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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
    4-1-2. 経済実態指標
     (a) GDP速報値
     (e) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a1) FOMC政策変更時
     (a2) FOMC政策変更直前
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 設備稼働率
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) 独国ZEW景況感調査
     (c2) 独国Ifo業況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) 製造業PMI
     (c2) サービス業PMI
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期消費者物価指数
     (e1) ANZ広告求人件数
     (e2) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易統計
     (c) 小売売上高
     (d) 住宅ローン件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
ーーーーーーーー

DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


外為ジャパン

キャッシュバック条件はDMM.comと同じ。0.1枚単位から取引可能で、ドル円中心の取引ならばスプレッドも原則0.3銭と安い。最初に口座開設したり自分で手法研究するために良いと思います。


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


ライブスター証券

特徴は、スワップポイントが業界最高水準、証券口座とFX口座との間でリアルタイム資金連携。株とFXと両方やる方にお薦めです。



外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2018年11月08日

米国金融政策「変更直前FOMC」発表前後のUSDJPY反応分析

米国金融政策発表時(FOMC声明発表時)の反応分析では、「市場予想通り現状維持」か「市場予想通り変更」の2通りがあります。米中銀(FRB)は市場との対話を重視しており、「市場予想に反した」事例がここ最近ありません。

もしFRBが市場を裏切らないならば、市場予想が間違わないように誘導する機会は、政策変更を行う1回前のFOMCが最後です。そこに注目した分析が成り立つほど、FRBは市場予想を裏切りません。

本稿は、政策変更が行われる1回前のFOMC声明発表前後の反応方向を分析することによって、そのときのUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

2014年6月〜2018年10月までの間に、FOMC声明は35回公表されています。この間、FRBは「市場予想通り利上げ」を計8回行いました。本稿の分析対象は、この8回のFOMC会合のひとつ前の会合8回についてです。

ーーー$€¥£A$ーーー

結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • FRBは市場との対話を重視する中銀です。その結果、FOMC会合時の政策変更が全て市場予想通りになっています。政策変更が予想されているときのFOMCが既定なら、1回遡ったFOMC会合時にも何らかの特徴があるはずです。

  • 分析事例数こそ少ないものの、政策変更が行われたFOMCの1回前のFOMCでは、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びたことが25%しかありません。参考までに、過去全てのFOMC会合時では、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びたことが60%です。

  • そこから遡っていくと、直前1分足の過去陰線率は85%、声明発表直後1分足の直前10-1分足との方向一致率が25%です。
    直前1分足の過去陰線率の高さや、直後1分足の直前10-1分足との方向一致率の低さは、過去全てのFOMC会合時と同じ傾向を示しています(各85%・38%)。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標推移】

FRBの政策金利の市場予想と発表結果の過去推移を下図に示します。

1811FOMC210.png

現在の市場予想では、2018年はあと1回、2019年は3回、2020年に2回の利上げとなっています。これまで通り毎回0.25%の利上げが行われるなら、2020年には政策金利が3.75%に到達します。

巻頭に挙げた通り、本稿の分析は、FRBが利上げを行う1回前のFOMC声明発表前後を扱います。具体的には、
・2015年10月
・2016年11月
・2017年2月・5月・11月
・2018年2月・5月・8月
の会合です。

U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
下表は、FOMCが政策金利を変更する1回前の会合時の反応平均値と分布です。

1811FOMC110.png

反応平均値は小さく、分布が荒れていることがわかります。
分布が荒れるのは、母数が8回しかないためと思われます。

次に、下図は反応の期間推移です。

1811FOMC120.png

あまり注目されないせいか、最近は驚くほど反応が小さいことがわかります。

【2.2 反応方向】

金融政策発表時の分析では、指標一致性分析を行いません。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細はこちらを参照願います。

まず、本稿対象の8回の反応一致性分析結果です。

1811FOMC320.png

次に、2014年6月以降全てのFOMC時の反応一致性分析結果を下図に示します。

1811FOMC325.png

両図を見比べると、大きな違いは直後1分足と直後11分足の方向一致率です。

発表前より発表後の動きがいつもと違うようなので、反応性分析結果を見てみましょう。

1811FOMC330.png

直後1分足と直後11分足の方向一致率は38%しかありません。38%しかない方向一致時に直後1分足跳幅より直後11分足跳幅が反応を伸ばしたことが100%あっても、それはポジションを取得する根拠にはなりません。
注目すべき点は、声明公表後1分時点から見て10分後に反応を伸ばしていたことが25%しかないことです。

V.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • FRBは市場との対話を重視する中銀です。その結果、FOMC会合時の政策変更が全て市場予想通りになっています。政策変更が予想されているときのFOMCが既定なら、1回遡ったFOMC会合時にも何らかの特徴があるはずです。

  • 分析事例数こそ少ないものの、政策変更が行われたFOMCの1回前のFOMCでは、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びたことが25%しかありません。参考までに、過去全てのFOMC会合時では、直後1分足と同じ方向に直後11分足が伸びたことが60%です。

  • そこから遡っていくと、直前1分足の過去陰線率は85%、声明発表直後1分足の直前10-1分足との方向一致率が25%です。
    直前1分足の過去陰線率の高さや、直後1分足の直前10-1分足との方向一致率の低さは、過去全てのFOMC会合時と同じ傾向を示しています(各85%・38%)。

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




広告以上

タグ:FOMC

2018年10月31日

米国雇用指標「ADP雇用統計」発表前後のUSDJPY反応分析(再訂版)

こちらのお詫びのように、過去、本指標の分析シートには重大な間違いがありました。以前ご参考にして頂いていた方々には重ねてお詫びするとともに、問題の分析シートの修正が終わったことを報告いたします。
今後とも、宜しくお願いいたします。


ーーー$€¥£A$ーーー

米国雇用指標「ADP雇用統計」の指標発表前後の反応分析には「民間雇用者数」のみを用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。
その分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年9月集計分(同年10月3日発表分)の46回分です。

ーーー$€¥£A$ーーー

結論は次の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • FRBの関心は持続的な成長に移っており、以前に比べると相対的に雇用者数の重要度や注目度は低下しているようです。その結果、最近の本指標への反応はかなり小さくなっています。但し、指標発表後の反応方向は結果の良し悪しにかなり素直です。

  • 本指標が注目されていた理由は、雇用統計NFPの先行指標に位置づけられていたためです。また、ISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数の雇用指数の先行指標にも位置づけられていました。がしかし、少なくとも2015年以降、本指標はそれらの結果を先行示唆していません。
    逆に、本指標実態差異の良し悪しを先行示唆しているのは、本指標発表直近直前の4週平均失業保険申請件数です。けれども、両指標の方向一致率も十分高いとは言えません。

  • 本指標は市場予想後追い型で、発表後の反応は一方向に伸びがちで、追撃・再追撃は徹底すべきです。特に、直後1分足値幅が20pipsを超えたら更に追撃を続け、超えなければ平均的に直後1分足終値に向けて戻す動きで微益を狙いましょう。
    現在、反応がかなり小さい時期ですが、反応の大きさの割に大きく稼ぎやすい特徴を有した指標だと言えます。

過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。
本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

本指標は、米国雇用統計を翌日(ないしは翌々日)に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。

最近の米国雇用統計は、NFPよりも平均時給の増減への関心が高いようです。その結果、以前に比べると本指標の位置づけも低くなったように思えます。後述するように、最近は本指標結果への反応程度が明らかに小さくなっています。

NFPの先行指標としての本指標には、おもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」という話です。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。
ADP手法の勝率は60%付近だと言われていたので、相対的にNFPの重要度が低下している現在は、もっと勝率が下がっているかも知れません。
いずれにせよ、本ブログではポジション長持ちに繋がる手法は扱いません。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。本指標発表値は前月分の集計データです。グラフ横軸は集計月基準となっています。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
本項は、本記事の更新と別に、適宜、最新に差し替えます。

過去の指標推移を下図に示します。

1810ADP210.png

市場予想は発表結果の推移と関係なく安定しています。「やる気あるのか」と思っていたら、2017年9月集計分では、急落を見事に当てています。
こうした市場予想がほぼ一定の指標では、前月が良ければ翌月が悪く、前月が悪ければ翌月は良くなる、という予想解説が多くなります。
こういうことはきちんと確認しておきましょう。

前回までの46回で、市場予想と発表結果の大小関係が入れ替わった回数は16回です(入れ替わり頻度35%)。つまり、本指標は「前月の反動」を起こすというより、「市場予想が指標トレンドを追いかける後追い型」である点に着目した方が良さそうです。その期待的中率が100%ー35%=65%です。

このことを図示して、市場予想後追い型指標での取引方法を説明します。図の見方は特に説明が不要だと思います。

1810ADP281.png

もし青に転じたら翌月からは発表結果が市場予想を上回り、もし赤に転じたら翌月からは発表結果が市場予想を下回る、と予想しましょう。すると、この予想は最初の転換2015年1月から前月まで、29勝16敗1分(勝ち越し13:勝率64%)となります。事後差異と直後1分足の方向一致率が高い指標なら、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切すれば良いのです。

事前に調べておくことは、後追いに連続性があるか(指標トレンドを市場予想が後追いしやすい指標か)、それとも反転頻度の方が高いか(翌月に市場予想を超える反動が起きやすい「過大反動」指標か)の確認です。反転頻度が高ければ高いで、例えば2回続けて同じ色の翌月は逆張りするなり、事後差異が一定値を超えた翌月は逆張りすれば良いだけです。
但し、事後差異と直後1分足の方向一致率が高い指標でなければ、何をやっているのかわからなくなっちゃう取引方法なので、それも事前に確認しておいてください。

驚くほどあほらしい取引方針ですが、馬鹿にしちゃいけません。ほぼ4年に亘って来月の経済の良し悪しを言い訳なしに2勝1敗ペースで当てられるアマチュアなんて滅多に居ないのも事実です。

【1.3 指標結果良否判定方法】

判別式は、事前差異・事後差異・実態差異のいずれも

  • 民間雇用者数の差異

です。
判別式と対応する期間のローソク足の方向一致率は、事前差異と直前10-1分足が41%、事後差異と直後1分足が80%、実態差異と直後11分足が70%、です。発表後の反応は素直なことがわかります。

【1.4 指標間一致性分析】

(1.4.1 雇用統計NFPとの対比)

対比するのは、同月集計分の本指標実態差異と雇用統計NFP実態差異です。実態差異同士を比べるのは、市場予想が絡まないためです。

1810ADP240.png

結果は、意外なことに2015年以降40%しか方向一致していません。
本指標結果の良し悪しは、雇用統計のNFPを示唆していません。

(1.4.2 その他指標との対比)

対比するのは、本指標発表直近直前の4週平均失業保険申請件数と、同月集計分のISM製造業景況指数の雇用指数と、同月集計分のISM非製造業景況指数の雇用指数です。
同時期集計分のそれら3つの指標の実態差異と本指標実態差異の良し悪しを対比した結果を下図に示します。4週平均失業保険申請件数は、本指標結果との実態差異の方向不一致率を、ISMは実態差異の方向一致率です。

1810ADP250.png

最も参考になるのが、本指標発表直近直前の4週平均失業保険申請件数です。ISM雇用指数は両指標とも本指標の良し悪しを示唆していません。

【1.5 指標分析結論】

  • FRBの関心は持続的な成長に移っており、以前に比べると相対的に雇用者数の重要度や注目度は低下しているようです。それでも、指標発表後の反応方向は結果の良し悪しにかなり素直です。
  • 本指標が注目されていた理由は、雇用統計NFPの先行指標に位置づけられていたためです。また、ISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数の雇用指数の先行指標にも位置づけられていました。
    がしかし、2015年以降の本指標結果とNFPの実態差異の方向一致率は40%しかありません。また、ISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数の雇用指数の実態差異とも、それぞれ47%・53%しか方向一致率がありません。
    少なくとも2015年以降、本指標はそれらの結果を先行示唆していません。
  • 逆に、本指標実態差異の良し悪しを先行示唆しているのは、本指標発表直近直前の4週平均失業保険申請件数です。けれども、両指標の方向一致率は63%と、アテにできる数字(2勝1敗の67%以上、3勝1敗の75%)には及びません。
  • 恥ずかしいので最後に書くと、本指標は「市場予想後追い型」の特徴だけをアテにして、経済なんてこれっぽっちも関係なしにそこそこの勝率が稼げます。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、指標発表後の程度や方向を示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足の順跳幅と値幅の平均値とそれらの分布を下表に纏めておきます。

1810ADP100.png

指標結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅は過去平均で13pipsです。反応程度は平均的な指標です。

直後1分足の過去の反応分布を見ると、跳幅は61%が、値幅は59%が平均値以下の反応となっています。一方、反応が平均値の1.5倍超となるのは、年に2・3回しかありません。
有名な指標の割にはあまり反応が大きくありません

【2.2 期間推移】

2015年以降の反応平均値の推移を下図に示します。

1810ADP260.png

2018年以降、本指標への反応は極端に小さくなっています
気を付けましょう。重要度や注目度が高く位置づけられている指標で、思ったほど反応が伸びないと、利確の機会を逃して、せっかくの含益が含損になってしまうことがあります。

次に、2015年以降の各差異平均値の推移を下図に示します。

1810ADP270.png

両図を見比べると、前回結果と市場予想と発表結果の差異の大きさが反応程度と関係ないことがわかります。

このことは、前節1.5項に記した「FRBの関心が雇用者数から離れている」旨が、大筋で間違っていないという根拠になります。そしてそれは、2018年に極端に顕在化したものの、2015年〜17年にかけてもそう言える兆しがあったように、差異の大きさと反応の大きさに相関が見られません。

但し、大筋ではそうでも、毎月個々の発表毎に見れば、少し話が違ってきます。

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。方向一致率さえ高ければ、指標結果の良し悪しを事前に分析する意義がありますが、そうでなければ事前に指標結果の良し悪しを分析しても、取引を行う上で役に立ちません。
また、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的(相関が強い)になる指標は限られています。相関が強いほど、指標発表後に追撃を続けるべきか逆張りに転じるべきかという判断の確度が高まります。

下図は、事後差異(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を示しています。

1810ADP220.png

相関係数R^2値の0.57は、各ドットと回帰線(青線)に相関があるものの、両者の乖離が大きいことを示しています。
図の左半分(事後差異<0)を見ると、△2万人より少なくなければ、素直に陰線で反応しがちとは言えません
右半分(事後差異>0)では、+3万人までは陽線で反応し、+3〜6万人の間は陰線で反応する、と読むべきではありません。+6万人より多くなければ素直に陽線で反応しがちとは言えない、と読むべきです。

次に、直後1分足終値(横軸)に対する直後11分足(縦軸)を下図に示します。

1810ADP230.png

回帰線(赤線)の傾きは1.04で、相関係数R^2値の0.64は各ドットと回帰線の相関があるものの乖離が大きいことを示しています。
直後11分足終値は、ばらつくものの平均的には直後1分足終値付近を目指しがちです。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも短時間取引で勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

この分析には、指標一致性分析反応一致性分析を用います。ともに、程度や平均値を問題にせず、方向が一致した回数のみを扱う分析です。
指標一致性分析は、事前差異・事後差異・実態差異といった各差異の符号(プラスが陽線に対応、マイナスが陰線に対応)が、反応方向のどれだけ一致したかを調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

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直前1分足は過去陰線率が81%、直後1分足は過去陽線率が73%、と偏りが目立ちます。

事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は80%です。実態差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は70%です。
また、直前10-1分足・直前1分足と直後1分足は、方向一致率が各36%・33%(不一致率が各64%・67%)です。

次に、反応性分析を用いて、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。直後1分足と直後11分足の跳幅同士・値幅同士を比べます。この分析も、どの程度反応を伸ばしたかを問題にせず、反応を伸ばした回数だけを取り上げています。

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直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。そして、指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは64%です。

本指標は、初期反応方向への早期追撃開始と追撃徹底に向いています

【2.5 反応分析結論】

  • 以前から反応があまり大きくなかった指標ですが、最近は反応が非常に小さくなっています。
  • 指標発表前の方向を示唆しているのは、直前1分足の過去陰線率が81%と偏りがある点だけです。
  • 指標発表時刻前後では、直後1分足の過去陽線率が73%と偏りがある点と、直前10-1分足・直前1分足と直後1分足の方向一致率が各36%・33%(不一致率が各64%・67%)となっている点に注目します。
  • 直後1分足は事後差異との方向一致率が80%と高く、その後の反応も同じ方向に続きがちです。がしかし、直後11分足終値は直後1分足終値付近に戻りがちな点を覚えておいた方が良いでしょう。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

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直前10-1分足の過去平均順跳幅は4pips、同値幅は3pipsです。過去陰線率は51%、事前差異との方向一致率は41%です。
この期間はアテにできる根拠がなく、取引を勧められません

なお、直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度7%)あります。この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向が一致したのは1回です。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、慌てて釣られてはいけません。

【3.2 直前1分足】

次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

1810ADP420.png

直前1分足の過去平均順跳幅は4pips、同値幅は3pipsです。
過去の陰線率は81%と偏りがあり、事前差異との方向一致率は60%です。直前10-1分足との方向一致率は51%です。

ショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとすれば良いでしょう。
過去の直前1分足が陽線側に伸びたときは大きく、損切は確実に行いましょう。

【3.3 直後1分足】

そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

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直後1分足は過去平均順跳幅が13pips、同値幅が9pipsです。但し、2018年以降は、各6pips・3pipsしかありません。また、過去陽線率は73%あるものの、上図をご覧ください。最近に限っては陽線率が高くありません。

本指標は市場予想後追い型で、事後差異と直後1分足の方向一致率も80%です。
また、直前1分足の跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度11%)あります。この5回の直前1分足と直後1分足の方向は4回(80%)一致しています。但し、まだ事例数が少ない点で信頼に欠けます。
そこで、指標発表直前に前月の事後差異と同じ方向にポジションを取り、発表直後の跳ねで利確/損切します。但し、直前10-1分足が10pips以上、それとは逆に跳ねたら取引を中止します。

