キトラ古墳とは キトラ古墳は、7〜8世紀頃に築かれた円墳で、内部には石室があります。石室の壁には、青龍、朱雀、白虎、玄武の四神や十二支、天文図などが描かれています。
玄武の発見 1983年11月7日に、石室の北壁でほぼ完全な形で玄武の壁画が発見されました。高松塚古墳では朱雀が失われていたため、キトラ古墳の玄武の発見は、四神が揃う貴重な例となりました。
壁画の技法と保存状態
壁画制作の工程:
石室の壁に漆喰を塗る
下絵を描く
顔料で本彩色を行う
金箔や銀箔を貼る
使用された材料:
漆喰、顔料(金属や植物から作られる)
金箔・銀箔
特徴的な技法:
多層構造で奥行きのある表現
繊細な筆遣いで表情や毛並みを詳細に描写
鮮やかな色彩
保存状態の良さの理由
石室が外部環境から遮断され、温度や湿度の変化が少なかった
漆喰が壁画を保護していた
キトラ古墳の重要性 キトラ古墳の壁画は、古代日本の宗教、思想、芸術を知る上で重要な資料です。特に玄武の壁画は、古代の宇宙観や高い絵画技術を示しています。キトラ古墳は高松塚古墳と共にユネスコの世界遺産に登録され、その学術的価値から多くの注目を集めています。
キトラ古墳の壁画は、1300年以上経った今でも鮮やかで、古代の芸術と技術を伝える貴重なものです。興味があれば、実物や展示を見に行ってみてくださいね。