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2020年07月31日

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ウーバーイーツも多種多様


 用があって、いつもお世話になってる元脚本家・Kさんの職場へ顔を出す。ここではいろんな業界の方々が出入りしていて、その人たちの話を聞くのが楽しい。それも老若男女とバリエーションがある。立派そうな人もいれば、もいる。
 ふつうに暮らしてたらまず知り合うこともないであろう人たちと顔を合わし、情報を聞かせてもらえるのです。とても貴重な場だと私は思っている。
 私とKさんとは帰る方向が一緒なので、みんなが帰っても私だけKさんが仕事を終わらすのを待ち、Kさんのクルマで途中まで送ってもらうのが毎度のパターンだ。帰宅時間は少し遅くなるけど、そのぶん貴重な話を聞かせてもらえる有意義な時間を過ごせるので問題ナシ。そのときに出た会話を、過去に何度かここでネタにしてきました。
 今回もその場所で起こったこと・聞いたことをネタにいたします。大きく分けて二部構成。ただし今日のKさんは脇役で。

 

●やはりこのたびのキーワードもコレになるんだろうな(笑)。


 

 ではひとつ目。
 Kさんの職場、いつもレギュラーで来ている女性・K籐さん(=50代後半)がその日は来なかった。K籐さんは私も少し面識のある人です。アルバイトでシフトは自由に選べるシステムだから、それ自体は珍しいことではないらしい。しかし前日にKさんが
「明日もよろしく」と言ったら、ふつうに「はい」って答えて帰ったのだとか。
 早朝4時ごろ、K籐さんから謎のメールが届いたそうで。

「片方、よ」
 当然、Kさんは「なんのこと?」と返す。そしたらこんな返信が届いたと。見せてくれました。
「お世話になりました」
 おいおい。これって、もう会うことがない人へ送る系の文面でしょ。ヘタすりゃ生きるのをやめる決意をした人のそれっぽくもある。気味が悪い。
 不審に思ったKさんは電話で会社へ確認。退職されるとの情報はとくにないという。いよいよ気味が悪い。 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 こんなことがあった日から何日かはそこへ行く機会がなかったので、その間は気になって気になって仕方ありませんでした。そして数日後――。
 Kさんの職場へ行ってみました。K籐さん、ふつうにいました。 Σ(・ω・ノ)ノ! ナニゴトがあったのか訊きたいのはヤマヤマでしたが、デリケートなことだったらマズいので動けずにいる私。しばらくはモヤモヤしたままで過ごすことに。
 数時間後、Kさんがこっそりおしえてくれました。

「寝ぼけてたんだって。『わたし、なんでこんなこと書いたのかしら?』って・・・」
 なんと人騒がせな(苦笑)。この方、寝起き直後は相当おかしいんだとかで。

 ふだんのK籐さんはちゃんとした人のように見える。そして年齢のわりに若々しくもある。オバチャンによくある出しゃばりなところもなく、控え目で上品な佇まいな方だ。
 だけど人にはやはり多面性というものがあるのだろう。私だって寝起きは弱いほうだったが、さすがにこういう奇行はやったことがない。
 まぁK籐さんの場合は実害が出たわけではないのでいいほうだろう。いっぽうで、職場では「デキる人」とされ、働きぶりもまったく問題なさそうな人が、プライベートでは酒やギャンブルに依存してて荒れた生活を送っているというケースがけっこうある。また、個人の仕事能力だけは長けていても、コミュ障なためにうまく軌道に乗れないでいる人もけっこう見かける。先ほども書いたように「ここまでどうやって生きながらえてこれたのか不思議な人」は言わずもがな。
 そんな人間模様あふれる情景を、この場所ではいっぱい見聞きさせてもらえたものだ。