次に、直後1分足と直後11分足との方向一致率は79%です。そして、その79%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは91%です。
初期反応方向を超えてその後も反応を伸ばしがちなのだから、追撃は早期開始です。最近の反応の小ささを踏まえると、狙いは3〜6pipsで良いでしょう。

【3.4 直後11分足】

最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

1810ADP440.png

直後11分足の過去平均順跳幅は17pips、同値幅は12pipsです。但し、2018年に入ってからは、それらは各9pips・7pipsです。

直後1分足終値と直後11分足終値は、両者が方向一致したとき82%の事例で反応を伸ばしています。方向一致しなかった場合を含めても64%の事例で反応を伸ばしています。けれども、直後1分足終値と直後11分足終値は、平均的にはほぼ同じになります。このことは、同じ方向に反応を伸ばすときに小さく、そうでないときは大きく直後1分足値幅を削る可能性が高い訳です。
追撃は徹底すべきものの、損切は確実に行うようにしましょう。
直後1分足終値で追撃を開始し、最近の直後1分足終値と直後11分足跳幅の平均の差6pips弱が利確/損切の目安となります
また、直後1分足終値より6pips以上離れたら、直後1分足終値方向に3pips程度戻すのを狙いましょう

直後11分足値幅が30pips以上だったことは8回あります(頻度17%)。この8回のうち、直後1分足値幅が20pips未満だったことが1回しかありません。
つまり、直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に追撃開始すべきです。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に10pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。

【3.5 取引方針結論】

  • 直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとします。
  • 指標発表直前に前月の事後差異と同じ方向にポジションを取り、発表直後の跳ねで利確/損切します。但し、直前10-1分足が10pips以上、それとは逆に跳ねたら取引を中止します。
  • 初期反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。最近の反応の小ささを踏まえると、狙いは3〜6pipsで良いでしょう。
  • 直後1分足終値で再追撃を開始し、最近の直後1分足終値と直後11分足跳幅の平均の差6pips弱が利確/損切の目安とします。
  • 直後1分足終値より6pips以上離れたら、直後1分足終値方向に3pips程度戻すのを狙いましょう。
  • 直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に追撃を開始します。利確/損切の目安は10pipsとします。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • FRBの関心は持続的な成長に移っており、以前に比べると相対的に雇用者数の重要度や注目度は低下しているようです。その結果、最近の本指標への反応はかなり小さくなっています。但し、指標発表後の反応方向は結果の良し悪しにかなり素直です。

  • 本指標が注目されていた理由は、雇用統計NFPの先行指標に位置づけられていたためです。また、ISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数の雇用指数の先行指標にも位置づけられていました。がしかし、少なくとも2015年以降、本指標はそれらの結果を先行示唆していません。
    逆に、本指標実態差異の良し悪しを先行示唆しているのは、本指標発表直近直前の4週平均失業保険申請件数です。けれども、両指標の方向一致率も十分高いとは言えません。

  • 本指標は市場予想後追い型で、発表後の反応は一方向に伸びがちで、追撃・再追撃は徹底すべきです。特に、直後1分足値幅が20pipsを超えたら更に追撃を続け、超えなければ平均的に直後1分足終値に向けて戻す動きで微益を狙いましょう。
    現在、反応がかなり小さい時期ですが、反応の大きさの割に大きく稼ぎやすい特徴を有した指標だと言えます。

X.過去成績

下表は、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

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以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上




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広告以上

2018年10月29日

米国物価指標「PCEコアデフレータ」・実態指標「個人消費(PCE)・個人所得」発表前後のUSDJPY反応分析(3訂版)

米国物価指標「PCEコアデフレータ」・実態指標「個人消費(PCE:Personal Comsunption Expendeture)・個人所得」の指標発表前後の反応分析には、
@ PCEコアデフレータの前月比と前年比
(以下「CD前月比」「CD前年比」と略記)
A PCE前月比
(以下「PCE」と略記)
B 個人所得前月比
(以下「個人所得」と略記)
を用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表)の44回分です。

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結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 本指標に先立って同月集計分が発表されるCPI小売売上高は、本指標の一部結果を示唆することがあります。がしかし、それら先行指標を参考にできる場合は限られていることを知っていなければ、そんな話を信じても取引では勝つことはできません。

  • 本指標は以前から安定して反応が小さい指標です。
    指標発表前こそPCEや個人所得の事前差異も影響しますが、指標発表後にはそれらへの関心は無用です。指標発表後はまず、CDの事後差異の有無に反応方向が影響を受けています。但し、CDは市場予想と発表結果がズレないことも多くあります。CD前月比・前年比の事後差異が0だったとき、PCEや個人所得の良し悪しと反応方向に一貫した素直さはありません。

過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。
本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

個人所得は、当該月の所得増減を示しています。ここで言う所得とは、給与・配当・還付等が入ります。所得の増減は消費の増減と関係すると考えられます。

PCEは、当該月の消費増減を示しています。増減方向については、小売売上高と同時的に高い相関性があります。よって、同月集計結果の小売売上高の増減方向と異なるときしか、あまり反応に寄与しません。

CDは、実際に消費活動に費やした名目PCEを、そこから物価上昇分を差し引いた実質PCEで割って求めます。もしPCEが1%増えても、その間の物価上昇が1%なら、実質的な消費増は起きていないことになります。実質的な消費増を期待するから、最初に挙げた個人所得増が関係する訳です。

同時発表される個人所得・PCE・CDへの反応は、後記詳述するように、指標発表前こそPCEや個人所得の事前差異も影響しますが、指標発表後にそれらへの関心は後回しで構いません。指標発表後はまず、CDの事後差異の有無に反応方向が影響を受けています。但し、CDは市場予想と発表結果のズレがないことも多いため、その場合にPCEの事後差異に注目すれば良いのです。

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CDは、FRBが金融政策の参考にしている四半期PCEデフレータの基データとなります。
FRBがCPIではなくCDを物価動向の参考にしている理由は、@ CPIが消費者調査でCDが企業調査で、CPIよりもCDの方が信頼性が高いから、A CPIは2年毎の商品基準価格調査に基づくため、毎月毎期のスパンでの物価変動を知るのに適していないから、です。

@について、消費者調査よりも企業調査の方が信頼がおけるというのは、医療費を例に挙げて説明されます。では、それほどに米国の医療費は消費に占める比率が高いのでしょうか。かなり高いのです。

CDは政府補助金や保険会社の医療費支払いを含めているのに対し、CPIにはそれらが含まれていません。補助金や保険会社による支払いも含めて自分の医療費にいくら払ったかは、個人には把握できません。
つまり、この話は、CPIで過小評価されがちな高額医療費がCDに含まれています。企業側調査では、最も金額規模が大きいサービスが医療費となりがちです。家計では一般的にそうなりません。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。本指標発表値は前月分の集計データです。グラフ横軸は集計月基準となっています。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
本項は、本記事の更新と別に、適宜、最新に差し替えます。

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グラフをひとつずつよく見ていきましょう。CDからです。

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CDはFRBが金融政策の参考資料として重要視しています。けれども、この図の通り市場予想の精度が高いため、本来ならもっと大きく反応しても良い本指標の反応が小さい一因だと考えられます。

さて、FRBは2015年12月に利上げ後、かなり慎重に利上げを進めていました。2015年12月以降、2016年12月、2017年3月・6月・12月、2018年3月・6月・9月と、利上げはこれまで徐々にペースを上げながら9回行われました。
CD前年比の推移を見ると、2017年夏にかけて下がったものの、その後2018年に急上昇し、2018年2月にやっと2%に達しました。逆に言えば、一旦は落ち込んだ2017年も利上げしていなければ、現在の物価上昇はもっと激しくなっていた可能性もあります。
2017年前半には、FRBの慎重さによって利上げの機会を逸した可能性も取りざたされていたことを思い出すと、全米の金融行政を任されている理事たちの慧眼には驚くばかりです。

次にPCEです。

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PCEは、2015年2月集計分以降、0かプラスが続いています。

また、2015年5月・2016年4月・2017年9月には、突出していることに気づきます。この3回の全て+0.7%以上の市場予想となっており、発表結果は全て市場予想を上回っています。
逆に、市場予想が+0.2%以下だったことは過去15回あり、15回全てで発表結果が市場予想以下となっています。
PCEの市場予想は、良すぎそうなときと悪すぎそうなときに慎重になる特徴があります。

そして個人所得です。

1809米国PCE330.png

個人所得は、調査範囲において1回もマイナスに転じていません。
個人所得は、+0.3%を中心に上下動しているように見えます。市場予想と発表結果の乖離も最も大きく多く発生しているものの、反応にはあまり結び付かないようです。

【1.3 指標結果良否判定方法】

注目すべき項目が多すぎて、指標結果の良し悪しの判断が困難です。そこで、過去に素直な反応方向をしたことが多くなるのように、判別式を求めておきます。

事前差異判別式は、

  • 1✕CD前年比の事前差異ー1✕CD前月比の事前差異+1✕PCEの事前差異ー1✕個人所得の事前差異

とします。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足の方向一致率は70%です。事前差異に対し、指標発表直前は素直に反応しています。

事後差異判別式は、

  • 2✕CD前年比の事前差異+1✕CD前月比の事前差異

とします。この判別式の解の符号と、直後1分足の方向一致率は73%です。判別式はアテにでき、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。

実態差異判別式も事後差異判別式と同じ係数で、

  • 2✕CD前年比の実態差異+1✕CD前月比の実態差異

とします。この判別式の解の符号と、直後11分足の方向一致率は59%です。前回結果に対する良し悪しは、指標発表前の反応で調整されているため、指標発表後には影響が小さいようです。

ともあれ、CDが反応方向に影響しており、PCEや個人所得は影響が小さいようです。

【1.4 指標間一致性分析】

(1.4.1. コアCPIとCDの対比)

下図は、コアCPIの前月比と前年比の推移です。全体的には明らかに本指標の推移とほぼ同じ傾向があります。

1809米国PCE350.png

さて、先にコアCPIが発表され、本指標CDの推移は明らかにそれと全体的な印象が一致するのに、なぜ勝ったり負けたりする人がいるのでしょう。それは、全体的な印象を正しく捉えても、その印象に基づいて取引をしても良い場面を知らないと、勝ったり負けたりしてしまうのです。

そのことを説明するために、毎月の実態差異(=発表結果ー前回結果)に注目します。そして、実態差異がコアCPIも本指標CDもともに0でないときだけに注目します。すると、過去44回のコアCPIと本指標CDは、前月比がたった15回(頻度34%)、前年比も21回(頻度48%)しか注目対象になりません。この注目対象のコアCPIの実態差異が増えたり減ったときに、本指標CDの実態差異が増えたか減ったかをカウントします。
この集計結果を下表に整理します。

1809米国PCE360.png

こうして、先に発表されたコアCPIの実態差異が0でないときしか、コアCPIは本指標CDを先行示唆しません。その期待的中率は、前月比が87%、前年比が67%です。これなら十分に高い的中率です。

(1.4.2. 小売売上高とPCEの対比)

下図は小売売上高前月比の指標推移です。

1806米国PCE250.png

小売売上高前月比は、2015年以降7回の例外を除いて+0.7%以下で推移しています。一方、本指標PCEが、同じ期間に6回の例外を除いて+0.5%以下で推移しています。
この7回と6回の例外を下表に整理しました。

1806米国PCE271.png

どちらかが例外の8回のうち、5回は他方も例外となっています。実用上の観点から言えば、先に発表される小売売上高前月比が例外だった7回のうち、PCEは5回の例外となっています(期待的中率71%)。
小売売上高が例外的に大きく伸びた集計月のPCEは、大きく伸びがちです。

【1.5 指標分析結論】

  • 本指標に先立って同月集計分が発表されるCPI小売売上高は、本指標の一部結果を示唆することがあります。がしかし、それら先行指標が適用できる場合は限られています。適用場面を間違えると、これら先行指標は本指標結果を先行示唆していません。
  • 先行指標の適用場面と過去結果は次の通りです。
    CD前月比は、同月集計分のコアCPI前月比実態差異が0でなかったとき、コアCPI前月比実態差異との方向一致率が87%です。CD前年比は、同月集計分のコアCPI前年比実態差異が0でなかったとき、コアCPI前年比実態差異との方向一致率が67%です。
    また、同月集計分の小売売上高前月比が+0.8%以上だった月のPCEは+0.6%以上になりがちです(期待的中率71%)。
    PCEの市場予想は、結果が良すぎそうなときと悪すぎそうなときに慎重になりがちです。市場予想が+0.7%以上のときは発表結果がそれ以上に、市場予想が+0.2%以下のときは発表結果がそれ以下になりがちです(期待的中率)。
  • 発表後の反応方向への影響力は、CDの事後差異だけに注目しておきましょう。但し、CDは市場予想の精度が高いため、事後差異が0となることも多々あります。
    PCEと個人所得は、指標発表後の反応方向への影響力がほぼありません。CD事後差異が0だったときは、PCEや個人所得が良くても悪くてもどちらに反応するか一貫した傾向がありません。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、各ローソク足の順跳幅と値幅の分布を下表下図に示します。

1809米国PCE100.png

指標発表結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均7pipsです。
分布を見ると、直前1分足跳幅の57%が2pips未満しか跳ねておらず、直前1分足は取引すべきではありません。また、直後1分足値幅は57%が5pips以下しかありません。
反応が小さな指標です。

【2.2 期間推移】

2015年以降の毎年の反応平均値の推移を下図に示します。

1809米国PCE120.png

ただでさえ反応が小さな指標でしたが、2018年に入ってからは極端に反応が小さくなっています。

1809米国PCE130.png

両図を見比べると、本指標は各差異と各ローソク足の大きさが関係ないことがわかります。

【2.3 個別反応分析】

指標発表結果とその直後1分足の関係を下図に示します。

1809米国PCE150.png

回帰線(青線)は無視しましょう。これほどばらついては回帰の意味がありません。
ドットの分布は、事後差異がプラスのときこそ陽線での反応が多いものの、事後差異が0かマイナスのときは陽線で反応するか陰線で反応するのか読み取れません

次に、この初期反応から反応を伸ばすか否かを下図に示します。

1809米国PCE160.png

平均的には、直後1分足終値よりも直後11分足終値は14%反応を伸ばしがちです。けれども、直後1分足値幅は過去平均で5pipsしかありません。5pipsの14%では0.7pipsにしかなりません。0.7pipsのために、10分もポジションを保有するのは割に合いません。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

この分析には、指標一致性分析反応一致性分析を用います。ともに、程度や平均値を問題にせず、方向が一致した回数のみを扱う分析です。
指標一致性分析は、事前差異・事後差異・実態差異といった各差異の符号(プラスが陽線に対応、マイナスが陰線に対応)が、反応方向のどれだけ一致したかを調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

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事前差異と直前10-1分足の方向一致率は70%です。

事後差異や実態差異と直後1分足の方向一致率は各73%・76%です。指標発表後は市場予想や前回結果に対する良し悪しに素直に反応しています。
逆に、事後差異と実態差異の符号が不一致ならば、どうなっていたか確認しておきます。事後差異か実態差異が0でない場合は、過去19回しかありません(頻度43%)。そして、その19回のうち、事後差異と実態差異の方向が一致したことは18回(方向一致率95%)です。
事後差異だけ見てりゃ良い訳です。

次に、反応性分析を用いて、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。直後1分足と直後11分足の跳幅同士・値幅同士を比べます。この分析も、どの程度反応を伸ばしたかを問題にせず、反応を伸ばした回数だけを取り上げています。

1809米国PCE230.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%です。その74%の方向一致時だけに注目すると、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは81%です。そして、指標発表から1分経過時点を基準にすると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは60%あります。発表から1分を過ぎても、どちらかと言えば、順張りの方が分が良いようです。

【2.5 反応分析結論】

  • 指標発表前は、事前差異との方向一致率が高い(70%)ものの、反応程度は以前から一貫して小さい指標です。
  • 指標発表直後は、反応方向が素直なものの(事後差異と直後1分足の方向一致率73%)、反応程度は以前から一貫して小さな指標(直後1分足跳幅の過去平均7pips)です。但し、素直な反応が期待できるのは事後差異がプラスのときだけで、マイナスのときは陽線で反応するか陰線で反応するかわかりません。
  • 追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%で、その74%の方向一致時に直後11分足跳幅が直後1分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは81%です。但し、指標発表後1分時点で追撃を開始した場合、それから10分後の期待勝率は60%に下がってしまいます。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国PCE410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は5pips、同値幅は3pipsです。また始値-終値が同値だったことが8回(頻度18%)あります。事前差異との方向一致率は70%です。

直前10-1分足は事前差異と同じ方向に3pipsを狙います
2018年になってからは、平均跳幅3pips、同値幅2pipsです。欲張らないようにしましょう。

【3.2 直前1分足】

次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国PCE420.png

直前1分足は過去平均跳幅が3pips、過去平均値幅が2pipsです。2018年に入ってからは平均跳幅2pips、平均値幅1pipsです。
動きが小さ過ぎて、この期間の取引は薦められません。

【3.3 直後1分足】

そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国PCE430.png

直後1分足の過去平均跳幅は7pips、過去平均値幅は5pipsです。2017年8月集計分で大きく反応したのを最後に、それ以後は反応が明らかに小さくなっています。また、逆跳幅の方が順跳幅よりも長くなったことは過去1回しかありません。

指標発表後は、事後差異との方向一致率が73%と高く、指標結果の良し悪しには素直に反応します。何より、直後1分足と直後11分足の方向一致率は74%あり、その74%の方向一致時には直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を81%の事例で超えています。
反応が素直で伸びることを示しているのだから、初期反応方向を確認したら直ぐに追撃です。追撃は過去平均値幅の3pips未満でポジションオーダーに成功すると、利確の可能性が高まります。利確/損切の目安は3pips程度です。

