2015年01月31日
新社会福祉法人会計基準 その1
「社会福祉法人会計基準の制定について」
平成23年7月27日に出たこの通知に基づいて、平成27年度の予算書作成が実質の期日となりますので、27年度から移行する法人は、経理規程の作成、ソフト選びや拠点の設定等で忙しい時期を迎えていると思います。
このブログでは基準の難しい考えや背景はおいといて、実務上で必要な知識やモデル経理規程を基にした作成について、基準とモデル規程を参照しながら簡単に紹介したいと思います。
経理規程は定款のように準則が出ていたころと違って、現在は自由に作成することができますが、もちろんこの会計基準をはじめ、関係法令の認める範囲でということになります。
拠点やサービス区分については、たぶん一番多い一法人一施設で、社会福祉事業2つ、公益事業1つ、収益事業1つを運営しているケースを想定しています。
1.財務諸表について
「毎会計年度終了後2カ月以内に・・作成しなければならない。」この部分については運用指針に次の説明がありますので変更できません。どっちにしても「資産の総額の変更」登記があるので2か月以内に作成する必要がありますが。
・決算に際しては、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表及び附属明細書並びに財産目録を作成し、毎会計年度終了後2か月以内に理事会の承認を受けなければならない。(理事会で承認されるまでは(案)ですね。旧基準と比べて承認に必要なものに付属明細書が追加されています。)
財務諸表の種類はシンプルにしていますが、基準の (注1) で例えば資金収支計算書については、「資金収支内訳表、事業区分資金収支内訳表及び拠点区分資金収支計算書を含み・・」とありますので、この記載にしています。実際に作成が必要な様式は次のとおりです。
(1)第1号の1様式 資金収支計算書(法人全体)
(2)第1号の2様式 資金収支内訳書(事業区分別)
(3)第1号の4様式 拠点区分資金収支計算書(一つの拠点)
(4)第2号の1様式 事業活動計算書
(5)第2号の2様式 事業活動内訳表
(6)第2号の4様式 拠点区分事業活動計算書
(7)第3号の1様式 貸借対照表
(8)第3号の2様式 貸借対照表内訳表
(9)第3号の4様式 拠点区分貸借対照表
2.附属明細書について
附属明細書の種類は基準をコピーします。
拠点区分資金収支明細書を省略していますが、運用指針に「介護保険サービス及び障害福祉サービスを実施する拠点については、拠点区分事業活動明細書を作成する・・、保育所運営費、措置費による事業を実施する拠点は、拠点区分資金収支明細書を作成する・・」とありますので、保育所等を運営している場合は入れ替えてください。また、両方作成しても構いません。
「その他重要な事項に係る明細書」については、運用指針にある次のものを作成する必要がありますが、該当する事由がない場合は省略できます。
(1)法人全体で作成する明細書
・(別紙@)借入金明細書
・(別紙A)寄附金収益明細書
・(別紙B)補助金事業等収益明細書
・(別紙C)事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書
・(別紙D)事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書
・(別紙E)基本金明細書
・(別紙F)国庫補助金等特別積立金明細書
(2)拠点区分で作成する明細書
・(別紙G)積立金・積立資産明細書
・(別紙H)サービス区分間繰入金明細書
・(別紙I)サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書
・(別紙J)就労支援事業別事業活動明細書
・(別紙K)就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙L)就労支援事業製造原価明細書
・(別紙M)就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙N)就労支援事業販管費明細書
・(別紙O)就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙P)就労支援事業明細書
・(別紙Q)就労支援事業明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙R)授産事業費用明細書
別紙H、Iについては、様式の注意書きにあるように、拠点区分資金収支明細書を作成した場合に必要となります。
就労支援事業関係明細書については、「各就労支援事業の年間売上高が5,000万円以下」等であれば、別紙L〜Oの作成に替えて、別紙P又はQを作成すれば足りるとあります。多くの事業所が該当するのではないかと思います。
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平成23年7月27日に出たこの通知に基づいて、平成27年度の予算書作成が実質の期日となりますので、27年度から移行する法人は、経理規程の作成、ソフト選びや拠点の設定等で忙しい時期を迎えていると思います。
このブログでは基準の難しい考えや背景はおいといて、実務上で必要な知識やモデル経理規程を基にした作成について、基準とモデル規程を参照しながら簡単に紹介したいと思います。
経理規程は定款のように準則が出ていたころと違って、現在は自由に作成することができますが、もちろんこの会計基準をはじめ、関係法令の認める範囲でということになります。
拠点やサービス区分については、たぶん一番多い一法人一施設で、社会福祉事業2つ、公益事業1つ、収益事業1つを運営しているケースを想定しています。
