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2017年03月23日

デヴィッド・リカード『経済学および課税の原理』(1817)

これまでの経済学者は道徳的存在として人間を捉えていたのに対して、リカードは「特定の定義のもとでの限定的な市場経済」を仮想し、数式こそ出てこないものの周到な論理展開を持つ経済学を論じた。リカードの「比較優位」説は高校の教科書に出てくるほど有名。
 本書で注目すべきは、交換価値(価格)が投下労働量に比例するという投下労働価値説を唱えたところ。アダム・スミスも投下労働価値説を論じていたが、それは地代も利潤も存在せず、自分で得た商品のみが交換される初期未開経済だけに当てはまるとした。一方でリカードは、資本や土地を用いて他人を雇う資本主義社会にも投下労働価値説が妥当だとした。これが後にマルクスを感激させ、余剰価値論を思いつかせるきっかけとなりました。


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