【3.4 直後11分足】

最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

1809米国PCE440.png

直後11分足の過去平均跳幅は13pips、過去平均値幅は9pipsです。
直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは60%です。再追撃の利確・損切の目安は、直後1分足終値と直後11分足終値の平均値の差である4pipsで良いでしょう。

【3.5 取引方針結論】

  • 直前10-1分足は事前差異と同じ方向に3pipsを狙います。
  • 同月集計分のコアCPI前月比・コアCPI前年比・小売売上高前月比が先行性適用条件を満たしていたら、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
  • 発表後は、直後1分足が3pips未満で方向を決めて追撃開始し、目安3pipsで利確/損切です。
  • 再追撃の利確・損切の目安は、直後1分足終値と直後11分足終値の平均値の差である4pipsです。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 本指標に先立って同月集計分が発表されるCPI小売売上高は、本指標の一部結果を示唆することがあります。がしかし、それら先行指標を参考にできる場合は限られていることを知っていなければ、そんな話を信じても取引では勝つことはできません。

  • 本指標は以前から安定して反応が小さい指標です。
    指標発表前こそPCEや個人所得の事前差異も影響しますが、指標発表後にはそれらへの関心は無用です。指標発表後はまず、CDの事後差異の有無に反応方向が影響を受けています。但し、CDは市場予想と発表結果がズレないことも多くあります。CD前月比・前年比の事後差異が0だったとき、PCEや個人所得の良し悪しと反応方向に一貫した素直さはありません。


X.過去成績

下表は、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1808米国PCE900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




FX口座数『国内第1位』(※2017年1月末時点。ファイナンス・マグネイト社調べ2017年1月口座数調査報告書)で、TVCMでも有名です。特徴は、『時事通信社』ニュース配信、取引通信簿(年初来の取引結果の一目瞭然図示)、24時間電話サポート、です。キャッシュバックは口座申込日から3か月以内の500枚売買(1日平均8〜9枚の売買)です。口座開設日からではない点は要注意です。
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2018年10月26日

米国経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のUSDJPY反応分析(改訂版)

米国実態指標「四半期GDP速報値」の指標発表前後の反応分析には、
@ 四半期GDP
(以下「GDP」と略記)
A 四半期GDPデフレータ
(以下「GDPdf」と略記)
B 四半期コアPCEデフレータ
(以下「ⅽPCEdf」と略記)
B 四半期PCE
(以下「PCE」と略記)
を用います。いずれも前期比年率換算値が発表されます。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

この分析の調査範囲は、2013年1-3月期集計分〜2018年1-3月期集計分(同年4月発表分)の22回分です。

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結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 判別式に基づく取引がかなり有効な指標だと言えます。判別式の解の値と反応の大きさには相関がなく、解の符号と反応方向の関係だけに注目すべきです。

  • 反応方向は、指標発表前が事前差異と、発表時刻を跨いでが事前差異と、発表直後が事後差異と同じになりがちです(いずれも期待的中率70%以上)。また、発表から1分を過ぎると実態差異と逆方向にポジションを取るタイミングを窺いましょう。

過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。
本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

本指標の意義は、当該期の総合的な経済実態を表し、政府や中銀の政策に影響を与える点です。
主要国では、翌期に速報値・改定値・確定値が順次発表され、平均的な反応が最も大きいのは速報値です。
米国のGDP速報値は1・4・7・10月に発表されます。

GDP関連でわかりにくい点は、GDPが名目と実質の二種類あることです。大雑把に言えば、名目GDPは付加価値の金額を合計したものです。実質GDPは、名目GDPから物価変動分を除いたものです。名目GDPを実質GDPで割ると、物価指標にあたる「GDPデフレータ」が算出されます。

つまり、名目GDPが+2%あっても、この間の物価上昇(GDPデフレータ)が+2%なら、実質GDPは0%、ということになります。これは、金額(名目)こそ2%増えたものの、それは全部インフレ(デフレータ)のせいだから、この間で生み出された付加価値は去年と実質的に同じ、と言い換えられます。
よって、関心を持つべき対象は実質GDPでなければいけません。発表値は実質GDPです。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
本項は、本記事の更新と別に、適宜、最新に差し替えます。

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まずGDPです。
前期確定値発表結果と当期速報値市場予想と当期発表結果とを示しています。

1810米国GDP速報値210.png

一見、以前と比べて最近は、速報値とその2か月後に発表される確定値の差が小さくなっていることに気が付きます。そして、速報値が確定値よりも高く見積もられていたことは6回(頻度27%)しかなく、特に2015年4-6月期以降はたった1回しかありません(頻度8%)。また、1-3月期は低くなる季節性があり、1-3月期の季節調整操作には批判も多かったと記憶しています。
なお、2014年1-3月期の急激な落ち込みは、大雪による物流麻痺や外出手控え(天候要因)が原因とされています。

次にGDPdfです。

1810米国GDP速報値220.png

GDPdfは、大きな上下動を伴いながら、2015年1-3月期をボトムに少しずつ上昇基調のようにも見えます。GDPとは違い、速報値の精度が高い(確定値との誤差が少ない)ことがわかります。一方、速報値市場予想の精度は高くありません。

そしてⅽPCEdfです。

1810米国GDP速報値230.png

速報値発表結果に対する市場予想の精度が高く、確定値発表結果に対する速報値の精度が高いことがわかります。
精度が高いだけに、2017年4-6月期に落ち込みがあった直後のFOMC議事要旨には、最終的に「軟調な物価は特殊要因が原因と大半の当局者が判断」したものの「幾人かの当局者がインフレが鈍化した可能性を懸念」したことが議事要旨に記録されました。
また、直近2回は確定値が2期続けて2%を上回った点が、FRBだけが「緩やか」だと言う最近の利上げペースと結びつきます。

最後にPCEです。

1810米国GDP速報値240.png

米国では個人消費がGDPの70%を占めるため、速報値市場予想の精度が低いことがGDP速報値への反応を(改定値や確定値より)大きくしています。

【1.3 指標結果良否判定方法】

注目すべき項目が多すぎて、指標結果の良し悪しの判断が困難です。
そうした場合、GDPの良し悪しだけに注目しても、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が65%、事後差異と直後1分足の方向一致率は78%、事後差異(実態差異でなく)と直後11分足の方向一致率は72%です。

ここでは、もう少し精度を上げるため、以下の判別式を用います。

直前10-1分足は、

  • 1✕GDPの事前差異+2✕ⅽPCEdfの事前差異

という判別式の解の符号(正が陽線、負が陰線に対応)と、過去75%の方向一致率があります。
直後1分足は、

  • 2✕GDPの事後差異+1✕GDPdfの事後差異+1✕ⅽPCEdfの事後差異+1✕PCEの事後差異

という判別式の解の符号と、過去86%の方向一致率があります。
直後11分足は、

  • 2✕GDPの実態差異+1✕GDPdfの実態差異+2✕ⅽPCEdfの実態差異+1✕PCEの実態差異

という判別式の解の符号と、過去24%の方向一致率(74%の不一致率)があります。

【1.4 指標分析結論】

  • 判別式に基づく取引がかなり有効な指標だと言えます。判別式の解の値と反応の大きさには相関がなく、解の符号と反応方向の関係だけに注目すべきです。
    反応方向は、指標発表前が事前差異と、発表時刻を跨いでが事前差異と、発表直後が事後差異と同じになりがちです(いずれも期待的中率70%以上)。また、発表から1分を過ぎると実態差異と逆方向にポジションを取るタイミングを窺いましょう。
  • GDPは、例年1-3月期速報値は落ち込むパターンがあります。最近は、速報値の精度が高く2か月後に発表される確定値との誤差が少なくなっています。速報値が確定値よりも高く見積もられていたことは6回(頻度27%)しかなく、特に2015年4-6月期以降はたった1回しかありません(頻度8%)。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、各ローソク足の順跳幅と値幅の分布を下表下図に示します。

1810米国GDP速報値110.png

指標発表結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均23pipsです。改定値ではそれが15pips、確定値では11pipsです。速報値への反応が最も大きくなる理由は、発表結果と市場予想の乖離が最も大きいからです。

分布は、直後1分足の順跳幅も値幅も過去平均の0.5倍超〜1.5倍以内に80%強が収まっています。また、直後1分足順跳幅が過去平均の2倍を超えたことはありません。

【2.2 期間推移】

2013年以降の反応平均値の推移を下図に示します。

1810米国GDP速報値170.png

2017年は以前よりも直後1分足が大きく反応した年でした。2018年は以前よりも直後11分足が伸びない年でした。

次に、事前差異と事後差異と実態差異の平均値推移です。

1810米国GDP速報値160.png

両図を見比べると、本指標は各差異と各ローソク足の大きさが関係ないことがわかります。

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないこともわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1810米国GDP速報値130.png

回帰線(青線)上下にドットのばらつきが多く、あまり相関は高くありません。

直後1分足値幅と直後11分足値幅の分布も確認しておきましょう。

1810米国GDP速報値140.png

直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きがほぼ1で、平均的には反応が伸び悩んでいます。そして、対角線(黒線)上下のドット分布を見ると、いわゆる「抜けたら追う」べき閾値(しきいち)がありません。
追撃も難しい指標のようです。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

1810米国GDP速報値310.png

1810米国GDP速報値320.png

本指標は、ローソク足の動きを見るより、前期確定値と速報値予想と速報値結果を見ていた方が、勝率が稼げそうなことがわかります。

事前差異は、直前10-1分足・直後1分足との方向一致率が各75%・71%です。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各76%・76%で、素直に反応します。

次に、反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。

1810米国GDP速報値330.png


直後1分足と直後11分足との方向一致率は82%です。その82%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは67%です。そして、指標発表から1分を経過して、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが45%しかありません。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1810米国GDP速報値410.png

直前10-1分足の過去平均(順)跳幅は6pips、同値幅は4pipsです。但し、2018年に入ってからの発表時には、平均跳幅が3pips、同値幅が2pipsと、かなり小さくなっています。そもそも、直前10-1分足が10pips以上跳ねたことは、2013年から2度しかありません。

狙うのは3pips程度にしておいた方が良さそうです。
方向は、指標一致性分析で記したように、事前差異との方向一致率が75%にも達しています。

【3.2 直前1分足】

次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

1810米国GDP速報値420.png

直前1分足は、過去平均跳幅が4pips、同値幅が2pipsです。但し、2018年に入ってからの発表時には、それぞれ3pips・1pipsしか平均的に動いていません。
pipsが小さいので逆ヒゲ形成時に逆張りを狙いたいところですが、過去の実績から言えば期待できません。2013年以降、逆ヒゲの方が順ヒゲより長くなったことは1度もありません。

そこで、過去陰線率が75%に達する点に注目します。ここで、直前10-1分足と直前1分足の始値基準ローソク足同士を見比べてください。
直前10-1分足が陽線側に5pips以上跳ねたことは過去8回あります(頻度36%、平均跳幅)。この8回の平均跳幅は7.5pipsです。もし、直前10-1分足が陽線側に5pips跳ねるのを待ち伏せて逆張りすれば、直前1分足終値は直前10-1分足の+5pipsの位置から、+1・△10・△3・△5・0・△8・△7・0pipsの位置に移っています(平均△4pips)。
よって、直前10-1分足が形成され始めたら、+5pipsの位置に指値でショートを置き、利確の目安を3pipsとし、安全を見て指標発表5秒前にはこのポジションは決済します。

【3.3 直後1分足】

そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

1810米国GDP速報値430.png

直後1分足の過去平均跳幅は23pips、同値幅は16pipsです。但し、2018年に入ってからの発表時には、それぞれ17pips・13pipsしか平均的に動いていません。

指標一致性分析の項で述べたように、直後1分足は事前差異との方向一致率が71%です。指標発表直前に事前差異と同じ方向にオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
方向が当たったときに粘っても、直後1分足跳幅が過去平均値の1.5倍に達した(34pips)ことは19%しかありません。23pips以上跳ねたことは48%と半分以下です。最近の反応の小ささも踏まえると、10pipsも取れたら利確した方が良いでしょう。

直後1分足と直後11分足との方向一致率は82%です。その82%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは67%です。そして、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が同じ方向に伸びていたことが45%しかありません。
よって追撃は、直後1分足が10pips未満のときに始め、同じ方向に直後11分足が20pipsぐらいまで伸びる頃には終えたいので、この間に何度か3pips強を狙うやり方にしましょう。

【3.4 直後11分足】

最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

1810米国GDP速報値440.png

直後11分足の過去平均跳幅は29pips、値幅のそれは19pipsです。但し、2018年に入ってからの発表時には、それぞれ22pips・13pipsしか平均的に動いていません。

直後11分足は、実態差異との方向一致率が24%(不一致率76%)です。この判別式は、2✕GDPの実態差異+1✕GDPdfの実態差異+2✕ⅽPCEdfの実態差異+1✕PCEの実態差異、です。
この判別式の解の符号と直後11分足値幅方向は、2015年4-6月期以降前期まで13回続けて不一致です。この13回で、直後1分足終値で実態差異判別式の解の符号にポジションをオーダーした場合、7勝6敗と勝率はあまり高くありません。けれども、7勝したときは合計107pipsが取れ、6敗したときは合計29pipsしか失っていません(差し引き+78pips=1回あたり平均+6pips)。この13回のうち3回で直後1分足と直後11分足が反転しており、そこで63pipsを稼いでいたのです。
このことは、逆張りというものの性質を良く表している現象だと思います。

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取引方針を整理しておきます。

  • 直前10-1分足は、事前差異と同じ方向に3pips程度を狙います。
  • 直前10-1分足が形成され始めたら、陽線側+5pipsの位置に指値でショートを置き、利確の目安を3pipsとし、安全を見て指標発表5秒前にはこのポジションは決済します。
  • 指標発表直前に事前差異と同じ方向にオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。もし大きく伸びそうな気がしても、10pipsも取れたら利確です。
  • 追撃は、直後1分足が10pips未満のときに始め、同じ方向に直後11分足が20pipsぐらいまで伸びる頃には終えたいので、この間に何度か3pips強を狙うやり方にしましょう。
  • 直後1分足終値が付く頃に、実態差異と逆方向にポジションをオーダーし、直後11分足終値で決済します。過去の実績から、損切は40pipsの含損を抱えたらです。





V.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 判別式に基づく取引がかなり有効な指標だと言えます。判別式の解の値と反応の大きさには相関がなく、解の符号と反応方向の関係だけに注目すべきです。

  • 反応方向は、指標発表前が事前差異と、発表時刻を跨いでが事前差異と、発表直後が事後差異と同じになりがちです(いずれも期待的中率70%以上)。また、発表から1分を過ぎると実態差異と逆方向にポジションを取るタイミングを窺いましょう。

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




OANDA社には「FX会社を選ぶ基準はスプレッドとキャッシュバックキャンペーンだけではない」と公言するだけの特徴があります。

まず「OANDA FX ラボ」の分析画面です。個人ブログでその分析画面をコピー・ペーストして用いている事例はよく見受けられます。これは無許諾転載なら著作権法に触れますが、そういう事例でよく転載されているのが、同社の分析画面です。それぐらい同社は綺麗でわかりやすい分析画面となっています。

次にNDD (No Dealing Desk)方式での約定を行っていることです。NDD方式というのは、顧客のオーダーをOANDA社を介さずに市場レートで処理する方式のことです。通常、FX会社は、注文状況や市場の様子を考慮しつつ、調整しながらレートを提示しているため、実勢レートのズレやスプレッドに開きが生じがちです。その心配がない点が同社特徴と言えます。

そして、1通貨単位での取引というのは日本でもSBI FXトレード社が行っていますが、秒単位でのスワップ付与というのは日本で聞いたことがありません。驚きです。
広告以上

2018年10月15日

米国実態指標「小売売上高」発表前後のUSDJPY反応分析(3訂版)

米国実態指標「小売売上高」の指標発表前後の反応分析には、
@ 小売売上高前月比
A 輸送機器を除く小売売上高前月比
を用います。以下、「小売売上高前月比」を単に「前月比」、「コア小売売上高前月比」を「コア前月比」と略記します。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

なお、この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表分)です。
本指標はCPIと同時発表されたことが2015年以降11回あります。本指標もCPIも反応が大きな指標のため、同時発表されたときは、反応が重畳や相殺されていると考えられます。
よって、以下の反応方向に関わる分析では、その11回を除いて行います。指標結果に関しては調査期間全ての44回のデータを用いて行います。

ーーー$€¥£A$ーーー

結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 2015年以降、本指標は単独で発表されることがなく、いつも別の指標と同時発表されています。
    CPIと同時発表されたときの影響力は(CPI>本指標)、NY連銀製造業景気指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>NY連銀指数)、輸入物価指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>輸入物価指数)です。PPI及びECB金融政策発表後の総裁会見と同時発表されたときの影響力の多寡は未検証です。
    本指標自体の影響力は(コア前月比>前月比)で、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。

  • 前月比が発表される指標でよく見かける傾向として「反動」という現象があります。当然、この反動現象には市場予想も影響を受けています。
    前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
    翌月の反動が市場予想を超える過大反動は、コア前月比だけに起き、前月比には起きない訳です。

  • 指標発表後は一方向に反応を伸ばしがちですが、たまに直後11分足が初期反応方向に対し大きく反転します。これは注目度が高い指標のため、指標発表前に織り込みが行われがちだから、と解釈できます。
    大きく反転したことはたまにですが、落差が大きいだけに追撃や再追撃は慎重に行う必要があります。
    過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

米国個人消費はGDPの約70%を占めています。米国は世界一の消費大国であり、その米国の景気の良否を把握する上で本指標は重要視されています。米国商務省経済分析局(BEA)が、小売・サービス業等約5,000社の月間の売上高を集計した前月分を翌月に発表します。