 さて。
 この日やった雑談にて。K籐さんを含め3〜4人くらいでエアコンについて語っておったのです。

チアーさん「ここ数年、7月があんまり暑くない。去年もだった。去年の7月はうちのマンションが1ヵ月ほどやってて、窓を開けれなかったしエアコンもつけれない日が続いた。でも耐えられたから」
20代役者O野さん「ボク、7月はエアコンつけないことにしてます。どうしても暑いときは、打ちもしないのにパチンコ屋へ行って涼んだり」
 ・・・こんな具合に。そんななか、私がポロっと「エアコンのリモコンがどこかへ行ってて・・・」とこぼしたら、K籐さんにえらく気に入られてしまった。いわく「ふつうはカットする情報まで言うところが面白い」んだって。
 加えて
「いま窓が閉まらなくて・・・」と言ってしまったもんだから、よけいポイントが高くなってしまったらしい。とにかく絶賛される。でも自分ではそんなに面白いこと言ったつもりはないだけに、少々複雑である。汗
「ファンになりそう」「サインもらおうかしら」とまで言ってくるので、どうしたらいいものか。ホメられ慣れてないのでリアクションに困る。

 ここですることもひととおり終わり、大半の人も帰ってしまった時間。Cさんが雨に濡れてしまった靴下を乾かしながら座っていたので、しばし雑談。
 Cさんは30代前半くらいだと思うが人生経験が豊富。頭がよくて歯科医の経験があり、詳しくは聞いてないがテレビの仕事もしていたことがあるそうだ。また、お兄さんの影響で古いテレビ番組にも詳しく、この日は
「『(必殺)仕置人』見てたらが竹鉄砲を暴発させてました」と報告してきた。
「こないだは『』見てました。そしたらが珍しく苦戦してて仲間に助けてもらってて・・・。必殺のメンバーって、真っ向勝負でも強そうなのはとかとかで限られてるじゃないですか。他は基本、卑怯な作戦立てないと勝てないようなメンバーばかりなんですよね」
 なるほどね(笑)。こんなかんじだから私やKさんとも話が噛み合うのだ。

 

幽霊っていると思う?いないと思う?

▼本日限定!ブログスタンプ

 
 そういえばCさんは何年か九州のほうへ住んでたことがあったらしい・・・そうだ、アメブロさんが26日に上差しこんな企画を立ててたので遅ればせながら参加させてもらおう。前にCさんから聞いた話です。
 Kさんの職場って、近所に墓地があるんです。私たちは深夜でも墓地の前の道を平気で通ってるのですが、あやしい現象に遭遇したことはない。また、墓地のそばには民家も隣接しているんですけど、とくに敷居もなく、窓の外にはすぐ墓がある。いっぱいある・・・そんな家なんですよ。
 そこをCさんと歩いてて
「あの家には何か面白い現象とか起こらないんですかね?」なんて話してたんですわ。そしたらCさん、軽くジョークで返しつつも、自らの体験談を話してくれました。
 Cさんが福岡にいたとき住んでたアパートは、いわゆる「出る」物件だったのだそうだ。夜中に誰もいないはずの隣室や天井などから掃除機をかける生活音や電話をしてるような話し声などが聞こえてきてたそうで。大きな被害は受けなかったようだけど、いっぺん宙に浮いたコップがそのまま落下して割れてしまったことがあり、それはちょっと腹が立ったくらいのことだそうで。
 大島てるには載ってない。事故物件ではないから。しかし、準・事故物件とはいえるのかもしれません。だいぶ経ってから知った情報によると、そのアパートが建てられる前にあった物件が放火殺人かなにかで多くの死人が出るような悲惨な事件があったと。火が燃え始めた場所が、ちょうどCさんの住んでた部屋あたりと重なることになるんだとかで。おそらくアパートじゅうにおかしな現象が起こってたみたいで、恐怖のあまり住人は短期間で引っ越していく。だから6つ部屋があっても、そこにいるのはCさんだけなのだ。

「もともとボクは心霊とかは信じないほうだったんですけど、信じざるを得なくなりました。でもそんなところへ7年くらいは住んでました」
 慣れっこになってしまってたもよう。まぁこの手の話、信じるか信じないかについては以前も記事にしましたように個人的にはニュートラル。自分は遭遇したことがないから肯定も否定もしません。ただ、どうせなら楽しんだほうがいいと思ってるので、例えば稲川淳二さんの話なんかは率先して聴くようにはしてますけどね。



