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2022年06月03日

ワークショップ「批判的思考力を鍛える」第3回 6/18(土)20:00@オンライン

大学生、研究者、ビジネスマンに必要な批判的思考のためのスキルを最短で学習


まちづくり.png


【初心者向け】ブログの始め方完全ガイド!立ち上げから収入を得る方法まで


先日、初めて開催したワークショップ「批判的思考力を鍛える」。「批判的思考」て、どう使うのか、疑問に思った人は多いのではないでしょうか?先日のワークショップで利用した教材を公開したいと思います。今回も同じ資料を使う予定ですので、参加を希望される方は、ご一読ください。

ポスト・フォーディズムの時代に重要性を増す「批判的思考力」

先日、NHK「マイケル・サンデルの白熱教室2022」を視聴しました。米国・中国・日本のエリート学生達が討論という番組の趣旨ですが、日本人だけ発言量が圧倒的に少なかったことが、とても残念でした。「英語だからではないか」と思う人がいるかもしれません。しかし、東京大学に留学している中国人学生も含めて、中国人は全員英語で発言していましたが、日本人だけは日本語で発言していたので、語学のハンディキャップはなかったはずです。

「マイケル・サンデルの白熱教室2022」再放送予定
https://www.nhk.jp/p/ts/89LY2ZQ6RK/schedule/

投票行動において、各政党が掲げる政策の評価や、情報化社会の中で氾濫する情報を選別するために「批判的思考力」は不可欠です。一方、ビジネスの世界でも産業構造の変化により、エリート層だけでなく、一般労働者に求められる「批判的思考力」も重要性を増しています。

工場で規格品を大量生産して販売する「Fordism」は20世紀後半には終わりを迎えていました。いわゆるポスト・フォーディズム(post-Fordism)&知識経済(The Knowledge Economy)の時代に移行したわけですが、ここで重要な役割を果たすのが批判的思考力です。

post-Fordism
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/post-fordism

the idea that modern economies are based on service industries, information technology, and products designed for particular needs, rather than on mass production (= producing large numbers of the same product)


急速に進むグローバルな知識経済化への対応は教育界・ビジネス界にとって、喫緊の課題となっています。「批判的思考」のスキルを更に鍛えるため、欧米では多くの幹部候補生が大学院に進学するのが当たり前になっています。海外の有力企業の研究開発部門や調査部では、博士号を持っている人材が多数を占めています。ところが、日本では、中等教育、大学教育、ビジネス界において、批判的思考を十分に理解するために必要な教育を提供していません。日本を取り巻くビジネス環境が劇的に変化している中で、いまだにOJTでこの変化を乗り切れると信じている日本の企業は少なくありません。しかし、上記の番組で見られたように、日本ではエリート教育を受けた人でも、批判的思考を身に着け、それを使える人はごく少数です。

そこで、改めて、批判的思考を獲得するための講座&ワークショップ@オンラインを用意しました。講座で提供される内容は「論文・報告書を書く」「交渉・議論をする」「イノベーション」といった、今後のビジネス、アカデミック界には必須のスキルです。

批判的思考とは何か

2019年「PISAショック」という言葉が教育界を駆け巡りました。2018年のOECDの国際学力調査(PISA)で日本人生徒の「読解力」の成績が前回の8位から15位に急降下したからです。原因はPISAの読解問題が「批判的思考」を問う形式に変化したことが理由のようです。OECDの文書は日本の生徒の読解力の結果を以下のように総括しています。

◆読解力の問題で、日本の生徒の正答率が比較的低かった問題には、テキストから情報を探し出す問題や、テキストの質と信ぴょう性を評価する問題などがあった。
◆読解力の自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに、引き続き、課題がある。

OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

また、今回、日本人の生徒の読解力のテストの成績が芳しくなかった理由は日本の中等教育の指導内容にあると専門家は指摘しています。

PISA「読解力」15位の要因を探る-原因の特定と改善の方向性
https://kokugonote.com/post-5214/

「今回OECD加盟国の平均正答率を日本の子どもが10ポイント以上下回った設問が「読解力」では14題あったが、その中の9題が「評価し、熟考する」ものだった。…読解力低下の主要な原因は、日本の国語の授業のあり方にあると考える。今回特に重視された「質と信ぴょう性を評価する」「矛盾を見つけて対処する」ことを大事にするような国語の授業が、日本ではそもそも極めて少ないということが大きく関わる。」

