おいしいね

一昨日の夜から妻とケンカした
今から思うと、些細なことなのだが・・・
その時は、当事者同士は重要なことだったのだろう
久しぶりに、深刻なケンカになった

今思えば、100％私が悪いのだが・・・

昨日も1日中、口を利かなかった
子供達も、当然気付いているので、私たちに妙に気を使っている

私が悪いのだが、謝るのもタイミングがある
男の妙な意地もある

昨日仕事の帰りに、信号待ちをしていると
雨にぬれた車の窓越しに、おしゃれな店が・・・
真っ暗な夜なのに、妙に明るく感じた
仕事帰りで、何気ない信号待ちの雨の夜の街角に
その店だけが、何故か無意識に目に入ってきたのだ
と、体が無意識に動いていて、ハンドルを店先に切っていた

おしゃれな花屋さんだった
”apprivoiser”
不思議な、でもおしゃれな名前の店だ

店に入ると、若いおしゃれな夫婦だろうか・・・

「何かお探しですか？」
「いえ、特に・・・」
「プレゼントでしたら、予算に応じておつくりしますよ」
「ちょっとしたものでいいのですが・・・」
「ちょっとしたと言われても、人それぞれですからねぇ」
「そうですね・・・」
「どなたへのプレゼントですか？」
「妻です」
「奥様の誕生日か何か？」
「いえ・・・」

ケンカしてしまって・・・と言いだそうとすると
私の気持ちを悟られているのか

「ポインセチアはどうですか？」

あまり気張って高価な花束も変だし
あまりに貧相な花でも謝罪にはならないだろうし
BESTチョイスだった
私の懐具合まで見透かされているようで
ちょっと恥ずかしかったが、気持ちの良い会話だった気がする

妻に花を買うなんて、何年振りだろう・・・
けっこう、いいものである

夫と妻である以前に男と女でいたいと、
結婚前に話していたことを、思い出した・・・

家に着いた私は、ちょっと恥ずかしかったが
「ごめんな」
と言って、大きな鉢植えを妻に渡した

「ちょっと、いくらしたの