2019年12月12日
屏風と衣桁。
骨董品の修理をする方から屏風を頂いた。
何年か前だ。
私も古い物が好きで、その人と話すと、「骨董市に行った」とか「骨とう品の市場」が開かれる
とか言う情報が伝わってくる。
「骨とう品の市場」はこちらが持ち込んで、買い手がつくかどうかの市場らしい。
買うも売るも出入りの許可証の有る人に限ると思うが、一度だけお供させてもらったことがある。(ような気がするが、あまり覚えていない)
時々、
「欲しい物があったら探しておくから言ってね。」
とか、
「こんなものが手に入ったけれど、要らない?」
とか、声を掛けてくれる。
それで、そんな時は素直に、
「もし、衣桁(いこう)が出たら教えて欲しい。」
と、伝えておいたら、早速2種類の物を手に入れて見せてくれた。
その内のシンプルな一本を結局頂いた。
我が家の唯一の和室で凄く重宝している。
今でも、旅館などの壁面で見られることもある。
もう一本は飾りが彫られていたが、それは息子が頂いた。
そんなやりとりのある人が、
「屏風が出たけど、見てみる?」
と、声を掛けてくれた。
とに角その人の家の居間は骨董品やら、絵画やら、工芸品やらで一杯だが、見せて頂くのは
凄く楽しみで、すぐ、返事してしまう。
「見せて、見せて!」と。
そうして、縁あって家にやって来たのがこの屏風なのだ。
暫くの間畳んだままにしてあったが、部屋のコーナーなら広げておけるかなと出してみた。
昔の日本家屋は機密性が無く冬などは寒かったからか、お布団の頭の
方に屏風を立てて寝るなんて光景はよくあったと思う。
隙間風から少しでも寒さを防げるのだろう。
映画やドラマを注意して観ると、そんな場面がある。
私が子供の頃、そんな風に使っていた記憶もある。
それで、最近は部屋の隅に広げて日常見えるようにした。
洋間だけれど、違和感なく、目に触れることを楽しんでいる。
他にも、茶席で使う、丈の低い屏風も頂いているので、どんな風に使えるかなと、いろいろ
想像したりしている。
誰かが精魂込めて作ってくれた物を古いから、家屋の形状に合わないからと捨ててしまったり、
壊してしまうのは勿体ない。
大切に扱えば古い物には存在感がある。
その存在感はそこの空気を奥行のあるものにしてくれる。
歴史があるのだ。
私は、そんな西洋、和もの問わず骨董品が好きだ。
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