2017年05月29日
相続税の障害者控除
最近、母の兄が亡くなり未婚で子供もいなかったため、第三順位の母たち兄弟姉妹3人に財産が相続されました。その際、3人に合わせて相続税が20万円かかる事になりました。相続されたものは不動産などお金に変えにくいものでなく、全て現金や証券などであったため比較的相続税の20万円は払いやすかったと思います。
しかしこの相続税、法定相続人の中に身体障害者がいた場合は控除されることがあります。
身体障害者といっても軽度なものは除外されますが、私の母は障害等級2級のため特別障害者となり控除の対象となったのです。
控除の計算方法
特別障害者の場合:(満85歳−現在の年齢)×20万円
その他の障害者の場合:(満85歳−現在の年齢)×10万円
この計算で出た金額分相続税が控除されます。
この計算方法は平成27年度に優遇されるほうに変更されました。以前は特別障害者の場合は12万円、その他の障害者は6万円を掛ける計算式になっていました。
また1年未満の期間は切り上げで1年として計算していいようです。
この控除は身体障害者本人が対象となりますが、もし相続税額より控除額が少なく引き切れない場合は、引き切れなかった金額を障害者の「扶養義務者」の相続税からも引くことが出来ます。
扶養義務者・・・・配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者
母の場合、
控除額=(満85歳−母の年齢80歳)×20万円=100万円であったため、法定相続人の相続税20万円全てが控除されました。
注意点として、以前の相続でも同様の障害者控除を受けていた場合は控除額が制限されるようなので、くわしくは税理士に相談する必要があります。
詳しくは国税庁ホームページの「障害者の税額控除」を参照してください。
今回相続の手続きは、母の姉が税理士にお願いしてやってもらっていましたが、その際税理士に「法定相続人に身体障害者がいませんか」と聞かれていたようですが「いない」と回答していたようです。
母と母の姉は、それぞれかなり高齢で住所も遠距離でもあるので普段の付き合いもほとんど無く、母が身体障害者であることも知らなかったうえに我が家に聞くこともしなかったのです。
全ての手続きや計算が終了し、相続税の支払いに関する書類が送られてきてから、たまたま相続に関して法令を調べていたときに私が気付いたのです。
すぐに、担当頂いた税理士に直接連絡し確認したところ、改めて計算され結果的に母だけでなく兄弟姉妹3人とも相続税は0円となりました。
知らなければ支払う必要の無い税金を納めるところでした。
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