 はい、いまのは前に聞いた話。この日はいつものようにマニアックな映画の話をしてまして、その流れのまま『
』の話題になり、そこから『』へ発展し・・・このあたりからKさんが外から戻ってきて話に加わるようになりました。
 Cさんは『ウルトラファイト』を見たことがない。
「パチンコの映像で見たのがウルトラファイトなのかなぁ?」と言うので、その場で動画を見せてもらった。
 たしかにやってることはウルトラファイトなんだけど、映像の質感がまるで違う。

「ウルトラファイトにCGで加工したものか・・・いや、こりゃ新しく作ったものだな!」
「そうですよね。これ、フィルムの質感がないですもんね」
 というわけで残念ながら、この日、Cさんは本物のウルトラファイトにはありつけず。私が「『レッドマン』にプロレス風実況をつけたような作品ですよ」と、作風をイメージしてもらいやすいように説明。さらに「ああいうシリーズは出てくる怪獣に脈絡はない。着ぐるみが乾いてるのから使ってたみたいよ」と話したらCさんもKさんも爆笑されてました(※汗で中が濡れるから)

 で、話は'90年代の戦隊モノへ移行。こうなると当時、東映で大道具をやってたKさんにを
語ってもらうことに。
「いいの? (これ話してたら)帰れなくなるよ」
 Kさんの仕事もほぼ終わったのでもう帰ってもいい時間なのだが、もうちょっといることに。Kさんの職場だから酒も食事もないけれど、ほとんど飲み会みたいなノリである。

 ・・・おっと。前回の記事で「特撮ネタは当分、控える」と宣言してましたので、この話はもうやめます。今回は持ちネタ豊富なCさんが主役なので、この日、披露してくれたとっておきの話を優先的に書くことにします。

 Cさんが中高生のころにいたクラスメイトのお話。体育の授業かなにかで卓球の総当たり戦をやらされていたのだそうだ。クラスメイトの“彼”とは、ドベを競うような間柄。仲も悪くなかったらしい。
 ある日、彼の家へ遊びに行こうとしたところ、「家族と仲がよくないから・・・」との理由でボツになったことがあったという。
 数年後。その“彼”が浪人生のとき、口論が引き金となって家族のひとりを殺してしまったそうだ。それもかなり残虐な性質なもので、簡単なキーワードで検索しても一発でWikipediaやまとめサイト等、さまざまな記事へヒットしてしまうほど有名な事件の犯人になってしまったんだとか。だからここへ事件に関する詳しいワードを書くのは控えますけどね。

「もうすぐ(刑務所から)出てくるんですよ。どうするのかなぁ」
 Cさんは心配していた。やったことは悪いことだけど“彼”がそうなってしまった背景を少しは知ってるので、結果だけを見て叩こうとする世間一般の姿勢とは一線を画す。
「ふだんは大人しくていいヤツなんです。あれは環境がよくなかった。そんなところへいたら、そりゃ頭おかしくもなりますよ」
 こういう話を聞くたびに私は思う。「もしも自分が“彼”とおなじ環境にいたら、はたして“彼”とおなじことをしないと言い切れるだろうか?」と。

 刑務所ネタのついでではありませんが、Cさんはもうひとつそれに関連する話をしてくれました。
 ほんの少し前、Cさんは知人の結婚式のため沖縄へ行ってきたんです。そのとき新郎の友人として来ていた人(=X氏)と意気投合し、式の前日にもかかわらず朝まで飲み明かしながら聞かせてもらった内容がメチャクチャ面白かったんだと楽しそうに話すCさん。
 X氏は刑務所暮らしの経験者。つき合ってた彼女がクルマのトラブル(スピード違反?)をやらかしたのだが、それを庇って自分がやったことにした。だが当時、X氏は免停中。よって実刑2年を言い渡された。
 ところが服役中、庇ったはずの彼女から「別れましょう」との手紙が届く。あまりの仕打ちに泣くしかなかったのだそうだ。
えーん
 そんなX氏が刑務所(千葉)で見てきた話がスゴかった。まずひとつが、入ってくるヤツのズレっぷり。
 刑務所入りの際は余計な物を持ち込まないよう、身体の隅々までチェックされるのだが、往々にしてそれを突破しようと謀る者もいるものだ。
 某受刑者は尻の穴にタバコを忍ばせていた。それをムショ内のボス的存在に上納すれば、そこでの待遇がよくなることがあると考えてのことだそうだ。
 某受刑者もそうだった。しかしこの手口は常套手段なので案の定、すぐバレてしまう。
 ただ、その某受刑者はタダモノではなかった。タバコを隠すにしても、通常であれは何らかの袋に包んでおくものなのだが、そいつの場合はタバコを裸のままでソコへ収納していたのだという。
 見つかった際は「おまえ、コレをボスに吸わそうとしたのか?」と呆れられたのだとか。 (><;)