しかも、教師自身が「これまで文章や作品を評価的批判的に読み、それに基づいて自分の見解を表現するという学習をしてきていない」のですから、事態は深刻です。以下のリンクから、2018年のPISAの読解力問題を見ることができます。

OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)
Programme for International Student Assessment
〜 2018 年調査問題例〜読解力問題
令和元(2019)年 12 月
文部科学省 国立教育政策研究所
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/04_example.pdf

上記の試験には「意見」と「事実」を分ける問題や同じテーマの3つの異なる資料を読み込んで、ある現象の原因について答える、という問題が含まれています。この問題に答えるためには、種類の異なる情報を評価するリテラシー、それらの情報をもとに自己の意見を論理的に述べる「表現力」が必要です。そして、これらの能力は、今後のグローバル社会で生きていく上で、必須のスキルです。この度、新しくこの課題に対応したワークショップを用意しました。

ワークショップ「批判的思考力を鍛える」第3回 6/18(土)20:00@オンライン

以下、ワークショップを2部に分けました。別々に受講することが可能です。

日時: 2022年6月18日(土)20:00〜22:00
場所: オンライン
費用: 3,800円〜 チケット・サイトでご確認ください


[Uniti1]批判的思考力とは何か:基礎編(20:00-21:00)

1. 批判的思考力を鍛えると何が出来るようになるか

2. 批判的思考を実践するプロセス

3. 批判的思考を実践する為に知るべき考え方


[Unit 2]批判的思考力を鍛える実践編1(21:00〜22:00)

資料が多いので、時間が許す限り、内容について参加者と議論します

1. 日本語資料(記事もしくは研究報告)をもとに批判的思考を鍛える

【論壇時評】7月号 公徳心と規律高い「日本モデル」産経新聞論説委員・岡部伸
https://www.sankei.com/article/20200625-EBV72X4QT5JRFP3RS7UX2B2WDE/

「希望出生率 1.8」を いかにして実現するか、明治大学 加藤彰彦@一億総活躍社会に関する意見交換会@官邸 2015年11月 
https://hugepdf.com/download/pdf-5b35f91b40e91_pdf

2. 英語資料(記事もしくは研究報告)をもとに批判的思考を鍛える
日本語への翻訳記事・関連記事も含む

Do Video Games Improve Well-Being?
https://learningenglish.voanews.com/a/do-video-games-improve-well-being-/5666475.html

日本の核武装、ウクライナ侵攻が後押しとなるのか(2022年3月30日)ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ、BBCニュース(東京)

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60872497

「核兵器・核開発」をNHK政治マガジン記事で深掘り | NHK政治マガジン

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/tags/27/

チケット

以下のYahooチケット・サイトから、もしくは銀行振り込みで、お申し込みください。

ワークショップ「批判的思考力を鍛える」第3回 6/18(土)20:00@オンライン
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01jmtdhgcud21.html


【銀行振り込み】

申し込みはYahooチケットの他、銀行振り込み/事務所にて支払いでも可能です。全ユニットを銀行振り込みでお申し込みの場合、参加費を200円割引します。初回のみ申込用紙を以下のサイトからダウンロードして振り込みをお願いします。一度設定すると後は申込書無しで銀行振込+電子メールで参加日の連絡を頂くだけで申し込みが可能になります。

https://www.global-agenda-21c.com/contact

【参加費】

オンラインサロン&ゴールド会員、有料ニュースレター購読者は会員価格で参加できます。チケットサイトでご確認ください。

質問のある方は、下記からご連絡ください。

グローバル・アジェンダ:問い合わせ
https://www.global-agenda-21c.com/contact

【チケットの発行】

参加申し込みをした方にはGoogle Meetの会議の招待状と設問を送付します。オンラインでは、通信上の問題が発生する場合がありますが、不具合の場合、次回無料で参加できます。キャンセルの場合も次回への振り替えになります。