発表内容は耐久財と非耐久財とに大別され、特に自動車販売・同部品の比重が大きいという特徴があります。
そのため、個人消費の動向を確認する上で自動車販売を除いた指標値も同時発表されます。項目別では、自動車や電気製品、建設資材、ガソリンスタンド、総合小売店などの前月比と実額を発表します。
結果は、GDP概算の資料や生産者物価指数(PPI)のデータにも利用されています。

反応は大きく、反応方向は(コア前月比>前月比)の傾向があります。
早い時刻から本指標を睨んだ動きがチャート上に現れることも多く、そのため指標発表前には一旦ポジション清算も多いようです。一方、指標発表直前にポジションを取る動きもあって、売買が交錯して指標発表前のローソク足にはヒゲが目立ちます。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
本項は、本記事の更新と別に、適宜、最新に差し替えます。

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先に前月比から見て行きます。

1809米国小売200.png

前月比が+1以上か△0.5以下だったことは過去5回あります(頻度11%)。この5回の翌月の4回は反動が起きています。
本指標前月比における反動とは、前月比が+1以上だったとき翌月にそれより0.8以上の減少が起きたか、前月比が△0.5以下だったとき翌月に0.8以上の改善が起きたか、をそう呼ぶことにします。
つまり、前月比が+1以上か△0.5以下だったとき、翌月に反動が起きる期待的中率は80%です。でも、この結果をアテにしてはいけません。理由は次の通りです。

前月比が発表される多くの指標では、こうした反動がよく起きます。こうした指標では、前月が反動を起こしがちな水準があるようです。でも、このままでは指標の推移を高い確率で的中させるヒントになっても、取引上の方針を決める決定打になりません
指標発表直後の反応方向は、発表結果の市場予想に対する多寡に応じがちだからです。その市場予想は、ここに述べた反動が起きることを想定しています。

前月比が+1以上だったことは過去3回あります。この3回の翌月の発表結果が市場予想を下回ったことは1回です。前月比が△0.5以下だったことは過去2回あります。この2回の翌月の発表結果が市場予想を上回ったことはありません。
つまり、前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きない期待的中率が80%です。

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次に、コア前月比を見てみましょう。

1809米国小売210.png

コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だったことは過去9回あります(頻度20%)。この9回の翌月の7回は反動が起きています。
本指標コア前月比における反動とは、前月比が+0.7以上だったとき翌月にそれより0.6以上の減少が起きたか、前月比が△0.7以下だったとき翌月に0.6以上の改善が起きたか、をそう呼ぶことにします。
つまり、前月比が+0.7以上か△0.7以下だったとき、翌月に反動が起きる期待的中率は77%です。でも、この結果をアテにしてはいけません。

コア前月比が+0.7以上だったことは過去8回あります。この8回のうち、4回は翌月の発表結果と市場予想が一致しています。このブログでは同値の場合をカウントしません。よって、カウントに有効な回数は4回となり、この4回の翌月の発表結果が市場予想を下回っています。
また、コア前月比が△0.7以下だったことは過去1回あります。この1回の翌月は、発表結果が市場予想を下回っています。
つまり、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きる期待的中率が80%です。

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利用できる頻度こそ少ないものの期待的中率の高さから、以上のようなことが本指標の反動が起きそうな月の特徴ということになります。
前月指標結果が大きすぎた翌月に市場予想を下回ったり、前月指標結果が小さ過ぎた翌月に市場予想を上回ることを、過大反動と呼びます。過大反動の有無傾向は、翌月の取引のヒントになります。
本指標は、前月比が過大反動を起こさず、コア前月比が過大反動を起こしがちです

【1.3 指標結果良否判定方法】

前掲ふたつのグラフを見比べると、特徴的なピーク・ボトムはだいたい時期が一致しています。そして、前月比とコア前月比の発表結果と市場予想の大小関係が一致しなかったことは8回(頻度18%)で、そのうち5回は一方の発表結果が市場予想と一致した事例です。つまり、食い違ったことは3回(頻度7%)しかありません。
大雑把に言えば、前月比であれコア前月比であれ好きな方だけ見ていても、取引上の実害はほとんどない訳です。

ただ、それでも細かく見れば、前月比とコア前月比の各差異は重み付けが同じではありません。細かく見てるだけなので、以下が面倒ならば全て、1✕前月比の各差異+1✕コア前月比の各差異、としても構いません。

事前差異は、

  • 1✕前月比の事前差異−1✕コア前月比の事前差異

という判別式の解の符号と、直前10-1分足の方向一致率が63%となります。コア前月比の係数がマイナスになっていることにご注意ください。

事後差異は、

  • 1✕前月比の事後差異+3✕コア前月比の事後差異

という判別式の解の符号と、直後1分足の方向一致率が76%となります。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応しています。

実態差異は、

  • 1✕前月比の実態差異+5✕コア前月比の実態差異

という判別式の解の符号と、直後11分足の方向一致率は61%となります。

【1.4 指標間一致性分析】

CPIとの関係について単月毎の改善/悪化を調べておきます。

モノが売れるときしか値上げなんてできません。この単純な話が経済指標に現れるのかを検証しておきます。但し、その検証は毎月の取引に役立たないと意味がありません。そこで、単月毎の本指標とCPIの発表結果が前月結果よりそれぞれ改善(数値増)したか悪化(数値減)を比較します。
下図をご覧ください。

1809米国小売230.png

横軸は、CPI実態差異の増減が本指標実態差異の増減より〇か月先行/遅行、と読みます。縦軸は、両指標の実態差異の増減の方向一致率を示しています。

全体的には常識に適って右上がりで、モノが売れれば値上げ・売れなければ値下げ、というCPI変化の遅行が起きているように見えます。けれども数値を見ると、両者の方向一致率は36〜62%と、取引上のアテにするにはやや心細い値です。
両指標の改善や悪化を単月毎に比較しても、指標発表直前にポジションをオーダーする根拠としては弱いことがわかりました

なお、この比較においてCPIは、

  • ー1✕CPI前月比の実態差異+2✕CPI前年比の実態差異+4✕コアCPI前月比の実態差異+3✕コアCPI前年比の実態差異

という判別式の解の符号を用いています。

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過去44回の本指標発表時に、CPIとの同時発表は11回ありました。その11回の指標結果(事後差異)と反応方向(直後1分足)の関係は次の通りです。表中数値はその回数を示しています。指標結果は、それぞれの指標の事後差異判別式の解の符号を用いています。

1806米国小売160.png

本指標とCPIが同時発表されたときは、本指標よりもCPIの良し悪しに素直に反応することがわかりました。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1809米国小売110.png

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は、過去平均で21pipsです。この平均を超えて跳ねたことが41%で、10pips以下しか跳ねなかったことが45%を占めています。
CPIと同時発表されないときは、大きく跳ねたことより、大して跳ねないことの方が多いのです。

平均値が高いのに平均値未満の反応をしたことが多い指標では、例え反応方向を当てても利確の機会を逸しがちです。本指標がそういう指標です。また、過去に本指標はCPIと同時発表されたことが多く(頻度25%)、その結果、資料によっては過去の反応程度を高めの数字となっていることが散見されます。
気を付けましょう。

【2.2 期間推移】

下図は、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の平均値推移です。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1809米国小売160.png

この図にCPIと同時発表があったときは含まれていません。その結果、この図における分析母数は、2015年発表分が11回、2016年発表分が11回、2017年発表分が4回、2018年発表分が現時点で7回です。
2018年に入ってからは、それ以前より極端に反応が小さくなっています。

次に、1年毎に区切った事前差異と事後差異と実態差異の平均値推移です。

1809米国小売170.png

2018年の事後差異と実態差異は、それ以前より小さくなっています。

2018年に入ってからの米国指標は、本指標に限らず以前よりも反応が小さくなっています。本指標の場合は、それに加えて指標差異が小さくなっていることが、以前よりも反応を小さくしている原因と考えられます。

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないこともわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1809米国小売130.png

相関係数R^2値があまり高くありません。また、事後差異が0〜△1.1だったときは、直後1分足が事後差異に素直な反応をしているとは言えません。

次に、直後1分足(横軸)と直後11分足(縦軸)の関係を見ておきます。

1809米国小売140.png

図の左半分を見て下さい。対角線(黒斜線)より下のドット分布より上のドット分布の方が対角線から遠く離れています。次に図の右半分を見ても同様に、対角線(黒斜線)より上のドット分布より下のドット分布の方が対角線から遠く離れています。
このことは、調子に乗ってだらだら追撃する危うさを示しています。本指標での追撃はさっと行い、さっと終える方が安心です。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

1809米国小売310.png

1809米国小売320.png

直前1分足は過去陰線率が75%偏りがあります。
指標一致性分析では、事後差異と直後1分足の方向一致率が76%で、本指標が結果の良し悪しに素直に反応していることしかわかりません。
反応一致性分析では、直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が29%(不一致率71%)となっています。

次に、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅をそれぞれ分析します。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1809米国小売330.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。その76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。終値同士を比べても、72%が反応を伸ばしています。
指標発表後の反応が暫く伸び続けるのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃開始です。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは55%です。この数字から、早期追撃開始で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺った方が良いでしょう。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。図で歯抜けしている箇所は、CPIと同時発表だった月です。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国小売410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は5pips、過去平均値幅は3pipsです。そして、事前差異との方向一致率は63%です。ヒゲが目立つので、もし取引するにせよ短時間しかポジションを持てません。
この期間の取引は見合わせます

【3.2 直前1分足】

次に、直前1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国小売420.png

直前1分足は、過去平均跳幅が4pips、過去平均値幅が3pipsです。陰線率は75%、直前10-1分足との方向一致率は29%(不一致率71%)となっています。
この期間は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。反応が小さいので、あまり取引を薦められません。

【3.3 直後1分足】

そして、直後1分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

1809米国小売430.png

直後1分足は、過去平均跳幅が21pips、過去平均値幅が15pipsです。但し、最近の反応は極端に小さくなっています。指標結果の良し悪しには素直に反応(事後差異との方向一致率76%)しています。

直後1分足の方向を事前示唆する可能性がある現象は次の3点です。

  • 前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
  • 直前10-1分足の跳幅が過去平均の2倍の10pips以上だったことは過去2回あります(頻度7%)。この2回の直後1分足の方向は、直前10-1分足の値幅方向と一致しています。
  • 直前1分足の跳幅が10pipsに達したことは過去1回しかありません(頻度3%)。この1回の直後1分足の方向は、直前1分足の値幅方向と一致しています。

これらの現象が起きている場合、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。
これらの場合、指標発表直前にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。

指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。その76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。

再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません
平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。

【3.4 直後11分足】

最後に直後11分足です。

1809米国小売440.png

抜けたら追うべき閾値があるのか確認しておきます。

直後1分足跳幅が30pips以上に達したことは過去9回あります(頻度27%)。但し、直後1分足跳幅が30pips以上に達したのは2016年12月集計分(翌1月発表)が最後です。その後、本指標がCPIと別の日に発表されたときに30pips以上に達したことがありません。

この9回のうち6回は初期反応方向にその後も伸びて、1回は直後1分足の値幅を削り、2回は直後1分足と反転しています。そこで機械的な取引で、

  • 直後1分足跳幅先端で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足跳幅先端で利確/損切すると、9回で△16pipsの負け
  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足跳幅先端で利確/損切すると、9回で+51pipsの勝ち
  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、直後11分足終値で利確/損切すると、9回で+4pipsの勝ち

です。この結果は、反転が2回もあった以上、予想できたことです。
そこで、利確/損切を20pipsで行うことにします。すると、

  • 直後1分足終値で追撃ポジションをオーダーし、利確/損切を20pipsで行うと、9回で+66pipsの勝ち

です。

但し、前述の通り、2016年12月集計分(翌1月発表)が最後に、本指標がCPIと別の日に発表されたとき直後1分足が30pips以上に達したことがありません。もし久しぶりに直後1分足が30pips以上に達しても、この試算通りにやっても、収益最大化が図れるかはちょっと自信ありません。

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取引方針を整理しておきます。

  • 直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。
  • コア前月比に過大反動が期待できるとき、指標発表直前に反動方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。
  • 直前10-1分足か直前1分足の跳幅が10pips以上に達したら、指標発表直前にそれら値幅方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。これらが矛盾する場合、直前10-1分足の跳ねを優先します。
  • 指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。発表から数分以内の利確を狙います。3pipsも取れたら、すぐに利確でも構いません。
  • 再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません。
    平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 2015年以降、本指標は単独で発表されることがなく、いつも別の指標と同時発表されています。
    CPIと同時発表されたときの影響力は(CPI>本指標)、NY連銀製造業景気指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>NY連銀指数)、輸入物価指数と同時発表されたときの影響力は(本指標>輸入物価指数)です。PPI及びECB金融政策発表後の総裁会見と同時発表されたときの影響力の多寡は未検証です。
    本指標自体の影響力は(コア前月比>前月比)で、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。

  • 前月比が発表される指標でよく見かける傾向として「反動」という現象があります。当然、この反動現象には市場予想も影響を受けています。
    前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。
    翌月の反動が市場予想を超える過大反動は、コア前月比だけに起き、前月比には起きない訳です。

  • 指標発表後は一方向に反応を伸ばしがちですが、たまに直後11分足が初期反応方向に対し大きく反転します。これは注目度が高い指標のため、指標発表前に織り込みが行われがちだから、と解釈できます。
    大きく反転したことはたまにですが、落差が大きいだけに追撃や再追撃は慎重に行う必要があります。

X.取引成績

下表は、2018年10月の本指標発表以降、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。以下は、2018年10月16日に差し替えています。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1809米国小売900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




OANDA社には「FX会社を選ぶ基準はスプレッドとキャッシュバックキャンペーンだけではない」と公言するだけの特徴があります。

まず「OANDA FX ラボ」の分析画面です。個人ブログでその分析画面をコピー・ペーストして用いている事例はよく見受けられます。これは無許諾転載なら著作権法に触れますが、そういう事例でよく転載されているのが、同社の分析画面です。それぐらい同社は綺麗でわかりやすい分析画面となっています。

次にNDD (No Dealing Desk)方式での約定を行っていることです。NDD方式というのは、顧客のオーダーをOANDA社を介さずに市場レートで処理する方式のことです。通常、FX会社は、注文状況や市場の様子を考慮しつつ、調整しながらレートを提示しているため、実勢レートのズレやスプレッドに開きが生じがちです。その心配がない点が同社特徴と言えます。

そして、1通貨単位での取引というのは日本でもSBI FXトレード社が行っていますが、秒単位でのスワップ付与というのは日本で聞いたことがありません。驚きです。
広告以上

2018年10月11日

米国物価指標「輸入物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析(3訂版)

米大統領があちこちへの貿易赤字を発言する度に、為替相場が影響を受けています。そして、為替相場が影響を受けると、輸入物価高騰が問題視されるか、輸出競争力低下が問題視されます。どう転んでも問題になるのです。
FX取引上の魅力はないものの、それらの関係を知るため、米国物価指標「輸入物価指数」について調べておきます。指標発表前後の反応分析には輸入物価指数前月比を用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。そのため一定期間毎に数値を最新に更新しています。加えて、今回の改訂では取引方針の見直しを行い、全体構成を変更しました。

この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表分)の44回分です。がしかし、反応方向の分析はこの間の19回に絞り込みます。
反応方向の分析を行わない25回は、小売売上高Phil連銀製造業景気指数・住宅着工件数・週次失業保険申請件数のいずれかと同時発表されていたためです。本指標とこれら指標とが同時発表された場合、反応方向は本指標結果に対してでなく、同時発表された方の指標結果の影響を強く受けてしまいます。

ーーー$€¥£A$ーーー

結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 本指標での取引は、本指標単独で発表される場合に限られます。他の指標と同時発表される場合、本指標結果がチャートに反映されることはほぼありません。影響力が小さな指標です。本指標の影響力は、発表後せいぜい数pips・数10秒程度です。
    このことは、米大統領があちこちで貿易摩擦を起こし始めた2017年後半からも同じです。

  • 奇妙なことに、同月集計分の本指標結果と生産者物価指数(PPI)結果とは、過去方向一致率が30%弱(不一致率70%強)しかありません。もっと奇妙なことに、本指標結果とPPIとは、一方を前後3か月ずらして比べてみても、いつも不一致率>一致率となっているのです。
    このことは、USD高で輸入物価が下がっているのに賃金が上昇しているからPPIが上がる、と解釈するしかありません。単月毎の輸入物価は、PPIに影響が見受けられません。

  • でも残念ながら、本指標とPPIとにこうし関係があっても、本指標がPPIよりも後で発表されるときは、その関係を活用することはできません。本指標は発表結果の良し悪しと直後1分足の方向一致率が60%しかなく、過去にあまり素直に反応していないからです。
    具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

輸入物価指数は、米国輸入時点における物価水準を、2000年を100として指数化したものです。対象は約2,000の企業と4,000の物品です。軍事関連は含まず、サービスは含まれています。

残念ながら、本指標は取引の魅力に欠けます
「魅力に欠ける」とは、
@ 本指標単独で発表されるとき以外には、事前分析が役に立たないこと、
A その本指標単独での発表は年に数回しかないこと、
B その数回の本指標単独で発表されたときにも、反応が小さい上にあまり素直に反応していないこと、
を指しています。

以下の分析は、本指標が単独で発表されたときに5pips程度の利確を狙い、年間3勝1敗で10pips程度を稼ぐためのものです。

【1.2 指標推移】

市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
この図は本記事の更新とは別に、適宜、最新のものに差し替えます。

1809米国輸入物価215.png

※ 2018年10月13日に2018年10月発表分までの図に更新済
2015年から2016年半場までは上下動が激しく、2015年1月にボトム、5月にピーク、8月に直近ボトム、2016年5月に直近ピーク、を形成しています。その後は上下動が小さくなっています。

