2019年10月23日
日本で紙とはんこが必要なくなる日は来るのか? ほとんどの書類はデジタル化可能なのに紙とはんこを使い続ける会社の特徴!
日本で紙とはんこが必要なくなる日は来るのか?
ほとんどの書類はデジタル化可能なのに紙とはんこを使い続ける会社の特徴!
印鑑をデジタルで全部処理できないのか?
印鑑を生業とする人たちにとっては、死活問題なので、思うようには進まない
実はデジタル化の流れは20年前から
日本がデジタル化に踏み出したのは1998年に、会計帳簿やその根拠となる証憑類を電子データとして保存することを認める電子帳簿保存法が施行されたのが最初です
2001年には電子署名法
2005年のe-文書法の施行
(251の法規制を本法の改訂なく横串しでデジタル保存が可能になりました)
電子帳簿保存法のスキャナ保存制度に関しては、2016年、2017年に規制緩和
2019年も領収書、請求書、契約書など、重要な国税関係書類を過去にさかのぼってデジタル保存を可能にしました
日本の労働生産性の絶望的な低さ、顕在化しつつある少子高齢化の影響を鑑みれば当然の流れと言えます
デジタル化は喫緊の課題であり、日本の今後の行く末を決します
日本では現在、どの程度デジタル化が可能?
○取引をスタートする場合
社内のコンセンサスを稟議決裁の過程で形成
相手先を選定するために複数者から見積書を取得し取引先を決定
選定した取引先と契約を締結し、サービス・商品の(受)発注、納品、検収
請求書に基づき支払いを行う
これらの帳票の流れを、紙とはんこでやり取りしている企業がほとんどです
○経理、総務、法務の現場
稟議書には関連者それぞれの三文判が並び、契約書には実印を用い、発注書、納品書、検収書、請求書にも担当者印や会社角印などを捺印
紙を印刷、製本・袋とじして捺印
それを郵送し、受領した帳票を保管する
このように多大な手間と時間を要しますが、現状の法制度の下、ほぼすべての文書を紙とはんこを用いずにデジタル化できます
○経理業務で一定の要件を満たせば
仕訳日記帳や総勘定元帳、補助元などの会計帳簿や領収書、請求書など証憑の帳簿書類に関してデジタルデータを原本として扱うことが認められています(1998年に制定、数度の改正を経た電子帳簿保存法)
紙の保存を大幅に削減できるのです
2019年9月30日から、過去の領収書、請求書、契約書などの重要な証憑も一定の要件を満たせば、デジタルデータが原本となり紙は廃棄可能です
○総務業務は会社法で保存を義務付けられている書類(株主総会議事録、取締役会議事録といった会議体の議事録、定款、計算書類および付属明細書、会計帳簿など)もデジタル化が可能
会社法の書類に関しても2005年のe-文書法の施行に合わせ、デジタルでの作成・保管が可能
取締役会議事録のデジタル化は、作成頻度や持ち回りで捺印を求める手間がなくなります
○法務業務も電子契約の大きなメリットの1つで印紙税がかかりません
電子契約は印紙税法第2条で言うところの文書ではないため、印紙税の課税対象にはならない
高額の印紙税が必要な金銭消費貸借契約や不動産売買契約を扱う企業が導入を進めているのです
電子契約のメリットは印紙税以外にも、契約書の印刷、製本、袋とじ、持ち回りで行う捺印、回収、保管、検索など、紙による手間やコストを大幅に削減できます
紙文書の保存を義務付けている法規制が日本には約300あります
しかし、規制緩和の流れの中、9割近くが紙に代えてPDFなどのデジタル形式による保存が可能です
にもかかわらず、多くの企業がデジタル化に踏み切っていない、デジタル化に踏み込めない企業は3パターン
1、企業トップがデジタル化に無関心または否定的
ITリテラシーの低さやデジタル化により享受できる効率性のイメージが欠如し、自分が役員の間は新しい変革は面倒、既存の仕組みを変えたくないとの拒否反応を感じている
高齢の経営者に多く、世代交代を待つしかないのでしょうか?
2、企業トップはデジタル化を推進させたいが現場が否定的
・新しい知識や操作を覚えることへの抵抗感、既存の業務を変えたくないという理由
・効率化が促進され、人員が不要になることへの抵抗感
・知識不足により、この文書、デジタル化はできないと思っていた、電子契約だと印紙税がかからないと知らなかったといった理由
3、他社の動向を気にする、受け身の企業体質
周りの会社もまだ紙だからと理屈付ける
確かに請求書や契約書など、企業間でやり取りするビジネス文書は相手がデジタルでの方法で同意することが必要ですが、企業内やグループ会社間の文書は他社の同意なく進められます(できるところから着手)
うまくデジタル化に移行している会社の特徴
トップのお墨付きがある、デジタル化移行は経営者の明確な意思が必須です
ペーパーレス化は世の中の流れだからなんとなくでは、早期実行は難しく、デジタル化の目的が明確で、全社での共有が必要です
会社のどの領域の手間やコストを削減していきたいのか
紙で眠っているどんなデータをデジタル化して有効活用していくのか
デジタル化をして何を手に入れるか全社で共有する必要がある
デジタル化は、経営、総務、法務など、さまざまな部署をまたがるので、横断的なプロジェクトに昇華させ、周りの人々を巻き込めるリーダーの存在は不可欠で、導入に際しては具体的なプランも必要
すべての領域でデジタル化を一気に進めるのではなく、この文書から、この部署からと優先順位をつけるが良いと思います
デジタル化はさまざまな法律が関係しているほか、技術的にも電子署名やタイムスタンプなど特殊な分野で、餅屋は餅屋と割り切り、外部の専門家に任せている企業がデジタル化に成功している
一歩、半歩進んでデジタル化に着手することが重要、法規制の緩和状況、メガバンクの電子契約基盤の整備状況など、デジタル化の波は予想以上に早くやってくるのかも?
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