【場所】 

オンライン(インターネット接続+マイク付きイヤホン+PCもしくはタブレットorスマホ+Gmail アカウントを準備願います)

メインでは以下のオンライン会議システムを使います。

Google Meet (Gmailとリンクしています)
https://meet.google.com/


【注意事項】

できるだけ、マイク付きイヤホンをご用意ください。音が反響せず、聞き取りやすくなります。また、可能であればLANケーブルでつないだ方が通信が安定します。

オンライン・サロン

現在、「Global Newsについて語ろう」「WritingCafe」の2つのオンライン・サロンがあります。
https://www.global-agenda-21c.com/onlinesalon?lang=ja

このワークショップに関心のある方は以下のニュースレターに登録していただくと案内が届きます。

【英語で学ぶ現代社会】を無料ニュースレター@Revueで購読しませんか?
https://www.getrevue.co/profile/GlobalAgendaKobe

参加申込はYahooチケットサイトからになりますが、詳細はnoteで発表します。またPeatixでもイベントのお知らせをしますので、この二つのアカウントのフォローをお願いします。


【HP】   http://www.global-agenda-21c.com/

【note】  https://note.com/globalagenda

【Peatix】 https://globalagenda.peatix.com/


「朝英語の会」@大阪&神戸の過去の活動についてごらんになりたい方は以下のブログ記事でご確認ください。
https://www.global-agenda-21c.com/blog


【講師】

Dr. Kuniko Shibata
グローバル・アジェンダ 代表
『朝英語の会』梅田&神戸〜The Japan Times 紙記事について議論する, リーダー

【講師の略歴】

The London School of Economics and Political Science (LSE) 博士課程卒業, PhD in Regional Planning. 日本の大学を卒業後、営業職から米国への語学留学、大手外資系企業の役員秘書職を経て、英国の大学院で公共政策(地域都市政策)の博士号を首席(Distinction)で取得。米国のロータリー財団と南オーストラリア州政府からフェローシップを得て、カナダのThe University of British Columbia、豪州のThe University of Adelaideの都市政策研究科に客員研究員として留学。主に国際学術雑誌及び欧米の出版社から研究成果を発表。論文は国際学会での受賞等、海外で高い評価を得ている。過去25年間、国内外で政府、シンクタンク、大学、企業等の依頼を受け、公共セクターのリサーチャー並びにコンサルタントとして政策研究及び市場調査に従事する。都市計画、地域振興、観光/文化、環境/エネルギー、医療/介護福祉、コンプライアンスなど幅広い分野をカバー、白書や政府委員会レポート等の執筆、外国政府・企業関係者との交渉を引き受けてきた。現在は、関西を拠点に政策調査、日本企業の海外展開支援及び調査コンサルティング事業、海外企業の日本市場におけるマーケティング及び販路開拓支援、グローバル人材教育事業を手掛けている。


「論文・レポートの書き方」参考記事

また「論文の書き方」に関しては以下の記事も参考になると思います。

アカデミック・ライティング: なぜ訓練が重要なのか
https://note.com/globalagenda/n/n2589ef5f9d01

【論文の教室】盗用・剽窃に関する注意
https://note.com/globalagenda/n/n3e478782ff05

「論文の自己評価について」【論文の教室】大学生・社会人のためのレポートの書き方
https://note.com/globalagenda/n/n529c7d979be0

大学の役割:研究機関 vs 教育機関
https://note.com/globalagenda/n/n33ec227fe51a

さらににライティングのスキルをアップされたい方は以下のサイトも参考にしてください。

[WritingCafe] 英語論文アカデミック・ライティング・グループ
https://globalagenda.wixsite.com/writing



2022年03月26日

知識経済と覇権国家:グローバル経済の原点から考える

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知識経済(”Knowledge Economy”) へのシフトが叫ばれてから半世紀以上が過ぎようとしています。そのスピードが加速したのが80年代後半から90年代にかけてだったように思います。その間、日本は過去の成功神話に拘るあまり、教育や雇用制度の改革において、何一つ際立った成果を収めることなく、30年以上が過ぎ去りました。この状況で、日本人が現在に至るまで「批判的思考の訓練」「専門家教育」「成人教育」そして、これらの「教育投資に見合った雇用制度」に、真剣に取り組んでこなかったことが日本経済の未来を危うくしています。