直観的には、輸入物価は為替の影響を大きく受けると思われます。
がしかし、後述するように少なくともたかだか数年ぐらいの為替レートの変化は、米国の輸入物価指数に影響していません。もし影響していたとしても、それを抽出して取引に利用できるほど、影響は大きくありません。

【1.3 指標結果良否判定方法】

本指標発表前後の反応分析には輸入物価指数前月比のみを用いています。
よって、事前差異判別式(=市場予想ー前回結果)・事後差異判別式(=発表結果ー市場予想)と実態差異判別式(発表結果ー前回結果)は、それぞれ簡単に求められます。

ここで、判別式の「判別」とは、市場予想や発表結果が前回結果や市場予想に対し良いか悪いかの判別です。陽線での反応はUSD買、陰線での反応はUSD売、なので、これが指標結果の良し悪しの判断基準です。過去の指標結果と反応方向を見比べると、どちらかと言えば輸入物価上昇でUSD買、下降でUSD売となっています。

事前差異判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線に対応)は、直前10-1分足と過去63%の方向一致率です。
事後差異判別式の解の符号は、直後1分足と過去60%の方向一致率です。
実態差異判別式の解の符号は、直後11分足と過去44%の方向一致率です。
これら数値から、本指標はあまり素直な反応が期待できないことがわかります。

以後は、これら「判別式の解」やその「符号」を、特に断りなく単に「事前差異」「事後差異」「実態差異」と略記します。解の値を示しているのか、解の符号を示しているのかは、前後の文脈から判断願います。

【1.4 指標間一致性分析】

(1.4.1 本指標と主要USDストレート通貨ペアの関係)

輸入物価と言えば為替の影響が思い浮かびます。けれども、USDは基軸通貨で、おまけに為替のせいにしたダンピングにはベラボーにうるさい国です。もし米国に為替操作国と見なされたら、もっと面倒なことになってしまいます。
それはさておき、為替レートが本当に米国の輸入物価に影響するのでしょうか。

先の輸入物価指数で変化が大きかった2015年の米国の輸入額が大きい国を並べて見ましょう。

1809米国輸入物価231.png

次に、メキシコを除く上位の中国・EU諸国・カナダ・日本の対USDレートを月足終値でグラフにしてみましょう。
各通貨ペアは、グラフの上下方向を揃えるため通貨ペア表記をUSDXXXとなるようにしています。また、各通貨ペア毎に異なる係数を掛けて、通貨ペア毎の上下動の比率を見比べやすくしています。だから、上下動の程度は正しくても、値は実際のレートと違っています。

1809米国輸入物価240.png

見比べやすいように、1.2項に挙げた輸入物価指数のグラフを再掲しておきます。

1809米国輸入物価220.png

どの通貨ペアとも上下動の特徴が一致していません。
つまり、輸入物価と言えば為替の影響が連想されるものの、実際の米国輸入物価指数は為替の影響が見出せません
何か意外じゃないでしょうか。

(1.4.2 本指標とPPIの関係)

詳細は『米国物価指標「生産者物価指数(PPI)」発表前後のUSDJPY反応分析』を参照願います。

結論は次の通りです。
輸入物価指数の実態差異を前後3か月ずらしても、PPI実態差異との方向一致率は50%以下となっています。むしろ、全体的には輸入物価指数が低下すればPPIが上昇し、輸入物価指数が上昇すればPPIは低下する、と言った方が良いぐらいです。この結論は、一方の指標を前後3か月ずらしても同じです。

つまり、輸入物価指数はPPIと逆相関がある可能性があります。事実がそうであれ、そうなってしまう理由はわかりません。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1809米国輸入物価110.png

指標発表直後の跳幅が過去平均でたった3pipsしかありません。しかも6pips跳ねたことさえ1度もありません。この指標での取引は、指標発表直後の方向を当ててもあまり意味がありません。

一方、直後11分足は過去平均跳幅が10pips、同値幅が7pipsです。以下分析の主眼は、直後11分足の方向を示唆する兆候の有無に絞られます。

【2.2 期間推移】

けれども、直後11分足の方向を当てても、それほど利幅を稼げないようです。

下図は、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の推移です。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1809米国輸入物価170.png

直後11分足は2017年だけ大きくなっており、例年は4・5pipsしか反応しないことがわかります。また、2017年を除けば、直後1分足値幅と直後11分足値幅の差は平均3pipsです。
本指標発表後は、この3pipsを狙うことになります。

いやはや、やる気なくなるような数字です。

次に、1年毎に区切った事前差異・事後差異・実態差異の判別式の解の平均値の推移を下図に示します。このデータも絶対値処理しています。

1809米国輸入物価181.png

先の反応差異の図と見比べると、指標差異が反応差異に影響していないことがわかります

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

下左図は、過去発表時の事後差異(横軸)に対する直後1分足値幅(縦軸)の分布です。
この図から明らかなように、指標結果の市場予想に対する良し悪しがどうあれ、直後1分足がどちらに反応するか関係ありません。本指標事後差異は、チャートに影響していないのです

1809米国輸入物価150.png

そして、上右図は、直後1分足(横軸)に対する直後11分足(縦軸)の分布です。

無理に読めばやや右上がりの分布と言えます。けれども、先の事後差異に対する直後1分足の分布が、本指標のチャートへの影響がないことを示唆している点を踏まえれば、ここに無理に意味を見出しても仕方ありません。

過去の反応方向や反応程度から合理的に取引することも難しそうです

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

1809米国輸入物価310.png

1809米国輸入物価320.png

前回結果と市場予想と発表結果の大小関係に過去偏りはありません。直後1分足は過去陰線率が73%と偏りがあります。

直前10-1分足は、事後差異を示唆している可能性があります(方向一致率81%)。けれども事後差異・実態差異と直後1分足の方向一致率は、それぞれ60%・50%と、あまり高くありません。
また、直前1分足は直後11分足との方向一致率が21%しかありません(不一致率79%)。

次に反応性分析で、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。

1809米国輸入物価330.png

直後1分足と直後11分足の方向一致率は61%しかありません。拙速な追撃は避けた方が良いでしょう。
むしろ、直後1分足終値がつく頃、逆張りを狙う方が良さそうです。直後1分足終値に対し、その後10分間で直後1分足の値幅が削られたことと、直後1分足と反転したことは71%に達しています。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。
図の歯抜け部分は、他の指標と同時発表されたときで分析対象外です。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国輸入物価410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は6pips、同値幅は4pipsです。過去陽線率は56%で、事前差異との方向一致率は63%です。
大して反応する訳でもないし、無理に根拠もなしに取引する必要はないでしょう。

【3.2 直前1分足】

下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国輸入物価420.png

直前1分足の過去平均跳幅は2pips、同値幅は1pipsです。過去陽線率は57%で、事前差異との方向一致率は50%、直前10-1分足との方向一致率は57%です。
スプレッドが0.3pipsで過去平均値幅1pipsを利確目安にした場合、SL解消勝率は68%です。SL解消勝率に達する根拠がない以上、この期間の取引も見合わせます。

【3.3 直後1分足】

下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国輸入物価430.png

直後1分足は、過去平均跳幅が3pips、同値幅が2pipsです。過去陽線率は73%、事後差異との方向一致率は60%、直前10-1分足との方向一致率は40%(不一致率60%)です。

直前10-1分足は、事後差異を示唆している可能性があります(方向一致率81%)。けれども事後差異と直後1分足の方向一致率は60%しかありません。
直前10-1分足に注目するなら、跳幅が10pips以上に達するかどうかです。そうしたことは過去3回あります(頻度16%)。この3回のうち2回は直後1分足が逆方向に反応しており、1回は直後1分足が始値-終値同値となっています。
事例数が少なくまだ信頼に足りないので合わせ技で、直前10-1分足が陽線側に10pips以上跳ねたら、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切しても良いでしょう。負けても大したことありません。

【3.4 直後11分足】

下図は直後11分足の始値基準ローソク足です。

1809米国輸入物価440.png

直後11分足の過去平均跳幅は10pips、同値幅は7pipsです。過去陰線率は56%、事前差異との方向一致率は39%、事後差異との方向一致率は50%です。直前1分足との方向一致率は21%(不一致率79%)です。

指標発表直前は、直前1分足が陰線になりそうならロング、陽線になりそうならショートと、逆方向にポジションを取り、利確/損切の目安を5pipsぐらいにしておき、少し長めにポジションを持つつもりでいましょう。

指標発表後は、少し様子を見ましょう。
そして、発表から数分間は逆張りの機会を窺います。直後1分足終値に対し、その後10分間で直後1分足の値幅が削られたことと、直後1分足と反転したことは71%に達しています。
直後1分足終値を超えて反応を伸ばしたら逆張りの機会を窺い、直後1分足の値幅を削るか同始値を超えて反転したら利確です。利確/損切の目安は2・3pipsで良いでしょう。

ーーー$€¥£A$ーーー

過去の傾向に基づく取引方針を整理しておきます。

  • 直前10-1分足が陽線側に10pips以上跳ねたら、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切します。
    また、直前1分足が陰線になりそうならロング、陽線になりそうならショートと、指標発表直前に逆方向にポジションを取り、利確/損切の目安を5pipsぐらいにしておきましょう。
    もし、ふたつのポジションが重複しても矛盾しても構いません。

  • 直後1分足終値を超えて反応を伸ばしたときに逆張りし、直後1分足の値幅を削るか同始値を超えて反転したら利確です。利確/損切の目安は3〜5pipsで良いでしょう。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 本指標での取引は、本指標単独で発表される場合に限られます。他の指標と同時発表される場合、本指標結果がチャートに反映されることはほぼありません。影響力が小さな指標です。本指標の影響力は、発表後せいぜい数pips・数10秒程度です。
    このことは、米大統領があちこちで貿易摩擦を起こし始めた2017年後半からも同じです。

  • 奇妙なことに、同月集計分の本指標結果と米国PPI結果とは、過去方向一致率が30%弱(不一致率70%強)しかありません。もっと奇妙なことに、本指標結果とPPIとは、一方を前後3か月ずらして比べてみても、いつも不一致率>一致率となっているのです。
    このことは、USD高で輸入物価が下がっているのに賃金が上昇しているからPPIが上がる、と解釈するしかありません。単月毎の輸入物価上昇は、PPI上昇に繋がっていません。

  • でも残念ながら、本指標とPPIとにこうし関係があっても、本指標がPPIよりも後で発表されるときは、その関係を活用することはできません。本指標は発表結果の良し悪しと直後1分足の方向一致率が60%しかなく、過去にあまり素直に反応していないからです。

X.過去成績

下表は、2018年10月の本指標発表以降、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。以下は、2018年10月13日に差し替えています。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1809米国輸入物価900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




DMM FXは、FXをやらない人もTVCMで知っている会社で、そういう意味で安心感があります。取り扱い金融機関も約380と多く、信頼の裏付けになります。

スプレッドはUSDJPYが0.3、EURJPYが0.5、GBPJPYが1.0、AUDJPYが0.7なので、最も安い方の業者になります。
スキャルで取引する方にスワップは関係ありませんが、新規取引1枚毎に1ポイント(¥1)が付与されるというのはちょっと足しになります。もちろん、スワップやポイントをアテにして取引なんかしたら駄目なのですが、何ももらえないより嬉しくなります。

何より、口座申し込みから3か月以内の500枚取引でのキャッシュバック¥20,000は、かなり魅力的です。
レバレッジが25倍固定で1枚からの取引なので(2018年10月10日20:15調べI)、口座開設するなら¥50万ぐらいは原資を用意した方がいいと思います。
広告以上

2018年10月04日

米国雇用統計発表前後のUSDJPY反応分析(改訂版)

米国雇用統計の指標発表前後の反応分析には、
@ 非農業部門雇用者数増減
(以下「NFP」と略記)
A 失業率
B 平均時給前月比
(以下「平均時給」と略記)
を用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。そのため一定期間毎に数値を最新に更新しています。加えて、今回の改訂ではいくつか新たな図表を追加し、誤記訂正と文章・構成・取引方針を直しました。まぁ全面改訂です。

なお、この分析は2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表分までの44回)の発表結果を反映しています。

ーーー$€¥£A$ーーー

結論から述べます。本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 今も代表的な経済指標とは言え、最近の反応は平均的な指標より10pipsぐらい大きい程度です。
    本指標は、FRB(米中銀)の法的責務のひとつに雇用の最大化があるため、FRBが緩和/引締といった大きな方針転換期に関心が高まりがちです。直近は、その方針の加速/減速に関心が集まっており、FRB政策に対する本指標のインパクトが小さくなっています。それが本指標への反応を以前よりも小さくしているようです。

  • 取引上のポジション決定の論拠としては弱いものの、NFPと平均時給は、発表結果の上下動の大きさに比べて市場予想がほぼ一定のため、取引上有用な反動を起こしやすいという特徴があります。
    NFPが26万人以上だった翌月や平均時給が+0.4%以上か0%以下だった翌月は、翌月に市場予想を超えた反動を起こしがちです。

  • せっかく大きく反応する指標で、大きな損失を被るのは馬鹿げています。大きく動くのだから、そこそこに着実に稼いだ方が毎年の利益を増やせます(と思います)。
    指標発表後は、早期に追撃開始して早期の利確を狙います。発表から1分を過ぎたら、平均的には上下動が直後1分足終値を目指して動きがちなことを利用します。但し(最近はそんなこと起きませんが)直後1分足跳幅が70pipsに達したら、少し待って直後1分足終値がつく頃に再追撃を開始すると良いでしょう。
    過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

米国雇用統計は、市場の関心が最も高い経済指標です。

過去に最も反応に影響したのはNFP(非農業部門雇用者数)ですが、最近は平均時給への注目が高まっています。以前にFRB(米中銀)幹部が平均時給の伸びに関心がある旨、述べたからです。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、FRBは平均時給の上昇に関心がある訳です。

直近(2018年9月28日)のFOMC声明での雇用に関する現状認識は「雇用の伸びは概してここ数か月堅調で、失業率は低いまま」でした。そして「力強い労働市場の状況」を挙げて「緩やかな利上げがこの状況に整合する」と結論づけていました。他にも「米国経済は成長と適度なインフレが持続している」旨が記されていました。

さて、市場の関心が平均時給に移った頃から、本指標への反応は小さくなっています。
平均時給が順調に伸びている間は、FOMCで示される見通しに雇用統計が影響を与えないと考えられているからでしょう。その見通しというのは、ドットチャート(FOMCメンバーによる先行き金利水準予測)のことです。直近のドットチャートでは、2018年12月〜2020年末までに0.25%ずつ5回の利上げが行わる予測となっています。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。
以下の図は本記事の更新とは別に、適宜、最新のものに差し替えます。

まずはNFPです。

1809米国雇用指標210.png

市場予想は発表結果の推移と関係なく安定しています。
「やる気あるのか」と思っていたら、2017年9月集計分では、急落を見事に当てています。がしかし、後から見ればこのときの予想と結果の差は許容できるものの、そのときの発表直前にこれほどの下降予想を更に下回ると「賭ける」ことはできません。なぜなら、それ以前に大きく発表結果が落ち込んだときには急落を当てていないから、です。

ちなみに、2017年9月集計分と翌10月集計分で大きく変化しているのは、フロリダを始めとする南東部諸州へのハリケーン被害が原因です。

そんなことより、市場予想が「やる気あるのか」というぐらい安定している指標では、過大反動をアテにして取引する方法があります。

前月が良かった翌月に前月よりも悪くなりがちでも、取引に有益な情報とは言えません。けれども、前月が良かった翌月に、翌月の市場予想を下回るほどの悪化が起きがちなら、取引に有益な情報と言えます。

こうした過大反動をアテにするには、前月の指標結果がどれだけ高い数値なら、あるいはどれだけ低い数値なら翌月に過大反動を起こしがちなのか、予め調べておく必要があります。

例えば、発表結果が27万人以上だったことは過去5回あります。この5回のうち、翌月の発表結果が市場予想を下回ったことは4回です(期待的中率80%)。基準を26万人以上に緩和すると7回のうち5回(同71%)、25万人に緩和すると9回のうち5回(同56%)、と期待的中率は下がっていきます。

一方、発表結果が10万人以下だったことは過去3回しかありません。この3回のうち翌月の発表結果が市場予想を上回ったことは2回です。基準を12万人以下に緩和すると4回のうち2回、14万人以下に緩和すると6回のうち3回、です。

つまり、発表結果が26万人以上だった翌月は市場予想を下回る反応が起きる可能性が高く、発表結果が悪かった翌月は市場予想を上回れるかどうかわからない、ということが結論になります。

次に失業率です。

1809米国雇用指標220.png

資料によって数値は異なりますが、米国ではマクロ視点で失業率3.5〜3.8%付近で完全雇用と見なせるそうです。既に完全雇用かそれに近い状態にあることがわかります。
ほぼ完全雇用状態という認識があれば、しばらくは予想との0.1%程度の乖離は反応方向への影響が小さいはずです。

最後に平均時給です。

1809米国雇用指標230.png

この図を一見、発表結果が+0.4%以上か0%以下になると、翌月は戻していることに気づきます。がしかし、取引上はもう少し突っ込まないと、それが役立つ情報か否か判断できません。
これも過大反動の傾向有無を調べておきましょう。

発表結果が+0.4%以上だったことは、過去7回あります。うち1回は前回発表なので、戻しが起きるか否かまだわかりません。残る6回のうち、5回は翌月に市場予想を下回り、1回は市場予想同値です。
発表結果が0%以下だったことは、過去6回あります。この6回のうち4回は翌月に市場予想を上回っています。
計12回のうち9回が翌月に市場予想を超える反動を起こしています。

