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大野の弥勒磨崖仏=奈良県宇陀市

大野の弥勒磨崖仏

大和国宇陀郡大野寺(奈良県宇陀市室生区大野1680)の、宇田川を挟んだ対岸の、高さ約30mの柱状石英安山岩の大岸壁に彫られた像高11.5mの弥勒磨崖仏。
平成9年11月8日撮影   





承元元(1207)年、興福寺の僧・雅縁が、山城国笠置山の本尊である弥勒磨崖仏(現在は光背のみが残る)を模して造立することを発願し、同10月から、宋人の石工・伊行末(いのゆきすえ)とその一派が、一年をかけて、線刻を施したという。



承元3年3月の開眼供養には、後鳥羽上皇の御幸もあり、盛大に行われたという。

約13.6mの光背を彫り窪め、像高11.5mの彌勒菩薩像が線刻され、磨崖仏の横には、梵字も刻まれている。

大野寺は、天武10(681)年、役小角が開き、その後、天長元(824)年、弘法大師が、室生寺の西の大門として、弥勒菩薩を本尊とし、一宇を建立したという。

近年、岩盤からの地下水の滲出等による剥落の危険が指摘され、保存修理工事を実施することとなり、平成5年から平成11年にかけて、岩表面の苔類の除去や、地下水の流路を変える工事などが行われた。





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