この短いエッセイでは、最初に専門家教育と大学の役割についての議論を取り上げます。次に、欧米列強諸国が領地を拡大、植民地を維持してきた「帝国主義」と「グローバル化」には、社会科学も含む近代科学が大きな力を発揮したこと、そしてその力の源泉になったものが、宗教や伝統に縛られない思考を促す「批判的思考」であったことを解説したいと思います。最後に、近年「知識経済」躍進の原動力となった新しい知的エリートが世界経済を動かしていること、日本人がそれに向き合わない限り、到底「イノベーション」を生み出せないと確信していることについて説明していきます。正式な論文ではないので、議論がまとまっていない箇所もありますが、皆さんが、自分自身の、そして日本の未来を考えるうえで、参考にしていただければ幸いです。

専門家の資質と役割

ロシアによるウクライナ侵攻が続き、戦闘は激しさを増しています。連日、日本でもTV等での報道が続いていますが、旧共産圏地域の政治、歴史、外交問題に詳しい専門家は少ないようで、同じ顔触れの専門家が各局をはしごしながら、解説を担当しています。そんな中、メディアでも自前で信頼性の高い情報を発信できるように、大学院卒業者を増やすべきではないか、との大学教授の意見がSNSで注目を集めました。

https://twitter.com/2000grips/status/1501367700609634307

「一つの意見として聞いてください。今回の事態で、メディアの大切さが改めて実感されていると思います。日本のメディアが生き残りたければ、社員のレベルアップが必須です。今の日本の学卒レベルの政治・経済の知識で、現在の社会情勢に太刀打ちできるとは思えません。」

この意見に賛成する人々がいる一方、反対する人も数多くいました。特に驚いたのが「大学院で勉強しても現場では使えない」とか「金持で世間知らずのボンボン」「高学歴者の傲慢」とかいうステレオ・タイプの偏見です。現実は、野口悠紀雄教授他多くの専門家が指摘するように、グローバル社会はこの数十年「知識経済」に大きくシフトしており、日本と諸外国との格差は広がる一方です。

「低学歴国日本」の大学進学率は韓国の3分の2、なぜこんなに低いのか | 野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る
https://diamond.jp/articles/-/298482

知識経済及び専門家教育に対する日本と世界の乖離を表す重要な語彙が、英語のProfessionalです。実は、Professionalという語彙は日本語の「プロフェッショナル」とは、ずいぶん違う意味で使われることの多い言葉です。

Professional
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/professional

辞書で調べてみると、日本でいうアマチュアの反対語の意味の「プロ」という意味以外には、以下のものがあり、日本以外では、主に「大学や大学院で高等教育を受けた専門家」という意味で使われることが大半です。以前は活発であった英語圏の新聞や雑誌のclassified ads(個人広告)欄で「家のシェアメイト」や「恋人求む」といった広告の条件で「Professional」という語彙をよく見かけたものです。

1. relating to work that needs special training or education:
2. having the qualities that you connect with trained and skilled people, such as effectiveness, skill, organization, and seriousness of manner:
3. having the type of job that is respected because it involves a high level of education and training:

この語彙が欧米で指しているのは、最低でも大学卒(殆どは大学院卒)の専門家でなければ企業で幹部候補生にはなれない現実です。階級制度といったものではなく、社会が複雑化し過ぎて、そういう人物でなければ、現代社会の諸問題を理解し、処理することが難しくなっているという世界の実情を表しているだけです。私も野口教授と同様に、日本のあらゆる分野でイノベーションが進まず、他のアジア諸国にも追い抜かれてしまったのは、高等教育の軽視と悪しき「平等主義」が招いた必然の結果だと思います。

