前回結果1.1に対し、市場では今回1.5と、大幅な改善予想となっています。
前回は市場予想1.0に対し発表結果1.1とやや改善となり、その結果、直後1分足は陰線・直後11分足は陽線で反応しています。
一般論として、指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去24回のデータでは、直後1分足跳幅は平均11pipsの反応でした。あまり反応が大きな指標ではありません。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときも19pipsしかありません。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
欧州指標全体に言えることですが、市場予想がほぼ当たっています。これは先行して各国指標が発表されているためでしょう。
後記する指標一致分析の通り、事前差異(市場予想ー前回結果)は76%がプラスとなっています。そして、事後差異(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)も71%がプラスとなっています。ちなみに、今回の事前差異はプラスです。
これは、調査期間全体に改善が続いていると理解できますが、全体として市場予想が低めになっているということかも知れません。
現在は2016年2-5月頃を底する改善が続いており、その改善は加速しているように見受けられます。今回も大幅な改善が予想されています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前1分足には陰線が目立ちます(陰線率95%)。一方、直後1分足・直後11分足には陽線が目立ちます(各88%・73%)。
(2-3. 関連指標)
省略します。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
指標発表直後、1分足と11分足とが同じ方向だったことは77%あります。がしかし、そのときに11分足終値が1分足終値と同じ方向で伸びていたことは、そのうち41%しかありません。
平均値で言えば、直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は13pips、直後11分足終値との差は6pipsとなっています。
つまり、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びるときには大きく伸びるものの、たいていの場合は直後1分足終値以上に直後11分足終値が伸びないようです。
反応方向を確認してからポジションを取る場合には、気をつけた方が良いでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
直前1分足の陰線率が95%、直後1分足の陽線率は88%、直後11分足の陽線率が73%となっています。
また、直前1分足と直後1分足の方向一致率が9%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
約3回に2回は事前差異と逆に直前10-1分足や直前1分足が反応しています。今回は事前差異がプラスとなっているので、ともに陰線で反応するということです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果の整理は割愛します。
今回はGDP速報値と同時に発表されるため、本指標についてあまり細かく考えても仕方ありません。
今回は以下のシナリオで取引に臨みます。
2017.1/31.19:00発表
2017年1月31日22:38追記
【7. 発表結果】
今回は四半期GDP速報値と同時発表でしたが、反応はHICP発表結果に対応したものでした。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証
【8. 調査分析検証】
事前分析の通り、今回の発表結果も市場予想とのズレは小さなものでした。
反応は、直前・直後とも陽線となっており、分析通りとなりました。
指標発表直後、1分足と11分足とは同じ方向になりました。そのとき、11分足終値が1分足終値と同じ方向で伸びずに反転を心配していました。結果は1分足と11分足は同じ方向に伸びました。
事前の分析では、直前1分足の陰線率が95%、直後1分足の陽線率は88%、直後11分足の陽線率が73%でした。結果は全て陽線となりました。
また、直前1分足と直後1分足の方向一致率が9%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%となっています。結果は、直前1分足と直後1分足の方向、直後1分足と直後11分足の方向ともに、同じ方向に反応しました。
事前の分析では、約3回に2回は事前差異と逆に直前10-1分足や直前1分足が反応していました。今回は事前差異がプラスとなっているので、ともに陰線で反応すると考えていました。がしかし、結果はいずれも陽線となりました。
【9. シナリオ検証】
ポジションはほぼシナリオ通りに取得・解消できました。
シナリオ2は、本来ならば損切となっても仕方がない状況でした。がしかし、解消のタイミングが良かったため、幸いなことに微益ながら利確できました。
一方、シナリオ4は、直後11分足が陰線側に大きく凹んだものの、最終的には陽線側に戻りました。損切すべきか否か迷ったものの、時間ぎりぎりまで待ったことが幸いしました。
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