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会計基準 第1章 総則 2 一般原則 社会福祉法人は、次に掲げる原則に従って、財務諸表(資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表をいう。以下同じ。)及び附属明細書並びに財産目録を作成しなければならない。(注1) 4 会計年度 社会福祉法人の会計年度は4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。 第6章 附属明細書 2 附属明細書の構成 (2)作成すべき附属明細書は以下のとおりとする。 ・基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書(別紙1) ・引当金明細書(別紙2) ・拠点区分資金収支明細書(別紙3) ・拠点区分事業活動明細書(別紙4) ・その他重要な事項に係る明細書 |
モデル規程(太字は編集箇所) 第1章 総則 (会計年度及び財務諸表) 第4条 当法人の会計年度は毎年4月1日から翌年3月31日までとする。 2 毎会計年度終了後2カ月以内に下記財務諸表及び第3項に定める附属明細書並びに財産目録を作成しなければならない。 (1)資金収支計算書 (2)事業活動計算書 (3)貸借対照表 3 附属明細書として作成する書類は下記とする。 (1)基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書 (2)引当金明細書 (3)拠点区分事業活動明細書 (4)その他重要な事項に係る明細書 |
1.財務諸表について
「毎会計年度終了後2カ月以内に・・作成しなければならない。」この部分については運用指針に次の説明がありますので変更できません。どっちにしても「資産の総額の変更」登記があるので2か月以内に作成する必要がありますが。
・決算に際しては、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表及び附属明細書並びに財産目録を作成し、毎会計年度終了後2か月以内に理事会の承認を受けなければならない。(理事会で承認されるまでは(案)ですね。旧基準と比べて承認に必要なものに付属明細書が追加されています。)
財務諸表の種類はシンプルにしていますが、基準の (注1) で例えば資金収支計算書については、「資金収支内訳表、事業区分資金収支内訳表及び拠点区分資金収支計算書を含み・・」とありますので、この記載にしています。実際に作成が必要な様式は次のとおりです。
(1)第1号の1様式 資金収支計算書(法人全体)
(2)第1号の2様式 資金収支内訳書(事業区分別)
(3)第1号の4様式 拠点区分資金収支計算書(一つの拠点)
(4)第2号の1様式 事業活動計算書
(5)第2号の2様式 事業活動内訳表
(6)第2号の4様式 拠点区分事業活動計算書
(7)第3号の1様式 貸借対照表
(8)第3号の2様式 貸借対照表内訳表
(9)第3号の4様式 拠点区分貸借対照表
2.附属明細書について
附属明細書の種類は基準をコピーします。
拠点区分資金収支明細書を省略していますが、運用指針に「介護保険サービス及び障害福祉サービスを実施する拠点については、拠点区分事業活動明細書を作成する・・、保育所運営費、措置費による事業を実施する拠点は、拠点区分資金収支明細書を作成する・・」とありますので、保育所等を運営している場合は入れ替えてください。また、両方作成しても構いません。
「その他重要な事項に係る明細書」については、運用指針にある次のものを作成する必要がありますが、該当する事由がない場合は省略できます。
(1)法人全体で作成する明細書
・(別紙@)借入金明細書
・(別紙A)寄附金収益明細書
・(別紙B)補助金事業等収益明細書
・(別紙C)事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書
・(別紙D)事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書
・(別紙E)基本金明細書
・(別紙F)国庫補助金等特別積立金明細書
(2)拠点区分で作成する明細書
・(別紙G)積立金・積立資産明細書
・(別紙H)サービス区分間繰入金明細書
・(別紙I)サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書
・(別紙J)就労支援事業別事業活動明細書
・(別紙K)就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙L)就労支援事業製造原価明細書
・(別紙M)就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙N)就労支援事業販管費明細書
・(別紙O)就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙P)就労支援事業明細書
・(別紙Q)就労支援事業明細書(多機能型事業所等用)
・(別紙R)授産事業費用明細書
別紙H、Iについては、様式の注意書きにあるように、拠点区分資金収支明細書を作成した場合に必要となります。
就労支援事業関係明細書については、「各就労支援事業の年間売上高が5,000万円以下」等であれば、別紙L〜Oの作成に替えて、別紙P又はQを作成すれば足りるとあります。多くの事業所が該当するのではないかと思います。
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その2に続く
タグ:社会福祉法人会計基準
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