大学院卒は「勉強だけ出来て現場では役に立たない」という意見も、日本人が大学院卒の学歴を持つ人を正しく使っていないだけだと思います。私が海外で見たのは、この言説とは真逆で、専門知識で武装した人が圧倒的に交渉に強く、学部卒の日本人は交渉の為の議論にも参加できない、という現実でした。しかも、日本では大学卒であっても、専門教育は2年間しかなく、そのうちの多くの時間が就職活動の為に使われています。ちなみに、一般教養科目のない英国の大学の学部では専門科目だけを3年間学びます。

東洋経済特集号でノーベル経済学賞受賞者の吉野彰氏が脱炭素関連の国際規格を決める国際会議で日本には「交渉のプロ」がいないことを嘆いていました。担当官庁の官僚は大学院で専門教育を受けていない人が大半なので、交渉の場で優位に立つことは難しいと思います。

エネルギー危機が来る | 持たざる国 日本に大激震
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28844

近代科学と覇権国家

そして、歴史を振り返ってみると、欧米列強が科学の力を駆使して「帝国」を築いたのは、単に軍事力による支配だけではありません。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」第15章「科学と帝国の融合」に詳しく書かれていますが、欧米列強国は他国の文化や社会を徹底的に研究する「地域研究」を始め、近代科学(人類学、社会学、地理学、考古学、経済学、言語学等)をフルに活用し、植民地経営を続けてきました。

サピエンス全史 下 :ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田 裕之|河出書房新社 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309226729/

海外の研究者による「日本研究」も「帝国主義」がその出発点です。私は、日本の近代史や社会科学の知識は海外で、英語で勉強しました。日本人が日本語で書いた「日本に関する研究」よりも、自分の論文執筆には外国人による日本研究のほうが大いに役立ちました。理由は主に二つあったと思います。

@日本人なら見落としがちな視点から書かれている
A批判的思考に関する訓練を日本人研究者より多く受けているので、研究課題のフレームワーク作りが巧み

特にAに関しては、欧米式の中等教育を受けてこなかった、多くのアジア人学生が英語圏の大学で苦戦しているのを目の当たりにしました。

大学の役割:研究機関 vs 教育機関
https://note.com/globalagenda/n/n33ec227fe51a

知識経済と批判的思考

帝国主義がその起源であったとは言え、何世紀にもわたる学問的積み上げがあるために、欧米の大学を中心とする研究機関は必然的に質の高い研究成果を出し続けることができるのだと思います。そして、欧米諸国の近代科学の発達と近年の知識経済の深化に欠かせないスキルが批判的思考力です。

ところが、内容が刷新された近年のOECDの学力調査で、日本の義務教育において、批判的思考力を養うための指導が大幅に不足していることが明らかになりました。経済協力開発機構(OECD)が、2018年に実施した学習到達度調査(PISA)で、日本の高校1年生の読解力は15位となり、8位だった2015年の前回調査から大幅に低下しました。新しい読解力テストには、複数の文書から、必要な情報を取り出したり、意見と事実を分けて考えるなど「批判的思考力」のスキルを問う問題が含まれていたからです。

日本の子どもの「読解力」8位から15位に急落――“PISAショック”をどう読み解く?
https://bunshun.jp/articles/-/16944

下記のようにOECDが定義する「読解力」は日本の「国語教育」とは、随分と趣旨が違うものであり、日本の生徒が好成績を残せなかった理由が理解できると思います。

 <OECDの読解力の定義> 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと。


一方、AIやデジタル化の進化など、今後は更に知識経済が発展することを考えれば、日本の教育が今のままでよいはずはありません。青少年だけでなく、充実した成人教育の必要性がますます高まっています。批判的思考力を、確実に効率的に伸ばす方法が大学院などで更なる高等教育を受けることです。しかし、取り急ぎ「批判的思考」のエッセンスだけでも身に着けたいという人のために以下の講座を作成しました。

ワークショップ「批判的思考力を鍛える@オンライン」第1回4/2(土)19:30〜|Global Agenda
https://note.com/globalagenda/n/n1b214e6bacb8

教材を変更しながら、今後もワークショップを開催していきたいと思います。皆様の参加をお待ちしています。

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2022年01月27日

「本物の英語力」て何?

