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2017年03月25日

フリードリッヒ・リスト『経済学の国民的体系』(1841)

経済史において優勢を保ってきたのは貿易自由化の勢力だった。ケネーらの重農主義、古典派のスミス、比較優位説のリカード、新自由主義のフリードマンという流れだ。それに対抗する「幼稚産業保護」などの主張でリストは知られている。リストはドイツの経済学者であり、当時のドイツはヨーロッパの中でも田舎だった。
 例えばイギリスは、東インドからの輸入を航海条例によって規制したために、亜麻、木綿、絹、鉄といった国内工業の育成を行えた。そして発展の頂点に立った以後、イギリスの経済思想家達は「はしごを後ろに投げ捨てる」ようにして自由貿易を唱えています。
 リストは二つの点で自由貿易論を批判する。第一に、発展には段階があること。産業は保護しなければ育たず、発展の初期に経済先進国と自由競争をさせるのは幼児と成人が格闘するのと同様の結果になる。第二に、経済は物質と精神、世界性と地域性、個人と社会という二つの面を持っている。青年の教育、法の維持、国防などの公的支出は民間の交換価値を奪うが、長い目で見ればそれがあってこそ社会全体の生産性が高まっています。


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