以上のことから、本指標平均時給は、前月が+0.4%以上か0%以下だった翌月に市場予想を超える反動を起こしがちだと言えます(期待的中率75%)。

数値を緩和してみましょう。
前月が+0.3%以上だった月は過去20回あります(最後の1回は前回なので、ここでの母数を19回とします)。その翌月に市場予想を下回ったことは13回です(期待的中率68%)。
同様に、前月が+0.1%以下だった月は過去14回あります。その翌月に市場予想を上回ったことは9回です(期待的中率64%)。
条件を緩和しても、この程度までなら悪い数字ではありません。

こうした反動が起きやすい原因は、市場予想が過去+0.2〜0.3%程度で安定しているのに対し、発表結果は市場予想よりも毎月大きく上下動しがちな特性があるから、です。
因果関係がしっかりしている以上、先々数値や期待的中率が変化しても、この傾向はアテにできると言えるでしょう。

【1.3 指標結果良否判定方法】

複数の項目の発表結果が改善と悪化に相反することがあります。その場合、それぞれの項目の改善や悪化の程度も問題になりますが、どの項目がどれだけ反応方向に影響を与えるのか、予めわかっていない困ります。よって、発表項目毎に事前差異・事後差異と実態差異をそれぞれ求め、どの項目がどれだけ反応方向に影響するのかを、ある時点における過去の実績に基づき求めておきます。
こうして求めた回帰式を(どちら側に反応するのかの)判別式と呼ぶことにします。

例えば、事後差異判別式は、

  • 1✕NFPの事後差異[万人]ー10✕失業率の事後差異[%]+30✕平均時給の事後差異[%]

です。過去の事後差異(発表結果ー市場予想)をこの式に代入し、この式の解がプラスのとき陽線、マイナスのとき陰線に対応する、と仮定します。すると、過去の実際の直後1分足との方向一致率は86%です。

本指標は、発表結果の市場予想に対する良し悪しに非常に素直に反応してきた実績があります。但しそれは例えば、平均時給の事後差異0.1%が、失業率の事後差異0.3%かNFPの事後差異0.3万人で相殺されることを知っていてこそ、非常に素直に反応すると言えます。

同様に、事前差異判別式は、

  • 1✕NFPの事前差異[万人]+15✕失業率の事前差異[%]ー2✕平均時給の事前差異[%]

です。過去の実績から言えば、この式の解の符号と直前10-1分足は71%の方向一致率があります。
本指標は、市場予想の前回結果に対する良し悪しに素直に反応しがちです。

最後に、実態差異判別式は、

  • 1✕NFPの実態差異[万人]ー15✕失業率の実態差異[%]+30✕平均時給の実態差異[%]

です。過去の実績から言えば、この式の解の符号と直後11分足は77%の方向一致率があります。
本指標は、発表結果の前回結果に対する良し悪しに素直に反応しがちです。

以後は、これら「判別式の解」やその「符号」を、特に断りなく単に「事前差異」「事後差異」「実態差異」と略記します。解の値を示しているのか、解の符号を示しているのかは、前後の文脈から判断願います。

【1.4 指標間一致性分析】

本項は別途追記します。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1809米国雇用指標111.png

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は過去平均で42pipsにも達しています。反応は大きく、発表時刻を跨いでポジションを持つことには慎重でなければいけません。
但し、この平均値を超えて反応を伸ばしたことは過去36%と、ざっくり3回に1回です。そして、直後1分足跳幅が22pips〜42pipsの範囲に収まったことは48%と、全体の半数近くになっています。

但し、直後1分足跳幅は、特に大きいときほど一瞬で跳んで、跳んだ直後の動きも早くなりがちです。そのため、最近の直後1分足値幅がどうなっているかを次項で調べておきます。

【2.2 期間推移】

下図は、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の推移です。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1809米国雇用指標160.png

2015年の反応が突出して大きく、2018年の反応はそれまでより小さくなっています。

次に、1年毎に区切った事前差異・事後差異・実態差異の判別式の解の平均値の推移を下図に示します。このデータも絶対値処理しています。

1809米国雇用指標150.png

指標差異と反応差異のふたつの図を見比べると、反応程度は事前差異と事後差異と関係がないようです。事前差異と事後差異がともに大きな数値となっています。これは市場予想がアテにならないことを示しています。

当り前です。前述のように、本指標の市場予想はNFPと平均時給が「やる気あるのか」というぐらいほぼ一定だからです。
但し、次項に述べるように事後差異と直後1分足の関係は、個別に見ると、そこそこの相関があります。全体を見るのと個別に見るのとでは、結論が異なることがあります。

市場予想が絡まない実態差異は、直後1分足・直後11分足と相関があるかも知れません。本指標は、他の多くの指標と違って、実態差異の大小が反応程度の大小と相関している可能性があります

【2.3 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないこともわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1809米国雇用指標170.png

相関係数R^2値は0.66で、R値は√0.66=0.81です。回帰線に対し上下に平均20%程度のズレは、相関がないとは言えません。平均なので、もっと大きなズレも頻発します。相関が高いとも言えません。

次に、直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の分布を下図に示します。

1809米国雇用指標180.png

こちらの相関係数R^2値は0.80で、R値は√0.80=0.89です。回帰式の係数は1.02で、平均的には直後11分足終値は直後1分足終値付近になりがちです。

勝率よりも期待値を重視する方は、発表から1分を過ぎたら直後1分足終値を基準にすれば良いでしょう。陽線のとき直後1分足終値を下回ればロング、上回ればショート、という方法があります。
この方法は、ポジションをオーダーする時点では指標結果にまだ順張りでも(まだ発表から数分後です)、チャートの動きに逆張りとなってしまいます。利確/損切の目安をしっかり守れないと、長期的に必ず負けてしまうので、初心者には向きません。

【2.4 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

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指標発表前の予兆は、事前差異と直前10-1分足との方向一致率が71%あります。そして、直前1分足は過去陰線率77%で偏りがあります。

発表後は、事後差異と直後1分足の方向一致率が86%となっており非常に素直です。直後1分足と直後11分足の方向一致率も91%と高く、反転リスクは小さいことがわかります。
その方向は、直前1分足との方向一致率が33%(不一致率67%)となっています。

次に反応性分析で、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べます。

1809米国雇用指標330.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は91%です。その91%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは75%です。
けれども、その91%の方向一致時すら、直後1分足値幅よりも直後11分足値幅が長くなったことは50%しかありません。全ての場合では、直後1分足と直後11分足の終値同士を比べて反応を伸ばしていたことは45%と、50%を切っています。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国雇用指標410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は6pips、同値幅は3pipsです。事前差異との方向一致率は71%で、逆跳幅が順跳幅よりも長くなったことは3回(頻度7%)しかありません。
この期間は、事前差異判別式の解の符号がマイナスならショート、プラスならロングで、利確/損切の目安は3・4pipsぐらいにしておけば良いでしょう。

また、直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことは8回あります。このとき跳ねた方向に直後1分足が反応したことは3回です。つまり直前10-1分足跳幅が大きくても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。
直前10-1分足が大きく動いても、慌てて釣られてはいけません。

【3.2 直前1分足】

次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国雇用指標420.png

直前1分足は過去平均跳幅が12pips、過去平均値幅が9pipsです。そんじょそこらの指標発表直後と同じぐらい動きます。直前1分足の過去陰線率は77%と、偏りがあります。

けれども、上図から最近の動きを見ると、それほど大きく動いていない上に陰線率もそれほど高くありません。当面、この期間の取引は見合わせた方が無難です。

直前1分足跳幅が20pips以上だったことは過去7回(頻度16%)あります。
この7回の直前1分足が跳ねた方向と直後1分足の方向は4回一致しています。直前1分足跳幅が大きくても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。慌てて釣られてはいけません。

【3.3 直後1分足】

そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

1809米国雇用指標430.png

直後1分足の過去平均跳幅は42pips、過去平均値幅は32pipsです。但し、2018年に限れば、平均跳幅は23pips・平均値幅は16pipsと、以前に比べてかなり小さくなっています。大きく反応すると思っているときに思ったほど反応しないと、利確・損切のタイミングを逸してしまいます。
注意しましょう。

指標発表時刻直前のポジションはあまり勧められません。負けたときのダメージが大きすぎます。1.2項に述べた反動が期待できるときだけにしましょう。
過大反動を利用した取引は、前月のNFP結果が26万人以上だったときに市場予想を下回りがちなことと、前月の平均時給が+0.4%以上か0%以下だった翌月に過大半藤を起こしがちなことが、ポジションの根拠たり得ます。
けれども、NFPと平均時給がともに過大反動を期待できるときなど、何年に1回しか起きません。次善の策は、NFPと平均時給のどちらかに過大反動が期待できるとき、もう一方の事前差異が過大反動方向と同じときにポジションをオーダーです。
でも、このポジションはあまり勧められません。いつも同じやり方で長期に亘る期待値で稼ぐ方法です。

発表後の追撃は早期開始、早期終了です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は91%で、その91%の方向一致時に直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは75%です。けれども、その91%の方向一致時すら、直後1分足値幅よりも直後11分足値幅が長くなったことは50%しかありません。全ての場合では、直後1分足と直後11分足の終値同士を比べて反応を伸ばしていたことは45%と、50%を切っています。
さっと注文してさっと利確(損切)です。

【3.4 直後11分足】

最後に直後11分足を下図に示します。

1809米国雇用指標440.png

直後11分足の過去平均跳幅は52pips、過去平均値幅は36pipsです。但し、2018年に入ってからは、平均跳幅が26pips、平均値幅が17pipsと過去平均の半分しかありません。

過去の傾向では、直後11分足終値は直後1分足終値とほぼ同じになります(2.3項参照)。発表から1分を過ぎたら、直後1分足終値を基準に順張りと逆張りの機会を窺うことになります。

直後1分足跳幅が70pips以上になったことは過去7回あります。この7回のうち6回で、直後1分足終値がつく頃に追撃開始すると、直後11分足跳幅が平均30pips伸びています。この追撃の利確目安を15pipsにすると、6回のうち5回、30pipsにすると2回、利確できています。
直後1分足跳幅が75pipsに達したら、直後1分足終値がつくまで待って15pipsを狙って追撃です。

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整理しておきます。

  • 直前10-1分足は、事前差異判別式の解の符号がマイナスならショート、プラスならロングで、利確/損切の目安は3・4pipsぐらいで良いでしょう。

  • NFPと平均時給のどちらかに過大反動が期待できるとき、もう一方の事前差異が過大反動方向と同じとき、その方向にポジションをオーダーします。発表直後の跳ねで利確/損切です。

  • 発表直後の追撃は早期開始、早期終了です。

  • 直後1分足跳幅が70pipsに達したら、同終値がつく頃まで待って追撃し15pipsの利確を狙います。但し、直後11分足終値がつくまで伸び続けたことは少なく、発表から数分で15pipsの利幅に達しなければ、どこかで決済しておいた方が良いでしょう。

  • 直後1分足終値を基準に、それを上回れば直後1分足終値に向けた戻しを狙って指標結果に対し逆張り、下回れば再反転して直後1分足終値に向けて指標結果に対し順張りの機会を窺います。目安は3pips程度を狙える場合です。

最後の方針は気を付けましょう。本指標発表後の基本は常に順張りです。指標発表からの10分間に一方向に反応が伸び続ける場合、逆張りなんてやるべきじゃありません。あくまで、発表後10分間に方向が定まらない場合にしか通用しないやり方です。
方向が定まらない場合というのは、例えば、最初の数分間で1分毎に陽線と陰線が交互に現れるときです。その場合も、発表から10分を過ぎると、どの時点かで一方向に反応が伸び続けることが多いようです。指標結果に対する反応の過去の傾向を分析できるのは、せいぜい指標発表前後10分程度ということをお忘れなく



W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 今も代表的な経済指標とは言え、最近の反応は平均的な指標より10pipsぐらい大きい程度です。
    本指標は、FRB(米中銀)の法的責務のひとつに雇用の最大化があるため、FRBが緩和/引締といった大きな方針転換期に関心が高まりがちです。直近は、その方針の加速/減速に関心が集まっており、FRB政策に対する本指標のインパクトが小さくなっています。それが本指標への反応を以前よりも小さくしているようです。

  • 取引上のポジション決定の論拠としては弱いものの、NFPと平均時給は、発表結果の上下動の大きさに比べて市場予想がほぼ一定のため、取引上有用な反動を起こしやすいという特徴があります。
    NFPが26万人以上だった翌月や平均時給が+0.4%以上か0%以下だった翌月は、翌月に市場予想を超えた反動を起こしがちです。

  • せっかく大きく反応する指標で、大きな損失を被るのは馬鹿げています。大きく動くのだから、そこそこに着実に稼いだ方が毎年の利益を増やせます(と思います)。
    指標発表後は、早期に追撃開始して早期の利確を狙います。発表から1分を過ぎたら、平均的には上下動が直後1分足終値を目指して動きがちなことを利用します。但し(最近はそんなこと起きませんが)直後1分足跳幅が70pipsに達したら、少し待って直後1分足終値がつく頃に再追撃を開始すると良いでしょう。
    過去の傾向に基づく具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

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下表は、2018年10月の本指標発表以降、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。以下は、2018年10月7日に差し替えています。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は、この表には含めていません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

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勝率には問題ないものの、やや取引時間が長くなりがちです。指標発表毎に平均25pips利確で、1分足1本当たり約2.8pipsのペースとなっています。影響持続時間が長い指標なので、これは仕方ありません。

利確/損切の目安を守り、目安がないときは順張り中心に過去の各種平均値をアテにすれば、他の指標と違って大きく伸びるときに一気に稼げます。反応が大きくないときも、方針を堅持するスタイルを崩さず、いずれ大きく伸びるチャンスを待つことが大事です。
臨機応変ではホンモノに上手くないと勝てません。ホンモノではない自覚があってこそ、分析を続けることができます。
以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




OANDA社には「FX会社を選ぶ基準はスプレッドとキャッシュバックキャンペーンだけではない」と公言するだけの特徴があります。

まず「OANDA FX ラボ」の分析画面です。個人ブログでその分析画面をコピー・ペーストして用いている事例はよく見受けられます。これは無許諾転載なら著作権法に触れますが、そういう事例でよく転載されているのが、同社の分析画面です。それぐらい同社は綺麗でわかりやすい分析画面となっています。

次にNDD (No Dealing Desk)方式での約定を行っていることです。NDD方式というのは、顧客のオーダーをOANDA社を介さずに市場レートで処理する方式のことです。通常、FX会社は、注文状況や市場の様子を考慮しつつ、調整しながらレートを提示しているため、実勢レートのズレやスプレッドに開きが生じがちです。その心配がない点が同社特徴と言えます。

そして、1通貨単位での取引というのは日本でもSBI FXトレード社が行っていますが、秒単位でのスワップ付与というのは日本で聞いたことがありません。驚きです。
広告以上

2018年09月28日

米国景気指標「ISM製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応(3訂版)

米国景気指標「ISM製造業景況指数」の指標発表前後の反応分析には、
@ 景況指数
A 受注指数
B 雇用指数
C 価格指数
を用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

その分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年8月集計分(同年9月発表分)の44回分です。

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結論は次の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 多くの指標解説で本指標の重要度・注目度は高く位置づけられています。けれども、本指標結果が他の指標結果を先行示唆している事実は見当たりません。そして、本指標の反応程度は大きくなく、本指標結果の影響持続時間は短い傾向があります。
    取引上の魅力で言えば、それほど重視する指標ではありません。

  • NY連銀指数とPhil連銀指数がともに前月より改善/悪化したとき、本指標結果も前月より改善/悪化しがちです。指標発表後は同じ方向に反応を伸ばしがちですが、発表前にはっきりしたトレンドが発生しているときは、発表から数分後にそのトレンドに復したことが多いようです。直後1分足値幅が△6pips以下か+20pips以上のとき以外は、その後そのまま同じ方向に反応を伸ばすとは言えません、

  • 指標発表前は過去に一貫した傾向が見受けられず、取引は勧められません。
    指標発表直前から発表後11分後までは、以前から一貫した複数の傾向が見受けられます。前述の通り発表結果のチャートへの影響持続時間は短く、発表時刻がくる前に欧州時間以降のトレンドを確認しておいた方が良さそうです。
    具体的な取引方針はV節末尾に記載しています。

本指標に関する説明と上記結論の論拠を以下に示します。




T.指標分析

以下、市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。

また、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。

本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。

本指標の意義は、@ 米国主要経済指標で毎月最も早く発表されること(第1営業日)、A 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、B 一般論として製造業の景況感は、非製造業の景況感に先行して変化が起きること、がよく挙げられます。

けれども、Bの関係は主要国のどこであれ、そんなことが起きておらず、Aの消費や物価や雇用の情勢転換も先行示唆しておらず、それなら@に大きな意義はありません。更に加えて、本指標は発表前後の反応があまり大きくありません。

よって、多くのFX会社で本指標の注目度・重要度を高く位置づけている割に、取引上の魅力はそれほどでもない指標だと言えます。

【1.2 指標推移】

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。
この図は本記事の更新とは別に、適宜、最新のものに差し替えます。

まずは景況指数です。

1809ISM製造業210.png

景況指数は本指標総合値です。けれども、過去に遡って調べてみると、必ずしも景況指数だけの良し悪しで反応方向が決まっている訳ではありません。
直近では、2017年9月集計分と2018年2月集計分が60.8[ips(Index Points)]で最大値、2015年12月集計分と2016年1月集計分が48.2[ips]で最小値です。2016年2月集計分〜2017年9月集計分の間は上昇基調が続いたものの、その後は停滞が続いています。

次に受注指数です。

1809ISM製造業220.png

受注指数は市場予想を記録していません。稀に市場予想が行われることがあるようですが、事例数が少ないため市場予想を含めない分析にしか、データは活用していません。
直近では、2017年12月集計分が69.4[ips]で最大値、2015年11月集計分が48.9[ips]で最小値です。この間は上昇基調が続いたものの、その後は下降に転じつつあるのか停滞中なのか、判断に迷うところです。
グラフ形状からすれば、60[ips]を下回れば、2017年12月集計分をピークに下降転換と見なせます。それまでは、2017年以降の高い水準での停滞が継続中と見なします。