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WritingとSpeakingを両方学びたいならベストティーチャー(Best Teacher)



「英語教育」の必要性が何年も叫ばれているのに、なかなか「本物の英語力」を身に着けることがができない日本人はごまんといます。それは、なぜでしょうか。ツィッターの発信から考えてみました。今更ですが、あまりに現状が変わらないので、記事を書いてみました。その理由は,ずばり「学習目標の問題」「目標にあっていない学習法」「学習量の不足」です。

https://twitter.com/GlobalAgendaKB/status/1485944815435268097

日本の英語教育

「英語独習法 」でも、日本では「何日間で英語がペラペラになる」みたいな本ばかりが売れ、自分が到達したい英語のレベルを意識していない人が多い、と著者は言っていました。

https://www.iwanami.co.jp/book/b548866.html

「英語独習法」の著者、今井むつみ氏は、英語学習者が目標とする英語レベルは大きく分けて母語の「1. 小学生」「2. 高校生」「3. 仕事・研究で使える」の3段階くらいがある、といいます。しかし、彼女は日本人の英語学習者でこの目標を考えて勉強している人は少ないと分析しています。

私の観察では、多くの日本人の英語学習者は2の高校生レベルか、できれば3の専門職業人(英語でいうところのProfessional*)、或いは研究者として英語が使えるレベルになりたいと思っているようですが、1の小学生レベルの英語学習(英会話)の勉強しかしていない人が多いのではないかと思っています。英語教育者によると、TOEIC満点レベルは英語圏の12歳の人の英語力とほぼ同等だそうです。

あたりまえのことですが、日本の高校生レベルの内容の発言を英語でも発信したかったら、そのレベルの知識の英語語彙と教養は必須です。そのために必要なインプットを飛ばして、英語圏の高校生レベルの英語を書いたり、話せると思っている日本人は多い、と思っています。

英語圏の高校(3年)生レベルの発言とはどのようなものか、以下の「CNN10」のニュースは米国の高校1年生レベルなので、これよりやや高いレベルだと思います。

Global Inflation Fears | May 20, 2021
https://edition.cnn.com/2021/05/19/cnn10/ten-content-thurs/index.html

本物の英語力


英語教育法に関しては、変遷がありますが、自分の経験や様々な専門家の意見を総合すると、「本物の英語力」=「英語圏の高校生以上の英語力」を得るには以下の3つが必要です。

1. 語彙・文法等のスキル

2. 語るべき内容

3. 伝える力


上記のリストでは、純粋な「英語」スキルは1だけで、2は専門知識や教養、時事問題などの「コンテンツ」、3は英語のロジックやレトリックを理解して、自分の意思を伝える力、と言えるでしょうか。日本人がよく受講している場面ごとを想定した「英会話」の練習は、「想定内の会話」には対応可能ですが、実際のコミュニューケーションは「想定外」だらけです。この想定外のハードルを越えられない、そして英語で「語るべき内容」の語彙や表現を知らないから、低い英語力に留まっている日本人が多いように思いました。

本物の英語力を身に着けるには上記の語彙・文法のスキル以外に、自分が必要とする「コンテンツ」を学ぶこと、それを伝える力を身に着けることが重要だということを以下の著書は説明しています。

本物の英語力
著者:鳥飼 玖美子

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210839

グローバル・アジェンダが主宰する講座は、グローバル化する現代社会で生活するために必要な「コンテンツ」と「英語の発信スキル」を同時に学ぶことにより「本物の英語力」を身に着けるためのワークショップです。実際、コースの参加者の英語力は飛躍的に伸びています。

以下レベル別に複数のコースを用意しています。

英語中級者向けワークショップ

【無料】「新・日本の論点:Japan Today and How It Got This Way」説明会−1/29 & 2/5(土)20時30分@オンライン|Global Agenda
https://note.com/globalagenda/n/nd793f0d3beca

【無料】「SDGs英語ニュースについて議論する」説明会 1/29(土)&2/5(土)21時@オンライン|
https://note.com/globalagenda/n/n62756bd5b44a

英語で議論:The Japan Times活用法|Global Agenda
https://note.com/globalagenda/m/m5d010be5e949

英語上級者向けワークショップ

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会|
https://note.com/globalagenda/m/mb6e6207ceae6

*Professionalとは
relating to work that needs special training or education
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/professional

上記にご案内したように、2022年2月終わりから複数の新しいコースが始まります。ぜひ、貴方も試してみませんか?