 もうひとつ。どういう経緯か定かでないが、受刑者のひとりが『』の絵が描かれてあるガムを手に入れた。アナと、雪の女王。ふたつのキャラクターの姿が同時に納まっている絵なのだろう。
 で、それを見た仲間うちで「どっちがアナで、どっちが雪の女王か?」の論争が勃発したのだそうだ。この論争は次第に拡大し始め、最初はおかずを賭けたりしてたレベルが殴り合いのケンカになり、やがては刑務所全体を巻き込むほどの大規模となったもよう。意見はほぼ真っ二つに割れ、片方だけで200〜300人規模の派閥闘争に。なかには「オレはこっちに全財産を賭ける!」と言い出す者まで現れた。アホです。アホアホすぎる世界です! ヾ(T∇T)ノ彡☆ギャハハ!!バンバン!!

 しかし、そこは外の世界の情報が遮断されてる空間。彼らには確認するすべがない。いや、正確には、例えば映画雑誌なら買えなくもない。だけどそこで稼げる賃金が少なすぎるため(映画雑誌が1000円くらいだとしたら、それを買うのに10ヵ月分くらいの稼ぎが必要となる)、そういうものを買おうとする者がいない。よってこの「アナ派?」「雪の女王派?」論争は長期化してしまう悪循環に陥ってしまったそうなのだ。
 数ヵ月が経っても収束に向かわぬ事態。これを見かねた刑務所側は、受刑者たちを集めて『アナと雪の女王』の上映会をやってくれたのだとか。かなりの(賭けていた)ブツが動いたもよう。
 なお、私も『アナと雪の女王』は見たことがなくて、今後も見る予定はない。だから仮に私が刑務所へ入るとして、もし「アナ雪論争」が続いていたとしても、受刑者の人たちの輪には入っていく資格があるということになります。

 

 
 ――そんな話を聞かせてくれたCさんですが、学生時代は奨学生だった。それも医療系の学校だから非常に高額。じつはKさんも医学生の経験があったのだが、親の反対を押し切ってその道へ進んだため、学費はすべてアルバイトで稼いでいた。しかし、とうとう払えなくなり、その道へ進むことを断念した経緯がある。だからCさんの立場もよくわかるのだ。

 Cさんはその返済が未だに残っている。だからこのたびの緊急事態宣言で仕事が激減した際、ウーバーイーツでもやろうかと言っていた。
 結局、Cさんが選んだのはAm●z●nの配達員。しかしその仕事を始めるためにクルマのレンタルやら数々の備品を自腹で払うことに。結果、1日13時間労働を2週間やって収支はやっとゼロになったんだそうで。
 もうちょっとやってたら黒字にはなっただろうけど、時給にすると1000円に満たない計算になるのでもうやらないそうです。あの配達員の方々、そんな割の合わない仕事されてるのね。

 
 
 よそじゃ聞けない話の数々。私は趣味が合うだけの関係なら、さほど興味は湧かなくなりました。まして寂しいからといって互いを慰め合うようなつき合いには断じてノーと言いたいです。
 でもKさんやCさんのように、他のジャンルにも精通してて勉強になる方々とお会いできる機会があるのは大いに有難いことだと思っています。

 ところで。
 K籐さんは本気でサインを欲しがってるのだろうか?
 サインなんて、どうすりゃいいんだ? 近藤真彦のサインなら描けそうなんですけど、それでカンベンしてもらおうか。
 
 

 


