2016年11月07日
有識者会議 ≪生前退位、賛否割れる≫ 特例法・典範改正2段階論も・・・専門家の聴取開始・・・
天皇陛下の生前退位をめぐる政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は7日、首相官邸で3回目の会合を開き、関連分野の専門家からのヒアリングを開始した。
生前退位を認めるかどうかについて、同日意見を述べた5人のうち3人が高齢など一定の条件の下に容認、2人が反対の立場を表明。賛否が割れる形となった。
容認論のうち2人は、特例法制定と皇室典範改正の2段階による法整備を主張した。
ヒアリングは3回に分けて行う予定で、初回の7日は皇室制度や歴史の専門家が主な対象
平川祐弘東大名誉教授(比較文化論)、古川隆久日大教授(近現代史)、ノンフィクション作家の保阪正康氏、大原康男国学院大名誉教授(宗教学)、所功京都産業大名誉教授(日本法制史)の5人が招かれた。
生前退位に容認の考えを示したのは古川、保阪、所の各氏。古川氏は世論の理解があることなどを条件に「生前退位を認める余地がないわけではない」と指摘。
保阪氏は、年齢など客観的な基準を設けた上で天皇の意思や国民世論を踏まえて退位の是非を判断する機関を政府に置く必要性を訴えた。所氏は年齢のみを理由とする「高齢譲位」を認めるよう主張した。
これに対し、平川氏は「陛下が(公務に対する)完璧主義を前提として、憲法にない生前退位を示唆されたのはいかがなものか」として、摂政の設置などで対応すべきだと表明。
大原氏は、「陛下の『ご存在』の継続そのものが『国民統合』の要となっている」と強調し、高齢により国事行為の遂行が難しい場合は摂政を置けるよう皇室典範を改正すべきだとの見解を示した。
退位の制度化については、保阪氏は将来の典範改正を前提とした特例法での対応を主張し、所氏も2段階論を展開。古川氏は典範改正が「適切」と表明した。
ヒアリングは、5人から事前に提出を受けた書面を基に、1人につき約30分かけ、専門的な見地から意見を聴いた。
テーマは天皇の役割や公務負担の軽減、退位の制度化など8項目。14日にも皇室制度と歴史などの専門家6人、30日には憲法などの専門家5人を対象に実施する。
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