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2020年03月05日

トヨタ! GAFAとBATを逆転する? Woven City(ウーブン・シティ)



トヨタ!
GAFAとBATを逆転する?

未来都市プロジェクトのすごい野望
トヨタが示した、最先端都市の驚くべき姿
トヨタの発表したWoven City(ウーブン・シティ)が、日本や世界に与えたインパクトはかなり大きかった
トヨタが発表したWoven Cityは、日本の未来に希望の光を刺す大きなもので、言い換えればコネクティッド・シティ
自動車、携帯、建物、発電所など、ありとあらゆるものがつながることで創出される未来都市
中国で飛躍的に開発が進んでいるスマートシティを凌駕する可能性を感じるもの
トヨタの自動運転車e‐パレッドの構想が、Woven Cityへと導いた

自動運転の開発競争は
止まった?
テクノロジーにはハイプ・サイクルと呼ばれる5つの段階がある
(1)黎明期
(2)流行期
(3)幻滅期
(4)回復期
(5)安定期

日独のメガサプライヤーなど、自動車メーカーは自動運転ではなく、電気自動車(EV)の展示ばかり、やはり自動運転技術は今はいったん「幻滅期」を迎えている?
ウーバーは18年から自動運転タクシーを始めているが、死亡事故が起こり訴訟に発展するなど、自動運転に対する社会的な警戒感もあります
中国で自動運転バスが実用化されるなか、テクノロジー覇権を争っているアメリカが自動運転車の実用化をあきらめるはずもなく、水面下では自動運転車の開発や実用化にむけた法整備は着々と進んでいるのでしょう
テスラは従来からCESには参加しておらず、今回も不参加だったが、彼らはすでにユニークな開発手法と販売手法を自動車産業に持ち込んでいます

スマホのOSはひと月〜ひと月半ほどでアップデートされていますが、自動車もそれと同じ手法で、販売しているテスラのEV車はテクノロジーの進化に伴いOSをアップデートさせるだけで、たちまち自動運転車に変貌する可能性を秘めた次世代自動車となってきています
(基本的にハード部分はすでに自動運転に対応している)

さらにテクノロジーを進化させ、米運輸省が自動運転の許認可さえ下せば、すでに販売しているテスラ車は基本的にOSをアップデートさせるだけで自動運転が可能となる?
現在、自動運転車の公道での試走の距離はGMが最も進んでいる
テスラもまた、GMと負けないくらいのデータの収集に成功しています
現在のテスラ車は自動運転ではないが、オートパイロットと呼ばれる機能が付いているので、自動運転に近い走行データが収集できてきている(自動運転の開発競争でテスラはGMをしっかりと追随している)
アメリカは本気で自動運転覇権を取りに行っています





豊田章男社長のビジョン
日本がたどるべき道をしっかりと示した
世界に強烈なインパクトを与えたのがトヨタのWoven Cityです
トヨタは間違いなくCES2020で最も大胆なビジョンを示すことに成功したのではないでしょうか?
Woven Cityは、富士山のふもとの静岡県裾野市の東富士工場跡地を利用する都市計画
来年初頭に着工し、70万平米の敷地に広げられ、この広大な敷地を利用して、自動運転やロボットなどの最先端技術を駆使したコネクティッド・シティが建設される
完成形の都市なのではなく、目的はあらゆる技術の実証実験です
AIやIoT技術が進展し
5Gの高速通信網が整備されるとモノと人だけでなく
モノとモノも通信でつながりさらにはサービス自体も変容していきます
そこで生み出される新しい価値、ビジネスモデルがどんなものか?
実証実験をやってみなければ分からないのです
トヨタはこのWoven Cityを巨大な実験シティとして
テクノロジーやサービスの開発をどこよりも早く実現しようとしているのです

トヨタの豊田章男社長
自動運転のクルマのことを考えたら、道路から考えることになったと語っていた
Woven Cityでは、道路は自動車専用道や歩行者・自転車専用道などに分類される
トヨタの自動運転車のeパレットが宅配や輸送、また移動店舗として注文に応じて行き来する
そうした暮らしから生じるビッグデータで、あらゆるものが省エネ管理され、環境に配慮し、サスティナビリティ(持続可能性)を追及できます





Woven Cityを作ることが、トヨタの最終目標ではないのです
半端ではない危機感
豊田社長は、Woven Cityをベースに新しいモビリティ会社に変革することが必要で、変革のプラットフォームがWoven Cityなのです
Woven Cityを作ることが目的ではなく、Woven Cityを作らなければ、新しいモビリティ会社にはなれないからなのです
トヨタの事業を次世代型の産業にシフトさせようという大胆な発想でこのWoven Cityを構想している
まさに豊田社長の深刻な危機感の発露?
自動車がエンジン車からEV車となれば部品は大きく変わる
AIにより自動運転が発展すると、ライドシェアなどのタクシー業界が躍進
個人が自動車を所有する必要は大きく下がり、販売台数が激減するなか、構造改革なくしては存亡の危機に陥る可能性大です
豊田社長は数年前から
自動車業界は100年に一度の大改革の時代を迎えた
勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかだと強烈な言葉を選んで、社員や協力企業に危機感を訴えてきています
Woven City構想で、自動車産業どころか、全産業を巻き込んだ全く新しい産業構造を生み出すことができるかもしれないのです
トヨタは織物機を作っていた会社からクルマを作る会社に大変革した経験を持っている
いま自動車産業は100年に一度の変革期を迎えている
過去の事業のモデルチェンジの経験をこれから生かす時です
Woven Cityという大胆なビジョンは全産業に波及することになるでしょう





目指すは米中に次ぐ第3局の覇権
次世代自動車産業のキーワード(CASE)
C=Connected(コネクティッド)
A=Autonomous(自動運転)
S=Shared(シェアリングサービス)
E=Electric(電動化)

Cのコネクティッドは、まさにWoven Cityのコンセプトのコネクティッドなのです
クルマ×IT×電機・電子が融合する巨大産業を生み出す可能性があり、自動車産業だけでなく、通信会社、電力会社、電機メーカーに大きな変革をもたらしながら、ひとつの産業に融合し、世界の巨大メガテック企業と対峙することが可能にすることができます

Woven Cityで生み出されるのは次世代自動車やそれにまつわるサービスだけではなく
通信、電力、電機といった産業を融合する新しいサービスが開発されていく
電気、ガス、通信、自動車乗り放題がまとめて一括払いの月額料金となるようなサブスクリプション・サービスが生まれても不思議ではないのです

鉄道やエアラインなどの物流や金融サービスも加わっていけば、トヨタを中心とした巨大な日本連合が生み出されるかもしれない?
トヨタが一昨年、革新的な技術を持つ企業に投資を続けている
ソフトバンクと提携したことも、大きな意味を持つ
トヨタのWoven City構想を見れば、日本連合の結集が実現した暁には、米中メガテック企業に対抗する第3局を形成することにもつながる
近年のCESでは
・米GAFA
・中BATH
巨大メガテック企業の台頭で、日本企業のプレゼンスは著しく低下
トヨタが示してくれた使命感や危機感を共有し、日本企業が大胆なビジョンを掲げて実行していくことを願いたい

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