ウーバーイーツでわかる経済学


 用があって、いつもお世話になってる元脚本家・Kさんの職場へ顔を出す。ここではいろんな業界の方々が出入りしていて、その人たちの話を聞くのが楽しい。それも老若男女とバリエーションがある。立派そうな人もいれば、もいる。
 ふつうに暮らしてたらまず知り合うこともないであろう人たちと顔を合わし、情報を聞かせてもらえるのです。とても貴重な場だと私は思っている。
 私とKさんとは帰る方向が一緒なので、みんなが帰っても私だけKさんが仕事を終わらすのを待ち、Kさんのクルマで途中まで送ってもらうのが毎度のパターンだ。帰宅時間は少し遅くなるけど、そのぶん貴重な話を聞かせてもらえる有意義な時間を過ごせるので問題ナシ。そのときに出た会話を、過去に何度かここでネタにしてきました。
 今回もその場所で起こったこと・聞いたことをネタにいたします。大きく分けて二部構成。ただし今日のKさんは脇役で。

 

●やはりこのたびのキーワードもコレになるんだろうな(笑)。


 

 ではひとつ目。
 Kさんの職場、いつもレギュラーで来ている女性・K籐さん(=50代後半)がその日は来なかった。K籐さんは私も少し面識のある人です。アルバイトでシフトは自由に選べるシステムだから、それ自体は珍しいことではないらしい。しかし前日にKさんが
「明日もよろしく」と言ったら、ふつうに「はい」って答えて帰ったのだとか。
 早朝4時ごろ、K籐さんから謎のメールが届いたそうで。

「片方、よ」
 当然、Kさんは「なんのこと?」と返す。そしたらこんな返信が届いたと。見せてくれました。
「お世話になりました」
 おいおい。これって、もう会うことがない人へ送る系の文面でしょ。ヘタすりゃ生きるのをやめる決意をした人のそれっぽくもある。気味が悪い。
 不審に思ったKさんは電話で会社へ確認。退職されるとの情報はとくにないという。いよいよ気味が悪い。 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 こんなことがあった日から何日かはそこへ行く機会がなかったので、その間は気になって気になって仕方ありませんでした。そして数日後――。
 Kさんの職場へ行ってみました。K籐さん、ふつうにいました。 Σ(・ω・ノ)ノ! ナニゴトがあったのか訊きたいのはヤマヤマでしたが、デリケートなことだったらマズいので動けずにいる私。しばらくはモヤモヤしたままで過ごすことに。
 数時間後、Kさんがこっそりおしえてくれました。

「寝ぼけてたんだって。『わたし、なんでこんなこと書いたのかしら?』って・・・」
 なんと人騒がせな(苦笑)。この方、寝起き直後は相当おかしいんだとかで。

 ふだんのK籐さんはちゃんとした人のように見える。そして年齢のわりに若々しくもある。オバチャンによくある出しゃばりなところもなく、控え目で上品な佇まいな方だ。
 だけど人にはやはり多面性というものがあるのだろう。私だって寝起きは弱いほうだったが、さすがにこういう奇行はやったことがない。
 まぁK籐さんの場合は実害が出たわけではないのでいいほうだろう。いっぽうで、職場では「デキる人」とされ、働きぶりもまったく問題なさそうな人が、プライベートでは酒やギャンブルに依存してて荒れた生活を送っているというケースがけっこうある。また、個人の仕事能力だけは長けていても、コミュ障なためにうまく軌道に乗れないでいる人もけっこう見かける。先ほども書いたように「ここまでどうやって生きながらえてこれたのか不思議な人」は言わずもがな。
 そんな人間模様あふれる情景を、この場所ではいっぱい見聞きさせてもらえたものだ。

