玩具屋だよ～

2018年05月18日

食玩：ウルトラマンＡタイプ

今回は時代の産んだ一品のご紹介となります。

食玩：ウルトラマンＡタイプ

とてもいい出来のウルトラマンのソフビ人形となります。私は個人的に思うのはなぜＡタイプ？と言う疑問です。確かに個人的にはニヤリとするアイテムではありますが、食玩というカテゴリで出すモデルではなさそうな感じがします。現代のお子様はＣタイプ準拠のウルトラマンをベースにしたほうが良いのではないかと思っています。

大人に向けたものではかなりよく仕上がっており嬉しいチョイスでもありますが、食玩で？と言う疑問はかなりありますね。

さて造形の方はまんまＡタイプに準じた造形で平手のチョイスもＡタイプならではだと思います。体系的にも当時の中の人の体型に寄せてあり好感が持てますが、やはり製品特性上ややデフォルメ的なところも体型に出ています。これはある意味限界点での造形かと思われますので仕方がないと思います。

特徴的な顔の造形は完全にＡタイプであります。ラテックスの表面の再現も非常に高く素晴らしいですね。ミニサイズでここまでの造形情報の盛り込には本当に頭が下がります。個人的にはこのＡタイプの好きな所はこの顔の生々しさが良いと思っていますので嬉しいところであります。

胸板も厚みの再現等頑張っていますし、なんとなく模様の部分もＡタイプならではの造形となっています。足の部分や手の部分の境界線の処理もしっかりされていてこういった所は本当に作り慣れているんだなと感心いたしますね。銀色の塗料も艶めかしい輝きがとても綺麗で見ていて嬉しいと思います。

・・・・・・ただし先程から気になる所はありませんか？

そうなのです、こちら背中側が塗装省略されてます。背面の塗装に工程が一つ必要になるのでしょうか？すっかり塗られていません。足の一部と手の一部のみ塗装されていて後ろ姿に大変違和感があります。個人的にはミニサイズの塗装はしなくてもいいとは思っています。ただし中途半端な塗装は無塗装よりも違和感を感じてしまうと個人的には思います。

後ろから見たら別人？

個人的にはそうも見えるような感じがありますね。正面の素晴らしい造形が背面の塗装で死んでいるような気もしないわけではありません。やはり価格との兼ね合いでこうなってしまったのでしょうね。それともう一つ残念なところがあります。それは身体の模様のスジボリがあまり目立たなくなってしまったところです。塗装が減ってしまったのでスジボリに寄る境界線は大事な部分だと思います。元来ウルトラマンの模様は塗装での境界線で区切られていますが、おもちゃとしての手に取った境界線ということと塗装なしでも模様がわかるようにとの配慮ではっきりと支持ぼりや盛り上げが行われていたように感じます。

さて本品はどうでしょうか？見た目には目を凝らさないと見えないスジボリと背面無塗装・・・・これはただの『赤い人形』となってはいないでしょうか？やはり塗装で再現できない部分は何かしらの立体表現で境界線をもたせた方がおもちゃとしての存在感が増すのではないかと思います。やはり手にとって補完できる部分をおもちゃとしては残して欲しいところだと思います。