英会話無料体験実施中


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タグ:英語学習

2021年11月19日

なぜ、学ぶのか?世界で通用するための「これからの学び方」

オンラインで徹底指導!3か月で生きたビジネス英語を。【BizEnglish】


現在、「Global Newsについて語ろう!」で使用しているCNNのテキストを出版している朝日出版社から無料セミナーの案内がありました。私が英語学習に関してタイトルの通りだなといつも思っていることだったので、ご案内したいと思います。

【無料オンラインセミナー】

英語のテキストがあまた出版され、いまや、日本では、小学校から英語を学ぶ時代になりました。幼児の頃から英語を学ばせている家庭も少なくありません。それでも、一般的な日本人の英語力が低いのはなぜなのでしょうか。この講演会の講師たちが主張するように、英語だけ勉強しても、旅行などの会話はともかく、仕事や学業レベルで英語を使えるようにはなりません。また、親しい友人を作るだけの英語力も身につきません。英語力とセットで論理的に物事を説明できる教養、そして、自分の感情や意見を言語で伝える技術を獲得しなければ、語学学習は完成しません。

ー英語だけ勉強しても力がつかない時代にどう学ぶべきかー
『CNN GLENTS』第2回テスト公開記念 英語力向上セミナー2021

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000038445.html

◆講演日時
11月27日(土)14:00〜16:00 (オンライン)


◆こういったお悩みをお持ちの方にお薦めの内容です
・英語力を高めたい。
・生きていく上で、知的好奇心の高まりをいかに刺激していくのか。
・英語力と共に、土台づくりとしての背景知識や教養を高めていくにはどうしたらいいのか。
・なぜ学ぶのか。そして、社会人になっても学び続けなければならない意義とは。
・なぜ高校・大学に進学するのか。なぜ国公立大学なのか。海外大学に進学する意味とは。


◆参加方法
こちらのURLからお申し込みください。
https://bit.ly/cnnglents211127

世界哲学の日

また、これとは別ですが、11月の第3木曜日は国連(UNESCO)が定める「世界哲学の日」だそうです。2021年は11月18日(木)です。詳細に関しては以下のHPに説明があります。

United Nations
World Philosophy Day
18 November 2021

https://www.un.org/en/observances/philosophy-day

私は[世界哲学の日]に合わせて、フランス大使館が発信したツィートに唸ってしまいました。そこには,こう書かれています。

https://twitter.com/ambafrancejp_jp/status/1461239125009338369

「2021度のバカロレア試験(大学入学資格試験)において、生徒達に出題された問題を3つ紹介します」

--議論とは、暴力を断念することか?
--知るとは何も信じないことか?
--無意識はあらゆる認識の形式からの逃避か?


私は、10代からこういうことを考えさせるフランスの教育制度が羨ましい,と思いました。「世界哲学の日」を設定した理由をUNESCOは次のように説明しています。

「For UNESCO, philosophy provides the conceptual bases of principles and values on which world peace depends: democracy, human rights, justice, and equality.  
Philosophy helps consolidate these authentic foundations of peaceful coexistence.」


私が知っている範囲で、多くのアジア人が海外でコミュニュケーションを図るときに苦戦していたのは、この部分だったように思います。理由は教育制度の違いですが、グローバル社会があたりまえになった今、日本人も英語学習においては、民主主義、人権、平等、公正さについてオープンに議論するスキルを身に着ける必要があると思います。



タグ:学び方

2021年02月03日

大学の役割:研究機関 vs 教育機関

Twitter上で以下の「高校生気分が抜けない大学生を叱る」投稿が話題になりました。この投稿を見て海外留学時に感じた大学の在り方に関する異文化間での認識の違いを思い出しました。「大学の役割」とは何か?学生が大学に期待する「価値」や「サービス」の異文化間あるいは価値観の違い、大学・教員が学生に期待していることの異文化間のギャップについて書いてみます。この記事は、これから大学院に進学予定の人、あるいは海外留学、特に大学&大学院で学位の取得を目指している人の参考になると思います。