 さて。
 この日やった雑談にて。K籐さんを含め3〜4人くらいでエアコンについて語っておったのです。

チアーさん「ここ数年、7月があんまり暑くない。去年もだった。去年の7月はうちのマンションが1ヵ月ほどやってて、窓を開けれなかったしエアコンもつけれない日が続いた。でも耐えられたから」
20代役者O野さん「ボク、7月はエアコンつけないことにしてます。どうしても暑いときは、打ちもしないのにパチンコ屋へ行って涼んだり」
 ・・・こんな具合に。そんななか、私がポロっと「エアコンのリモコンがどこかへ行ってて・・・」とこぼしたら、K籐さんにえらく気に入られてしまった。いわく「ふつうはカットする情報まで言うところが面白い」んだって。
 加えて
「いま窓が閉まらなくて・・・」と言ってしまったもんだから、よけいポイントが高くなってしまったらしい。とにかく絶賛される。でも自分ではそんなに面白いこと言ったつもりはないだけに、少々複雑である。汗
「ファンになりそう」「サインもらおうかしら」とまで言ってくるので、どうしたらいいものか。ホメられ慣れてないのでリアクションに困る。

 ここですることもひととおり終わり、大半の人も帰ってしまった時間。Cさんが雨に濡れてしまった靴下を乾かしながら座っていたので、しばし雑談。
 Cさんは30代前半くらいだと思うが人生経験が豊富。頭がよくて歯科医の経験があり、詳しくは聞いてないがテレビの仕事もしていたことがあるそうだ。また、お兄さんの影響で古いテレビ番組にも詳しく、この日は
「『(必殺)仕置人』見てたらが竹鉄砲を暴発させてました」と報告してきた。
「こないだは『』見てました。そしたらが珍しく苦戦してて仲間に助けてもらってて・・・。必殺のメンバーって、真っ向勝負でも強そうなのはとかとかで限られてるじゃないですか。他は基本、卑怯な作戦立てないと勝てないようなメンバーばかりなんですよね」
 なるほどね(笑)。こんなかんじだから私やKさんとも話が噛み合うのだ。

 

幽霊っていると思う?いないと思う?

▼本日限定!ブログスタンプ

 
 そういえばCさんは何年か九州のほうへ住んでたことがあったらしい・・・そうだ、アメブロさんが26日に上差しこんな企画を立ててたので遅ればせながら参加させてもらおう。前にCさんから聞いた話です。
 Kさんの職場って、近所に墓地があるんです。私たちは深夜でも墓地の前の道を平気で通ってるのですが、あやしい現象に遭遇したことはない。また、墓地のそばには民家も隣接しているんですけど、とくに敷居もなく、窓の外にはすぐ墓がある。いっぱいある・・・そんな家なんですよ。
 そこをCさんと歩いてて
「あの家には何か面白い現象とか起こらないんですかね?」なんて話してたんですわ。そしたらCさん、軽くジョークで返しつつも、自らの体験談を話してくれました。
 Cさんが福岡にいたとき住んでたアパートは、いわゆる「出る」物件だったのだそうだ。夜中に誰もいないはずの隣室や天井などから掃除機をかける生活音や電話をしてるような話し声などが聞こえてきてたそうで。大きな被害は受けなかったようだけど、いっぺん宙に浮いたコップがそのまま落下して割れてしまったことがあり、それはちょっと腹が立ったくらいのことだそうで。
 大島てるには載ってない。事故物件ではないから。しかし、準・事故物件とはいえるのかもしれません。だいぶ経ってから知った情報によると、そのアパートが建てられる前にあった物件が放火殺人かなにかで多くの死人が出るような悲惨な事件があったと。火が燃え始めた場所が、ちょうどCさんの住んでた部屋あたりと重なることになるんだとかで。おそらくアパートじゅうにおかしな現象が起こってたみたいで、恐怖のあまり住人は短期間で引っ越していく。だから6つ部屋があっても、そこにいるのはCさんだけなのだ。

「もともとボクは心霊とかは信じないほうだったんですけど、信じざるを得なくなりました。でもそんなところへ7年くらいは住んでました」
 慣れっこになってしまってたもよう。まぁこの手の話、信じるか信じないかについては以前も記事にしましたように個人的にはニュートラル。自分は遭遇したことがないから肯定も否定もしません。ただ、どうせなら楽しんだほうがいいと思ってるので、例えば稲川淳二さんの話なんかは率先して聴くようにはしてますけどね。