そして雇用指数です。

1809ISM製造業230.png

雇用指数は、雇用統計発表前に注目する解説記事が以前はよく見受けられました。がしかし、後記詳述するように、雇用指数の単月毎の良し悪しと雇用統計のNFPの単月毎の良し悪しは関係ありません。
直近では、2017年9月集計分が60.3[ips]で最大値、2016年1月集計分が45.9[ips]で最小値です。この間は上昇基調が続いたものの、その後は停滞中です。

最後に価格指数です。

1809ISM製造業240.png

価格指数はPPIとの関係が連想されます。がしかし、後記詳述するように、価格指数の単月毎の良し悪しとPPIの単月毎の良し悪しは関係ありません。
また、上図のように価格指数は周期的な脈動があります。2017年は例外ですが、例年5月前に脈動ピークに達し、年末年始に向けて脈動ボトムに達しがちです。
直近では、2018年5月集計分が79.5[ips]で最大値、2015年12月集計分と2016年1月集計分が45.9[ips]で最小値です。この間は上昇基調が続いており、まだその基調が変わったという兆しは見受けられません。

【1.3 指標結果良否判定方法】

これほど項目が多いと、どの項目がどれだけ反応方向に影響するのかがわかりません。そこで、各項目毎の反応方向への影響を踏まえた判別式を求めておくことにします。

ここで、判別式の「判別」とは、複数の発表項目の市場予想や発表結果が、前回結果や市場予想に対し、総合的に良いか悪いかの判別です。陽線での反応はUSD買、陰線での反応はUSD売、なので、これが指標結果の良し悪しの判断基準です。

例えば、

  • 2✕景況指数の事後差異+1✕雇用指数の事後差異+1✕価格指数の事後差異

という判別式の解の符号は、直後1分足との方向一致率が81%に達します。判別式の各項係数は、この方向一致率が最大化するように決めています。
ともあれ、本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに非常に素直に反応することがわかりました。そういう風になるように判別式を決めているのだから当然です。但し、81%という一致率は他の指標と比べても高い方の数値です。

同様に、事前差異(市場予想ー前回結果)判別式は、

  • 2✕景況指数の事前差異+1✕価格指数の事前差異

とします。この式の解の符号と直前10-1分足の方向一致率は59%です。
市場予想がどうあれ直前10-1分足の方向はわかりません。59%ではアテにできません。でも、この係数は本式の解の符号と直前10-1分足の方向一致率を最大化しています。

実態差異(発表結果ー前回結果)判別式は、

  • 1✕景況指数の実態差異+1✕受注指数の実態差異+1✕価格指数の実態差異

とします。この式の解の符号と直後11分足の方向一致率は73%です。
本指標は、発表結果の前回結果に対する良し悪しに素直に反応します
この判別式に雇用指数を含めると、どう係数を選んでも一致率が悪化します。また、景況指数の実態差異だけの直後11分足との方向一致率は60%しかありません。

以後は、これら「判別式の解」やその「符号」を、特に断りなく単に「事前差異」「事後差異」「実態差異」と略記します。解の値を示しているのか、解の符号を示しているのかは、前後の文脈から判断願います。

【1.4 指標間一致性分析】

本指標総合値である景況指数はさておき、(a) 受注指数は耐久財受注や製造業受注の先行指標たり得ます。(b) 雇用指数は雇用統計のNFPの先行指標たり得ます。(c) そして、価格指数はPPIの先行指標たり得ます。
ここでは、(a)は比較対象の受注関連指標の反応が小さいので、それがそこそこ見込める(b)及び(c)の検証を行っておきます。
いわば、景気指標としての存在意義を問う検証です。

また逆に、NY連銀製造業景気指数(以下「NY連銀指数」と略記)やPhil連銀製造業景気指数(以下「Phil連銀指数」と略記)は、本指標の先行指標たり得ます。よって、本指標発表時の取引を有利に行えないか、その検証を行っておきます。

(1.4.1 )雇用指数と雇用統計NFPの関係

米国雇用統計発表前後のUSDJPY反応分析』の1.3.1項を参照願います。
結論は、本指標雇用指数の前月からの改善/悪化は、雇用統計NFPの前月からの改善/悪化を示唆しない(両者は取引に有益な関係がない)、です。

(1.4.2 価格指数とPPIの関係)

米国物価指標「生産者物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析』の1.3.1項を参照願います。
結論は、本指標価格指数の前月からの改善や悪化は、PPIの前月からの改善や悪化を示唆しない(両者は取引に有益な関係がない)、です。例え、同月集計分同士を比べずに、本指標価格指数を前後3か月ずらしても、この結論は同じです。

(1.4.3 本指標結果とNY連銀指数とPhil連銀指数の関係)

米国景気指標「Phil連銀製造業景気指数」発表前後のUSDJPY反応分析』の1.3項を参照願います。
結論は、NY連銀指数とPhil連銀指数がともに前月からの改善や悪化で一致したときのみ、その後発表される本指標結果の前月からの改善や悪化と70%一致する、です。
NY連銀指数と本指標では、それが56%しか一致しません。Phil連銀指数と本指標では、それが63%しか一致しません。指標解説記事で良く見かける「NY連銀指数で様子を見て、Phil連銀指数で方向を確認し、ISM指数を迎える」という説明は、こういう意味だったのです。

なお、ここで本指標の改善/悪化とは、本指標実態差異を指しています。事前差異や事後差異と違って、実態差異だけが市場予想を含まないので、それを比較しています。

本指標結論に相当する景況指数だけとの符号一致率では、これほど高い一致率になりません。そして何より、景況指数単独の実態差異と反応方向よりも、本指標(全体の)実態差異と反応方向の方が方向一致率は高くなります。
何のための分析かを踏まえれば、反応方向との相関が高い対象と比較すべきことは明らかです。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応概要】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1809ISM製造業110.png

指標発表直後1分足跳幅が18pipsを超えたことは、過去20%しかありません。年平均2〜3回しか、そんなことは起きないのです。多くのFX会社が注目度・重要度が高いと位置づけていても、本指標での取引で欲張りは禁物です。過去平均の12pips以下しか跳ねなかったことが59%を占め、その半分6pips以下しか跳ねなかったことも25%もあります。

【2.2 期間推移】

次に、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の推移を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

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2018年になってからはそれ以前に比べて、直後1分足と直後11分足がかなり小さくなっていることがわかります。

その理由を考察する一助に、1年毎に区切った事前差異・事後差異・実態差異の判別式の解の平均値の推移を下図に示します。このデータもて絶対値処理しています。

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反応差異のグラフと指標差異のグラフを見比べると、直後1分足と直後11分足が2018年になってから小さくなっている原因は、実態差異が小さくなっているためかも知れません。けれども、2017年以前は、それらの大小関係に相関がありません。
つまり、1年毎に期間を区切った場合、前回結果と市場予想と発表結果の大小関係と反応程度には、相関が認められません。よって、最近の反応の小ささは別の理由によるもの、ということになります。

大した結論ではないですね。
でもひとつずつ問題を片づけておけば、そのことは2度と考えずに済みます。

【2.3 個別反応分析】

多くの指標では、発表結果と市場予想の方向と差異(事後差異判別式の解)と直後1分足の方向と程度の相関が高くなります。そこで、事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

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回帰線(青線)が右上がりなことよりも、横軸の上下のドット分布をご覧ください。事後差異がプラスのときは陽線での反応が期待できるものの、マイナスのときに陰線で反応するとは言えないように見えます。方向に関しては陽線の場合しかアテになりません。
また、回帰式のR^2値(相関係数)は0.45(R値は0.67)しかありません。あまり回帰線はアテになりません。

次に、直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の関係を示します。

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回帰式(赤線)の係数は1.34です。平均的には、発表から1分後と更にその10分後では、34%値幅を伸ばします。

但し、直後1分足終値が△6〜+6pipsの範囲だったときは、直後11分足が直後1分足と反転していたことが多いことがわかります。そうとわかっていたら、直後1分足終値がこの範囲に収まったときは、追撃を止めた方が賢明です。

更に対角線(黒線)の上下のドット分布をご覧ください。この図の右半分で対角線より上か、左半分で対角線より下のドットが反応を伸ばした事例です。直後1分足終値が△6pips以下か+20pips以上だったとき、それ以降も同じ方向に反応を伸ばし続けたことがわかります

【2.4 回数反応分析】

本項では比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。
指標一致性分析は、各差異と各ローソク足の方向一致率を調べています。また、反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
それぞれの関係を調べることによって、先にわかることが後で起きることを示唆していないかがわかります。

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事前差異・事後差異・実態差異の偏りは、自然なばらつき範囲内です。また、各ローソク足の陰線率・陽線率には、極端な偏りがありません。

直前10-1分足は事後差異との方向一致率が66%です。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は81%です。低い一致率ではないものの、これだけでは直後1分足の方向を決め打ちすることに不安があります。
事後差異を介して直前10-1分足と直後1分足を結び付けると、直前10-1分足と同じ方向に直後1分足が反応する確率は、0.66✕0.81+(1ー0.66)✕(1ー0.81)=60%、にしかなりません。

がしかし、直前10-1分足と直後11分足の方向一致率は76%に達しています。この関係は、指標発表の直前直後の僅かな時間を除けば、指標発表前のトレンドに早期に復帰することが多い、と推察できます。本指標の影響持続時間は短いようです。

次に、反応性分析は、指標発表時点と発表から1分経過時点から見て、同じ方向に反応を伸ばし続けていたかを調べています。

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直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。この76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが81%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。

けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは57%まで下がっています。よって、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。ここまでの分析結論に基づき、各ローソク足での取引方針を定めます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

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直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pips、同値幅が4pipsです。過去陰線率は54%、事前差異との方向一致率は59%です。跳幅が20pips以上だったことはなく、10pips以上だったことは過去5回(頻度11%)しかありません。
この期間はポジションの根拠に欠いており、取引を避けた方が良いでしょう。

【3.2 直前1分足】

次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。

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直前1分足の過去平均跳幅は4pips、同値幅は2pipsです。過去陰線率は61%、事前差異との方向一致率は61%、直前10-1分足との方向一致率は58%です。跳幅が10pips以上だったことは過去2回(頻度5%)しかありません。
この期間はポジションの根拠に欠いており、取引を避けた方が良いでしょう。

【3.3 直後1分足】

そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。

1809ISM製造業430.png

直後1分足は過去平均跳幅は12pips、同値幅は8pipsです。

さて、直前10-1分足跳幅が10pips以上だったことは過去5回あります。この5回の直前10-1分足跳幅と直後1分足値幅の方向が一致したことは1回(20%)しかありません。また、直前1分足跳幅が15pips以上だったことは過去2回あります。この2回は、直前1分足と直後1分足の方向が一致しています。
指標発表前後のポジションは、直前10-1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に逆方向にオーダーし、直前1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に同じ方向にオーダーします。どちらも起きたら直前10-1分足のサインを重視し、指標発表直後の跳ねで利確/損切します。

そして、直前10-1分足と直後11分足の方向一致率は78%に達します。上記とは別に、指標発表直前に直前10-1分足と同じ方向に、いつもの半分の規模でポジションをオーダーし、10分以内に目安20pipsの利確/損切します。

また、発表後の直後1分足と直後11分足との方向一致率は76%です。この76%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが81%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは57%まで下がっています。よって、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。

【3.4 直後11分足】

最後に直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。

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直後11分足の過去平均跳幅は17pips、同値幅は13pipsです。
直後1分足終値が+20pips以上ならロング、△6pips以下ならショートで追撃します

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整理します。

  • 発表時には、直前10-1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に逆方向にオーダーし、直前1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に同じ方向にオーダーします。どちらも起きたら直前10-1分足のサインを重視し、指標発表直後の跳ねで利確/損切します。

  • それとは別に、指標発表直前に直前10-1分足が陽線なら、いつもの半分の規模でロングをオーダーし、10分以内に目安20pipsの利確/損切を目指します。
    但し、この方針は方向だけを判定対象とし、目安到達有無は判定対象に含めません。直後1分足が終値△6pips以上の陰線となった場合は、その時点で損切です。

  • 追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始し、発表から1分を経過したら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。1分経過以前であっても、3pipsも取れたらその時点で利確で構いません。
    もともと反応が小さい指標です。

  • 再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。ポジションオーダー3pips以上を狙ってです。





W.分析結論

【4.1 分析結論】

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択肢と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • 多くの指標解説で本指標の重要度・注目度は高く位置づけられています。けれども、本指標結果が他の指標結果を先行示唆している事実は見当たりません。そして、本指標の反応程度は大きくなく、本指標結果の影響持続時間は短い傾向があります。
    取引上の魅力で言えば、それほど重視する指標ではありません。

  • NY連銀指数とPhil連銀指数がともに前月より改善/悪化したとき、本指標結果も前月より改善/悪化しがちです。指標発表後は同じ方向に反応を伸ばしがちですが、発表前にはっきりしたトレンドが発生しているときは、発表から数分後にそのトレンドに復したことが多いようです。直後1分足値幅が△6pips以下か+20pips以上のとき以外は、その後そのまま同じ方向に反応を伸ばすとは言えません。

  • 指標発表前は過去に一貫した傾向が見受けられず、取引は勧められません。
    指標発表直前から発表後11分後までは、以前から一貫した複数の傾向が見受けられます。
    前述の通り発表結果のチャートへの影響持続時間は短く、発表時刻がくる前に欧州時間以降のトレンドを確認しておいた方が良さそうです。


【4.2 過去成績】

下表に、2017年の本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
この表は、2018年10月発表以降、適宜、最新のものに差替えを行っていきます。

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解か、わかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。
取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。

1709ISM製造業530.png

2017年は、本指標で8回取引を行い、指標単位で8連勝、シナリオ単位で20勝1敗(勝率95%)でした。
1回の発表当たり平均4分5秒の取引を行い、年間で121pipsの利確でした。
マグレもあるにせよ、そう的外れな分析や取引方針にはなっていない、ということでしょう。
以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上




東証JASDAQ上場の株式会社フジトミが提供する、株価指数とFXのインターネット証拠金取引です。東京金融取引所に上場された「くりっく365」と「くりっく株365」が取引できます。

「くりっく365」は2005年7月に東京金融取引所でスタートしたFX取引です。
店頭FX会社が提供するFXの場合、手数料・スプレッド・スワップポイントなど、各会社によってその内容が異なりますが、くりっく365は、安心・透明・信頼をモットーとする金融商品取引所を通して売買をおこなうことで、公正な取引を実現しています。

「くりっく株365」は2010年11月にスタートした取引所CFD(株価指数証拠金取引)です。2017年5月現在、日経225、NYダウ、FTSE100、DAXの4指数が取引可能です。最大の特徴は、配当相当額と金利相当額の受払いがあることです。
2016年の配当および金利相当額の受払い実績では、買いポジション1枚あたり31,615円でした。
日経225先物取引や日経225連動型上場投資信託とは違った魅力がくりっく株365にはあります。


2018年09月21日

米国金融政策(市場予想通り変更)発表前後のUSDJPY反応分析

どの国の中銀であれ、金融政策発表前後の反応は、「市場予想通り利上げ」の場合とその他の場合とで、反応が全く異なります。

本稿は、過去の利上げ発表時の反応方向を分析することによって、本発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。
以下の分析対象範囲は、2015年以降の「市場予想通り利上げ」が行われた7回の事例です(2015年12月、2016年12月、2017年3月、6月、12月、2018年3月、6月)。まだ事例数が少なく、何らかの傾向が見受けられても、それが今後も通用する一貫した傾向か否かはわからない、というのが正直なところです。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標概要】

まず最初に、FRB(米中銀)は市場との対話を重視しており、その結果、市場予想が外れないという特徴があります。これからもそうだという保証はないものの、過去の市場予想と発表結果は完全に一致しています。他の主要国中銀に対し、そういう点でFRBには信頼感が持てます。

金融政策発表結果は、@ 市場予想通り変更、A 市場予想通り今後見通し修正、B 市場予想に反して今後見通し修正、C 市場予想通り現状維持、の4つのパターンがあります。
Cを除けば、方針(緩和/引締)と規模(拡大/縮小)と時期(加速/減速)の変更がチャートを動かします。これらは、声明文の微妙なニュアンスを前回声明と変更することで伝えられることも多く、例えネイティブに近い英語力があったとしても、声明文を読むより先にチャートの動きに追従する方が現実的です。

指標発表前後は、世界中のプロフェッショナルが債券・株式・商品相場で取引に参加するため、我々アマチュアが事前に反応方向を読むことも現実的ではありません。どっちにどの程度どれぐらいの時間だけチャートが動くのかを予想することが難しいのはどの指標でも同じですが、金融政策発表時の反応はいつも大きくなりかねないから難しいのです。
よって、金融政策発表時の取引方針は、短時間毎(pips毎)に区切った事後追撃の繰り返しが基本です。大きく負けないようにすることを、大きく勝つことよりも重視しなければいけません。

ーーー$€¥£A$ーーー

さて、FRBは法的ミッションとして雇用最大化と物価安定が課されています。
現状は最大雇用に近く(失業率3.9%)、物価も目標範囲に達しています(四半期コアPCEデフレータは2018年1-3月期改定値以降+2%以上・付近で推移)。前回8月2日のFOMCでは「労働市場の力強い状況と2%に近いインフレ」の見通しが中長期的に示されています。

2018年4-6月期成長率は+4%を超えています(改定値)。平均時給前月比は2017年10月集計分修正値がマイナスだったのを最後にそれ以降はプラス推移が続いています。GDPの7割を占めるという個人消費前月比も2016年9月集計分修正値がマイナスだったのを最後に、プラス推移が続いています。

