2020年08月15日
【必読】おなご緊急レポート
おなごの大運動会
「陽暉楼」
1983年9月10日公開。
宮尾登美子シリーズ第2作。
土佐の高知随一の遊郭・陽暉楼を舞台に様々な人間模様を描く異色作。
脚本:高田宏治
監督:五社英雄
出演者:
緒形拳、池上季実子、浅野温子、倍賞美津子、北村和夫、風間杜夫、田村連、丹波哲郎、二宮さよ子、熊谷真実、佳那晃子、仙道敦子、西川峰子、市毛良枝、成田三樹夫、小林稔侍、大村昆、内藤武敏、園佳也子
あらすじ:
昭和8年、高知随一の遊興として名高い陽暉楼。
売れっ子芸妓の桃若(池上季実子)は、芸妓紹介業を営む父・太田勝造(緒形拳)に売られた身だ。
母親のお鶴(一人二役:池上季実子)は既に死んでいる。
陽暉楼の女将・お袖(倍賞美津子)は、お鶴と勝造を取り合った過去を持つが、今は桃若を最高の芸妓に育てようとしている。
勝造は大阪に珠子(浅野温子)>という女を囲っていた。
女義太夫の道を諦めた珠子は、もう一度花を咲かせたいと考える。
珠子は勝造に仲介してもらって陽暉楼で働こうとするが断られ、娼婦になることにする。
ダンスホールで出会った桃若と珠子は、激しいケンカを繰り広げる。
高知進出を狙う大阪の稲宗一家が、陽暉楼を守ろうとする勝造を襲って重傷を負わせる。
病院に駆け付けた珠子に、勝造は自分の子分である秀次と一緒になるよう勧める。
一方、桃若は恋人である佐賀野井の子供を妊娠したことに気付く…。
桃若は、子供を生もうと決心し、悩んだ末、堀川に子供は彼の子でないと打ち明けた。
そんなことは承知で子供は認知しようと考えていた堀川は、自分の気持ちを踏みにじられたことに激怒し、縁切りを言い渡す。
珠子は、勝造の希望通り秀次と一緒になり、高知に店を出すことになった。
そして、桃若は女の子を生み弘子と名づける。桃若は、子供のために懸命に働くが、ある日、稽古の最中、突然倒れた。
結核で身を蝕ばまれていたのだ。
病院に見舞った珠子は、弘子を治るまであずかると言うが、芸妓の世界の習いとして、すでに弘子はお袖の世話で里子に出ていた。
お袖は、弘子を返してくれとの勝蔵の頼みに、桃若の勝手な振舞をののしる。
桃若の容態は悪化し、臨終の枕もとに弘子を伴って駆けつける勝造。
その夜、秀次・珠子の店を勝造が訪れ桃若の死を告げた。
その時、稲宗の手下が店を襲い、ドスに倒れて秀次は死んでいった。
そして、大阪駅・三等待合室。勝造は切符を二枚珠子に渡し、用事が済むまでここで待つよう言い残し出て行く。
勝造は床屋にいる稲宗、三好らを射殺するが、逃げる途中、追手に刺され絶命した。
深夜の駅では、いつまでも勝造を待ち続ける珠子の姿があった。
コメント:
本作の見せ場は、桃若(池上季実子)と珠子(浅野温子)の二人が、張り合ってトイレで、びしょぬれの大乱闘を繰り広げるところ。
この作品最大の、女同士のヘビーな乱闘シーン。
土佐のおなごは気が強いということを象徴している。
売れっ子とそのライバルとの戦いというよりも、父親の愛人と美人の母親が瓜二つということで、互いに嫉妬したという背景がある。
桃若の濡れ場の池上季実子の表情が美しい。
カメラワークもきれいだし、色彩、演出もきれい。
芸者を演じる熊谷真実、西川峰子、市毛良枝など女優達が色っぽい。
色街の雰囲気がよくでているのではないか。
このあたりはやはり五社英雄の世界だ。
浅野温子の熱演が光る。
ダブル浅野ドラマや踊る捜査線などのトレンディドラマとは全く異なる素晴らしい演技だ。
彼女には、お茶の間向けドラマではなく、映画の世界で大女優を目指して欲しかったと感じる。
緒形拳は相変わらず渋い重厚な演技を見せる。
このようなヤクザと立ち会う気概を発揮する役柄は、この人がうってつけだ。
緒形拳という骨太な役者が近年めっきり減ったことが残念だ。
倍賞美津子の遊郭のおかみ役が板についていてこの映画をしっかり作り上げている。
この女優は、色気だけでなく、任侠の世界でもしっかり存在感を示せる演技力があり、頼もしい。
今後、彼女のレビューを特集してみたい。
おなごの未公開情報を通販ショップで提供、このタイミングを逃したらもう二度と同じ商品にめぐりあえないかも
タイトル『娘よ!ギガ計画を射て』
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