 はい、いまのは前に聞いた話。この日はいつものようにマニアックな映画の話をしてまして、その流れのまま『
』の話題になり、そこから『』へ発展し・・・このあたりからKさんが外から戻ってきて話に加わるようになりました。
 Cさんは『ウルトラファイト』を見たことがない。
「パチンコの映像で見たのがウルトラファイトなのかなぁ?」と言うので、その場で動画を見せてもらった。
 たしかにやってることはウルトラファイトなんだけど、映像の質感がまるで違う。

「ウルトラファイトにCGで加工したものか・・・いや、こりゃ新しく作ったものだな!」
「そうですよね。これ、フィルムの質感がないですもんね」
 というわけで残念ながら、この日、Cさんは本物のウルトラファイトにはありつけず。私が「『レッドマン』にプロレス風実況をつけたような作品ですよ」と、作風をイメージしてもらいやすいように説明。さらに「ああいうシリーズは出てくる怪獣に脈絡はない。着ぐるみが乾いてるのから使ってたみたいよ」と話したらCさんもKさんも爆笑されてました(※汗で中が濡れるから)

 で、話は'90年代の戦隊モノへ移行。こうなると当時、東映で大道具をやってたKさんにを
語ってもらうことに。
「いいの? (これ話してたら)帰れなくなるよ」
 Kさんの仕事もほぼ終わったのでもう帰ってもいい時間なのだが、もうちょっといることに。Kさんの職場だから酒も食事もないけれど、ほとんど飲み会みたいなノリである。

 ・・・おっと。前回の記事で「特撮ネタは当分、控える」と宣言してましたので、この話はもうやめます。今回は持ちネタ豊富なCさんが主役なので、この日、披露してくれたとっておきの話を優先的に書くことにします。

 Cさんが中高生のころにいたクラスメイトのお話。体育の授業かなにかで卓球の総当たり戦をやらされていたのだそうだ。クラスメイトの“彼”とは、ドベを競うような間柄。仲も悪くなかったらしい。
 ある日、彼の家へ遊びに行こうとしたところ、「家族と仲がよくないから・・・」との理由でボツになったことがあったという。
 数年後。その“彼”が浪人生のとき、口論が引き金となって家族のひとりを殺してしまったそうだ。それもかなり残虐な性質なもので、簡単なキーワードで検索しても一発でWikipediaやまとめサイト等、さまざまな記事へヒットしてしまうほど有名な事件の犯人になってしまったんだとか。だからここへ事件に関する詳しいワードを書くのは控えますけどね。

「もうすぐ(刑務所から)出てくるんですよ。どうするのかなぁ」
 Cさんは心配していた。やったことは悪いことだけど“彼”がそうなってしまった背景を少しは知ってるので、結果だけを見て叩こうとする世間一般の姿勢とは一線を画す。
「ふだんは大人しくていいヤツなんです。あれは環境がよくなかった。そんなところへいたら、そりゃ頭おかしくもなりますよ」
 こういう話を聞くたびに私は思う。「もしも自分が“彼”とおなじ環境にいたら、はたして“彼”とおなじことをしないと言い切れるだろうか?」と。

 刑務所ネタのついでではありませんが、Cさんはもうひとつそれに関連する話をしてくれました。
 ほんの少し前、Cさんは知人の結婚式のため沖縄へ行ってきたんです。そのとき新郎の友人として来ていた人(=X氏)と意気投合し、式の前日にもかかわらず朝まで飲み明かしながら聞かせてもらった内容がメチャクチャ面白かったんだと楽しそうに話すCさん。
 X氏は刑務所暮らしの経験者。つき合ってた彼女がクルマのトラブル(スピード違反?)をやらかしたのだが、それを庇って自分がやったことにした。だが当時、X氏は免停中。よって実刑2年を言い渡された。
 ところが服役中、庇ったはずの彼女から「別れましょう」との手紙が届く。あまりの仕打ちに泣くしかなかったのだそうだ。
えーん
 そんなX氏が刑務所(千葉)で見てきた話がスゴかった。まずひとつが、入ってくるヤツのズレっぷり。
 刑務所入りの際は余計な物を持ち込まないよう、身体の隅々までチェックされるのだが、往々にしてそれを突破しようと謀る者もいるものだ。
 某受刑者は尻の穴にタバコを忍ばせていた。それをムショ内のボス的存在に上納すれば、そこでの待遇がよくなることがあると考えてのことだそうだ。
 某受刑者もそうだった。しかしこの手口は常套手段なので案の定、すぐバレてしまう。
 ただ、その某受刑者はタダモノではなかった。タバコを隠すにしても、通常であれは何らかの袋に包んでおくものなのだが、そいつの場合はタバコを裸のままでソコへ収納していたのだという。
 見つかった際は「おまえ、コレをボスに吸わそうとしたのか?」と呆れられたのだとか。 (><;)