利上げペースを早める理由は見当たりません。
8月23日に公表された8月2日FOMC議事要旨で「多くの参加者は、現在の金融政策スタンスが緩和的という見方が近く不適切になると認識」しており、「貿易と住宅と新興国市場に下振れリスク」があることを指摘しています。また「数人の参加者が下半期の米経済成長は鈍化する見通し」との見解が示されています。そして、FRB議長は「FRB保有資産の縮小規模に関し秋の議論提案」をしたとのことです。
どちらかと言えば、緩和政策から引締政策への転換をペースダウンを表明する可能性の方が高いと思われます。

【1.2 指標差異】

市場予想と発表結果の過去推移を下図に示します。前述のように、両者は完全に一致しています。

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がしかし「市場予想通り利上げ」の場合、前述の通り、今後の方針に変更があるか否かが取引のポイントとなります。

【1.3 指標間一致性分析】

この項は今回の取引に関係ありません。
下図は、政策金利と2年債金利と10年債金利の推移です。

1809FOMC250.png

政策金利の上昇以上に2年債金利が上昇しています。そうなる理由は、2年債金利が政策金利よりも先行して上昇しているためです。
一方、10年債金利は必ずしも政策金利上昇につれて上昇していません。特に2018年以降は、上昇の頭を押さえられているように見受けられます。

次に、これら各金利の差を見てみましょう。
金利差を見る理由は(詳しく解説できるほど知識がないので結論だけ記せば)長短金利差が一定値よりも小さくなると、大手金融機関や保険会社が長期債を購入する際のコストを押し上げてしまいます。大手金融機関や保険会社の長期債購入コストが高くなれば、例え金利が高くても長期債の購入意欲は失われます。

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この図から、10年債と2年債の金利差がどんどん小さくなっていることがわかります。このような状況では、政策金利が上がっても10年債は売れにくくなってしまいます。米国債購入のためのUSD買は行われにくくなるため、それより金利の高い民間債券や株を買わないと、長期運用の利ザヤが稼げなくなってしまいます。ところが、株価は既にピークが近いのではないかという不安もあって、なかなかUSD買が進みません。

こうした関係は、下図を見比べるとわかりやすいでしょう。
最初の図は、先の図から10年債金利と政策金利の差だけを比較しやすくするため抜き出したものです。後の図は、同じ期間のUSDJPYの推移です。

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大きく見る限り、両者は特徴が良く似たグラフになります。
けれども、2018年に入ってからは、両者の特徴に僅かな違いが生じつつあるように見受けられます。その原因は、先に挙げたグラフで10年債金利と2年債金利の差が小さくなりすぎたから、と考えられます。

ともあれ、どんどんアマチュアが先行きを解釈するのが難しくなっています。素直でない現象は、アマチュアの分析に向いていません。そして、プロたちの解説を読んでも、何に注目した解説がいま重要なのかがわからない以上、我々には誰が正しいのか見分けがつきません。




U.反応分析

調査対象の過去事例が7回しかないため、あまり信頼できないことを注記しておきます。

【2.1 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

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過去7回の「市場予想通り利上げ」のときの平均値です。まだ、平均値で分析を行うサンプル数ではありません。

【2.2 反応方向】

FOMC利上げが予想されている場合、定型的な方向分析を行いません。

【2.3 予兆分析】

FOMC利上げが予想されている場合、予兆分析を行いません。




V.取引方針

以下に過去の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 時間足尺度】

まずは、政策発表4時間前から24時間後までの過去の始値ローソク足です。

1809FOMC410.png

指標発表前は、2017年3月以降5回続けて陰線側に動いています。
指標発表後は、2017年12月以降3回続けて陰線側に動いています。
大掴みには最近の反応が小さくなっていることがわかります。

この間、ずっと起きてチャートを見ている訳にもいかないので、この時間尺度での取引は行いません。
もし取引を行うなら、直後1時間足値幅方向と直後1-24時間足値幅方向は、過去7回全て一致しています。もっとも、直後1-24時間足は直後1時間足の高値も安値も更新したこともあるので要注意です。

【3.2 分足尺度】

次に指標発表10分前から11分後までです。

1809FOMC420.png

直前1分足は過去7回の発表のうち6回が陰線です。直前1分足の過去平均跳幅は10pips、同値幅は5pipsです。陽線側に10pips前後のヒゲを残したことが過去3回あります。更に、先の時間足尺度と見比べればわかるように、直前1分足は直前1時間足の方向と一致しています。
この期間は、直前1時間足が陰線で終わりそうで、発表1・2分前に陽線側に5pips以上跳ねたら、逆張りショートで5pipsを狙います

発表時刻を跨いだポジションは危ないので持ちません。
また、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしていたことは6回あります。がしかし、そのうち3回は、直後1分足形成途中に方向が反転もしくは反転しかけています(2017年6月・12月、2018年3月)。つまり、初期の反応方向を見て早期の追撃開始はかなり危ないことがわかります。
よって、発表時から指標発表1分後は様子見です。

発表から30分後にはFRB議長の会見があるため、その会見が終わるまでの追撃は短時間に5pipsずつ狙うぐらいでちょうどで良いでしょう。直近3回の発表後は直後1時間足は直後11分足の方向に反応を伸ばしていません。いつでも損切しやすい程度しか追うことができません。

【3.3 事後反応】

最後に、本発表から約1か月後までの反応です。

1809FOMC430.png

発表当日とその翌日は反転率が非常に高い点にだけ注目すれば良いでしょう。その後の方向は、もし当てても意味がないようです。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択肢と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • FRBは市場との対話を重視する中銀です。その結果、調査範囲において、金利変更やQE規模の変更とその時期が市場予想に反したことはありません。

  • ここ3回の利上げ決定時FOMC直後1分間の反応は跳幅20pips程度で、その後10分も30pips強しか起きていません。この間の反応方向がどっちになるかは予見できません(もちろん、今となっては既にわかっていますが)。
    でも構いません。金融政策発表時の取引方針は、短時間毎(pips毎)に区切った事後追撃の繰り返しが基本です。

  • 上述の通り、基本方針は短時間毎(pips毎)に区切った事後追撃の繰り返し、です。
    その他、直前1時間足が陰線で終わりそうで、発表1・2分前に陽線側に5pips以上跳ねたら、逆張りショートで5pipsを狙います。遅くとも発表10秒前には決済しておきたいものです。
    また、このブログが対象とする取引時間ではありませんが、直後1時間足値幅方向と直後1-24時間足値幅方向は過去7回全て一致しています。もっとも、直後1-24時間足は直後1時間足の高値も安値も更新したこともあるので、もし外れた場合には損切も大きくなってしまいます。

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




OANDA社には「FX会社を選ぶ基準はスプレッドとキャッシュバックキャンペーンだけではない」と公言するだけの特徴があります。

まず「OANDA FX ラボ」の分析画面です。個人ブログでその分析画面をコピー・ペーストして用いている事例はよく見受けられます。これは無許諾転載なら著作権法に触れますが、そういう事例でよく転載されているのが、同社の分析画面です。それぐらい同社は綺麗でわかりやすい分析画面となっています。

次にNDD (No Dealing Desk)方式での約定を行っていることです。NDD方式というのは、顧客のオーダーをOANDA社を介さずに市場レートで処理する方式のことです。通常、FX会社は、注文状況や市場の様子を考慮しつつ、調整しながらレートを提示しているため、実勢レートのズレやスプレッドに開きが生じがちです。その心配がない点が同社特徴と言えます。

そして、1通貨単位での取引というのは日本でもSBI FXトレード社が行っていますが、秒単位でのスワップ付与というのは日本で聞いたことがありません。驚きです。
広告以上

タグ:FOMC,FRB

2018年08月13日

米国実態指標「設備稼働率・製造業生産・鉱工業生産」発表前後のUSDJPY反応分析(改訂版)

米国実態指標「鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率」の指標発表前後の反応分析には、
@ 設備稼働率
A 製造業生産前月比
(以下「製造業生産」と略記します)
B 鉱工業生産前月比
(以下「鉱工業生産」と略記します)
を用います。

本稿は、過去の指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のUSDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。
この分析の調査範囲は、2015年1月集計分〜2018年6月集計分(同年7月発表分)の42回分です。




T.指標分析

以下、市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標の推移そのものより、指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係を重視しているためです。

【1.1 指標概要】

設備稼働率は、生産能力に対する実際の生産量の比率を表した指標です。基準年の平均稼働率を100として、製造業・鉱業・公共事業(電気・ガス)の生産能力に対する生産実績の比率から算出します。

設備稼働率は、設備投資とインフレの先行指標とされていて、80%を超えると投資が活発化する、と言われています。
がしかし、最近の米国では設備稼働率が高くなっても、設備投資を行う経営者は少数派です。

以前ほどではないにせよ、やはり米国の組合や地域のマスコミの影響力は強く、経営者が思い描くような自動化が難しいのです。いまどき自動化が図れない投資をするのは、米国人経営者でなくても可能な限り避けたいというのが本音でしょう。
だから、米国企業の設備投資判断は、PCやタブレット端末普及時の工程管理・サプライチェーン革新や、シェールガス採掘の技術革新があったときのように、圧倒的生産性向上が図れる時と処(ところ)でしか行えません。

設備稼働率と設備投資の相関がなくなったとまでは言いませんが、以前よりも両者の相関は弱くなっています。景気良し悪しを計る兆候のひとつとして、本指標は眺める方が良さそうです。

そんなことよりも大事なことは、本指標は同月集計の耐久財受注の良し悪しとの相関が高い点です。詳細は耐久財受注の稿で述べますが、両指標は前月結果より当月結果が良いか悪いかが70%程度一致しています。

これは不思議な現象です。
受注が良ければ、それから2・3か月後の稼働率が高まるのなら納得しやすいのです。一般的に製造業の多くは部品発注から部品納期までのリードタイムが2・3か月という部材が多いのです。ところが、事実は同月集計の受注と設備稼働率の一致率が高いのです。
この事象は合理的に説明できないことなので、ここ数年間だけが偶然そうなっているだけかも知れません。

【1.2 差異推移】

過去の指標推移を下図に示します。
最初に設備稼働率です。

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設備稼働率は、後記詳述するようにWTI原油先物価格と大きな動きが似ています。
次に鉱工業生産と製造業生産です。

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鉱工業生産と製造業生産は前月比です。発表結果の上下動に比べ、市場予想の上下動がかなり小さくなっています。
こうした特徴がある指標では、前回結果が良すぎたり悪すぎたりすると、次の発表結果で「反動」が起きやすくなります。そしてその反動は、発表結果が市場予想をオーバーシュート/アンダーシュートしがちです。

例えば、鉱工業生産の発表結果が+0.7%以上だったか△0.7%以下だったことは、過去10回ありました(頻度24%)。この10回について、前月結果が+0.7%以上だった翌月の発表結果が市場予想を下回ったか、前月結果が△0.7%以下だった翌月の発表結果が市場予想を上回ったことは8回ありました(期待的中率80%)。

また、製造業生産の発表結果が+0.6%以上だったか△0.4%以下だったことは、過去10回ありました(頻度24%)。この10回について、前月結果が+0.6%以上だった翌月の発表結果が市場予想を下回ったか、前月結果が△0.4%以下だった翌月の発表結果が市場予想を上回ったことは7回ありました(期待的中率70%)。

つまり、これらの反動は指標発表時刻を跨いだポジションの根拠たり得ます

【1.3 指標間一致性分析】

前述のWTI原油先物価格と設備稼働率の関係を示します。
下図は、WTI原油先物価格(月末終値)です。

1807米国鉱工業生産250.png

前掲の設備稼働率のグラフと見比べればわかるように、上下動やそのタイミングが両者は似ているように見えます。ところが実際は、両者の上下動やタイミングは一致していないのです。

いま、前回結果(前月結果)と当月結果の差だけに注目することにしましょう。そして設備稼働率の上昇下降が、3か月前から3か月後までWTI原油先物価格の上昇下降と方向一致しているか調べてみました。縦軸は両者の方向一致率です。

1807米国鉱工業生産260.png

大きく見れば、原油価格と設備稼働率の推移は一致するように見えるものの、単月毎に見る限り、原油価格が上昇しても設備稼働率が上昇するとは言えません。単月毎の設備稼働率の上下動が頻繁すぎるのです。
よって、原油価格上昇あるいは下落を理由に設備稼働率の上昇や下降を予想することはできません。ちょっと意外ではないでしょうか。




U.反応分析

分析には、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【2.1. 反応概要】

複数の発表項目の影響力の軽重を把握し、見るべきポイントを絞り込むため、各発表項目と反応方向の関係を求めておきましょう。

事前差異は、1✕製造業生産の事前差異+1✕鉱工業生産の事前差異、という判別式の解の符号と、直前10-1分足の方向一致率が60%となります。

事後差異は、2✕設備稼働率の事後差異+3✕製造業生産の事後差異+1✕鉱工業生産の事後差異、という判別式の解の符号と、直後1分足の方向一致率が75%となります。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応しています。

実態差異は、1✕設備稼働率態差異+2✕製造業生産の実態差異+1✕鉱工業生産の実態差異、という判別式の解の符号と、直後11分足の方向一致率は65%となります。

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下図は、事後差異(横軸)に対する直後1分足終値(縦軸)の分布です。

1807米国鉱工業生産140.png

全体的には右上がりの分布となっているものの、事後差異がマイナスのときは陽線で反応したことも目立ちます。本指標では、事後差異がプラスのときしか素直な反応が期待できない、と考えた方が良いでしょう。

次に、直後1分足終値(横軸)に対する直後11分足終値(縦軸)の分布を下図に示します。

1807米国鉱工業生産150.png

回帰線(赤線)の傾きは0.89で、平均的には反応が伸びない指標です。直後1分足が陽線であれ陰線であれ、その後どっちに伸びるかわかりません

【2.2 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1807米国鉱工業生産110.png

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は、過去平均で5pipsです。5pips以下しか跳ねなかったことは64%で、反応が小さな指標です。

次に、2015年以降の反応平均値の推移を下図に示します。

1807米国鉱工業生産120.png

もともと安定して反応が小さかったのに、2018年以降は更に小さくなっています。
もう何か、やる気なくなる指標ですね。

【2.3. 反応方向】

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。

1807米国鉱工業生産310.png

事後差異の過去マイナス率は67%と、偏りがあります。事後差異と直後1分足の方向一致率は75%と、指標発表直後の反応は素直です。

次に、反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

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直後1分足や直後11分足は、直前1分足との方向一致率がともに33%(不一致率67%)です。直前1分足は、その後の反応方向を示唆している可能性があります。

そして、反応性分析では、指標発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。

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直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%です。この70%の方向一致時に、直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしていたことは86%あります。指標発表直後の反応方向を確認次第、早期追撃開始です。

けれども、直後1分足終値がついた時点から見ると、直後11分足終値が同じ方向に反応を伸ばしていたことは43%しかありません。早期追撃開始したポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺うべきです。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 直前10-1分足】

下図に直前10-1分足を示します。2016年末頃を境に、それ以前の陽線が多かった状況から、それ以降は陰線が多くなっています。

1807米国鉱工業生産410.png

直前10-1分足の過去平均跳幅は6pips、同値幅は4pipsです。
過去陽線率は50%、事前差異との方向一致率は60%で、この期間のポジション方向を示唆する兆候はありません。

【3.2 直前1分足】

次に直前1分足です。2016年末頃を境に、それ以前の陰線が多かった状況から、それ以降は陽線が多くなっています。

1807米国鉱工業生産420.png

直前1分足の過去平均跳幅は3pips、同値幅は2pipsです。これでは、反応が小さ過ぎて取引に不適です。

【3.3 直後1分足】

そして、直後1分足を下図に示します。

1807米国鉱工業生産430.png

直後1分足は過去平均跳幅が5pips、同値幅が4pipsです。
直前1分足との方向一致率が33%(不一致率67%)なので、指標発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーすれば良いでしょう。
追撃は、指標発表直後に反応方向を確認したら早期開始し、指標発表から1分が過ぎたら利確の機会を窺います

【3.4 直後11分足】

直後11分足を下図に示します。

1807米国鉱工業生産440.png

直後11分足値幅が20pips以上だったことは1回しかありません(頻度3%)。やはり、反応を伸ばす指標ではありません。




W.分析結論

本指標の特徴は以下の通りです。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択肢と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。

  • WTI原油先物価格と設備稼働率の上下動は、単月毎に見る限り相関がありません。
    鉱工業生産は前月が+0.7%以上だったか△0.7%以下だったとき、製造業生産は前月が+0.6%以上だったか△0.4%以下だったとき、前月の反動を起こして市場予想をオーバーシュート/アンダーシュートしがちです。

  • 反応は以前から安定して小さく、取引の魅力にちょっと欠けます。
    取引するなら、直前1分足と直後1分足の方向一致率が33%(不一致率67%)しかないことを拠りどころにすると良いでしょう。追撃は、指標発表直後に反応方向を確認したら早期開始し、欲張らずに数pips取れたらすぐに利確した方が良いでしょう。

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2017年の本指標での取引成績を下表に纏めておきます。

1709米国鉱工業生産530.png

2017年は、本指標で3回の取引を行い、指標単位で2勝1敗(勝率67%)、シナリオ単位で5勝1敗(勝率83%)でした。1回の発表毎の平均取引時間は4分19秒で、損益は年間で△4.47pipsでした。
1回の負けが大きく、取り返せませんでした。
以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




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キャッシュバック条件は、口座開設後の3か月以内に新規取引500枚です。1日あたり9枚の売買を行えばクリアできる条件です。キャッシュバックがあるなら、その分だけ実際の取引で練習ができます。こういう取引口座で練習期間にいろいろ試して自分にあった取引方法を見つけることが、その後の上達に影響します。
(※)【冬時間】月曜AM7:00 - 土曜AM6:50【夏時間】月曜AM7:00 - 土曜AM5:50
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