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日本を出て、海外で学位取得を目指す人が増えています。特に近年、顕著なのは博士課程への留学です。海外の大学院の博士課程は入り口は割と楽ですけれど、入ってからが大変です。自分も含めて周囲のPhDの学生はみんな入学してから辛酸を舐めました。日本の大学の方が教育に力を入れているので、学生の面倒見は良いように思います。英語圏の大学では、特にメンタルをやられる人が多くて、カウンセリング室は予約が満杯だったことを覚えています。ただ、これは博士課程だけではなく、海外の名門校にはよくある話だと聞きました。世界から秀才が集まってくるような大学だと、競争も激しく、自分よりも優秀な学生も多い、授業や課題の内容も難しい、ということでメンタルに不調をきたすようです。名門大学に留学することの辛さはあのモーリー・ロバートソン氏もTV番組で告白しています。

モーリー・ロバートソンが母校ハーバード大を訪問 タフな学生生活を振り返る「生き抜いてよかった場所」 https://www.ntv.co.jp/anothersky2/articles/2189gjzb6edv7v2rbqx.html

これには大学に求められる役割の違いもあります。英語圏の大学、特に大学院は研究機関としての位置付けが強く「日本の大学=教育機関」とはかなり意味合いが違うと思いました。学生は(研究者としての)自立を求められるので、アジア系の学生でこの文化についていけない人々は時々見かけました。学生のケアは教員ではなく、カウンセリング室や学内の別の組織が担っているのが一般的だったようです。

私は日本と海外の両方の研究者をツィッターでフォローしていますが、日本の大学教員の方々が授業や学生のことに関して割合、頻繁に呟いているのに比べ、海外の大学の教員は自分の研究のことが中心で、学生や授業について言及している人はほとんど見かけません。これは学内の様子を反映していると思いました。

先日Clubhouseに集まっていた米国留学中の大学生が「卒業後は日本」と言っていたのは、こういう孤独や自立を求めらる米国の大学の文化が性に合わなかったのではないかと思います。博士課程でいえば、具体的な研究テーマを指導教官が示唆してくれないことが、アジア系の学生にはきつかったようです。

また、アカデミック・スキルに関する異文化間の教育レベルのギャップの問題もありました。英語圏の大学の教員は博士課程に所属するアジア系他留学生が本国でCritical Thinking やアカデミック・ライティングの基礎訓練を受けていることを前提として接していました。しかし、彼らが自明の理として考えている教育はアジア圏では異質のもので、このギャップを埋めるのに苦労している学生を数多く見かけました。実は博士課程を途中で退学しなければならないケースで多かったのが、経済的理由以外ではこのCritical Thinkingの要件をクリアできなかった場合が多いように思いました。特に米国はMPhilからPhDへの移行試験が厳しく、ここで脱落する人がかなりいるようです。

また、論文の執筆には日本語・英語を問わず、論理的思考・叙述の訓練を受ける必要があります。日本人は基礎教育、大学教育双方でライティングに関して学習する機会が殆どありません。上記の記事でモーリーさんもハーバード大学での論文執筆の難しさに言及しています。これは大きな問題です。以下の記事で詳細を説明しました。

アカデミック・ライティング: なぜ訓練が重要なのか
https://note.com/globalagenda/n/n2589ef5f9d01

今、開いている複数の講座は自分自身が「博士課程を始める前に知るべきだったこと」を伝えるために、自省も込めて主宰しています。以下はこんなコミュニティが欲しかったという思いから企画しました。

[Writing Cafe] 英語論文&アカデミック・ライティング・グループ―説明会第4回&ワークショップ@オンライン 2/20(土)20時〜
https://note.com/globalagenda/n/ndb916f0e4160

これからも研究や論文に関する情報発信を続けますので、ご関心のある方はフォローをよろしくお願いします。



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