 もうひとつ。どういう経緯か定かでないが、受刑者のひとりが『』の絵が描かれてあるガムを手に入れた。アナと、雪の女王。ふたつのキャラクターの姿が同時に納まっている絵なのだろう。
 で、それを見た仲間うちで「どっちがアナで、どっちが雪の女王か?」の論争が勃発したのだそうだ。この論争は次第に拡大し始め、最初はおかずを賭けたりしてたレベルが殴り合いのケンカになり、やがては刑務所全体を巻き込むほどの大規模となったもよう。意見はほぼ真っ二つに割れ、片方だけで200〜300人規模の派閥闘争に。なかには「オレはこっちに全財産を賭ける!」と言い出す者まで現れた。アホです。アホアホすぎる世界です! ヾ(T∇T)ノ彡☆ギャハハ!!バンバン!!

 しかし、そこは外の世界の情報が遮断されてる空間。彼らには確認するすべがない。いや、正確には、例えば映画雑誌なら買えなくもない。だけどそこで稼げる賃金が少なすぎるため(映画雑誌が1000円くらいだとしたら、それを買うのに10ヵ月分くらいの稼ぎが必要となる)、そういうものを買おうとする者がいない。よってこの「アナ派?」「雪の女王派?」論争は長期化してしまう悪循環に陥ってしまったそうなのだ。
 数ヵ月が経っても収束に向かわぬ事態。これを見かねた刑務所側は、受刑者たちを集めて『アナと雪の女王』の上映会をやってくれたのだとか。かなりの(賭けていた)ブツが動いたもよう。
 なお、私も『アナと雪の女王』は見たことがなくて、今後も見る予定はない。だから仮に私が刑務所へ入るとして、もし「アナ雪論争」が続いていたとしても、受刑者の人たちの輪には入っていく資格があるということになります。

 

 
 ――そんな話を聞かせてくれたCさんですが、学生時代は奨学生だった。それも医療系の学校だから非常に高額。じつはKさんも医学生の経験があったのだが、親の反対を押し切ってその道へ進んだため、学費はすべてアルバイトで稼いでいた。しかし、とうとう払えなくなり、その道へ進むことを断念した経緯がある。だからCさんの立場もよくわかるのだ。

 Cさんはその返済が未だに残っている。だからこのたびの緊急事態宣言で仕事が激減した際、ウーバーイーツでもやろうかと言っていた。
 結局、Cさんが選んだのはAm●z●nの配達員。しかしその仕事を始めるためにクルマのレンタルやら数々の備品を自腹で払うことに。結果、1日13時間労働を2週間やって収支はやっとゼロになったんだそうで。
 もうちょっとやってたら黒字にはなっただろうけど、時給にすると1000円に満たない計算になるのでもうやらないそうです。あの配達員の方々、そんな割の合わない仕事されてるのね。

 
 
 よそじゃ聞けない話の数々。私は趣味が合うだけの関係なら、さほど興味は湧かなくなりました。まして寂しいからといって互いを慰め合うようなつき合いには断じてノーと言いたいです。
 でもKさんやCさんのように、他のジャンルにも精通してて勉強になる方々とお会いできる機会があるのは大いに有難いことだと思っています。

 ところで。
 K籐さんは本気でサインを欲しがってるのだろうか?
 サインなんて、どうすりゃいいんだ? 近藤真彦のサインなら描けそうなんですけど、それでカンベンしてもらおうか。
 
 

 

posted by umaiosetidayo at 09:58| 日記
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